絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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自己最長記録、7日連続投稿!

これは2020年、幸先の良いスタートが切れたのでは・・・


どこにいても同じ明日を信じてる。

 《千歌視点》 

 

 「うぅ、緊張してきたぁ・・・」

 

 「ずらぁ・・・」

 

 表情が強張っているルビィちゃんと花丸ちゃん。

 

 遂に迎えた、ラブライブ予備予選当日・・・私達は、ステージ裏でスタンバイしていた。

 

 「フッ、情けないリトルデーモン達・・・このヨハネがついているというのに・・・」

 

 「そんなこと言いながら善子、足が震えてマース」

 

 「む、武者震いってやつよ!っていうかヨハネっ!」

 

 「ま、全く・・・こ、これしきのことで・・・き、緊張するなど・・・」

 

 「落ち着きなよダイヤ・・・」

 

 皆がそんなやり取りをしている中・・・私は曜ちゃんと顔を見合わせた。

 

 「曜ちゃん、頑張ろうね!」

 

 「うん!練習の成果を見せよう!」

 

 お互いの拳を合わせる。

 

 梨子ちゃんの為にも、絶対に負けるわけには・・・

 

 「はいはい、気負わないの」

 

 「イタタタタタッ!?髪が抜けるうううううっ!?」

 

 後ろから天くんに思いっきりアホ毛を掴まれた。

 

 「天くん!?何でここに!?」

 

 「客席で見るんじゃなかったの!?」

 

 「関係者はステージ裏に来ても良いっていうから、様子を見に来たんだよ」

 

 曜ちゃんと善子ちゃんの問いに答える天くん。

 

 「それに・・・渡したい物もあったし」

 

 「渡したい物?」

 

 私達が首を傾げていると、天くんが持っていた袋の中からシュシュを取り出した。

 

 「わぁ、可愛い!」

 

 「それどうしたずら!?」

 

 「実はこれ、梨子さんから皆へのプレゼントなんだよ」

 

 笑いながら答える天くん。

 

 「東京から送ってくれたんだけど、『本番前に皆に渡してほしい』って。色違いのシュシュが九個入ってたよ」

 

 天くんはそう言うと、袋の中のシュシュを私達に配り始めた。

 

 「千歌さんがオレ・・・ミカン色で、曜がライトブルーね」

 

 「今オレンジって言いかけたでしょ!?でもありがとう!」

 

 「ヨーソロー!」

 

 「花丸がイエロー、ルビィがピンク、善子がホワイトね」

 

 「やったずら!」

 

 「可愛いっ!」

 

 「フッ、褒めてつかわす」

 

 「ボッシュート」

 

 「わあああああっ!?嘘ですごめんなさい!ありがとうございます!」

 

 「やれやれ・・・ダイヤさんがレッド、果南さんがエメラルドグリーン、鞠莉がヴァイオレットね」

 

 「ありがとうございます」

 

 「梨子ちゃんに感謝しないとね」

 

 「フフッ、そうね」

 

 全員の手にシュシュが行き渡る。

 

 「あれ?天くんのは?」

 

 「もう付けてますよ」

 

 そう言って右手を上げる天くん。

 

 その手首には、虹色のシュシュが着けられていた。

 

 「おぉ、虹色ずら!」

 

 「天くんが虹色って、ちょっと意外かも」

 

 「スカイブルーとかだと思ってたわ」

 

 「俺も意外だったんだけどね」

 

 花丸ちゃん・ルビィちゃん・善子ちゃんの言葉に苦笑する天くん。

 

 「梨子さんが、『天くんは皆の架け橋だから』って」

 

 「Wow!それでRainbowなのね!」

 

 「そういう理由なら、確かに天にピッタリかも」

 

 「フフッ、なかなか粋な理由ですわね」

 

 納得している鞠莉ちゃん・果南ちゃん・ダイヤさん。

 

 天くんは笑うと、私達全員の顔を見渡した。

 

 「梨子さんも今日、サクラピンクのシュシュを着けて本番に臨むそうです。俺達もこのシュシュを着けて、梨子さんの分まで頑張りましょう」

 

 「「「「「「「「おーっ!」」」」」」」」

 

 私達はそれぞれ、もらったシュシュを自分の手首に着けた。

 

 何だか、梨子ちゃんが側にいてくれてるみたい・・・

 

 「・・・ありがとう、天くん。おかげで緊張せずに済みそう」

 

