孤島鎮守府の奮闘   作:画面の向こうに行きたい

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絶好の行楽日和を皆さまいかがお過ごしでしょうか?


本当はお盆くらいに投稿しようと思っていたのですが、作者の遅筆故に秋になってしまいました。
遅くなった分、かつてないほどのボリュームでお送りします


G.I.B〜ガールズ、イン、バトル

「さぁ、始まりました!第32回(本当は初めてだけど)艦娘夏のバトル大会!司会実況は私、提督が、解説は」

 

「エラーネコ、とよんでください」

 

「エラーネコさんでお送りします。まずはルールの説明をします。選手は初期装備のお風呂の水鉄砲やフィールド内のアイテムを駆使してほかの選手に水をかけてください。フィールド内各所にいる審判妖精さんが命中と判定されたらその場で失格となります。自分以外の全員が失格になれば優勝です」

 

「それでは選手の紹介をしましょう!まずはこの方、速きこと島風の如し!島風選手!」

 

「島風、水鉄砲戦に入ります!」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「圧倒的な速さで他の選手を翻弄します!」

 

「ありがとうございます!」

 

「島風さんのスピードは折り紙つきです。回避に重点を置き、隙を見て反撃する作戦ですね」

 

「続きまして、やればできる子、望月選手!」

 

「ハイハイ、望月出ますよー」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「あー、ほかの選手が潰しあって残った選手を倒す作戦かな?」

 

「ありがとうございます」

 

「体力や、水を温存し、疲れたほかの選手と戦う。トーナメントではなくバトルロイヤルルールを使った上手な作戦ですね」

 

「続きまして、聖母、雷選手です」

 

「逃げるなら今のうちだよ?」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「司令官への愛よ!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「一見、作戦になっていないようですが、どのような戦いも最後はメンタルです。強いメンタルを維持し続けることが勝利への道かもしれません」

 

「な、なるほど。続きまして、孤島のメイド!漣選手です!」

 

「キタコレ!」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「バトル□ワイヤルを全巻読破しました!これで勝つる!」

 

「ありがとうございます」

 

「参考作品を読んで勉強する。いつもふざけているようでまじめな漣さんらしい作戦ですね」

 

「続きまして、皆さまお待ちかね!ツンデレ天使!曙選手です!」

 

「何よそのキャッチコピー!冗談じゃないわ」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「精一杯頑張ります」

 

「ありがとうございます」

 

「臨機応変に柔軟な判断を。現場では常に求められますね」

 

「素っ気ないコメントを膨らませていただき、流石ですね。続きまして、最凶の忠犬!時雨選手です!」

 

「ここは譲れない!」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「持ち前の幸運を生かして、強力なアイテムを手に入れられたらゲームを有利に展開できると思うよ?」

 

「ありがとうございます」

 

「運頼みのようですが、強力なアイテムを入手すると、ほかの選手はそのアイテムを使えません。一石二鳥の作戦ですね」

 

「そして、鎮守府の良心、朝潮選手」

 

「いつでも受けて立つ覚悟です」

 

「可愛いらしい意気込みですね。今回の作戦は?」

 

「特にありません。一生懸命頑張るだけです」

 

「ありがとうございます」

 

「艦娘といえど、可愛い後輩にいざとなったら銃口を向けにくいものです」

 

 

「それでは最後に、今回の優勝候補、孤島の狂犬、夕立選手です!」

 

「さぁ、素敵なパーティーしましょう?」

 

「今回はどのような作戦で?」

 

「ぽい!先手を取って、攻撃あるのみっぽい!」

 

「ありがとうございます」

 

「攻撃は最大の防御。猛攻で相手に攻める隙を与えない。夕立さんらしい作戦ですね」

 

「それでは選手のみなさんは、事前にくじで決めたスタートポイントに移動してもらいます。」

 

「えー、今回の大会の優勝者には、商品として間宮羊羹10本と、え?副賞として、提督にお願いを聞いてもらえる券?おい、ちょっと待て聞いてないぞ運営?」

 

「あ、選手のみなさんがスタート位置についたみたいですね。それではスタート」

 

ゴーン!

