孤島鎮守府の奮闘   作:画面の向こうに行きたい

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そろそろ挨拶のネタが尽きそうな画面です。

今回は漣視点でお送りします。


大提督 3

ご主人様と出張が決まった時、ぼのたんには悪いが、二人でデートが出来ると喜んだ。

 

実際、ご主人様とこれほど長い時間二人きりだったことはなかったのだから。

 

本土へ向かう船中、唯のおしゃべりがこれほど楽しかったのは初めてだった。

 

 

船を乗り継ぎ、ようやく呉にたどり着いた。

 

「ここが呉ですか」

 

「オレはまだ波に揺られている気がするよ」

 

まあ、あれだけずっと船の中にいたらね。

 

「よぅ。アンタが孤島鎮守府の提督さんかい?」

 

声に振り向くと、そこにはご主人様よりも少し年上で、同じ軍服を着た男の人が秘書艦らしい艦娘と一緒にいた。

 

「俺は北島鎮守府の提督だ。こっちは秘書艦の萩風。お前、提督会議は初めてだろう?案内してやるよ」

 

サイドテールの可愛らしい女の子だ。小柄だし駆逐艦かな?

 

「はい。よろしくお願いします。中将殿!」

 

「あー、年齢も近いし、堅苦しいの嫌いだから、北島でいい。俺もお前のこと、孤島って呼ぶからな」

 

随分、フレンドリーな方ですねー。

 

「えーっと、せめて『先輩』ぐらいでお願いします」

 

「まぁ、『中将殿』よりいいか。」

 

「司令、そろそろ会議が始まりますよ」

 

「あぁ。ありがとう萩風」

 

向こうで金髪巨乳の美女が提督達を呼んでいるみたいだ。

ご主人様はぽよんぽよん揺れてる巨乳に釘付けだった!

 

イラ!

 

思わずご主人様の耳を引っ張った!

 

「ごしゅ・・・提督!何見てるんですか!」

 

「いや、違うんだ!」

 

何が違うんですか!そんなにおっきなおっぱいがいいんですか!!

 

ちなみに、先輩提督さんも萩風さんに怒られていた。

 

まったく、オトコってヤツは!!!

 

 

 

ご主人様と別れて、萩風さんと一緒に艦娘用の控え室に入った。

 

会議の間、萩風さんとお茶をしながら、すっかり仲良くなり、『ハギー』『漣ちゃん』と呼ぶ仲になった。

 

「でもいいの?ハギーの方が先輩でしょ?」

 

「うん!私、あだ名で呼ばれたことないから」

 

「ハギーがいいなら。ところで、ハギーは麻雀出来る?」

 

「はい?」

 

ですよね。

 

 

一体、どのくらいの時間がたっただろう。会場が騒がしくなってきた。部屋を出て行く艦娘が増え出したみたいだ。

楽しいお茶の時間も終わりかな?ご主人様をお迎えに行かないと!

 

「司令達はこの後、懇親会があるので遅くなると思いますよ?」

 

「あれ?でも向こうの駆逐艦は提督さんと一緒に行ったよ?」

 

「あぁ、流刑鎮守府の不知火さんですね。この後一緒に食事でもと思ってたのですが」

 

「ふーん」

 

少しだけ、いいなぁと思った。

 

 

 

「ちょっと聞いている?漣ちゃん!」

 

「あー、うん聞いてる聞いてる」

 

ハギーと一緒に居酒屋に入って1時間。すっかり出来上がったハギーに絡まれてれていた。

 

「大体、司令にはもう少し健康に気をつけてほしいです!この前だって夜中までお仕事して、その上、小腹が空いたからってカップラーメンを食べたんですよ!さらに、眠いからってお昼まで寝てて、朝ごはんも食べないで!!!」

 

「はぁ」

 

私はカシスオレンジをチビチビ飲みながらハギーの話を聞く。ちなみにこの話は3回目だ。

 

ハギーって意外と酒癖が悪い。

 

「司令には健康のために夜9時には寝て朝4時に起きる生活をして欲しいんです!」

 

「うんうん」

 

いや、そんな提督いないだろ!というツッコミは聞かないんだろうな。

 

「でもね、司令ってば、私の特製無水カレーを美味しい美味しいっていつもおかわりしてくれるの」

 

「そう」

 

「だからつい、司令のカレーにはお肉を一切れだけ多く入れてあげます」

 

「そっかー」

 

こんなことなら、さっさと酔って逆にご主人様との仲を惚気たらよかった。

 

 

 

懇親会終了の時間を見計らい、店を出た。なんだかんだでハギーが奢ってくれた。まぁ、愚痴と惚気代だと思う。

酔ったハギーの介抱してたら遅くなってしまった。ご主人様は先に戻っているかと思ったが、まだ戻っていなかった。

 

宿舎でハギーと別れて、自分の部屋に戻ると、急に寂しさが込み上げて来た。

 

今まで、1人きりになることなんてなかった。

部屋で1人でも近くに仲間が、提督がいた。

 

このまま彼が帰ってこなかったら・・・

 

 

そんな予感が頭をよぎった時だった。

 

ガチャ!

 

「あー、漣、遅くなった」

 

「ご主人様!!」

 

思わず彼に抱きついてしまう。

 

しかし、彼から知らない女物の香水の香りがした!

 

「・・・ぃです」

 

「へ?」

 

「クサイですご主人様!!」

 

この男は!

私をほったらかして、ヨルのお店でイチャコラしてたのか!!!

 

そう思ったら、この匂いが我慢出来なくなった!

彼をお風呂場に押しやると、

 

「さっさとお風呂に入りやがって下さい!」

 

バタン!

 

扉を閉める。ハンガーに掛けた海軍の制服にこれでもかと消臭剤を振りかけた!

 

「ハァ、ハァ」

 

ふと、冷静になった瞬間、自分は何をやっているのだろうか。

 

空の消臭剤を捨てて、自分のベッドに潜り込む。

 

 

「・・・バカ」

 

後悔と共に意識が落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 




作中に出てきた流刑鎮守府提督と不知火は、画面の小説の先輩、あとん様さんからお借りしました。

あとん様さんの「流刑鎮守府異常なし」もよろしくお願いします。

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