お父さんがイタリア系アメリカ人ってことは、お母さんは日本人ですよね?
お母さん映画に出てきましたけど、明らかに日本人じゃない気がするのですが・・・
《果南視点》
「鞠莉、大丈夫?」
「・・・・・」
「お腹空いてない?何か食べる?」
「・・・・・」
「・・・ハァ」
思わず溜め息をついてしまう私。
憔悴しきった鞠莉を放っておけず、とりあえず私の家に連れてきたけど・・・体育座りして顔を伏せたまま動かず、何も喋らない状態が続いていた。
こんな鞠莉、初めて見た・・・
「・・・よっと」
仕方ないので、鞠莉の隣に腰を下ろす。
今は私が側についててあげないとね・・・
「・・・久しぶりだよね。こうやって二人で過ごすの」
鞠莉が留学して以来、二年も会っていなかったのだ。
鞠莉が帰ってきた後も、ギクシャクしててこんな風に二人でゆっくりすることも無かったし・・・
「仲直り出来て良かった・・・天に感謝しないとね」
「っ・・・」
天の名前を出した瞬間、鞠莉の身体がピクッと反応する。
やれやれ・・・
「・・・天ってさ、一緒にいて凄く安心出来るよね。不思議と心が安らぐっていうか、気持ちが落ち着くっていうか・・・それを本能的に感じ取ったのか、初対面の時に思いっきりハグしちゃってさぁ」
いくらハグ大好きな私でも、普通初対面の男の子にいきなりハグしたりはしない。それが何故か天には、不思議とハグしたくなったのだ。
前もってダイヤから話を聞いていたとはいえ、あれは自分でも驚いたなぁ・・・
「まぁ一緒の時間を過ごして、天の人となりに触れてみて納得したけどね。天って昔からああいう感じだったの?」
「・・・そうよ」
今まで一言も喋らなかった鞠莉が、初めて口を開いた。
「誰からも愛される子だったわ。私は勿論、パパもママも使用人の皆も・・・天のことを気に入ってた。特にママは天のことを溺愛してて、『将来は鞠莉と結婚してもらいマース!』って言ってたくらいよ」
「・・・マジか」
鞠莉のお母さんって、結構厳しい人なんだよねぇ・・・
あの人にそこまで気に入られてるとか、ヤバすぎでしょ天・・・
「鞠莉のお母さんと天のお母さんは、連絡を取り合ってるんだっけ?」
「えぇ、あの二人は大の仲良しなの。だから絵里がスクールアイドルとして活動してたことも、天がマネージャーをやってたことも・・・私はママから聞いてたわ」
顔を上げ、天井を見上げる鞠莉。
「・・・ゴメンなさい、果南。貴女にはもう一つ、謝らないといけないことがあるの」
「え・・・?」
「二年前、果南とダイヤに『スクールアイドルをやらないか』って誘われた時・・・嘘ついちゃった。『興味無い』なんて言ったけど・・・本当はちょっと興味があったの」
「えぇっ!?」
思わず驚いてしまう。
「ど、どういうこと!?」
「ママに絵里と天の話を聞いてから、μ'sのライブ映像を見てみたの。凄くキラキラしてて・・・気付いたら引き込まれてた。あの絵里がキラキラしてる姿を見たら・・・涙が出るくらい感動しちゃったわ。その時に思ったの。『スクールアイドルって凄い!』って」
微笑む鞠莉。
「だから実際、スクールアイドルには興味があったの。でも・・・μ'sを見てしまった後で、『自分もやりたい!』とは思えなかった。私じゃ、あそこまではキラキラ出来ないって思ったから」
「鞠莉・・・」
「だから最初は断った。でも、果南やダイヤに熱心に誘われて・・・二人と一緒の時間が過ごせるなら、悪くないなって思ったの。μ'sみたいになれなくても、果南やダイヤと一緒にいられるなら・・・私はそれで良いと思った。だからスクールアイドルになることを決めたのよ」
申し訳なさそうに私を見る鞠莉。
「嘘をついた上に、身勝手な理由で話を引き受けて・・・本当にゴメンなさい」
謝ってくる鞠莉。
私はそんな鞠莉を見つめ、意を決して思いっきり・・・
「“檸●爆弾”」
「ギャアアアアアアアアアアッ!?」
鞠莉の目の前でレモンを握り潰した。
「目がっ!?目があああああっ!?」
「うわぁ・・・気持ちメッチャ分かるわぁ・・・」
「分かってるなら止めなさいよ!?」
「気分爽快だねぇ、コレ」
「そっち!?私じゃなくて天の気持ち!?」
「私も今度からレモン持ち歩こうかな」
「止めなさい!理事長権限でレモンの持ち込みを禁止してやるんだから!」
「前代未聞だよね。レモンの持ち込みが禁止された学校って」
「そもそも、現役女子高生が理事長やってる時点で前代未聞じゃない!」
「・・・確かに」
あれ、浦の星って結構変わってる?
