「な、なんだと!!!」
すみません。予告したネタが書けませんでした。
エイプリル・フール回をお楽しみください。
なお、
拙作「孤島鎮守府の奮闘」がUA10,000を超えました。
コレもみなさんの応援のおかげです!
これからも拙い文章ではありますが精一杯投稿します!
4月の初日、うららかな春の日。仕事など忘れて桜の木陰で昼寝などしたくなる穏やかな日。しかし、その静寂は破られたのだった!
「提督〜!」
島風が乱入して来た。またか。
「提督は今日から島風のイスです!」
はぁ?何言ってんだコイツは?オレにそんな趣味はない!
だが、そんなオレを無視して島風は、執務机の椅子に座るオレのヒザの上に座った。
なんなんだ?一体?
島風は最初こそ楽しそうにオレに体をこすりつけたりして来たが、3分とたたないウチに貧乏ゆすりをはじめ、その1分後、奇声を発して離れた。
「やっぱり、ジッとしているなんてムリ!」
そう言い残して、執務室を飛び出した。去り際に一言、
「うっそぴょ〜ん!」
と言い残して。
「今日はエイプリル・フールだからじゃないですか?」
近くにいた朝潮に聞いたら、こんな答えが返ってきた。そういえばそんな時期か。
「朝潮は何かウソをついたのか?」
「え、あ、はい・・・」
朝潮のことだからきっと可愛いウソなんだろう。
「・・・ごめんなさい。今のがウソです。まだウソをついてません」
あぁもう!朝潮は可愛いなぁ!
「あれ?でも、これでウソをついたことになる?でもウソはついてないし、あれれ?はわわ?」
思わず朝潮の頭を撫でる。
「あの、何でウソをついたのに撫でられているのでしょうか?」
朝潮を一通り撫でたので、他に行くことにした。
娯楽室で望月がゲームしていた。
「望月」
声をかけて、振り返った望月は明らかに普通ではなかった。何かを隠してるみたいだ。
「あー、司令官に謝らないといけないことがあってさぁ」
ふむ、正直でよろしい。
「司令官の持ってたボケモン、勝手にプレイしたら間違えてセーブデータ消しちゃった」
ぬぁにぃ!!!
「き、貴様!あのパーティー育てるのにどんだけかかったと思ってる」
「あー、ホント、ゴメン」
オレはその場に崩れ落ちてしまった。
望月はそんなオレに近づくと、
「なーんちゃって。うっそぴょ〜ん」
は?
望月が最高に人をバカにしたような表情でいる。
クソ!完全に騙された!
怒る前に望月に逃げられた!覚えていろよー!
もちろんデータは消えていなかった。
「クソ提督」
曙が深刻な表情で訪ねてくる。
なんだろうイヤな予感がする。
「私、他の鎮守府に移動することになったから」
「え?」
曙が転勤・・・
「そ、そうか」
上層部の命令だから仕方がないが、ツンツンしながらもオレのことを支えてくれた曙が去るのは寂しい。顔から血の気がひいていくのがわかった。
しかし、曙は柔らかい笑みを浮かべ、
「ウソよ。大体、アンタみたいな半人前提督を放って他の鎮守府に行ける訳ないじゃない」
「そうか。よかった」
曙が残ってくれてよかった。
「仕方がないから、これからも面倒見てあげるわ。感謝しなさい」
オレを騙せて嬉しかったのか、スキップしながら部屋を出ていった。
「司令官」
今度は雷が執務室に入って来た。
「司令官、クビになっちゃった」
「は?」
雷の掲げた紙には、勝訴よろしく「クビ」と大きく書いてあった。
えー!これからどうやって生活しようか?失業保険出るのかな?
「でもね、大丈夫。雷が養ってあげるから!」
満面の笑みで両手を広げる雷。いや、ヒモはダメだろう。
「う、ウソだよな?」
「残念ながらウソよ司令官。けれどももし、本当にお仕事がイヤになったらいつでも言ってね。私が養ってあげるから!」
やめろ。やめてくれー!