 

「オィィィィ!」

 

「序盤はどうしてもアイテムと対戦相手を探す時間になりがちなので、その間、各選手に聞いた副賞のお願いを発表したいと思います」

 

「ねぇ、その副賞って提督権限でナシにできない?」

 

「ダメです。今さらナシしたら暴動が起きます」

 

 

「おや、曙選手、提督私室前からスタートし、近くにある宝箱から、ポンプ式水鉄砲を手に入れましたね」

 

「最大射程30cmから50cmになりました。300mlのタンクもありますからかなりの戦力アップですね」

 

 

「早速ですが、島風選手と時雨選手がバトルになったようです!」

 

「島風選手はマグナムみたいな水鉄砲を入手!射程は倍の50cmです。銃自体の大きさも、やや大きめなので、タンクの水も多めに入っていると思われます。加えて、島風選手のスピードも加味して、時雨選手の方がやや不利か?」

 

「おーっと、時雨選手、戦場から撤退を選択した!」

 

「コレは悪手ですね。スピードで勝る島風さんが相手ですから、すぐに追いつかれると思われます。時雨さんにはなにか考えがあるのでしょうか?」

 

「おや、時雨選手、全速力で廊下の角を曲がったかと思ったが、すぐに柱の影に隠れた!」

 

「追いかける島風選手。そのまま全速力で走り、豪快に転倒!どうやらワックスが塗りたてのようです。そのまま食堂へダイブイン!ここで審判妖精さんがレッドカード!」

 

「今回の大会には何箇所か、侵入禁止エリアがあります。各私室や工廠、司令室などで、食堂も禁止エリアに含まれます」

 

「禁止エリアに入れば即座に失格になるルールを逆手に取った作戦でした」

 

「島風選手、今のお気持ちを一言」

 

「すべては私の速さが足りないからです。もっと速くなるように努力します!」

 

「ちなみに、島風選手の希望は、「提督同伴で鈴鹿でレースが見たい」でした」

 

あぶねー。オレのお財布が大破するところだったわ!

 

 

「さて、漣選手が、宝箱を発見したようですね」

 

「彼女はまだ初期装備なので、是が非でも強力なアイテムが欲しいところです」

 

「さて、箱の中身は?」

 

箱の中には、アイテムじゃなく、1匹の妖精さんが水鉄砲を持って待ち構えていた。

しまったと思ったがもう遅い。漣は顔面に水を浴びさせられた!

 

「あべし!」

 

「ここで審判妖精さんが命中の判定!漣選手、失格です!」

 

ずぶ濡れになった漣に対して、

 

「漣選手、今回の敗因は?」

 

「宝箱にはトラップ感知。RPGの鉄則を疎かにしてしまいましたね」

 

「今のお気持ちを一言!」

 

「さみぃ。寒いよ!団長!」

 

「漣選手ありがとうございました」

 

 

やめなさい。縁起でもない。

 

 

「なお、漣選手の希望は、「提督とコミケ参戦」でした」

 

島風以上に財布が大破するヤツだ!

 

 

 

「おーっと、食堂前からスタートした望月選手、倉庫を探索してると思いきや、緩衝材をマクラに昼寝を始めた!」

 

「果報は寝て待て。ですね。しかし、世の中そう甘くありません。妨害妖精さん!」

 

倉庫の入口で妖精さんサイズの水鉄砲を構えて敬礼している!

 

妨害妖精さんは、入口から堂々と入って、望月の前で水鉄砲を構える。そして、

 

「ぶぶは!」

 

望月の顔面に、盛大に水が命中した。当然、審判妖精さんが命中の判定をする!

 

「えー、望月選手。今回の敗因は?」

 

「あー、展開のアヤですかね?」

 

いや、お前のヤル気のなさが原因だろう。

 

「今のお気持ちを一言」

 

「水でも被って反省します」

 

「望月選手ありがとうございました」

 

「えー、望月選手の希望は、1ケ月の有給休暇でした。これは提督にとってかなり助かったのでは?」

 

「正直、望月が1ケ月いないとかなり困ります」

 

「それでは、他の選手の様子を見てみましょう」

 

 

 

「おや、時雨選手と朝潮選手が会敵したみたいですね」

 

「し、時雨さん」

 

両手で水鉄砲を構えた朝潮。初期装備のままである。

 

しかし、時雨は構えないまま、

 

「朝潮、提督が呼んでたよ」

 

「え?そうなのですか?」

 

朝潮は戦闘中であることを忘れて、時雨に背を向けて走り出した。が、

 

パン!

