絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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映画『HELLO WORLD』を観てから、OKAMOTO'Sの『新世界』とOfficial髭男dismの『イエスタデイ』をメッチャ聴いてます。

もう一度観に行きたいなぁ・・・


なりふり構っていられない時もある。

 翌日・・・

 

 「えぇっ!?果南ちゃん、今日から復学するの!?」

 

 「みたいですよ」

 

 朝のホームルーム前、俺は二年生の教室のベランダで千歌さん・曜さん・梨子さんと話をしていた。

 

 果南さんの幼馴染である千歌さんと曜さんも、復学については知らされていなかったようだ。

 

 「全然知らなかった・・・何で教えてくれなかったのかな・・・」

 

 「驚いた顔が見たかったんですって」

 

 「そんな理由!?」

 

 曜さんのツッコミ。

 

 まぁある意味、果南さんらしいかもしれないな・・・

 

 「・・・また喧嘩にならないといいけど」

 

 「天くん?」

 

 俺の呟きに首を傾げる梨子さん。

 

 その時、上から何かが降ってきた。

 

 「「「え?」」」

 

 制服だった。浦の星のものではなく、恐らく衣装用の制服だろう。俺達の目の前を、ヒラリヒラリと落ちていく。

 

 俺・千歌さん・梨子さんの声がハモる中、曜さんの目がキラッと光り・・・

 

 「制服ううううううううううっ!」

 

 勢いよく飛びついた。ベランダから身を放り投げる形で。

 

 「「ダメええええええええええっ!?」」

 

 咄嗟に曜さんの足を掴む千歌さんと梨子さん。そのおかげで、曜さんはベランダから落ちずに済んだ。

 

 「何やってんだアンタ!?バカなの!?死にたいの!?」

 

 「・・・あっ」

 

 我に返った曜さん。

 

 危ねぇ、マジで心臓止まるかと思った・・・

 

 「ゴ、ゴメン・・・制服を見たから、つい反射的に・・・」

 

 「どんな病気!?頭冷やせバカ曜!」

 

 最早タメ口で罵倒していたが、気にしている余裕も無かった。

 

 と、千歌さんと梨子さんがプルプル痙攣している。

 

 「ちょ、ヤバい・・・曜ちゃん重い・・・!」

 

 「千歌ちゃん!?その言葉は結構グサッとくるんだけど!?」

 

 「曜さん、体重何キロあるんですか?」

 

 「えーっとね・・・って何言わせようとしてるの!?女の子に体重を聞かないのっ!」

 

 「とりあえず、胸についてる二つの重りを取ったら軽くなるんじゃないですか?」

 

 「あぁ、なるほど・・・って取れないよ!?しかも何気にセクハラ発言だよねぇ!?」

 

 「も、もう無理・・・天くん、手伝って・・・!」

 

 歯を食い縛っている梨子さん。

 

 俺としても手伝いたいのは山々なのだが・・・

 

 「いや、俺はあまり曜さんの方を見ない方が良いかなって」

 

 「え、何で?」

 

 「・・・色々と丸見えなんで」

 

 「っ!?」

 

 そう、千歌さんと梨子さんは曜さんのふくらはぎの辺りを持っている。

 

 逆さ吊り状態になっている曜さんのスカートは必然的に捲りあがり、パンツが丸見えの状態になっているのだ。

 

 しかも上も捲れているので、ブラに包まれた胸まで見えている状況である。

 

 「うわあああああっ!?今の私完全に痴女じゃん!?朝の学校で色々丸出し状態とか、ただの変態じゃん!?」

 

 「女子校で良かったですね。共学だったら男子生徒にも見られてましたよ」

 

 「ここにも男子生徒が一名いるんですけど!?この状況をどう思われます!?」

 

 「御馳走様です」

 

 「嫌ああああああああああっ!?」

 

 悲鳴を上げる曜さん。ジタバタ暴れ始める。

 

 「ちょ、曜ちゃん!?本当にヤバいから!腕が結構限界だから!」

 

 「もうなりふり構ってられないわ!天くん、曜ちゃんのあられもない姿を見ても良いから手伝って!」

 

 「ちょ、梨子ちゃん!?」

 

 「我慢して曜ちゃん!今は羞恥心より、曜ちゃんの安全の方が大事よ!」

 

 「流石は梨子ちゃん!何度も天くんにパンツ見られただけのことはあるね!」

 

 「千歌ちゃん!?後でしばくわよ!?」

 

 「コラコラ、余計な話をしてる場合じゃないでしょう。早く曜さんを助けないと」

 

 「「「誰のせいだと思ってるのっ!」」」

 

 何故か三人から怒られた。解せぬ。

 

 「まぁそういうわけなんで、我慢して下さい曜さん」

 