はぁ、はぁ。危うくヒモニートになる所だった。
だんだんわかって来たぞ。エイプリルフールにみんなでオレを騙そうとしてる訳だなぁ。
「ご主人様〜」
今度は漣か。
「鎮守府の裏山にクマが出たんですー!」
球磨がドロップしてくれたならいいが、熊か。
「よし、見に行くか」
鎮守府のすぐ裏手の茂みで茶色い物体がゴソゴソしている。
恐る恐る茶色い物体に近づくと、
「わ、わぁ!」
熊の着ぐるみを来た朝潮だった。
「ドッキリ大成功!!」
と書かれたプラカードを漣が掲げた。
「あれ?あまり驚いていませんね?」
「まあ、今日は色々な娘に騙されたからな」
「ちぇ。あ、アサシン。ありがとう」
「いえ、お役に立てたらよかったです。でも、アサシンはちょっと」
「えー?可愛くない?」
はぁ。疲れた。帰ろう。
廊下を歩く夕立がいた。
「あら、提督さん」
夕立はいつものセーラー服ではなく、大人っぽいスーツを着ていた。シャツのボタンが開いていて胸元が見えそ・・・
「どど、どうしたんだ夕立?その格好は?」
夕立は大人っぽい笑みで、
「私もそろそろ大人にならないと。もう、『っぽい』なんて子供みたいな口グセは使わないわ。提督さんももう子供みたいに撫でたりしないでね」
オレは足元がガラガラと崩れていくような感覚になる。
「ゆ、夕立?」
ムズムズ!
「うわーん!ムリっぽい!」
夕立は全力で抱きついて来た。薄いシャツ越しに夕立の柔らかい膨らみを感じる。
「夕立にオトナのオンナはムリっぽい!ねぇ提督さん、夕立のこといつもみたいに可愛がって?」
上目遣いでおねだりする夕立。オレの身体で潰れる双丘。女の子特有の甘い香り。オレの理性が崩壊しそう。
落ち着け。とりあえず、頭を撫でるんだ!
「えへへー。提督さ〜ん」
気持ちよさそうに目を細める夕立。いかん。いけない気持ちになりそうだ。
「そろそろ行かないとな」
「ぽい!」
オレは泣く泣く夕立から離れた。このままではケダモノさんになりそうだからな。
「提督?」
後ろに時雨が立っていた。気のせいだろうか?笑顔なのに、目が笑っていない。
「夕立、冗談が終わったら着替えておいで」
「そうするっぽい」
夕立は去っていった。時雨と二人っきりになった
「提督」
ヤベッ!怒られるのか?
「できちゃった」
「は?」
愛おし気にお腹を撫でる時雨。
いや、まて。コウノトリがキャベツ畑なコトはしてない。してないよな?
「ウソだよな?」
「ウソだよ」
時雨はあっさりと認めた。なんだ。
「でもね」
時雨はハイライトが仕事してない表情で、
「ボクは本当でもいいと思うんだ。ねぇ提督?」
ヤバい!ヤバい!オレはまだ人生の墓場にダイブインしたくない!
コンコン
「あの、司令官。みなさんがお花見しようと、中庭に集まっていますよ?」
そこに天使、朝潮がやってきた!
「あぁ。もちろんすぐに行く!」
オレは朝潮と共に部屋を出た。
「ふふふ、雨はいつか止むさ」
・
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ぽかぽかした陽気。穏やかな風に桜の花びらが舞って幻想的な光景だ。
「提督、遅い〜」
「遅いわよ!クソ提督!」
「提督さん。こっちっぽい!」
立派な桜の下に敷かれたシート。その上に広げられた美味しそうなお弁当や飲み物。
「さぁさぁご主人様」
「いーっぱい食べてね司令官」
「ホラ」
遅れて来た朝潮や時雨と共に座る。
「はわわ。ありがとうございますです」
「ふふ、雨も良いけど、お花見はやっぱり晴れていないとね」
「「「いただきますー!」」」
楽しそうなみんな。こんな穏やかで楽しい日々が続きますように。
「すきま桜と嘘の都会」
プロペラの作品。
せっかくの設定をもうすこし上手に活かせなかったのかなと思う作品。
次こそ予告していた内容をお届けします。
・・・多分