良い映画だった・・・
《梨子視点》
翌日・・・
「えぇっ!?天くんが東京に帰った!?」
「えぇ、私も驚きました」
困惑した表情の海未先生。
放課後、私達はスクールアイドル部の部室に集まったのだが・・・そこで海未先生から、驚愕の事実を聞かされたのだった。
「昨日の夜、誰かと電話していたようなのですが・・・終わった後、急に『明日は学校を休んで東京に行ってくる』と言い出しまして・・・一応『体調不良の為』ということにしてありますので、このことは内密にお願いします」
「それで今日、天くんは学校を休んでるんだね・・・」
納得しているルビィちゃん。
今日は天くんに、私達の気持ちを伝えようと思ったのに・・・
「東京のどこへ行く、とは言ってなかったんですか?」
「それが『内緒』の一点張りでして・・・うぅ、私と天の仲だというのに・・・」
「海未先生、本当に天のこと好きよね・・・」
果南さんの質問に落ち込みながら答える海未先生を見て、善子ちゃんが呆れていた。
「今日中には帰ってきますの?」
「・・・先ほど連絡が来たのですが、今日は東京に泊まるそうです。『明日も学校を休むから、休みの連絡よろしく』とのことでした」
「・・・そうですか」
明らかに落ち込んでいるダイヤさん。花丸ちゃんも俯いている。
「もしかして天くん、このまま帰らないつもりなんじゃ・・・」
「・・・確かに昨日の夜、『浦の星を出て行く』とは言ってました」
「そんな・・・!」
「嘘でしょ・・・?」
千歌ちゃんと曜ちゃんが、信じられないという表情を浮かべる。
「ですがそれは、音ノ木坂の南理事長にも相談すると言ってましたし・・・このまま帰って来ないということは無いと思いますが・・・」
「天・・・」
悲痛な表情を浮かべる鞠莉さん。天くん、東京で何をしてるのかしら・・・
心配になる私なのだった。
*****
翌朝・・・
「・・・ん」
目覚める俺。何やら身体が温かかった。
まるで誰かに抱き締められているような・・・
「海未ちゃ・・・ん?」
いや、俺の身体に当たっているこの二つの柔らかいモノ・・・海未ちゃんより大きいな。
視線を向けてみると・・・
「すぅ・・・すぅ・・・」
穏やかに寝息を立てている真姫ちゃんの顔があった。
あぁ、そういえば昨日は真姫ちゃんの家に泊まったんだっけ・・・
「・・・懐かしいな」
小さく笑いながら、真姫ちゃんの頭を撫でる。
こんな風に真姫ちゃんと一緒に寝るのは、ずいぶん久しぶりな気がする。
「んっ・・・天ぁ・・・?」
真姫ちゃんの目がゆっくり開いていく。
「あ、起こしちゃった・・・ゴメンね、真姫ちゃん」
「ふわぁ・・・構わないわよ。いい時間だし」
時計の方に視線を移す真姫ちゃん。時刻は既に九時を回っていた。
「アララ、結構寝てたんだね・・・」
「昨日は夜遅かったし、しょうがないわよ」
そう、昨日は真姫ちゃんと遅くまで作業をしていた。
ようやく終わった頃には日付がとうに変わっており、俺達はベッドに潜った瞬間に寝てしまったのだった。
「凄い今さらなんだけど、一緒にベッド使わせてもらっちゃってゴメンね。布団を借りようと思ってたんだけど・・・」
「本当に今さらね・・・」
呆れている真姫ちゃん。
「そんな気を遣わなくていいのよ。私と天の仲じゃない」
「いや、俺も思春期の男子だからさぁ・・・こんな綺麗なお姉さんと一緒に寝たら、何しちゃうか分かんないじゃん?」
「フフッ、その時は責任とって結婚してもらうから大丈夫よ」
「よっしゃ、西木野家の財産で毎日遊んで暮らせるぜ」
「ヒモになる気満々!?」
真姫ちゃんのツッコミ。まぁ冗談はこれくらいにして・・・
「さて、そろそろ起きよっか」
「・・・もう少しこのままで」
俺をギュっと抱き締める真姫ちゃん。
「今日中に内浦に戻っちゃうんでしょ?次はいつ会えるか分かんないから・・・」
「すぐ会えるって」
笑いながら真姫ちゃんの頭を撫でる。
「全く・・・相変わらず真姫ちゃんは可愛いんだから」
他の人がいるとちょっとツンツンするくせに、二人きりになると急に素直になる・・・
真姫ちゃんは昔からこういう性格なのだ。
「・・・ありがとね、真姫ちゃん。急なお願いを聞いてくれて」
「私が天の頼みを断るわけないでしょ」
微笑む真姫ちゃん。
「っていうか、昨日も今日も学校休んじゃって大丈夫なの?」
「もう期末テストは終わってるから大丈夫。後は海未ちゃんが上手く言っといてくれるでしょ」
「・・・海未も大変ね」
呆れている真姫ちゃん。
海未ちゃんには、帰ったら何かお礼をしないとなぁ・・・
「仕方ないじゃん。真姫ちゃんが『電話じゃまどろっこしい』って言うんだもん」
「だって直接会った方が早いじゃない。私だって、まさか学校を休んでまでこっちに来るとは思わなかったわよ」
「俺の行動力を舐めないでほしいわ」
「今回に関しては、威張って言えることじゃないわよ」
ジト目の真姫ちゃん。と、どちらからともなく吹き出す。
「フフッ・・・まぁ結果的に良いモノも出来たし、良かったわね」
「おかげさまでね。ホント真姫ちゃん大好き」
「っ・・・ふ、不意打ちは反則っ!」
顔を赤くする真姫ちゃんなのだった。
*****
《千歌視点》
「ハァ・・・」
溜め息をつく私。海未先生の言った通り、天くんは今日も学校を休んでいた。
もしかして、本当に帰って来ないつもりなんじゃ・・・
「天くん・・・」
自分達の気持ちも伝えられずにお別れなんて、そんなのは絶対に嫌だ。
とはいえ、本人と会えないことには・・・
「ただいまぁ・・・」
「あら千歌ちゃん、お帰りなさい」
落ち込みながら帰宅すると、居間では志満姉が美味しそうにおやつを食べていた。
「ん~、やっぱり美味しいわ~♪」
「志満姉、何食べてるの?」
聞きながらテーブルの上を見ると、『東京ば●奈』の箱が置いてあった。
あれ・・・?
