頑張って投稿していかねば・・・
翌日。
「そんなわけで、梨子ちゃんもスクールアイドルやることになったんだよ!」
「どんなわけですか」
千歌さんにツッコミを入れる俺。
いきなり一年生の教室に来て、何を言い出すのかと思ったら・・・
「まさか千歌さん、梨子さんを脅迫したんじゃないでしょうね?」
「天くんには私がどういう人間に見えてるの!?」
「目的の為なら手段を選ばない極悪非道な人間」
「私が天くんに何をしたっていうの!?」
ギャーギャー騒いでいる千歌さんはスルーして、俺は梨子さんへと視線を移した。
「梨子さん、良いんですか?」
「うん、自分で決めたから」
ニッコリ笑う梨子さん。
「色々と思うところもあって、一緒にやらせてもらうことにしたの。やるからには一生懸命頑張るわ」
「・・・そうですか」
どうやら、本当に自分の意思で決めたらしい。
どういう心境の変化があったかは分からないが、表情も明るいし心配は要らないだろう。
「ってことは、これで部員が三人・・・あと二人ですね」
「あと二人かぁ・・・集まるかなぁ・・・」
自信無さげな曜さん。と、そこでふと俺の顔を覗き込んでくる。
「どうかしました?」
「いや・・・天くんが入部してくれたらなぁって」
「「え?」」
ポカーンとしている千歌さんと梨子さん。
「何言ってるの曜ちゃん?天くんは生徒会役員だよ?」
「生徒会役員でも、部活に所属することって可能だよね?」
「可能ですね」
「そうなの!?」
曜さんの問いに答えると、千歌さんが目を見開いて身を乗り出してきた。
「そりゃそうですよ。部活の兼任だって可能なんですから」
「ハッ!?そういえばそうだった!?」
「ちょ、ちょっと待って!?スクールアイドルって女子限定なんじゃ・・・」
「アイドルとしてじゃなくて、マネージャーとして入部してもらえば良いじゃん」
「その手があったわ!?」
千歌さんや梨子さんも納得している。曜さんが目を輝かせて俺を見ていた。
「天くん、スクールアイドル部に入らない!?」
「オコトワリシマス」
「即答!?」
ショックを受けている曜さん。俺は溜め息をついて曜さんを見た。
「部を立ち上げる為に、マネージャーで人数稼ぎをするのはいかがなものかと思いますよ?ただでさえスクールアイドル部に反対しているダイヤさんの心証は、より一層悪くなると思います」
「うっ、確かに・・・」
「部を立ち上げる為に必要な五人は、スクールアイドルとして活動するメンバーを集めるべきです。そもそもまだ活動さえしてないのに、マネージャーとか要らないでしょう」
「お、仰る通りです・・・」
「どうしてもマネージャーが欲しいなら、スクールアイドル部が正式に設立されてから探して下さい。分かりましたか?」
「はい、すいませんでした・・・」
いつの間にか、教室の床に正座している曜さん。
いや、別にそこまでは求めてないんだけど・・・
「ねぇ梨子ちゃん・・・天くんが生徒会長に見えるんだけど」
「奇遇ね千歌ちゃん・・・私も同じことを思ったわ」
何やらヒソヒソと話している千歌さんと梨子さん。俺は二人に笑みを向けた。
「他人事みたいな顔してますけど、お二人も曜さんの意見に納得してましたよね?」
「「すいませんでした!」」
曜さんと並んで正座する二人。
この後クラスメイト達から、『先輩に土下座させた男』として畏怖の視線を向けられる俺なのだった。
*****
「新しい理事長、ですか?」
「えぇ、来週からお見えになるそうです」
頷くダイヤさん。
放課後に生徒会の仕事を片付けていた俺達は、一区切り付いたところで休憩していた。
お茶を飲みながら雑談していた時、ダイヤさんがそんな話を切り出してきたのだった。
「前任の理事長は三月で退職して、四月から新しい理事長が就任したのですが・・・何でも『日程の都合が付かない』とかで、まだ一度も学校に来ていないのです」
「あぁ、そういえば会ってませんね」
「全く、一体どんな人なのやら・・・」
溜め息をつくダイヤさん。まぁ理事長が一度も学校に来ていないというのは、ちょっとよろしくないとは思う。
「じゃあ、俺を呼んだのって新しい理事長なのかな・・・」
「呼んだ?天さんは誰かに呼ばれて、浦の星に入学したのですか?」
首を傾げるダイヤさん。あれ・・・?