 「お礼なら後で梨子さんに言って下さい。俺は渡しただけですよ」

 

 笑みを浮かべる天くん。

 

 良いタイミングで来てくれて、皆の緊張をほぐしてくれて・・・

 

 ホント、良いマネージャーに恵まれたよ・・・

 

 「よし、円陣組もっか!」

 

 「よし来た!」

 

 「気合い入れよう!」

 

 私を中心に、皆が輪になる。

 

 あっ、そういえば・・・

 

 「天くんは・・・入ってくれる?」

 

 「・・・ここで『入らない』なんて言ったら、皆の士気が下がるでしょ」

 

 苦笑する天くん。

 

 「入りますよ。Aqoursのマネージャーなんですから」

 

 「天くん・・・」

 

 「フフッ、そうこなくっちゃ!」

 

 曜ちゃんはそう言って笑うと、天くんの手を引っ張って自分と果南ちゃんの間に天くんを入れた。

 

 「それじゃあ皆、手を出して」

 

 私が手を出すと、その上に次々と皆の手が重ねられる。

 

 全員出した手は右手・・・梨子ちゃんからもらったシュシュを着けた方の手だ。

 

 「さぁ、行こう!ラブライブに向けて!私達の第一歩に向けて!今、全力で輝こう!」

 

 声を張り上げる私。

 

 

 

 「Aqours~っ!」

 

 「「「「「「「「「サ~ンシャイ~ン!」」」」」」」」」

 

 

 

 皆の手が頭上へと上げられる。

 

 心を一つにした私達は、いよいよ自分達の出番を迎えるのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「天!こっちこっち!」

 

 「はいはい」

 

 美渡さんに手招きされ、隣の席に座る俺。

 

 さて・・・

 

 「星さん、応援の準備は出来てますか?」

 

 「勿論だよ!曜に声援を送らなきゃ!」

 

 「善恵さん、録画の準備は大丈夫ですか?」

 

 「バッチリよ!善子の勇姿をしっかり撮らないと!」

 

 「西華さん、気合い入ってますか?」

 

 「当然じゃないか!果南に負けないくらい気合い入ってるよ!」

 

 「よし、応援するぞーっ!」

 

 「「「おーっ!」」」

 

 「アンタ何でメンバーのお母さん達とそんなに仲良くなってんの!?」

 

 美渡さんのツッコミ。

 

 いや、何でって・・・

 

 「愚問ですよ、美渡さん・・・マネージャーだからです」

 

 「答えになってないんだけど!?」

 

 「まぁまぁ、細かいことは良いじゃない美渡ちゃん」

 

 「そうよ美渡ちゃん。今は応援に集中しましょう」

 

 「気合い入れな美渡。ここから先は戦争だよ」

 

 「何か最後物騒なこと言いませんでした!?ってか曜ちゃんのお母さんはともかく、後のお二人は初対面ですよねぇ!?何でそんなにフレンドリーなんですか!?」

 

 「甘いですよ、美渡さん。それを言ったら、この三人が顔を合わせるのは今日が初めてなんですから」

 

 「嘘でしょ!?それでこのノリ!?」

 

 愕然としている美渡さん。

 

 まぁそれには理由があるんだけどね。

 

 「実は少し前から、メンバーの母親によるグループラインをやってるんですよ。俺も参加してるんですけど」

 

 「何でアンタも参加してんのよ!?」

 

 「グループを立ち上げたのが俺だからです」

 

 「まさかの発起人!?」

 

 「まぁそんなわけで、そこで交流してきたからこそ皆仲良しなんですよ」

 

 「「「「ね~♪」」」」

 

 「・・・頭痛くなってきた」

 

 頭を抱える美渡さん。

 

 奈々さんを始め、今日来ることが出来なかったお母さん達の分まで応援せねば・・・

 

 「っていうか、何で俺の嫁が来てないんですか」

 

 「サラッと『俺の嫁』呼ばわりしてるし・・・残念ながら志満姉は・・・」

 

 「旅館の仕事があるからお留守番でしょ。グループラインで連絡来ましたよ」

 

 「志満姉もグループライン参加してるんだ!?」

 

 「当然でしょう・・・あっ、そろそろ始まりますね」

 

 会場が暗くなり、ステージが照らされる。

 

 Aqoursの八人がステージ上でスタンバイしており、後は曲が流れるのを待つのみの状態だった。

 

 そして・・・

 

 

 

 「お~も~い~よひとつになれ~♪」

 

 

 

