絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

40 / 173
久しぶりにカラオケ行きたいなぁ・・・

μ'sやAqoursの曲を思いっきり歌いたい・・・


気合いを入れ過ぎると空回りするものである。

 そして迎えた土曜日・・・

 

 「じゃーん!」

 

 「・・・一体何がどうしたの?」

 

 もの凄く奇抜な格好をしている千歌さんを見て、ドン引きしている梨子さん。

 

 東京に行くからって、気合い入りすぎだろ・・・

 

 「内浦から東京へ行くなんて、一大イベントだもん!お洒落しちゃった♪」

 

 「ピエロのコスプレにしか見えないんですけど」

 

 「酷い!?」

 

 ショックを受けている千歌さん。

 

 っていうかこれ、確実に美渡さんの入れ知恵だろうな・・・美渡さんが『十千万』の玄関口で、爆笑しているのが何よりの証拠だ。

 

 まぁ美渡さんのことは置いといて、問題なのは・・・

 

 「ちゃ、ちゃんとしてるかな・・・?」

 

 「こ、これで渋谷の険しい谷も大丈夫ずらか・・・?」

 

 仰々しい格好のルビィと花丸だった。

 

 花丸に関しては、ヘルメットを被ってつるはしとか持ってるし・・・お宝でも探しに行く気なんだろうか。

 

 「・・・ルビィも花丸も、普通の服に着替えてきなさい」

 

 「ぴぎぃっ!?」

 

 「で、でも渋谷の険しい谷が・・・!」

 

 「渋谷は険しくないし谷じゃないから。あとそこのピエロも着替えて下さい」

 

 「ピエロって言わないでくれる!?」

 

 そう言いつつも、ルビィや花丸と一緒に着替えに行く千歌さん。

 

 と、梨子さんが俺の袖をくいくいっと引っ張った。

 

 「天くん、本当に良いの?『東京には行かない』って言ってたのに・・・」

 

 「えぇ。果南さんが良いって言うので、お言葉に甘えようかなって」

 

 苦笑する俺。

 

 「ホント・・・ずるい人だよな」

 

 「ずるい?」

 

 「こっちの話です。それより・・・やっぱり梨子さんは、私服姿も可愛いですね」

 

 「なっ!?」

 

 顔が赤くなる梨子さん。

 

 「そ、そういうことを真顔で言わないでっ!」

 

 「本心なんですけど」

 

 「梨子、いい加減慣れた方が良いですよ」

 

 海未ちゃんが苦笑しながらやってくる。

 

 「天は人を褒めるのに、一切照れたりしませんから。むしろ褒められた方が照れてしまうんですよね」

 

 「海未ちゃんを褒めた記憶は一切無いけどね」

 

 「嘘でしょう!?『海未ちゃんは本当に可愛いね。俺のお嫁さんになってよ』って言ってくれたじゃないですか!?」

 

 「それは確実に言ってないわ」

 

 サラッと事実を捏造したよこの人・・・

 

 「ところで海未ちゃん、今までどこ行ってたの?」

 

 「ちょっと志満さんに挨拶してました」

 

 「おはよう天くん」

 

 海未ちゃんの後ろから、女神様が現れた。

 

 「おはようございます、志満さん。結婚して下さい」

 

 「いきなりプロポーズですか!?」

 

 「フフッ、そんなに私のことが好き?」

 

 「会いたくて会いたくて震えるくらい好きです」

 

 「西●カナじゃないですか!?」

 

 「ありがとう、凄く嬉しいわ。私も会えない時間にも愛しすぎて、目を閉じればいつでも天くんがいるくらい好きよ」

 

 「それも西野●ナですよねぇ!?」

 

 海未ちゃんのツッコミが響き渡る。

 

 と、着替え終わった千歌さん達が『十千万』から出てきた。普通の私服姿になっている。

 

 「結局、いつもの服になってしまったずら・・・」

 

 不安げな花丸。俺は花丸の頭を撫でた。

 

 「その服の方が似合ってるよ。花丸は可愛いんだから、服のチョイスさえ間違わなきゃ大丈夫だって」

 

 「か、可愛っ・・・!?」

 

 赤面する花丸。純粋だなぁ・・・

 

 「なるほど・・・海未先生の言った通りですね」

 

 「でしょう?ああやって素直に人を褒めることが出来るのは、天の良いところではあるのですが・・・無自覚にフラグを立てやすいのが問題でして」

 

 「・・・納得です」

 

 何やらヒソヒソ話し合っている梨子さんと海未ちゃん。よく聞こえないが、もの凄く心外なことを言われている気がする。

 

 「ねぇねぇ天くん、私は!?私は可愛い!?」

 

 「はいはい、可愛い可愛い・・・おっ、ルビィもその服の方がよく似合ってるじゃん」

 

 「えへへ、そうかな?」

 

 「何で私だけ扱いが違うの!?」

 

 抗議してくる千歌さんは放置して、ただただルビィを愛でる。

 

 ホント、この子を妹にしたくて仕方ないわぁ・・・

 

 「じゃあ、そろそろ車出すわね」

 

 「ありがとうございます、志満さん。ついでに美渡さんも」

 

 「ついでって何よ!?」

 

 美渡さんのツッコミ。

 

 曜さんや善子とは沼津駅で待ち合わせている為、俺達は志満さんと美渡さんに車で沼津駅まで送ってもらうことになっていた。

 

 「さて、沼津駅に向かいましょうか」

 

 俺がそう言ったところで、俺のスマホに着信が入った。

 

 

 

 『できる~!できる~!キミならできる~!』

 

 

 

 「まだ着信音それだったの!?」

 

 梨子さんのツッコミはスルーして、着信相手を確認すると・・・あれ、曜さん?

