絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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花陽ちゃん、誕生日おめでとう!

本当はダイヤさんに続いて、誕生日記念の番外編を書こうかと思ったのですが・・・

花陽ちゃん、まだ本編に出てきてないじゃん・・・ということで止めました(´・ω・`)

ゴメンよ、花陽ちゃん・・・


包容力のある人は素敵である。

 「そっかぁ・・・ラブライブの予備予選、今日やったんやね」

 

 「そうなんだよ。レベルの高いグループが結構いて、驚いちゃった」

 

 希ちゃんの家で夕飯を食べつつ、ラブライブの話をしている俺達。

 

 希ちゃんは高校時代と変わらず、マンションで一人暮らしをしている。

 

 相変わらずご両親は仕事が忙しいそうで、なかなか会えないようだ。

 

 「んっ、この肉じゃが美味しい!希ちゃん、また料理の腕が上がったんじゃない?」

 

 「ホント?実は最近、休日は料理教室に通ってるんだ。まだまだ天くんには及ばないけど、少しでも上達したいからね」

 

 「いや、俺も人並みにしか出来ないって」

 

 「謙遜せんでもええって。あのにこっちから免許皆伝をもらってるんやから」

 

 笑いながら言う希ちゃん。

 

 実は俺に料理を教えてくれたのは、他ならぬにこちゃんだったりする。

 

 μ'sの中で一番料理スキルの高いにこちゃんは、俺に一から料理の基礎を叩きこんでくれたのだ。

 

 おかげで今一人暮らしをしていても、自炊で困ることはほとんど無い。

 

 まさしくにこちゃん様々である。

 

 「っていうか、何で急に料理教室に・・・ハッ!?まさか男ができたとか!?」

 

 「フフッ、だったらどうする?」

 

 「うぅっ・・・希ちゃん、幸せになるんだよ・・・」

 

 「まさかのガチ泣き!?」

 

 寂しいけど、仲間として希ちゃんの幸せを願わないといけないよなぁ・・・

 

 「冗談やって!?彼氏なんていたことないよ!?」

 

 「嬉しくて嬉しくて言葉にできない」

 

 「小●和正!?」

 

 良かったぁ・・・

 

 いや、喜んで良いのか分かんないけど。

 

 「え、じゃあ何で料理教室に?」

 

 俺が尋ねると、希ちゃんは恥ずかしそうに俯いてしまった。

 

 「いや、その・・・天くんに『美味しい』って言ってもらいたくて・・・」

 

 「貴女に会えて本当に良かった」

 

 「それも小田●正やん!?」

 

 勢いよく希ちゃんに抱きつく俺なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「こうやって一緒に寝るの、久しぶりやね」

 

 「何で俺の周りの女子達って、男と一緒に寝ることに躊躇いが無いのか・・・」

 

 同じベッドの上で希ちゃんにくっつかれ、溜め息をつく俺。

 

 まぁ希ちゃんの家に泊まることが決まった時点で、こうなるとは思ってたけどね。

 

 「男と一緒に寝ることじゃなくて、天くんと一緒に寝ることに躊躇いが無いだけだよ。皆それくらい、天くんのことが大好きってことやね」

 

 「いや、その気持ちは凄くありがたいんだけどさ・・・何度も言うけど、俺も男だからね?襲われても知らないよ?」

 

 「フフッ・・・ちゃんと責任を取ってくれるなら、襲ってくれてもええよ?」

 

 「女の子がそういうこと言わないの。特に希ちゃんは、自分の身体が凶器だってことをもう少し自覚して」

 

 「ほほう?どの辺が凶器なん?」

 

 そう言いながら、豊満な胸をこれでもかと押し付けてくる希ちゃん。

 

 うわ、この子絶対分かってるわ・・・

 

 ってか、高校時代よりもさらに大きくなってるだと・・・?

 

 「チクショウ、初代おっぱいお化けめ・・・」

 

 「懐かしいね、その二つ名」

 

 クスクス笑う希ちゃん。

 

 元々『おっぱいお化け』というのは、希ちゃんを指し示す言葉だったのだ。

 

 言うなれば、鞠莉は二代目なのである。

 

 「ウチを『初代』って呼んだということは、Aqoursに二代目がおるんやね?もしかして、小原鞠莉ちゃん?」

 

 「・・・流石はセクハラ親父、見抜いてたか」

 

 「良いモノ持ってるよねぇ。後は松浦果南ちゃんと、国木田花丸ちゃんかな?」

 

 「どんだけ見抜いてんの!?ってかどこに注目してんの!?」

 

 ダメだこの子、完全に変態だよ!ド変態親父だよ!

