絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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凛ちゃんに続いて、μ'sのあのメンバーが登場します!

カードがそう告げてるんや!←


喧嘩するほど仲が良い。

 「感動したよ梨子ちゃん!」

 

 「えぇ、素晴らしい演奏でした!」

 

 「ありがとうございます」

 

 ことりちゃんと海未ちゃんに絶賛され、照れ笑いを浮かべる梨子。

 

 ピアノコンクールも終わり、俺達は梨子と合流していた。

 

 「練習の時よりさらに良くなってたわ。流石ね」

 

 「真姫さんに意見をいただいたおかげです。ありがとうございました」

 

 真姫ちゃんに褒められ、嬉しそうな梨子。

 

 すると・・・

 

 「本当に凄かったにゃ!」

 

 「うわっ!?」

 

 凛ちゃんが目をキラキラさせながら、梨子の手を握りブンブン振る。

 

 「凛はすっかり梨子ちゃんのファンになってしまったにゃ!」

 

 「えーっと・・・どちら様でしょう?」

 

 「μ'sの星空凛よ」

 

 「えぇっ!?」

 

 「よろしくにゃ!」

 

 真姫ちゃんの紹介に驚く梨子。

 

 ってか今ここに、μ'sのメンバーの半分が集まってるのか・・・

 

 「ほら、天くんも何か言うにゃ!」

 

 「うおっ!?」

 

 凛ちゃんに思いっきり背中を叩かれる。

 

 俺は苦笑しながら梨子の前に立った。

 

 「・・・お疲れ様」

 

 「・・・うん」

 

 微笑む梨子。

 

 俺も微笑むと・・・梨子を優しく抱き寄せた。

 

 「ちょ、天くん!?」

 

 「・・・良かった」

 

 「え・・・?」

 

 「今までの梨子の努力が、報われたような気がして・・・良かったなって思ったし、凄く嬉しかった」

 

 「天くん・・・」

 

 「梨子の演奏が聴けて良かった・・・本当にお疲れ様」

 

 「っ・・・」

 

 俺の胸に顔を埋める梨子。

 

 「ありがとう・・・天くんのおかげよ」

 

 抱き合う俺達。

 

 感動の余韻に浸っていると・・・

 

 「むぅ・・・天くんの浮気者・・・」

 

 「ぐぬぬぬ・・・羨ましい・・・」

 

 「くっ・・・やるわね、梨子・・・」

 

 何故か三つの鋭い視線を感じた。

 

 どうしたんだろう?

 

 「・・・本当に罪な男だにゃ」

 

 溜め息をつく凛ちゃん。

 

 俺が何をしたというのか・・・

 

 「梨子、お疲れ様・・・って、あらあら・・・」

 

 こちらへとやってきた奈々さんが、抱き合う俺達を見てニヤニヤしていた。

 

 「こんなところでイチャイチャしちゃって・・・お熱いわねぇ」

 

 「なっ!?イチャイチャなんてしてないからっ!」

 

 梨子は顔を真っ赤にして、勢いよく俺から離れた。

 

 梨子は恥ずかしがり屋だなぁ・・・

 

 「天くん、今夜は私達と一緒にホテルに泊まる?ツインルームだからベッドは二つしか無いけど、梨子と同じベッドで寝れば問題無いわよね?」

 

 「大アリよ!?何で年頃の男女を同じベッドで寝かせようとするの!?」

 

 「あら、海未ちゃんの家でも千歌ちゃんの家でも同じ部屋で寝泊まりしたんでしょ?しかも海未ちゃんの家では、同じ布団で寝てたって聞いたわよ?」

 

 「ちょ、誰に聞いたのそれ!?」

 

 「名前は言えないけど、みかんをこよなく愛する女の子からの情報提供よ」

 

 「千歌ちゃああああああああああんっ!?」

 

 あのアホみかん・・・帰ったら絶対しばく。

 

 「ダメですよ奈々さん!天くんはウチに泊まるんですから!」

 

 「何を言っているんですかことり!天はウチに泊まるんです!」

 

 「天、ウチに来なさい。コスプレ中毒者と顔芸女の家になんて泊まったら、何されるか分からないわよ」

 

 「真姫ちゃんの言うことなんてイミワカンナイ!」

 

 「天は真姫の誘いなんてオコトワリシマス!」

 

