孤島鎮守府の奮闘   作:画面の向こうに行きたい

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皆さま、あけましておめでとうございます。
年末年始ももちろん仕事の社畜、画面です。
今年も「孤島鎮守府の奮闘」をよろしくお願いします。




正月サクラメント

「「明けましておめでとうございます」」

 

色とりどりの振袖着てみんなが挨拶する。

 

「明けましておめでとう。今年もよろしく頼む」

 

オレもみんなに挨拶する。

 

みんなにお年玉をあげたら解散となった。

 

 

 

コタツには島風と望月がいる。島風はテレビを見ていて、望月は反対側で本を読んでいる。

意外な組み合わせだ。島風なんてコタツでおとなしくしてるタイプじゃないと思うが。

 

「何見てるんだ?」

 

「彦根駅伝」

 

あー、正月に琵琶湖を一周するやつか。島風の速さへの興味は駅伝でもいいのね。

 

「どこか応援してる大学でもあるのか?」

 

「ううん。でもみんな速いから!」

 

島風らしいや。

 

 

望月は相変わらずよくわからない本を読んでいた。

 

「あけましておめでとう望月」

 

「ん?あー、司令官。あけおめあけおめ」

 

相変わらずだなぁコイツは!

 

まぁいい。正月からうるさく言っても仕方がない。

 

「風邪引くなよ?」

 

ほかの娘の様子でも見てくるか。

 

「司令官」

 

「ん?」

 

「今年もよろしく」

 

望月は本から目を離さないまま言った。

 

 

娯楽室で何故かベ○ブレードをしてる漣と曙がいた。

 

「3、2、1。ゴーシュート!」

 

「・・・何やってるんだ?」

 

「あ、クソ提督。漣が急にやろうと言い出したから押し入れから引っ張り出してきたのよ」

 

「なんで急に?」

 

「ほら、お正月といえばコマじゃないですか。でも紐だと上手く回せないから。それでベイ○レードを」

 

なんつーか。どこからつっこんだらいいのか。まあ、2人が楽しそうならいいのか。

 

「振袖を汚すなよ」

 

 

部屋で雪風が机に何かを広げている

 

「雪風、何してるんだ?」

 

「あ、しれぇ。宝くじの当選番号を確認してるんです」

 

「ふーん。10万円くらい当たったか?」

 

「えっと、10億円当たりました」

 

「じじじじ10億円!!!」

 

10億円あったら麻布か白金で豪邸を買って、スポーツカー乗り回して、美人をはべらして・・・

 

「あー。ちなみに雪風くん?その10億円は何に使うのかなぁ?」

 

「世界の恵まれない子ども達に寄付します」

 

満面の笑みで言う雪風。ま、眩しい!!オレが汚れた俗物に見える

 

「そ、そうか。世界の子どもが救われるといいな」

 

「はい!」

 

うーむ。これが幸運の秘訣なのかもしれない

 

 

窓から晴れ着のままスコップを担いでいる夕立を見つけた。何しようとしてんだアイツ?

 

「夕立?何やってんだ?」

 

「ポイ!これから、かまくらを作るっぽい!やっぱりお正月といえばかまくらっぽい」

 

だが、残念ながらこの島は暖かく正月でも雪はまず降らない。

 

「夕立、残念だが外に雪はないぞ?」

 

「ぽい・・・」

 

夕立はみるみる落ち込み、トレードマークのミミっぽい髪も萎れてしまった。

 

「そんな顔するな夕立。もし今度大雪が降ったら一緒にかまくらを作ろう」

 

「ポイ!提督さん、ありがとうっぽい!」

 

夕立はパタパタとスコップを片付けに行った。

 

 

 

ほかの部屋に行くと、書き初めをしてる朝潮がいた。

 

「あ、司令官」

 

熱心なのはいいのだが、袖に墨がつきそうだ。

 

「朝潮!」

 

慌てて朝潮の手を掴んで持ち上げる。

 

「袖に墨がつきそうだったぞ。書き初めは着替えてからの方がいい」

 

「は、はい」

 

朝潮は頬を赤らめて、ぼーっとしている。

 

「朝潮?」

 

「あの、司令官。その・・・手」

 

朝潮の手を掴んだままだった

 

「あぁ。悪い」

 

「いぇ」

 

慌てて手を離す。

 

「あのあの。書き初めはまた今度するので片付けて来ます」

 

朝潮は逃げるように出て行った

 

 

「やあ提督。よかったらおみくじはどうかな?」

 

時雨が巫女服を着ておみくじを差し出してくる。

おみくじを引くと

 

「1番だね。はいどうぞ」

 

何故か手書きのおみくじに『大吉』と書かれており、

 

今年はあなたの人生に大きな転機が訪れます

 

金運「共働きで家計を安定させるべし」

 

旅行「ハネムーンは夏が吉」

 

待人「あなたの身近に運命の人がいる」

 

恋愛「黒髪おさげの艦娘がオススメ」

 

 

「・・・」

 

オレは無言でおみくじで紙飛行機を作り、窓から飛ばしてダッシュで逃げ出した。

新年早々勘弁してよ!

 

 

食堂で雷が振袖に襷掛けしてエプロン姿で料理していた。

 

「あ、司令官。おせちはもう出来てるから。お雑煮はもう少し待っててね」

 

テーブルには圧倒的な存在感の五重の重箱のおせちが鎮座していた。

 

「・・・これ、一人で作ったのか?」

 

「ううん。黒豆は時雨が煮てくれたし、伊達巻は曙が焼いてくれたし、海老は漣が茹でてくれたし、蒲鉾は朝潮が切ってくれたし、田作りは雪風が解凍してくれたし、数の子は望月が塩抜きしてくれたのよ」

 

夕立と島風は?

 

「あー。何か手伝おうか?」

 

「いいのよ司令官。雷がぜーんぶ作ってあげるから座って待っててね。おせちつまんでも構わないわ。あ、今ビール出すから」

 

「いや、自分で飲むからいいよ」

 

彼女一人に料理させて、その上ビールまで出してもらったら申し訳ない

 

一人ビールを出して家事をする雷を眺める。

 

家事をする女の子ってやっぱりいいなぁ

 

そうこうしてると、みんなが食堂に集まってきた。

そこからは宴会が始まった!

 

「しれえ!もしかして10億円いりましたぁ?」

 

「いや、大丈夫だ。問題ない」

 

「クソ提督!漣に何とか言ってよ!あたしはもう疲れたよ」

 

「えー!いいじゃんぼのたん」

 

「あの、司令官。その手・・・いえ、何でもないです」

 

「もうみんな食べるのおっそーい!」

 

「ポイ!」

 

「さぁみんな!まだまだいっぱいあるから、もーっとたくさん食べてね」

 

 

みんな、今年もよろしくな

 




「初恋サクラメント」

パープルソフトウェアの作品

夏野こおりが大人しく、真面目なキャラ!

2021年もよろしくおねがいします

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