メッセージ性の強い、心に響く曲ですよね。
「こ、ここが海未先生の実家・・・」
唖然としている千歌さん。
武家屋敷のような趣のある古風な家を前に、皆思わず固まってしまっていた。
「何だかウチと似てて、親近感が湧くなぁ」
「黒澤家もこんな感じだもんね」
ルビィとそんな会話をする。
初めて黒澤家にお邪魔した時、『まるで園田家だな』って思ったっけなぁ・・・
「とりあえず入りましょうか」
そう言ってインターホンを押そうとすると、その前にドアが開いた。中から着物姿の女性が出てきて、俺達を見て首を傾げる。
「あら?ウチに何か御用ですか?」
「あ、えーっと・・・」
「お久しぶりです、波未さん」
頭を下げる俺。波未さんは俺を見ると、顔をパァッと輝かせた。
「まぁ、天さん!お久しぶりです!」
「お元気そうで何よりです。お変わりないですか?」
「えぇ、おかげさまで。天さんもお元気そうで安心しました」
波未さんと談笑していると、梨子さんに袖を引っ張られた。
「そ、天くん・・・こちらの方は・・・?」
「あぁ、すみません。こちらは園田波未さん、海未ちゃんのお母さんです」
「初めまして」
微笑みながら一礼する波未さん。相変わらず作法が綺麗だなぁ・・・
「お、お母さん!?海未先生の!?」
「お姉さんじゃなくて!?」
「フフッ、そう言っていただけると嬉しいです」
皆の驚きように、口元に手を当てて嬉しそうに笑う波未さん。
まぁ確かに、波未さんと海未ちゃんって似てるもんなぁ・・・しかも波未さんは若く見えるし、俺も最初は海未ちゃんのお姉さんだと勘違いしたっけ・・・
そんなことを思い出していると、家の中から海未ちゃんが出てきた。
「お母様、何かあったのですか・・・って、皆もう着いてたんですね」
「遅くなってゴメンね、海未ちゃん。ちゅんちゅんとイチャイチャしててさ」
「ことりと会ったんですか!?あの子はまた抜け駆けを・・・!」
「あと、ツンデレ姫と戯れてた」
「真姫まで!?ズルいです!」
「『ちゅんちゅん』と『ツンデレ姫』で通じるんだ・・・」
呆れている曜さん。まぁμ'sのメンバーなら、大体ニュアンスで通じるからな。
「海未、こちらの方々が浦の星の・・・?」
「えぇ、そうです」
「まぁ、いつもウチの海未がお世話になってます」
「い、いえ!こちらこそ!」
慌てて頭を下げる皆。俺も波未さんに一礼した。
「すみません波未さん、大勢で押しかけてしまって・・・」
「フフッ、天さんとそのお友達ならいつでも大歓迎です」
ニッコリ笑う波未さん。
「それでは、私は夕飯のお買い物に行ってきます。どうぞ自分の家だと思って、ゆっくり寛いで下さいね」
「ありがとうございます」
「海未、皆さんに家の中を案内して差し上げて」
「はい、お母様」
波未さんは微笑むと、そのまま買い物へと出かけていった。
「いやぁ、波未さんは相変わらず綺麗だねぇ・・・結婚しよ」
「出来ませんよ!?人妻ですからね!?」
「アハハ、冗談だよ」
「私でしたら結婚出来ますよ?」
「・・・ごめんなさい」
「ガチトーンで断るの止めてもらえます!?」
「この二人、本当に仲良しずらね・・・」
「「「「「確かに・・・」」」」」
苦笑する花丸の言葉に、同じく苦笑しながら頷く皆なのだった。
*****
「美味しかったずら~♪」
幸せそうに寝そべる花丸。園田家で夕飯をご馳走になった俺達だったが、その豪華さに全員が大満足だった。
流石は波未さん、料理も上手とか完璧すぎる。
「俺、料理が得意な人と結婚するんだ・・・」
「じゃあ私しかいませんね」
「ちょっと何言ってるか分かんない」
「何でですか!」
全く、海未ちゃんときたら・・・
「ところで海未ちゃん、俺は今夜どこで寝たら良いの?」
海未ちゃんに尋ねる俺。俺達は今大部屋にいるのだが、ここはAqoursの皆に用意された場所だ。
俺はどこか余っている部屋にでも・・・
「ここですけど?」
「寝言は寝て言え、ラブアローシューター」
「その呼び方止めてもらえます!?」
何言ってんのこの人。年頃の男女を同じ部屋で寝かせる気なの?