 「うぅ、背に腹は代えられないのかっ・・・!」

 

 諦めた様子の曜さん。

 

 俺は曜さんを引き上げる為にベランダから身を乗り出し、下着丸見え状態になっている曜さんの両太ももを掴んだ。

 

 「ひゃんっ!?」

 

 「そこの露出狂、変な声出さない」

 

 「誰が露出狂!?っていうか、どこ触ってんの!?」

 

 「千歌さんと梨子さんがふくらはぎ持ってるんですから、太ももを持つしかないでしょう・・・はい、引き上げますよ」

 

 曜さんの身体を少しずつ引き上げていく。

 

 っていうか、太もも柔らかいな・・・膝枕とかしてもらったら気持ち良さそう・・・

 

 「あっ・・・んっ・・・」

 

 「・・・朝の学校でどんな声出してるんですか」

 

 「し、仕方ないでしょ!?天くんが変なところ触るから・・・あんっ」

 

 「ちょ、ホント止めて。何か色々ヤバそうだから」

 

 何とか半分ほど引き上げることに成功したので、今度は曜さんの腰に手を回して思いっきり引き上げる。

 

 ようやく完全に引き上げることに成功したが、曜さんは耳まで真っ赤になってベランダの端っこに座り込んでしまった。

 

 「うぅ、天くんに至近距離で下着を見られた・・・しかも身体をじっくり触られて、辱められた・・・私、もうお嫁にいけない・・・」

 

 「じゃあ一生独身ですね」

 

 「そこは『責任取ります』っていうところじゃないの!?」

 

 「え、俺と結婚したいんですか?」

 

 「っ!天くんのバカっ!」

 

 ぷいっと顔を背ける曜さん。

 

 あれ、昨日も似たようなことがあったような・・・

 

 「し、死ぬかと思った・・・」

 

 「まだ腕がプルプルしてるわ・・・」

 

 その一方で、ゼェゼェ息を切らしている千歌さんと梨子さん。お疲れ様です。

 

 「ところで曜さん、その制服見せてもらっていいですか?」

 

 「あっ、そういえば・・・」

 

 握り締めていた制服に目をやる曜さん。

 

 やはり衣装用の制服・・・ということは、恐らくスクールアイドル用・・・

 

 それが上から落ちてきたということは・・・

 

 「この上って、確か三年生の教室ですよね?」

 

 「そうだよ。でも、何で制服が?」

 

 首を傾げている千歌さん。俺は何となく想像が出来てしまった。

 

 「・・・絶対揉めてるよなぁ」

 

 思わず溜め息をついてしまう。

 

 恐らく小原理事長が復学した果南さんに、再びスクールアイドルの件を持ち出したんだろう。その際に制服を果南さんに見せ、怒った果南さんが制服をベランダから投げ捨てた・・・

 

 うん、こんなところだろうな。

 

 「今頃教室では、喧嘩になってるんだろうなぁ・・・」

 

 「天くん、さっきから何の話をしてるの?」

 

 「まるでダメな女達、略してマダオ達をどうしようかなって」

 

 「ホントに何の話をしてるの!?」

 

 梨子さんのツッコミ。

 

 まぁ、とりあえず様子を見に行ってみるか・・・

 

 「ちょっと三年生の教室に行ってきます。多分騒ぎになってると思うんで」

 

 「よく分かんないけど・・・私も行くよ!」

 

 「私も行くわ。何が起きてるか知りたいし」

 

 「制服を捨てるなんて許せない!抗議しに行くであります!」

 

 「千歌さん、梨子さん、露出狂の曜さん・・・」

 

 「その呼び方やめてくれる!?」

 

 「鮮やかな水色の下着を身につけている曜さん・・・」

 

 「長いっ!っていうか今すぐ忘れてっ!」

 

 「意外と胸が大きい曜さん・・・」

 

 「うわああああああああああっ!?」

 

 顔を真っ赤にして悶絶している曜さん。

 

 さて、この人は放っておいて早く行こうっと。

 

 「鬼だ・・・」

 

 「悪魔ね・・・」

 

 何故かドン引きしている千歌さんと梨子さんなのだった。




どうも〜、ムッティです。

虹ヶ咲のセンターの子可愛くないですか(唐突)

上原歩夢ちゃん、でしたよね?

あのふんわりした柔らかい雰囲気が好き(^^)

あと気になったのは、桜坂しずくちゃんと朝香果林ちゃんですね。

これからは、虹ヶ咲もちゃんとチェックせねば・・・

さてさて、曜ちゃんがあられもない姿を晒したところで・・・

三年生の教室に向かった天は、果たしてどのような行動をとるのか・・・

次の話は明日投稿します。

それではまた次回!以上、ムッティでした!

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