絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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『ソードアート・オンライン』が観たい・・・

10月からまた放送が始まるし、前回までの話を見返したい・・・


チャンスは全力で掴みにいくべきである。

 「花火大会ですか?」

 

 「うん。私達に出てほしいんだって」

 

 翌日・・・『十千万』のロビーにて、俺に説明してくれる曜さん。

 

 近々沼津で花火大会が開かれるそうなのだが、運営側から『参加してくれないか』という打診があったらしい。花火大会のステージで、パフォーマンスを披露してほしいのだそうだ。

 

 「沼津の花火大会っていったら、ここら辺じゃ一番のイベントなんだよ。そこからオファーが来たっていうのは、私達にとってはチャンスだと思う」

 

 「ふぁふふぁふぉふぃっふぇふぉふぁうふぃふぁふぃふぃふぁんふふぁふぇ」

 

 「花丸、のっぽパン食べながら話すの止めて。何かの呪文みたいになってるから」

 

 「ゴックン・・・Aqoursを知ってもらうには一番ずらね」

 

 「それが言いたかったのね・・・」

 

 呆れる俺。っていうか、相変わらずよく食べるな・・・

 

 「でも、今からじゃあんまり練習時間無いよね」

 

 ルビィがそんなことを言う。

 

 花火大会の開催日は、およそ二週間後らしい。今から曲や衣装を作って、振り付けも考えると・・・

 

 かなりタイトなスケジュールになるだろうな。

 

 「私は、今は練習を優先した方が良いと思うけど・・・」

 

 遠慮がちに意見を出す梨子さん。

 

 梨子さんとしても出たいのは山々だろうけど、無理をしてまで出るべきではないという考えなんだろう。

 

 「天くんはどう思う?」

 

 「個人的な意見を言わせてもらうなら、出るべきだと思いますよ」

 

 素直な意見を述べる俺。

 

 「曜さんの言う通り、今回のオファーはAqoursにとってチャンスだと思います。タイトなスケジュールになることは間違いないですけど、不可能ではないですから。やらずに後悔するくらいならばやって後悔したい生涯。蛹はいつか希望を胸にso fly」

 

 「途中から『sa●agi』の歌詞よねぇ!?『銀●』のエンディングテーマよねぇ!?」

 

 「梨子さん、よく知ってましたね・・・」

 

 俺が不覚にも感動を覚えていると、曜さんが千歌さんに視線を向けた。

 

 「千歌ちゃんはどう思う?」

 

 「私は出たいかな!」

 

 屈託の無い笑みを浮かべる千歌さん。

 

 「今の私達の全力を見てもらって、それでダメだったらまた頑張る。それを繰り返すしかないんじゃないかな」

 

 「千歌さん・・・」

 

 どうやら東京のイベントをキッカケに、千歌さんは一皮剥けたようだ。迷いが無くなったし、良い意味で吹っ切れている。

 

 「ヨーソロー!賛成であります!」

 

 「ギランッ!」

 

 「あ、善子いたの?」

 

 「最初からいたわよ!」

 

 善子のツッコミ。どうやらずっと長椅子に寝そべっていたらしい。

 

 「ふぉふぃふぉふぁん、ふぁふぇふふふふぃふふぁ」

 

 「花丸、ボッシュート」

 

 「ずらぁっ!?マルののっぽパンがぁっ!?」

 

 「ちょっとずら丸!『善子ちゃん、影薄過ぎずら』なんて酷いじゃない!」

 

 「何で善子は普通に理解出来てんの・・・はむっ」

 

 「ずらあああああっ!?」

 

 花丸からボッシュートしたのっぽパンをかじる。何これ美味くね?

 

 「天くん!?何で食べちゃうずら!?」

 

 「そこにのっぽパンがあるから」

 

 「某登山家の名言をパクるのは止めるずら!」

 

 「っていうか、普通に間接キスなんじゃ・・・」

 

 ルビィがちょっと恥ずかしそうに何かを言っているが、花丸がギャーギャーうるさいのでよく聞こえなかった。

 

 全く、花丸のヤツめ・・・

 

 「マルののっぽパンを返すずら!」

 

 「それよりずら丸!ちょっと表出なさい!ヨハネの堕天使奥義で・・・」

 

 「えいっ」

 

 「むぐぅっ!?」

 

 「ずらああああああああああっ!?」

 

 善子の口にのっぽパンを突っ込む俺。

 

 悲鳴を上げる花丸なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 翌朝・・・

 

 「ここの階段はしんどいなぁ・・・」

 

 日課のランニングコースに含まれている、淡島神社の階段を上る俺。

 

 神田明神の比ではない長さの階段を、何とか上り終えようとした時・・・

 

 「復学届、提出したのね」

 

 聞き覚えのある声が聞こえ、思わず足を止める。今の声って・・・

 

 「まぁね」

 

 またしても聞き覚えのある声だ。

 

 側にあった木の陰に隠れ、恐る恐る様子を窺ってみると・・・神社の前で、小原理事長と果南さんが会話しているところだった。

 

 「やっと逃げるのを諦めた?」

 

 「勘違いしないで。学校を休んでいたのは、怪我をしたお父さんの代わりに店を手伝う為・・・スクールアイドルは関係無い」

 

 小原理事長の問いに、冷たく返す果南さん。

 

