絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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青山学院大学、総合優勝おめでとう!

やっぱり青学は強かった!


自分を犠牲にする人を見るのは悲しい。

 《曜視点》 

 

 「ハァ・・・」

 

 皆と別れ、溜め息をつきながら帰り道を歩く私。

 

 心のモヤモヤが晴れず、気が重い状態が続いていた。

 

 「ホント・・・自分が嫌になる」

 

 憂鬱な気分になりながらも、家に辿り着き玄関のドアを開けた。

 

 「ただいまぁ・・・」

 

 「お帰りなさい、曜さん。ご飯にします?お風呂にします?」

 

 「んー、とりあえずお風呂で・・・え?」

 

 曜『さん』?しかもこの声って・・・

 

 慌てて声のした方を見ると、そこには・・・

 

 「そ、天くんんんんんんんんんん!?」

 

 「どうも~」

 

 にこやかに手を振る天くん。

 

 え、何!?どういうこと!?

 

 「何で天くんが私の家に来てるの!?」

 

 「そこに曜さんの家があるからです」

 

 「そんな某登山家みたいな回答は求めてないよ!?っていうか、私達さっき別れたばかりだよねぇ!?」

 

 「いや、別れたって・・・そもそも俺達付き合ってないでしょ」

 

 「その『別れた』じゃなくて!何で私より天くんの方が家に着くの早いの!?」

 

 「空間移動使ったんで」

 

 「何善子ちゃんみたいなこと言い出してるの!?」

 

 「帰って来て早々、何騒いでるの?」

 

 天くんの後ろから、私のママが呆れた様子でやって来た。

 

 「ちょ、ママ!?天くんが来てるんだけど!?」

 

 「当たり前でしょ?天は今日、ウチに泊まるんだから」

 

 「えぇっ!?」

 

 驚く私。何でそんな話になってるの!?

 

 「私聞いてないんだけど!?」

 

 「あぁ、すいません。曜さんと別れてから決まった話なんで」

 

 「どういうこと!?」

 

 「さっき天から電話もらったのよ。『今日夕飯ご馳走になっても良いですか?』って」

 

 説明してくれるママ。

 

 「それに対して、私はこう答えたの・・・『どうせなら泊まっていきなさい』ってね」

 

 「何で!?」

 

 「だって私と天の仲だも~ん」

 

 「「ね~♪」」

 

 「どんだけ仲良くなってんの!?」

 

 お、恐るべし天くん・・・

 

 流石は『母親キラー』の異名を持つ子・・・

 

 「そしたらさっきのコンビニまで、車で迎えに来てくれたんですよ。いやぁ、やっぱり星さんは優しいなぁ」

 

 「アハハ、天の為なら火の中水の中よ」

 

 「それで私より早かったのね・・・」

 

 それなら、私も乗せてもらえば良かったなぁ・・・

 

 「っていうか、何でお泊まり?前は夕飯食べた後、ママが車で送ってたよね?」

 

 「曜に夜這いしてもらう為に決まってるじゃない」

 

 「何で母親が娘を襲わせようとしてるの!?」

 

 「アンタ達が結婚すれば、天が私の息子になるから」

 

 「完全に私欲じゃん!?」

 

 「俺はもう星さんのこと、本当の母親のように思ってますよ」

 

 「我が息子よっ!」

 

 「母上っ!」

 

 「・・・何かもう、ツッコミに疲れた」

 

 お互いの手を握り見つめ合う二人に、私はもうツッコミを入れる気力も無かった。

 

 ツッコミ役って大変なんだなぁ・・・

 

 「とりあえず、私はお風呂に入るね・・・」

 

 「あ、じゃあ三人で入る?」

 

 「入るわけないでしょうが!」

 

 「曜さん、背中流しますよ」

 

 「何で天くんは乗り気なの!?」

 

 結局ツッコミを入れるハメになる私なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「いやぁ、相変わらず星さんの料理は美味しいですね」

 

 「アハハ、ありがと。遠慮せずにどんどん食べて」

 

 笑顔でそう言ってくれる星さん。

 

 曜さんのお母さんである渡辺星さんとは、以前夕飯をご馳走になってから親しくさせてもらっていた。

 

 ウエーブのかかったグレーの髪が肩にかかるまで伸びており、その若々しさに最初は曜さんのお姉さんだと勘違いしたほどだ。

 

 「ついでに、曜のことも食べちゃって良いからね」

 

 「ぶふぉっ!?ちょ、ママ!?何言ってんの!?」

 

 「安心して下さい。今夜美味しくいただきます」

 

 「私は何も安心出来ないわっ!」

 

 顔を真っ赤にしながら自分の肩を抱き、俺から距離を取る曜さん。

 

 どうやら警戒させてしまったようだ。

 

 「ねぇねぇ、天は曜のことどう思ってるの?好き?」

 

 「ちょ、何を聞いてくれちゃってんの!?」

 

 「大好きですよ」

 

 「ふぇっ!?」

 

 「人として」

 