まぁそれはさておき・・・
「今さらそんなことで謝らないの。私が無理矢理鞠莉を引き込んだことに変わりないんだし、嘘ついたとかどんな理由で引き受けたとかどうでもいいから」
「いや、どうでもよくはないんじゃ・・・」
「・・・・・」
「ゴメンなさい無言でレモンを取り出さないで下さい」
速攻で土下座する鞠莉。私は思わず苦笑してしまった。
「全く・・・天の言った通りだったね」
「え・・・?」
「天が言ってたよ。私やダイヤと一緒の時間が過ごせたら、鞠莉にとってはそれで良かったんだろうって」
「っ・・・天が・・・?」
「うん。十年近く会ってなかったっていう割には、鞠莉のことを理解してるような感じだったよ。流石は幼馴染だよね」
微笑む私。
「過去の行動を変えることは出来ないけど、これからの行動を変えることは出来る・・・これも天が言ってた言葉。鞠莉が天にしてしまったことを、無かったことには出来ないけど・・・これからの行動は、鞠莉次第なんじゃないかな」
「私、次第・・・」
「・・・私はね、天にマネージャーを辞めてほしくないよ。天と一緒に、Aqoursとしてやっていきたいなって思う。鞠莉はどう思ってるの?」
「私は・・・」
鞠莉の目に涙が浮かぶ。
「私も・・・天と一緒にやりたい。でも・・・」
「・・・続けてほしい、って言えない?」
私の問いに、力なく頷く鞠莉。
「私は、あの子の誇りを踏み躙った・・・その私が、どの面下げてそんなこと言えるのよ・・・」
「・・・どんな面を下げてでも、言うしか無いんじゃないかな」
「え・・・?」
「だって、それが鞠莉の本当の気持ちなんでしょ?だったらどんなにみっともなくたって、言葉にして正直に伝えなくちゃ。まずはそこから始めるべきなんじゃないかな」
これも私が天に言われたこと・・・
この言葉に背中を押され、私は鞠莉に正直な気持ちを打ち明けることが出来た。そのおかげで鞠莉と仲直り出来て、今こうして二人でいる。
天が私の背中を押してくれたように、私も鞠莉の背中を押してあげないとね・・・
「まぁ後は・・・天の気持ち次第だよね。『μ'sの一員として終わりたい』と思ってる天が、果たしてこれからもAqoursのマネージャーをやってくれるかどうか・・・」
私達に出来るのは、気持ちを伝えることだけ・・・最終的に決めるのは天だ。
天のあの様子からして、よほどμ'sの人達のことを大切に想っているんだろう。
「全く・・・羨ましいね。μ'sの人達が」
あの天にあそこまで想われているなんて・・・ちょっと妬けちゃうかも。
「・・・それは逆も言えることよ」
鞠莉が呟く。
「天がμ'sの皆を想っているように、μ'sの皆も天のことを想ってる。特に・・・」
「鞠莉・・・?」
首を傾げる私。
鞠莉は深く息を吐くと、意を決したかのように顔を上げた。
「・・・実はね、果南。私、もう一つ隠してたことがあるの」
そう言って語り始める鞠莉。
その話を聞き、驚きのあまり目を見開く私なのだった。
どうも〜、ムッティです。
さてさて、今回は果南ちゃんと鞠莉ちゃんの回でした。
鞠莉ちゃんが『スクールアイドルに興味はあった』と語っていましたが、これはこの作品のオリジナル設定になります。
まぁ鞠莉ちゃんと絵里ちゃんを幼馴染にしている時点で、色々設定も変わりますよね(笑)
そして最後、鞠莉ちゃんが何やら気になる発言をしていましたが・・・
果たしてその内容とは・・・
これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ
次の話は明日投稿します。
それではまた次回!以上、ムッティでした!