 

 「ってか希ちゃん、ずいぶんAqoursに詳しいね?」

 

 「ウチだけやなくて、μ'sのメンバーは全員Aqoursに注目してるからね。何といっても、ウチらの仲間がマネージャーやってるグループやもん」

 

 笑みを浮かべる希ちゃん。

 

 「『天くんがまたスクールアイドルに携わってる』って、皆喜んだんやから」

 

 「・・・色々あったんだけどね」

 

 苦笑する俺。

 

 ホント、思い返せば色々あったなぁ・・・

 

 「正直、今でもちょっと思うよ。『俺がAqoursのマネージャーで良いのかな』って」

 

 「どうして?」

 

 「・・・俺はまだ、Aqoursの十人目だとは思えてないから。皆が『それでも良い』って言ってくれたから、マネージャーをやらせてもらってるけど」

 

 それでも、やっぱり思ってしまう。

 

 Aqoursの十人目だと思えていない奴が、仲間としてマネージャーをやってて良いのかと・・・

 

 「・・・天くんは、Aqoursの皆の側にいたくないの?」

 

 「・・・いたいよ」

 

 希ちゃんの問いに答える俺。

 

 「皆と一緒にいたい。目標に向かって歩み続ける皆に、出来る限りのサポートをしてあげたい・・・そう思うよ」

 

 「・・・そっか」

 

 希ちゃんはそう言うと、優しく俺を抱き締めてくれた。

 

 「なら、それが答えやん」

 

 「え・・・?」

 

 「天くんは、Aqoursの皆と一緒にいたいと思ってる。Aqoursの皆も、天くんと一緒にいたいと思ってくれてるんやろ?だったら答えは出てるやん」

 

 微笑む希ちゃん。

 

 「Aqoursのマネージャーには、天くんが相応しい・・・むしろ天くん以外の人には務まらないと思うよ?」

 

 「希ちゃん・・・」

 

 「だからもっと自信持って。天くんの力は凄いんやから。それは誰よりもその力に助けられてきたウチらが、胸を張って保証する」

 

 「・・・どんだけ胸が自慢なの?」

 

 「そういう意味やないよ!?」

 

 「冗談だって」

 

 俺は笑いながら、希ちゃんに身を寄せた。

 

 「・・・ありがとね、希ちゃん」

 

 希ちゃんは昔からそうだ。

 

 人が悩んだり苦しんだりしてる時に、その人が一番欲しい言葉をかけてくれる。

 

 不安を取り除くような、安心するような言葉をかけてくれる。

 

 だからこそ俺も、希ちゃんみたいな人になりたいと思ったのだ。

 

 「ホント・・・希ちゃんには敵わないな」

 

 「フフッ、それはお互い様やね」

 

 頭を撫でてくれる希ちゃん。

 

 「ウチも天くんには敵わないと思ってるから」

 

 「え?どこが?」

 

 「さぁ?どこやろうね?」

 

 クスクス笑いながらはぐらかす希ちゃん。

 

 こういうところも相変わらずだな・・・

 

 「ところで天くん、明日はどうする予定なん?」

 

 「とりあえず挨拶回りかな。前回東京に来た時は、そんな時間も無かったから」

 

 「そうやね。ウチとも会ってくれなかったもんね」

 

 「あれ、怒ってる?」

 

 「別に?」

 

 笑顔の希ちゃん。

 

 何か笑顔が怖いんだけど・・・

 

 「一人で回るつもりなん?」

 

 「そのつもりだったんだけど、梨子も一緒に行きたいって。ついでに皆に、梨子を紹介しておこうかなと」

 

 「なるほど。ウチが仕事に行ってる間、天くんはデートなんやね」

 

 「やっぱり怒ってるよねぇ!?」

 

 「別に?」

 

 もうこの笑顔には騙されない。

 

 絶対に怒ってるわこの子。

 

 「・・・早く帰って来てね。こうやって希ちゃんとも一緒に過ごしたいからさ」

 

 「待っててな天くん!すぐ帰って来るから!」

 

 あれ、希ちゃんってこんなにチョロかったっけ・・・

 

 真姫ちゃん並みなんだけど・・・

 

 「じゃあ、そろそろ寝よっか・・・おやすみ、希ちゃん」

 

 「おやすみ、天くん」

 

 希ちゃんはそう言うと、俺を抱き締めながら目を閉じた。どうやら、抱き枕にする気満々らしい。

 

 苦笑しつつも希ちゃんに身を委ね、ゆっくり目を閉じる俺なのだった。




どうも〜、ムッティです。

今回は天と希ちゃんのイチャイチャ回でした・・・

天、場所代われ(゜言゜)

推しメンでもあるので、ちょっとこういう話を書きたかったんですよね(笑)



そしてここで感謝の言葉を・・・

『絢瀬天と九人の物語』ですが、何と感想が500件に到達しました\(^o^)/

いつも感想を書いて下さる皆さん、本当にありがとうございます!

感想をいただけるのって、個人的に凄く嬉しいんです。

読者の方々が話を読んで、どう思ったのかが分かるのが嬉しいというか・・・

ありがたいことに好意的な感想をたくさんいただいており、とても励みになっています(^^)

時々批判的なご意見をいただくこともありますが・・・

それはそれで見方の一つですし、『そういう風に捉えられたんだな』と参考にさせていただいております。

皆さん、いつも本当にありがとうございます。

これからも気が向きましたら、感想を書いていただけると幸いです(^^)



さてさて、次回はμ'sのあのメンバーが登場します!

最近ちょっとμ's祭りみたいになってきてますね(笑)

是非お楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!

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