孤島鎮守府の奮闘   作:画面の向こうに行きたい

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全国1億2千万のもっちーファンの皆様お待たせしました!
待望のもっちー回です!





望月に寄り添う提督(オトコ)の作法

そんなわけで、望月を秘書艦に任命した。

 

「ねー、やっぱやめない?私、秘書艦ってガラじゃないよ?」

 

べつに望月でなくても構わないが、ここで変更したら、時雨以外誰でもよかったコトになる。それは避けたい。

 

「だいたい、時雨の何が不満なのさ?仕事はちゃんとするし、料理は上手だし、私と違っておっぱい大きいじゃん?」

 

「それがマズいんだ!」

 

時雨は自分の武器をわかって使ってくるからな。

 

「え?司令官ってチョモランマより、モンゴルの大平原が好きなタイプ?私としては嬉しいけど、男としてどうなん?」

 

そういうコトじゃない!

 

「とにかく、明日は望月が秘書艦だ。はい!決定!」

 

「ぶー!」

 

その日は早く寝た。決して時雨が怖かったワケではない。そう、決して。

 

 

・・・

 

「・・・・ぃ」

 

誰かが呼んでいる。

 

「・・・さい」

 

曙か?

 

「さっさと起きろ!クソ提督!」

 

布団を剥がされて目が覚めた。曙がベッドの前で仁王立ちしてる。

 

「アレ?」

 

今日は望月が秘書艦だったはずなのだが。

 

「望月はまだ寝てるからさっさと起こして来なさい!」

 

何でオレが?

 

 

コンコン

 

「おーい望月?起きているか?」

 

返事ナシ

 

「入るぞ」

 

望月はやはり布団の上で寝ている。暑いのか布団を蹴飛ばし、着てる浴衣もはだけてる。

 

「くか〜」

 

うら若き乙女が人様に見せられない様子で寝ている。

 

「おい!望月起きろ!」

 

「んあ?司令官?」

 

寝ぼけまなこをこすりながら、メガネをかける。

 

「何?どうしたの?夜這い?」

 

「そんなわけあるか!」

 

さっきから、はだけた浴衣から胸元やパンツが見えそうで目のやり場に困る。

 

「ねぇ、さっきから何で明後日の方向を見てるワケさ?」

 

あーもう!

 

「おまえ、自分の格好をよく見てみろよ」

 

「ん?な!」

 

望月は真っ赤な顔をして、後ろを向いた。

 

「ほ、ほらもう起きたから。着替えるから出てって!!」

 

部屋を追い出された。

アイツもあんな表情(カオ)するんだなぁ。

いかんいかん。思考が、幼馴染に急に異性を感じた中学生みたいになっている。

 

「ねぇ提督?」

 

時雨に声をかけられる。

 

「今日の出撃なんだけど」

 

もうそんな時間か。望月とバタバタしてたからな

 

「今はまだ大丈夫だけど、出撃予定海域に低気圧が発生する可能性があるんだ。念のため、出撃延期にしたいのだけれど」

 

「わかった。今日の出撃はナシだ。午前中は訓練して、午後は自由でいい」

 

「了解!」

 

 

 

その後、着替えた望月が朝食を用意してくれたのだが、

 

「司令官、メロンパンとクリームパンどっちがいい?」

 

コップにオレンジジュースを注ぎながら望月が聞いてきた。

 

「菓子パンかよ」

 

「みんな朝から頑張りすぎ。朝食なんてこれくらいで充分だよ」

 

まぁ、朝からガッツリ食べられない人って多いよなぁ。オレもこの朝食で気にならないし。

 

 

 

朝食後、望月と書類仕事をするのだが、望月は

 

「あー、仕事だるー。出撃がナシになったのなら、私もそっちにしとけば良かったなー」

 

「いや、みんな真面目に訓練しているから」

 

ぶーぶー文句を言う望月に、仕事を半分渡す。

 

「ほら、これしといて」

 

「えー、面倒くさい」

 

やはり文句を言うが渋々仕事を始めた。

 

 

 

その後、

 

「終わった〜!!」

 

 

島風ほどではないが、かなり短い時間で終わらせた。島風みたいにいい加減な仕事をしてないか?

 

 

アレ?ちゃんとできてる?