 「だから紛らわしいってば!?」

 

 両手で顔を覆う曜さん。耳まで真っ赤になっている。

 

 「どんなところが好き?」

 

 「明るくて元気で、それでいて心の優しいところですかね。一緒に居て楽しいですし、凄く居心地が良いです」

 

 「だってさ曜、良かったね」

 

 「う、うるさいっ!」

 

 「後は何と言っても美少女ですよね。スタイルも良いですし」

 

 「も、もう良いからっ!」

 

 これ以上ないほど顔を赤くし、涙目になっている曜さん。

 

 星さんがニヤニヤしている。

 

 「よし、明日はお赤飯でも炊こうかな」

 

 「余計なことしないでええええええええええっ!?」

 

 曜さんの絶叫が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「曜さん、機嫌直して下さいよ」

 

 「ふんっ!天くんのバカっ!」

 

 ふて腐れたようにベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋めている曜さん。

 

 夕食後、俺達は曜さんの部屋にやって来ていた。お風呂にも入ったので、後は寝るだけである。

 

 「っていうか、年頃の男女を同じ部屋で寝かせるってどういうつもりなの!?」

 

 「それを言ったら、東京に行った時も合宿の時も同じ部屋で寝たじゃないですか」

 

 「どっちも皆が一緒だったじゃん!今回は二人きりじゃん!」

 

 「ですね。じゃあ俺、そろそろ寝ますんで」

 

 「早っ!?天くんは私のこと意識したりしないの!?」

 

 「・・・ハッ」

 

 「腹立つ!この子腹立つ!」

 

 バンバン布団を叩く曜さん。

 

 情緒不安定だなぁ・・・

 

 「まぁ冗談はさておき・・・ちょっと曜さんに聞きたいことがあるんですけど」

 

 「ど、どうしたの急に・・・いきなり真剣な表情になったけど」

 

 「・・・曜さんってレズなんですか?」

 

 「うらぁっ!」

 

 「ごふっ!?」

 

 俺の顔面に曜さんの枕が命中する。

 

 「真面目な顔してどんな質問してんの!?」

 

 「いや、あくまでも俺の予想なんですけど・・・曜さん、千歌さんと仲の良い梨子さんに嫉妬してません?つまり曜さんは、千歌さんが好きなんじゃないかなって・・・そういう意味で」

 

 「違うわ!確かに千歌ちゃんのことは好きだけど、友達としての『好き』だわ!」

 

 「へー」

 

 「一ミリも信じてない!?」

 

 ショックを受けている曜さん。やれやれ・・・

 

 「まぁ、それがあくまでも多分恐らく仮に本当だとして・・・」

 

 「どんだけ信じてないの!?間違いなく本当だから!」

 

 「はいはい・・・で、実際どうなんですか?嫉妬してるんですか?」

 

 「・・・遠慮なく聞いてくるね」

 

 「曜さんみたいに周りに遠慮しがちなタイプの人は、変に濁しながら聞くと誤魔化しながら答えますから。ズバッと踏み込んで聞くのが良いって学んだんですよ」

 

 「何を学んじゃってるの君は・・・」

 

 曜さんは溜め息をつくと、観念したように話し始めた。

 

 「・・・天くんの言う通り、嫉妬してるんだろうね。ホント、自分の心の汚さが嫌になっちゃうよ」

 

 「・・・曜さんって、ホント千歌さんが好きなんですね」

 

 「アハハ、そうだね」

 

 小さく笑う曜さん。

 

 「・・・私ね、昔から『千歌ちゃんと一緒に何かやりたい』ってずっと思ってて。でもなかなか、一緒に何かをやることが出来なくて・・・だから千歌ちゃんが『一緒にスクールアイドルやろう』って誘ってくれた時は、凄く嬉しかったんだ」

 

 笑みを浮かべ、天井を見上げる曜さん。

 

 「でもすぐに梨子ちゃんが入って、二人で歌を作るようになって・・・気付いたら、皆も一緒になってて・・・それで思ったの。もしかして千歌ちゃん、私と二人は嫌だったのかなぁって」

 

 「・・・どうしてそう思うんですか?」

 

 「私、『要領が良い』って思われることが多くて。そういう子と一緒は、やりにくいのかなぁって・・・そんな風に思っちゃって」

 

 寂しそうに笑う曜さん。

 

 あぁもう、ホントにこの人は・・・

 

 「・・・重なるんだよなぁ」

 

 「重なる?」

 

 「あぁ、こっちの話です。それより・・・」

 

 俺は立ち上がると、曜さんの枕を拾い上げ・・・

 

 「“雷●八卦”!」

 

 「ごはぁっ!?」

 

 フルスイングで枕を曜さんの頭に叩き込んだ。

 

 勢いよくベッドに倒れこむ曜さん。

 

 「ちょ、何するの!?」

 

 「いや、ちょっと『渡辺曜をしばきたい症候群』の症状が出たんで」

 

 「何その私に害しかない病気!?」

 