「あのね海未ちゃん、皆の気持ちを考えよう?男と一緒に寝るなんて、皆嫌に決まってるでしょ?」
「私は構わないよ?」
「私も大丈夫だけど?」
キョトンとした顔で言う千歌さんと曜さん。いやいやいや・・・
「マルも平気ずら」
「ルビィも天くんだったらオッケーだよ」
花丸とルビィもそんなことを言い出す。いやいやいやいや・・・
「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど・・・まぁ天くんなら・・・」
「クックックッ・・・我がリトルデーモンに添い寝をしてやるのも、主であるヨハネの使命・・・感謝するが良いぞ?」
「また“ク●ッチ”されたい?」
「すいませんでした!」
梨子さんと善子まで・・・この人達の貞操観念はどうなってるんだ・・・
「まぁ、天が嫌だというなら仕方ありません。私と一緒に私の部屋で寝ましょう。そして二人で、いつものように熱い夜を・・・!」
「ここで寝ます」
「ちょっと!?」
海未ちゃんのツッコミ。『熱い』夜なんて過ごした覚えないわ。
海未ちゃんに抱き枕代わりにされて、『暑い』夜を過ごした覚えならあるけど。
「じゃあ私もここで寝ます!私だけ仲間外れは嫌です!」
「よーし!皆で仲良く一緒に寝よー!」
「「「「「おー!」」」」」
テンションの上がっている皆。俺と梨子さんは顔を見合わせ、思わず苦笑してしまった。
と、千歌さんが海未ちゃんの方を見る。
「そういえば海未先生、ここから音ノ木坂って近いんですか?」
「えぇ、近いですよ。私は徒歩で通学してましたし」
「案内してもらえませんか!?」
目をキラキラと輝かせている千歌さん。
μ'sファンにとって、音ノ木坂は是非とも行きたい場所なんだろうな・・・
「案内するのは構いませんが・・・今から行くんですか?もう夜ですし、お風呂にも入ってしまいましたよ?」
「はい!行ってみたいです!」
「ルビィも行きたい!」
「賛成であります!」
「大丈夫ずら・・・?東京の夜は物騒じゃないずらか・・・?」
「ククッ、夜こそヨハネの活動時間・・・恐れるものなど何も無いわ!」
「この辺りって夜になるとお化けが出るらしいよ」
「ひぃっ!?」
俺にしがみつく善子。メッチャ怖がってんじゃん・・・
と、梨子さんが何やら浮かない顔をしていた。
「梨子さん?どうしました?」
「えっ?あっ、ううん・・・何でもない」
慌てて笑顔を見せる梨子さん。
「千歌ちゃん、ゴメン。私は遠慮しておくね」
「梨子ちゃん・・・?」
「先に寝てるから。皆で行ってきて」
梨子さんはそう言うと立ち上がり、大部屋から出て行った。
どうしたのかな・・・
「・・・やっぱり俺達も寝ませんか?明日の朝は早いですし」
「・・・そうしよっか」
苦笑する千歌さん。音ノ木坂に行ってみたい気持ちはあるようだが、梨子さん抜きで行くつもりはないようだ。
こういう仲間思いなところは、千歌さんの良いところだと思う。
「とりあえず布団敷きましょう。寝る場所を確保しないと」
「では、私は天の隣で」
「あ、間に合ってます」
「間に合ってるって何ですか!?」
「ちょっと海未先生!リトルデーモンに添い寝するのはヨハネの役目よ!」
「そこの堕天使もどきもちょっと黙って」
「もどきって何よ!?」
「しょうがないなー。天くん、私の隣に来ることを許してあげよう」
「ピッチャー、第一球を投げました」
「ふがっ!?」
千歌さんの顔面に枕を叩き込む。一撃で沈む千歌さん。
「天くんって、相手が女の子でも容赦ないよね・・・」
「男女平等だからね」
「こういう場面で使う言葉じゃないよねぇ!?」
ルビィのツッコミ。海未ちゃんが苦笑している。
「天は昔からそうでしたね・・・私達が相手でも容赦ありませんでした。ことりと花陽は例外でしたけど」
「あの二人は天使だもん。それ以外は悪魔だけど」
「誰が悪魔ですかっ!」
「昔から、か・・・」
何やら呟いている曜さん。
憂いを帯びたその表情に、俺は曜さんのことが心配になるのだった。
どうも~、ムッティです。
今回は海未ちゃんのお母さんが登場しましたね。
アニメでは映画で一瞬だけ出てきましたが、果たして名前は何というのか・・・
この作品では、勝手にオリジナルの名前をつけてしまいました。
だいぶ迷いまして、最初は『すずこ』にしようかと思ってました(笑)
最終的に、海といえば波・・・じゃあ『波未(なみ)』で、となりました(笑)
名前を考えるって難しいですね。
さて、何やら曜ちゃんの元気がありませんが・・・
果たしてどうなるのか・・・
次の話は明日投稿します。
それではまた次回!以上、ムッティでした!