 

「ふふん!私が本気出したらこんなもんよ!」

 

なら、最初から本気出してくれ。

 

「はあ。まぁいいか。それよりも望月、仕事が終わったなら、追加でコレも頼む」

 

「イヤ!」

 

「おいおい」

 

「仕事が早く終わったら、早く帰れるのではなく、さらに仕事を追加してくるの日本の組織の悪い所だね」

 

「まぁ、そりゃあなぁ」

 

「というワケでガンバ!」

 

 

 

お昼

 

「おらーおまえら、ごはんできたぞー!食え」

 

本日の昼食は、望月特製月見うどん。

 

「「「いただきます」」」

 

「ぽいー!望月ちゃん、天カスがカリカリしてないっぽい!」

 

「それはツユを吸わせて食べるんだよ。歯ごたえはないけど美味しいよ」

 

「ぽい!」

 

「足りなかったら冷蔵庫のご飯を勝手にチンして食べてー」

 

朝が菓子パンだったから、昼は少しガッツリ食べたいな。オレの分だけ2玉入っているけど、もう少し欲しい。

 

ご飯をよそってレンチンしたら、席に戻ると、望月が無言で漬物の入った小皿を突き出す。

 

「ん」

 

「ありがとう望月」

 

 

月見うどん美味しい。

 

 

 

午後

 

オレは一人で残りの仕事を片付けている。望月はソファーの上で寝転がってゴロゴロしていた。

 

「なぁ、望月手伝っ・・・」

 

「ヤダ」

 

オレのお願いをあっさり却下し、拒否の姿勢を示すべく、足を向けて本を読む望月。

 

「望月、パンツ見えるぞ」

 

「えー、司令官って私のパンツによくじょーするの?」

 

ニヤニヤと笑みを浮かべながら挑発する望月。

クソ、今朝のことを根に持っているな。

 

「ホラ、さっさと終わらせないと日が暮れるよ」

 

 

 

・・・

 

「終わった〜!」

 

「お疲れさん」

 

相変わらず足をブラブラさせながら適当に返事する望月。

仮にも上官に対してその態度は良くないなぁ。オシオキの必要がある。そう、決して仕事を手伝ってくれなかった逆恨みではない。

 

こちょこちょこちょこちょ!

 

望月の足の裏を全力でくすぐる。

 

「にゃはは!何?あはは!何なの?ぬははは」

 

「こちょこちょ!」

 

「わはは!司令官、やめて!あははは!」

 

「望月、オシオキだ!」

 

「あははは、もう、ムリー」

 

その場に崩れ落ちる望月。顔が赤く染まり、ゼェゼェと荒い息をして、脱力する望月。

 

エッロ!

 

いかんいかん。

 

「コレに懲りたら上官への態度には気をつけること!」

 

それっぽい注意をして、オレは部屋から逃げ出した。ヤバい!正直やり過ぎた!

 

「・・・おのれー、覚えていろよ司令官」

 

 

 

 

その夜、

 

「「「いただきます」」」

 

今日の夕食は鍋だった。

あの後、なんやかんや理由をつけて望月から逃げたからな。

 

「えー、シメはおうどんがいいっぽい!」

 

「お昼に食べたじゃん。私の独断と偏見によってシメは雑炊!」

 

「ぽい〜」

 

普通だ。望月は意外と気にしてないのかもしれない。そうとわかったら鍋食おう!

 

 

 

 

食後、

 

 

「なぁ望月、明日も秘書艦をしてくれないか?」

 

望月は頼んだ仕事はキッチリしてるし、家事も上手だ。貞操の危機を感じなくていいし、何より気を使わなくてもいい。

 

「えー、面倒くさい。それに」

 

望月は意味有り気にこちらを見ると、

 

「秘書艦なんかしたら司令官にセクハラされるし」

 

ピキッ!

 

場の雰囲気が凍りついた

 

「どどど、どういうことよ!望月にセクハラしたって!!!」

 

「さっすが提督、セクハラするのもはっやい!アレ?私そんなことされたっけ?」

 

「ぽい?セクハラって食べられるっぽい?」

 

「あらー、やっちゃいましたねぇご主人様」

 

「もう、司令官ったら、そう言うことは私に言ってくれたらいいのに!」

 

「あああ、あの、そういったことはこの朝潮でよかったら」

 

「ねぇ?望月にセクハラしたって詳しく聞かせてくれるかなぁ?」

 

場がカオスになった!

 

「だから、私パス!」

 

望月は◯原みたいにいい残し、食堂を去った。

 

 

どうすんだよこのシチュエーション!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「月に寄り添う乙女の作法」

ネーブルの作品。

オープニングとキャラクターのネーミングセンスが抜群の作品(これ、いつも言っている気がする)
乙女=主人公=男性なんだよね。


さて、次回は、


時はゲンロク
亡き主君の仇を打とうとする誠のサムライがいた!

次回、

「Chusingura8+いっぱい」

そこんとこヨロシク!





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