 

「「撃った〜!!!」」

 

朝潮の背中に容赦なく発砲した時雨

 

審判妖精さんも当たりの判定を下す。

 

そのまま退場する朝潮。

 

「今回の敗因はなんでしょう?」

 

「全ては自分の未熟さが招いたことです」

 

いや、朝潮は悪くないぞ。強いて言えば、人を信じすぎたことかな。

 

「ちなみに、朝潮選手の希望は、司令官に抱っこされながら頭をナデナデして欲しい。でした」

 

クソ!その程度なら叶えても問題なかったのに!

 

「朝潮選手。ありがとうございました」

 

 

 

「さて、こちらでは曙選手と雷選手が会敵したみたいです」

 

 

それは艦娘として多くの実戦をこなしたからこその咄嗟の反応だった。

 

パン!

 

破裂音と共に、曙がさっきまでいたところに水たまりができていた。

 

「あら、よく躱したわね。曙」

 

「雷!」

 

「ごめんなさいね、曙。貴女を倒して私は司令官を手に入れるの」

 

そう言いながら何かを投擲する雷

 

「雷選手の武器は水風船です!夜店で買った水風船を落として破裂させてしまった思い出がみなさんあるのではないかと思います」

 

水風船は直撃を避けても、地面で破裂したら水を周囲に撒き散らす。かなり大きく避けないといけない曙の体力を削っていく

 

「くっ!!」

 

バランスを崩してしまった曙。地面に転がってしまい、回避は難しそうだ。

 

「これで終わりよ」

 

大きく振りかぶる雷!

しかし、一瞬早く曙が小石を投げて水風船に当てた。

 

パン!!!

 

雷の手の中で破裂する水風船。当然、雷の手は水浸しになってしまった。

 

審判妖精さんが当たり判定を下した。

 

 

「雷選手。ズバリ、今回の敗因は?」

 

「雷が頼りなかったから。こんなことでは司令官に頼ってもらえないわね」

 

「なお、雷選手の希望は、『司令官が私のヒモになること』でした。高等遊民になり損ねましたね」

 

「お黙り!」

 

流石にヒモはダメだろう。

 

 

 

「ぽーい」

 

曙の目の前を水の線が走る!

 

咄嗟に避ける曙。

 

「曙選手と夕立選手が会敵!夕立選手は今大会最強のアイテム『庭の散水ホース』を装備しています」

 

「ホースの長さ20m。放水距離がMAX2m。弾数は蛇口に繋がっている限り無限というまさにチート兵器」

 

「夕立選手の攻撃的な性格と相まって、まさに水砲台。これを倒すのはかなり難しいでしょう」

 

 

 

実際、曙は窮地に立たされていた。

自分の水鉄砲では届かない飛距離。無限に出る水。蛇口から広範囲に動くことができる。

しかも、それを持っているのは鎮守府一の狂犬、夕立なのだ。

物陰に隠れたものの、状況の打開策が思いつかない。

 

「曙」

 

声がする方に反射的に水鉄砲を向けると、別の物陰に隠れた時雨がいた。

 

「ねぇ曙。夕立を倒すのに協力しない?」

 

「はぁ?同盟中にアンタが裏切ってこない保証がドコにあるのよ?」

 

「仮に同盟と見せかけて曙を倒してもボク1人では夕立を倒すのは難しい。それは曙も同じでしょう?」

 

「悔しいけど、そうね」

 

「だからボク達は夕立を倒すまでお互いを裏切れない。裏切った瞬間、夕立の勝ちが確定してしまうから」

 

「なら」

 

「同盟成立だね」

 

 

 

「時雨選手と曙選手が協力して夕立選手と戦うようです」

 

「こうした同盟、裏切りもバトルロイヤルの醍醐味の一つですね」

 

 

 

「上等っぽい!2人まとめてかかってくるっぽい!!」

 

ババババババ!!!