 そういや、そろそろ果南さんのお父さんが復帰出来そうなんだっけ・・・近々復学出来そうだって、アルバイトの時に果南さんが言ってたよな・・・

 

 「それに復学しても、スクールアイドルはやらないから」

 

 「私の知っている果南は、どんな失敗をしても笑顔で次に向かって走り出していた。成功するまで諦めなかった」

 

 果南さんに語りかける小原理事長。

 

 もしかしなくても、二年前の東京のイベントで果南さんが歌えなかったことを言ってるんだろう。

 

 「だからもう一度スクールアイドルをやれって?高校卒業まで一年も無いのに?」

 

 「それだけあれば十分じゃない。それに、今は後輩だっているんだから」

 

 「止めて」

 

 小原理事長を睨みつける果南さん。

 

 「千歌達は必死で頑張ってるの。利用するような真似は許さない」

 

 「果南・・・」

 

 「・・・もう止めて。どうして留学から戻ってきたの?」

 

 悲しそうな表情を浮かべる果南さん。

 

 「私は・・・戻ってきてほしくなかった」

 

 「っ・・・ホント、相変わらず果南は頑固ね・・・」

 

 笑みを浮かべる小原理事長だったが、強がっていることは明白だった。

 

 そしてそんな小原理事長の様子に、果南さんが気付かないはずもなく・・・

 

 「もう・・・貴女の顔、見たくないの」

 

 トドメの一言を放つ。絶句して何も言えない小原理事長に背を向け、階段を下りていく果南さん。

 

 今のはキツい一言だったな・・・

 

 「・・・もう隠れる必要は無いわよ」

 

 沈黙の後、俺が隠れている方に視線を向ける小原理事長。

 

 「いるんでしょう?天」

 

 どうやらバレていたようだ。仕方なく出て行く俺。

 

 「乙女の会話を盗み聞きするなんて、悪い子ね」

 

 「乙女(笑)」

 

 「何で笑ってるのよ!?」

 

 「いや、どこに乙女がいるのかなって」

 

 「目の前にいるでしょうが!」

 

 「・・・ハッ」

 

 「鼻で笑われた!?」

 

 ショックを受けている小原理事長。冗談はこれくらいにして・・・

 

 「ずいぶんキツい一撃をもらいましたね。ダメージ大きいんじゃないですか?」

 

 「・・・まぁね。とはいえ、私に文句を言う資格なんて無いわ」

 

 寂しそうな表情の小原理事長。

 

 「貴方を脅した上、あの子達を利用したんだもの。当然の報いよ」

 

 「全くもってその通りですね。ざまぁみやがれ」

 

 「まさかの追い討ち!?少しはフォローするところじゃないの!?」

 

 「被害者が加害者をフォローできるとでも?」

 

 「すいませんでした」

 

 素直でよろしい。まぁそれはさておき・・・

 

 「小原理事長、一つ聞きたいんですけど・・・二年前の東京のイベントで、果南さんが歌えなかったっていうのは本当なんですか?」

 

 「・・・よく知ってるわね」

 

 溜め息をつく小原理事長。

 

 「本当よ。歌うこともせず、踊ることもせず・・・ステージの上で固まっていたわ。会場の雰囲気に呑まれてしまったんでしょうね」

 

 「呑まれた、ねぇ・・・」

 

 果南さんの性格を考えると、とてもそうは思えない。ましてや一人ではなく、ダイヤさんと小原理事長も一緒だったのだ。

 

 それで挫折してスクールアイドルをやめるなんて、どうしても信じられないんだよなぁ・・・

 

 「それで?これからどうするつもりなんですか?」

 

 「決まってるじゃない。意地でも果南にスクールアイドルをやらせるわ」

 

 覚悟を決めた表情の小原理事長。

 

 「一筋縄でいかないことなんて、最初から分かってたもの。こんなところで諦めるくらいなら、留学から帰ってきたりしないわ」

 

 「・・・言うと思いましたよ」

 

 溜め息をつく俺。

 

 果南さんも頑固だけど、この人も大概だよな・・・

 

 「まぁ・・・精々悔いの無いように頑張って下さい」

 

 「そうするわ。ありがとう」

 

 小さく笑う小原理事長。

 

 「・・・相変わらず優しいわね。昔と全然変わってない」

 

 「・・・失礼します」

 

 くるりと背を向け、階段を下りる俺。

 

 この人が相手だと、どうにも調子が狂ってしまう。

 

 「・・・さて」

 

 ポケットからスマホを取り出し、ある人物へと電話をかける。

 

 数回コールした後、その人物は電話に出てくれた。

 

 『もしもし?天?』

 

 「おはようにこちゃん。朝早くにゴメンね」

 

 そう、電話の相手はにこちゃんだ。起きててくれて良かった・・・

 

 『全然構わないけど、珍しいじゃない。天が電話してくるなんて』

 

 「色々あってね」

 

 俺は苦笑すると、早速本題に入るのだった。

 

 「にこちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ・・・」




どうも〜、ムッティです。

そういえば、全然触れませんでしたけど・・・

梨子ちゃん、ルビィちゃん、誕生日おめでとう!

っていうか、二人の誕生日近いな(゜ロ゜)

誕生日記念とかで、短編を書いてみるのも面白そうですよね。

まぁその前に、もっと早く本編を進めろよっていう話なんですが(笑)

さてさて、天はにこちゃんに何を聞いたのか・・・

次の話は明日投稿します。

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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