 「まぁそれはともかく・・・とりあえずそこに正座して下さい」

 

 「な、何で・・・」

 

 「良いから正座しろやバカ曜!」

 

 「は、はいっ!」

 

 慌てて正座する曜さん。

 

 「ハァ・・・千歌さんのことが好きっていう割に、千歌さんのこと何も分かってないよアンタ」

 

 「むっ・・・これでも幼馴染だし、よく分かってるつもりだけど・・・」

 

 「分かってたらこんなことで悩まないわ」

 

 溜め息をつく俺。

 

 最早タメ口だが、そんなことはどうでもいい。

 

 「そもそも、曜さんの要領が良いわけないでしょ。制服を見た瞬間にベランダから身を投げるようなバカなんだから」

 

 「うぐっ・・・」

 

 「しかも俺の前で下着を丸出しにするアホなんだから」

 

 「うぐぐっ・・・」

 

 「そしてドジでマヌケなんだから」

 

 「最後の付け足し要らなくない!?『バカ』『アホ』『ドジ』『マヌケ』を揃えたかっただけだよねぇ!?」

 

 「黙って聞けやバカ曜!」

 

 「はいいいいいっ!」

 

 背筋がピーンと伸びる曜さん。やれやれ・・・

 

 「・・・要領が良いように見えるだけで、本当は人一倍努力してることぐらい知ってるよ。バカにすんな」

 

 「っ・・・」

 

 「それを出会って数ヶ月の俺が知ってるのに、幼馴染の千歌さんが知らないわけないでしょ。『やりにくい』なんて思うわけないでしょうが」

 

 曜さんを睨みつける俺。

 

 「千歌さんを舐めんな。幼馴染のアンタが理解してなくてどうすんだよ」

 

 「・・・ゴメン」

 

 俯く曜さん。

 

 俺は溜め息をつくと、曜さんの隣に腰を下ろした。

 

 「・・・今日の最後の練習、梨子さんの歩幅でやってたでしょ」

 

 「っ!?何で・・・」

 

 「いつも練習見てるんだから、分からないわけないでしょ」

 

 千歌さんは梨子さんの歩幅に慣れてしまっていた為、なかなか曜さんに合わせることが出来なかった。

 

 だから曜さんは自分の歩幅を捨て、梨子さんの歩幅を再現することで千歌さんに合わせた。

 

 最後に二人がピッタリ合ったのはその為だ。

 

 「あれじゃ曜さんが報われないでしょうが。どっちかが犠牲になるダブルセンターなんて、見てて悲しいですよ」

 

 「でも、合わせる為にはああするしか・・・」

 

 「言ったでしょ、サポートするって」

 

 曜さんの頭を撫でる俺。

 

 「千歌さんと曜さんの、新しい形を作りましょう。二人にしか出来ない形が、きっとありますから」

 

 「天くん・・・」

 

 「それに・・・そう思ってるのは多分、俺だけじゃないですよ」

 

 「え・・・?」

 

 

 

 『曜ちゃあああああんっ!』

 

 

 

 曜さんが首をかしげた瞬間・・・外から千歌さんの声がした。

 

 おいおい・・・

 

 「千歌ちゃん!?え、天くんが呼んだの!?」

 

 「いや、全く・・・奇跡的な偶然に、俺も心底驚いてるところです」

 

 まさかこんなタイミングでご本人登場とは・・・

 

 凄いなあの人・・・

 

 

 

 『曜ちゃあああああんっ!』

 

 

 

 「ほら、呼んでますよ」

 

 曜さんの背中を押す俺。

 

 「行って下さい。そして話をしてきて下さい。今の曜さんには、一番必要なことでしょうから」

 

 「天くん・・・うん、行ってくる!」

 

 「行ってらっしゃい」

 

 部屋を飛び出す曜さんを、笑みを浮かべて見送る俺なのだった。




どうも〜、ムッティです。

年が明けたということで、母方の親戚が集まる新年会に行ってきました。

従姉妹達と話をしている中、米津玄師さんの話になったんですが・・・



従姉妹「米津玄師って凄いよね。『Lemon』も大ヒットしたし、米津玄師の作った『パプリカ』も凄い人気じゃん」

俺「確かにねぇ」



それを聞いていたおばあちゃんが、会話に入ってきたんですが・・・



おばあちゃん「えっ、米津さんって農家の人なの?」



いや違ううううううっ!?Σ(゜Д゜)

『Lemon』も『パプリカ』も曲のタイトルうううううっ!?Σ(゜Д゜)

笑いに包まれた新年会なのでした(笑)



さてさて、本編では天が曜ちゃんの家にお泊まりするというまさかの展開(笑)

ちなみに曜ちゃんママですが、名前はいつも通り勝手につけました。

渡辺 星(せい)さんです。

確かアニメでチラッと出たはずですが、容姿も性格も勝手に決めてしまいましたので悪しからず・・・

最後に千歌ちゃんが登場しましたが、果たして曜ちゃんのモヤモヤは晴れるのか・・・

これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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