 

 「もしもし?」

 

 『もしもし天くん!?』

 

 「曜さん?どうしたんですか?」

 

 『お願いだから早く来て!これ以上は私の精神がもたない!』

 

 「え・・・?」

 

 切羽詰った様子の曜さんの声に、首を傾げる俺なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「ククッ・・・魔都にて堕天使ヨハネが、冥府よりリトルデーモンを召喚しましょう」

 

 「・・・何あれ」

 

 沼津駅に着いた俺達は、石像の前で堕天使ポーズを決める善子を見て呆れていた。

 

 いつもの堕天使の衣装だけでは飽き足らず、白塗りの顔に赤い付け爪とか・・・もうデ●モン閣下にしか見えない。

 

 「天くーんっ!」

 

 「うおっ!?」

 

 涙目で駆け寄ってきた曜さんが、俺に抱きついてくる。

 

 「もう限界だよ!善子ちゃんの隣にいるだけでもの凄く注目されるし、スマホでメッチャ撮影されるし!私の精神がもたないよ!」

 

 「・・・お疲れ様です」

 

 曜さんの頭を撫でる。

 

 皆からも曜さんに同情の視線が向けられる中、善子はさらに演説を続けていた。

 

 「私の名は・・・堕天使ヨハネッ!」

 

 「「「「「キャーッ!?」」」」」

 

 突然の叫びにビックリした周囲の人達が、一目散に逃げて行く。

 

 完全に怖がられてんじゃん、善子・・・

 

 「フッ・・・私の闇の力に恐れをなしたか。下劣で下等な人間共め」

 

 「“クラ●チ”」

 

 「ギャアッ!?」

 

 善子の背後から、首の関節をきめにかかる。

 

 「痛い痛い!ちょ、天!?ギブギブ!」

 

 「どうも、懸賞金一億三千万ベリーの“悪魔の子”です」

 

 「どこのロ●ンよ!?ホントにヤバいから!首がミシミシいってるから!」

 

 「アンタだけは・・・落とすッ!」

 

 「意識が落ちちゃうから止めて!?」

 

 「それだけで済むと良いね」

 

 「嫌ああああああああああっ!?」

 

 悲鳴を上げる善子なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「うぅ、首が痛い・・・」

 

 「自業自得だよ」

 

 涙目で首を擦る善子を、冷たい目で見る俺。

 

 志満さんと美渡さんに見送られた俺達は電車に乗り、東京へと向かっていた。出発する直前にむつさん・いつきさん・よしみさんも来てくれて、差し入れにのっぽパンをくれたのだった。

 

 ありがたいことだよな・・・

 

 「のっぽパン美味しいずら~!」

 

 「食べ過ぎないでね」

 

 美味しそうにのっぽパンを頬張る花丸に、念の為釘を刺しておく。

 

 花丸の場合、全てののっぽパンを食べ尽くしてしまいかねないからな・・・

 

 「東京に着いたらどこに行こっか!?」

 

 「私はメイドカフェに行ってみたいな!メイドさんの衣装が見たい!」

 

 「ルビィはスクールアイドルショップに行きたいです!」

 

 「すっかり観光気分だし・・・」

 

 溜め息をつく俺。梨子さんと海未ちゃんが苦笑している。

 

 「まぁまぁ、少しくらい良いじゃない」

 

 「そうですよ。せっかく東京に行くんですから」

 

 「・・・ハァ」

 

 これじゃ先が思いやられるな・・・

 

 「あ、私トランプ持ってきたんだった!皆でやらない!?」

 

 「よし、大富豪やりましょう。負けた人は罰ゲームで」

 

 「天くんが一番ノリノリじゃない!?」

 

 梨子さんのツッコミ。隣では海未ちゃんが苦笑している。

 

 「よーし!カード配っていくよー!」

 

 「フッ・・・このヨハネに勝負を挑もうとは、良い度胸ね」

 

 「いや、善子にだけは負ける気がしないんだけど」

 

 「何でよ!?」

 

 「だって善子、上条●麻さんばりの不幸体質じゃん」

 

 「その幻想をぶち殺すッ!」

 

 結果として不幸体質は幻想ではなく、本当に一度も勝つことの出来ない善子なのだった。




どうも~、ムッティです。

この間電車に乗っていたら、自分の斜め右前に座っていたおじいさんと、自分の斜め左前に座っていたおばさんが同じ駅で降りたんですね。

その瞬間、自分の正面に座っていたおじさんが大きな声で一言・・・



『あー、臭かったッ!』



どうやらこのおじさん、デリカシーというものをどこかに置いてきてしまったみたいです(笑)

まぁ電車に乗ってると、匂いが気になる人とかいますけども。

それにしたって、電車内で大声で叫ばなくても・・・

そして臭かったのは、おじいさんとおばさんのどちらだったのか・・・

そんなことが気になったのでした(笑)

全く関係ない話ですみません(笑)

次の話は明日投稿します。

それではまた次回!以上、ムッティでした!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。