 千歌さんが歌い出す。

 

 Aqoursの新曲『想いよひとつになれ』だ。

 

 

 

 「こ~の~と~きを待っていた~♪」

 

 

 

 周りの皆が、ピアノを弾いているかのように踊る。

 

 そして・・・

 

 「うおおおおおっ!千歌あああああっ!」

 

 「曜最高おおおおおっ!」

 

 「善子おおおおおっ!可愛いわよおおおおおっ!」

 

 「良いぞ果南んんんんんっ!」

 

 最初の静かな曲調から盛り上がった途端、皆が大きな声で声援を送る。

 

 ダンスも揃っているので今のところ大丈夫そうだが、問題なのは・・・

 

 

 

 「な~に~か~をつかむことで~♪」

 

 

 

 ここだ。千歌さんと曜が何度も失敗したところ・・・

 

 

 

 「な~に~か~をあきらめない~♪」

 

 

 

 「よしっ!」

 

 無事に成功し、思わず声が出てしまう。

 

 ホッとしていると、ステージ上で踊る曜と目が合い・・・『どうだ!』と言わんばかりにウインクされた。

 

 「・・・ハハッ、流石だわ」

 

 俺は苦笑しつつ、曜に向かって親指を立てるのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「いやぁ、最高だった!」

 

 テンションマックスの美渡さん。

 

 パフォーマンス終了後、Aqoursの皆には観客達から惜しみない拍手が送られていた。

 

 「曜、輝いてたなぁ・・・!」

 

 「うぅ、善子・・・立派になって・・・!」

 

 「やるじゃないか、果南!」

 

 星さん・善恵さん・西華さんも感動している。

 

 本当に良いパフォーマンスだった。

 

 「・・・よし」

 

 Aqoursのパフォーマンスは見届けることが出来た。

 

 後は・・・

 

 「天、すぐに車持ってくるから。会場の前で待ってて」

 

 「お願いします、星さん」

 

 「んっ?」

 

 席を立つ星さんを、不思議そうに眺める美渡さん。

 

 一方、西華さんが俺に手提げバッグを渡してくれる。

 

 「天、これ途中で食べな。向こうに着いたら時間も無いだろうし」

 

 「おぉ、お弁当ですか?ありがとうございます、西華さん」

 

 「んんっ?」

 

 よく分かっていない美渡さん。

 

 席から立ち上がる俺に、善恵さんが親指を立てた。

 

 「行ってらっしゃい、天くん。気を付けてね」

 

 「ありがとうございます、善恵さん。行って来ます」

 

 「ちょ、ちょっと待って!?」

 

 慌てて間に入ってくる美渡さん。

 

 「さっきから何を話してるの!?」

 

 「あぁ、美渡さんには言ってませんでしたね」

 

 苦笑する俺。

 

 「実はこれから、東京に行くんですよ」

 

 「東京!?何で!?」

 

 美渡さんの問いに、笑みを浮かべて答える俺なのだった。

 

 「決まってるじゃないですか・・・俺がAqoursのマネージャーだから、ですよ」




どうも〜、ムッティです。

年が明けてから、早いもので1週間が経とうとしていますね。

仕事や学校が始まった方も多いのではないでしょうか?

休み明けはどうしてもしんどいかと思いますが、気合いを入れて頑張りましょうp(^-^)q

・・・行きたくないなぁ←



さてさて、前書きでも述べましたが・・・

何とムッティ史上最長記録、7日連続投稿を達成しました!わーい!

・・・調子に乗ってすいませんでした(土下座)

毎日のように投稿されている方もいらっしゃいますし、大した記録じゃないですね(´・ω・`)

そんな連続投稿ですが、とりあえず今回で止まりそうです。

理由は単純、正月休みが終わってしまったからです(´・ω・`)

なのでまたマイペースな投稿になるかと思いますが、御容赦下さいませ(>_<)



そして本編では、遂に予備予選当日を迎えましたね!

梨子ちゃんからもらったシュシュを着け、無事にパフォーマンスを終えたAqours・・・

そんな中、天は東京へ行く模様・・・

果たしてその目的とは・・・

あ、ちなみにシュシュの色なんですが・・・

善子ちゃんのシュシュって、あれ何色なんですかね?

担当カラーは白だけど、サイリウムとかは青系のものが使われているとは聞いたことあるんですが・・・

とりあえずこの作品では、メンバーの担当カラーにしておきました。

にわかファンでスミマセン(>_<)

これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!

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