 「アンタ達今すぐ表に出なさいっ!売られた喧嘩は買ってやろうじゃないのっ!」

 

 「はいはい、三人とも落ち着くにゃ」

 

 「猫人間は黙ってて!」

 

 「ラーメンホリックは黙ってて下さい!」

 

 「貧乳は黙ってなさい!」

 

 「全員今すぐ土下座して謝るにゃああああああああああっ!」

 

 「やかましいわ」

 

 「ちゅんっ!?」

 

 「はうっ!?」

 

 「ヴェエッ!?」

 

 「にゃっ!?」

 

 全員の頭にチョップをお見舞いする。

 

 やれやれ、変わってないなこの子達・・・

 

 「二十歳を超えた女子大生四人が、くだらない理由で喧嘩しないの。分かった?」

 

 「「「「はい、すみませんでした・・・」」」」

 

 「あのμ'sの人達を、一瞬で黙らせるなんて・・・天くん、恐ろしい子・・・」

 

 若干引き気味の梨子。

 

 恐ろしいとは失礼な・・・

 

 「でも天くん、本当に泊まる場所はどうするつもりなの?もう夜だし、流石に今から内浦に帰るわけじゃないでしょ?」

 

 「まぁね。っていうか、数日はこっちにいるつもりだよ。やりたいこともあるし」

 

 「やりたいことって?」

 

 「まぁ・・・色々ね」

 

 言葉を濁す俺。

 

 「その間に泊まる場所は、もう決まってるんだよね」

 

 「えぇっ!?」

 

 「そんなぁっ!?」

 

 「何でよ!?」

 

 ショックを受ける三人。

 

 それを見て、思わず苦笑してしまう俺なのだった。

 

 「仕方ないでしょ・・・誰よりも先に誘われたんだから」

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「今日はありがとね、凛ちゃん」

 

 「天くんの為なら、凛はどこにでも駆けつけるにゃ」

 

 お礼を言う俺に、笑いながら返す凛ちゃん。

 

 俺は凛ちゃんのバイクで、再び東京駅まで送ってもらったのだった。

 

 「でも、本当にここで良いのかにゃ?」

 

 「うん、車で迎えに来てくれるみたいだから大丈夫。それにこれを持ったままじゃ、バイクには乗れないからさ」

 

 俺の手元には、着替え等が入っている荷物があった。

 

 会場へ向かう際、邪魔なので駅のコインロッカーに預けておいたのだ。

 

 凛ちゃんに駅まで送ってもらったのは、これを取りに来る為だった。

 

 「むぅ・・・凛も車の免許取ろうかな・・・」

 

 「そういえば凛ちゃん、車の免許持ってないよね。バイクの免許は持ってるのに」

 

 「凛はバイクで走って、風を感じるのが好きなんだにゃ。車はいくら走っても、全然風を感じないにゃ」

 

 「あぁ、なるほど・・・」

 

 「車は運転するより、助手席に座ってる方が楽しいにゃ。かよちんの運転する車の助手席に座って、爆睡するのが凛のお気に入りにゃ」

 

 「いや寝るんかい」

 

 花陽ちゃんのことだし、そんな凛ちゃんを微笑みながら見守ってそう・・・

 

 「そういえばかよちん、天くんに凄く会いたがってたにゃ。せっかく東京に来たんだし、顔を見せてあげてほしいにゃ」

 

 「そうするよ。ちょうど良い機会だし、俺も久しぶりに会いたいから」

 

 「ホントかにゃ!?かよちん凄く喜ぶにゃ!」

 

 嬉しそうな凛ちゃん。すると・・・

 

 「“わしわしMAX”!」

 

 「にゃあっ!?」

 

 いきなり背後から胸を揉まれ、悲鳴を上げる凛ちゃん。

 

 うわぁ・・・久々に見たな、『わしわしMAX』・・・

 

 「おー、凛ちゃん成長したねぇ・・・Bはあるんやない?」

 

 「えっ、何で分かって・・・じゃなくて!?いきなり何するにゃ!?」

 

 「フフッ、ゴメンゴメン」

 

 笑いながら凛ちゃんから離れる女性。

 

 紫の長い髪の女性は、俺を見て優しく微笑んだ。

 

 「久しぶりやね、天くん」

 

 「久しぶり、希ちゃん」

 

 微笑み返す俺。

 