 

曙は必死に夕立からの攻撃を回避し続ける!

 

「曙はオトリになって夕立を引きつけて。ボクがその隙に蛇口を閉めるから」

 

 

「ポ〜イ!ちょこまかと逃げないで大人しく諦めるっぽい!」

 

曙も時々反撃するが、自分の水鉄砲と夕立の散水ホースでは射程が全然違う。

 

「あ!」

 

ずっと走り回って疲労の溜まった状態だったからか、とうとう足がもつれて転んでしまった

 

「ククク。バイバイ、曙ちゃん」

 

夕立が狂犬のような表情でホースの先端をこちらに向ける。この距離ならまず外さないだろう

 

カチッ!

 

「ポイ?」

 

カチッ!カチッ!

 

ホースの先端から水が出てこない!ホースの反対側、蛇口を時雨が押さえていた。

 

パン!

 

「ポイ⁉︎」

 

夕立が驚いた隙に素早く水鉄砲で撃つ曙!

審判妖精さんも当たりの判定を下した。

 

「ポイ〜」

 

心なしかイヌミミっぽい髪も垂れているように見える

 

「今回の優勝候補、夕立選手を2人のタッグで見事破りました。夕立選手、ズバリ、今回の敗因は?」

 

「曙ちゃんに気を取られて、時雨ちゃんに気付かなかったっぽい」

 

「夕立選手、ありがとうございました。ちなみに夕立選手の希望は『首輪を買って着けて欲しい』でした」

 

「・・・ゆ、夕立もチョーカーとかに興味を持つ年頃になったんだなぁ。アハハ」

 

「『首輪を付けて飼って欲しい』じゃなくてよかったですね」

 

「織田マリ!!」

 

 

 

「さぁ、いよいよ決勝戦ですね!時雨選手と曙選手、果たしてどちらが勝つのでしょうか?」

 

「2人とも歴戦の戦士。どちらが勝ってもおかしくないでしょう」

 

「ではここで時雨選手の希望を公開します」

 

イヤな予感しかしない

 

「ケッコンカッコガチ」

 

「曙!何が何でも勝て!!!」

 

「おやおや、実況の提督さんが露骨な贔屓を始めてしまいましたね」

 

当たり前だ!

 

「しかし、いつのまにか夕立選手が使っていたホースを時雨選手が手にしてますね」

 

ウソだろ

 

 

 

「フフフ。ボクは夕立と違って蛇口から離れたりしないよ?これでボクの勝ちだね。曙?」

 

「ック」

 

「ゴメンね曙。でも、ボクも譲れないんだ」

 

だが、ここで曙は近くを走っていたホースを引っ張った!

 

ノズルを奪われないように引っ張り返す時雨。

 

その結果、ホースの蛇口側が外れて、

 

「くぁばせ!」

 

全開に開かれていた蛇口から吹き出した水が時雨に直撃!

 

ずぶ濡れになった時雨。妖精さんの判定を見るまでもなく、曙の勝利だ!

 

 

 

「よくやった曙」

 

表彰式で曙の頭を撫でる

 

「何よ!べ、別にアンタのタメに勝った訳じゃないんだからね!」

 

相変わらずツンツンしてるが、頭を撫でる手を振り払ったりしない。

 

 

「えー、では、副賞の間宮羊羹を贈呈します」

 

エラー猫さんがマイクに向かって話す

 

「続きまして、曙選手の希望ですが」

 

エラー猫さんが少しタメた後、

 

「私を秘書艦にすること」

 

曙の顔が真っ赤になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「G.I.B〜ガールズ、イン、ブラック」

ワールプールの作品
地球には実は宇宙人が来ていて、宇宙人を目撃した人の記憶を消すサングラスに黒スーツの映画のパロディゲーム

ドジなクラスメイトがかわいい。


他にも、ハーメルン様で拙作「オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない」を投稿しています。
現代日本で正体を隠した艦娘と何も知らない主人公とのラブコメです。
何か思いついたら次回予告を書きます
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