「私が東京行った時に買ってきたやつ、まだ残ってたの?」
「あぁ、あれはもう食べ切っちゃったわよ」
笑っている志満姉。
志満姉は『東京●な奈』が大好きで、私が東京に行った時も『絶対に買ってきて!』と念を押されたほどである。
それを食べ切ってしまったのなら、ここにあるのは一体・・・
「さっき天くんが来て、お土産に持ってきてくれたのよ」
「っ!?天くんが来たの!?」
「えぇ。天くん、昨日から東京に行ってたんでしょう?『志満さんの大好物だって聞いたので買ってきました』ですって。もう天くんホント好き~♡」
頬に手を当て、身体をくねらせている志満姉。
帰って来てるってことは、今家に行けば天くんに会える・・・
『・・・俺は、Aqoursの十人目にはなれません』
「っ・・・」
あの時の天くんの言葉が頭をよぎった。
天くんに何を言えば良いんだろう・・・どうやって気持ちを伝えたら・・・
「あっ、そういえば・・・」
志満姉が机の下から、手紙用の封筒を取り出した。
「これ、天くんが千歌ちゃんに渡してくれって」
「天くんが・・・?」
おずおずと封筒を受け取る私。
開けてみると、中には一枚のCDと二枚の紙が入っていた。
「何これ・・・?」
とりあえず、一枚目の紙を見てみると・・・
「っ・・・これって・・・!」
そこに書いてあったのは、歌詞だった。丁寧な文字で、紙いっぱいに書き込まれてある。
曲名の横には、『作詞:絢瀬天』と書かれており・・・
「えぇっ!?」
その下の文字を見て、思わず大声を上げてしまう。
「作曲・・・西木野真姫・・・!?」
μ'sのメンバーの一人、西木野真姫さんの名前が書かれていた。
じゃあもしかして、このCDには・・・
「天くんと、西木野さんが作った曲が入ってる・・・?」
でも、どうしてこれを私に・・・?
その答えは、次の紙に書いてあった。
『これがAqoursのマネージャーとして、俺に出来る最後の仕事です。花火大会、頑張って下さい』
「っ・・・」
沼津の花火大会・・・今の状態では、もう間に合わないかなと思ってたけど・・・
天くん、動いてくれてたんだね・・・
「フフッ・・・天くんらしいや」
目に涙が浮かぶ。
全く、ホント頼りになるマネージャーだよ・・・
「・・・やっぱり、諦められないよ」
改めて思う。天くんはAqoursに絶対必要な存在だ。
天くんにとって、μ'sが特別であるように・・・私達にとって、天くんは特別な存在なんだ。
「絶対に諦めない。天くんも・・・花火大会も」
涙を拭い、決意を固める。
私はスマホを取り出すと、隣の家にいるであろう梨子ちゃんに電話をかけるのだった。
「あ、もしもし梨子ちゃん!?今すぐ私の家に来て!早く!」
どうも〜、ムッティです。
スクスタのストーリー、最後までクリアしました。
いやぁ、良かったわぁ・・・
今回スクスタを通じて、完全に虹ヶ咲にハマってしまいました(笑)
アニメ化してほしいなぁ・・・
さてさて、本編では動きがありましたね。
天は東京へ行き、真姫ちゃんと曲作りをしていたようです。
出来上がった曲を渡された千歌ちゃんは、改めて自身の気持ちを確認。
天も花火大会も諦めないことを決めるのだった
To be continued・・・
何かまとめみたいになりましたね(笑)
果たしてこれからどうなってしまうのか・・・
これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ
それではまた次回!以上、ムッティでした!