 彼女は東條希ちゃん・・・μ'sのメンバーの一人である。

 

 「ゴメンね、わざわざ駅まで迎えに来てもらっちゃって・・・」

 

 「気にせんでええよ。ウチと天くんの仲やろ?」

 

 笑う希ちゃん。

 

 そう、車で迎えに来てくれる人というのは希ちゃんのことだ。

 

 そして俺が泊まる場所というのは、希ちゃんの家なのである。

 

 「それにしても、何で希ちゃんの家に泊まることになったのかにゃ?」

 

 「実はこの間真姫ちゃんと話した時に、Aqoursの桜内梨子ちゃんがピアノコンクールの為に東京に来ることを聞いてな」

 

 凛ちゃんの問いに答える希ちゃん。

 

 「天くんのことだから、絶対見に来るだろうと思って・・・そうすると泊まる場所が必要になるはずだから、天くんに連絡して『ウチに泊まりなよ』って誘ったんよ」

 

 「なるほど・・・そういうことだったのかにゃ」

 

 「うん。真姫ちゃんから聞いた話じゃ、ことりちゃんと海未ちゃんも見に来るみたいだったし・・・どう考えても、天くん争奪戦が勃発するやろ?その前に、ウチが天くんをもらっちゃえと思って」

 

 「策士にゃ!?ここに策士がいるにゃ!?」

 

 「フフッ、どんなもんや」

 

 ドヤ顔をしている希ちゃん。

 

 やれやれ・・・

 

 「まぁ、俺としてもありがたい提案だったよ」

 

 苦笑する俺。

 

 「泊まる場所を確保できたし・・・希ちゃんに会いたかったから」

 

 「っ・・・」

 

 急に顔が赤くなる希ちゃん。

 

 どうしたんだろう?

 

 「全く・・・天くんは本当に女ったらしだにゃ」

 

 やれやれといった様子で、苦笑しながら呟く凛ちゃんなのだった。




どうも〜、ムッティです。

何と『ことりちゃん大好き』さんから、またしても支援絵をいただきました!

早速紹介させていただきたいと思います!



まずは一枚目・・・


【挿絵表示】


梨子ちゃあああああんっ!!!!!

遂に天への恋心を自覚した梨子ちゃん・・・

果たしてこのままヒロインになるのか・・・



続いて二枚目・・・


【挿絵表示】


ことりちゃあああああんっ!!!!!

相変わらず天とラブラブなことりちゃん・・・

今後も梨子ちゃんを嫉妬させそうです(笑)



そして三枚目・・・


【挿絵表示】


真姫ちゃあああああんっ!!!!!

人前ではツンツンしながらも、二人きりになると天にデレデレな真姫ちゃん・・・

相変わらずチョロ可愛いですよね(笑)



いやぁ、梨子ちゃんもことりちゃんも真姫ちゃんも可愛い!

っていうかホント上手いですよね(゜ロ゜)

この画力を分けてほしい(´・ω・`)

『ことりちゃん大好き』さん、本当にありがとうございました!



さてさて、本編では遂に希ちゃんが登場染ましたね。

ムッティのμ'sの推しメンです(・∀・)ノ

実は最初、希ちゃんを天のお嫁さんとして登場させる構想があったのはここだけの話(笑)

天は音ノ木坂にテスト生として入学し、μ'sのマネージャーをやることになる・・・

それがきっかけで希と恋に落ち、やがて結婚・・・

教師となった天は浦の星に赴任し、スクールアイドル部の顧問になる・・・

μ'sのマネージャーをやった経験を生かし、スクールアイドル部の顧問としてAqoursを支える・・・

嫁である希や、他のμ'sのメンバー達にも協力してもらう・・・

みたいなストーリーも考えてました(笑)

でもやっぱりサンシャインの小説を書く以上、Aqoursがヒロインの話を書きたいなと思ったのでボツになりました(´・ω・`)

天の姉を希ちゃんにする案も考えたのですが、一度嫁として考えた希ちゃんを姉にするのもどうかと思って・・・

μ'sの中で、一番お姉さんっぽい絵里ちゃんが姉になりました。

希ちゃんの次に好きなキャラですし、のぞえりは至高だと思ってるんで( ̄ー ̄)



希ちゃんの家に泊まることになった天・・・

数日は東京に滞在するとのことですが、果たしてどうなるのか・・・

これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!

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