「ダイヤさん、俺が入学することになった経緯は聞いてないんですか?」
「えぇ、何も・・・テスト生として天さんが入学することは聞かされましたが、何故天さんが選ばれたのかについては聞いていないのです」
「マジですか・・・」
それで良いのか浦の星・・・せめて生徒会長には経緯ぐらい説明しなさいよ・・・
「・・・とりあえず説明しておきますね。そもそものキッカケは、俺が通っていた中学の理事長でした。理事長は浦の星の関係者の方と知り合いらしくて、浦の星の生徒数が減少していることについて相談を受けていたみたいなんです」
「まぁ、かなり深刻な問題ですからね・・・それで?」
「その問題の解決策について話し合っている中で、共学化という手段があるんじゃないかという話になったらしくて。まずはテスト生として男子生徒を受け入れてみて、様子を見てみようという結論に至ったようなんです。そこで白羽の矢が立ったのが、理事長と仲の良かった俺だったという感じですね」
「あら、理事長さんと仲がよろしかったのですか?」
「まぁ色々ありまして」
苦笑する俺。実際、あの人には凄くお世話になったしな・・・
「俺は理事長からテスト生の話を持ちかけられて、引き受けることを決めまして。それで俺がテスト生として、浦の星に入学することが決まったんです」
「なるほど・・・ん?では先ほどの、『呼んだ』という話は一体?」
首を傾げるダイヤさん。そう、そこが俺も気になっているところなのだ。
「・・・実は俺、その関係者の方と一度も会ってないんです」
「え・・・?」
「それどころか、筆記試験や面接さえ受けてないんです」
「はい!?」
驚くダイヤさん。そりゃそうだよなぁ・・・
「ちょ、ちょっと待って下さい!?いくらその理事長さんが推薦したとはいえ、それはおかしいでしょう!?筆記試験はともかく、面接は顔合わせの意味でも必要なのでは!?」
「俺もそう思って、理事長に聞いたんですよ。そしたら理事長曰く、『関係者の方が天くんに来てほしいと言っている。試験なんて要らないらしい』とのことでして・・・」
「・・・有り得ませんわ」
頭を抱えるダイヤさん。
「つまりそうまでして、天さんに来てもらいたかったいうことですか・・・それは確かに、『呼んだ』に近いですわね・・・」
「でしょう?しかも試験免除を決められる権限を持っているということは、それこそ理事長ぐらいだと思ったんですけど・・・」
「確かに・・・ですがその話が決まったのは、前理事長の就任期間中でしょう?新理事長は関係ないのでは?」
「ですよねぇ・・・でも、前理事長ではないですよね?退職されたわけですし」
「それは間違いありませんわ。私が天さんの話を聞いたのは前理事長からでしたが、自分が決めたわけではないとおっしゃっていましたから」
「・・・謎ですね」
「・・・謎ですわね」
ダイヤさんと顔を見合わせる。関係者の方って、一体誰なんだ・・・
「天さんの中学の理事長さんには、そのことについて聞かなかったのですか?」
「聞きましたけど、『行けば分かる』って言われまして・・・」
あの時の理事長の面白そうな笑み・・・絶対何か隠してるんだよなぁ・・・
「ですが天さん、よくテスト生の話を引き受けましたね?今の話を聞くかぎり、色々と怪しげな点がありますが・・・」
「試験免除に惹かれたので」
「そこですの!?」
「当然でしょう。入学が確約されてるんですよ?おかげで同級生達が受験に向けて勉強している中、これ見よがしに遊びまくることが出来ました」
「もの凄く恨まれそうですわね!?」
「ハハッ、まさか。皆はいつも笑顔で俺に、『くたばれ』『バルス』って話しかけてきてくれましたよ」
「間違いなく恨まれてますわよねぇ!?」
「冗談ですよ」
俺は笑うと、急須に入っていたお茶を湯呑みに注いだ。
「まぁ一番の理由は、理事長に頼まれたからですね。『嫌なら断ってくれて構わない』とは言われましたけど・・・俺で力になれるなら、是非とも引き受けたいと思ったので」
「・・・理事長さんのこと、大切に思われているのですね」
「えぇ、まぁ・・・」
ダイヤさんに優しげな笑みを向けられ、少し照れ臭くなってしまった。どうにも気恥ずかしいな・・・
「とりあえず、以上がテスト生になった経緯です。何か理事長のコネで入学したみたいで、話していてちょっと気が引けましたけど・・・」
「気にする必要はありませんわ。倍率の高い超難関校ならともかく、浦の星は生徒数が減少している学校ですから。入学方法がコネだろうが、気にする人などいないでしょう」
苦笑するダイヤさん。
「それに・・・私はテスト生が天さんで良かったと、心から思っていますわ。天さんの中学の理事長さんと、浦の星の関係者の方とやらに感謝しなければなりませんわね」
「ダイヤさん・・・心の底から愛してます」
「そ、そういうセリフを軽々しく口にしてはいけませんっ!」
赤面しながら怒るダイヤさん。そんなダイヤさんを見ながら、浦の星に来て良かったと思う俺なのだった。
どうも~、ムッティです。
最近、『ラブライブ!サンシャイン!!』のBlu-rayを買い始めました。
収録されている特典映像に、Aqoursの声優さん達が出演しているのですが…
しゅかしゅーさん可愛すぎる( ´∀`)
あと、ありしゃ様が美しい(・∀・)ノ
着々とAqoursにのめり込んでいる今日この頃です(笑)
それではまた次回!以上、ムッティでした!