そろそろ10月なのにまだまだ暑いですねー。
食欲の秋。運動の秋。ダイエットの秋ですね!
秋の夜長。オレは風呂上がりにパンツ一丁で涼んでいた。
「流石に朝晩冷えてきたけど風呂上がりは暑いな」
コンコン
「ご主人様〜ゲームしましょ。キャッ」
「ちょっと!何て格好してるのよ!クソ提督!」
「お前たちが返事する前にドアを開けたからだろう」
男女反対なら軍法会議モノだ。
漣がものすごく言いにくそうに、
「ご主人様。大変言いづらいのですが」
と前置きして、
「最近、少しおデブりやがったのではございませんのこと?」
漣のメチャクチャな日本語がオレの心に突き刺さる。心当たりがあるのだ。
少し前まで仕事が忙しく、夜遅くまで仕事をしていた。当然、運動をするヒマなどなく、また夜食と称して雷の作ってくれたお菓子を夜毎摘んでいたのだ。
「仕事がひと段落したから今後は少し運動するよよ」
そう絞り出すので精一杯だった。
翌朝、
朝食を食べようと食堂に行くと、曙と漣が昨日のオレの話で盛り上がっていた。
「あのお腹のままじゃ、中年デブまっしぐらよクソ提督」
「まぁ、太ってても死ぬわけじゃないし」
「いえ、肥満は万病の元といいますし、健康のためにもダイエットなされた方がいいと、この朝潮は思います」
「だよねー。太っていると早く走れないし」
「島風さんはなんでも速さ基準なんですね」
「あら、少しくらいぽっちゃりしてても雷は司令官のこと大好きよ?」
「ポイ!夕立も提督さん大好きっぽい!」
「まぁ、旦那様の体調管理も妻の役目だよね」
「あ、おはようございます。ご主人様」
時雨の寝言を全員でスルーすることにしたみたいだ。
「ねー、提督。ダイエットするなら一緒にランニングしようよ」
「そうだな。久しぶりに運動するか」
30分後、
「ゼェ。ゼェ」
「もう、提督ってバテるの早すぎ!」
「あの、大丈夫ですか?司令官?」
体操服を着た島風と朝潮はオレと同じ距離を走ったとは思えないくらいに余裕そうだ。
「仕方ないから提督は休んでおきなよ」
「では続きをしましょう島風さん」
2人はオレを置いてランニングの続きに向かった。
なんとか歩けるくらいまで回復したオレは鎮守府をトボトボと歩いていた。
「提督さーん」
夕立が楽しそうにオレに近づいてくる。
「提督さん。一緒にお散歩に行こう?」
そうだな。運動不足にはいきなりランニングなんてハードな運動じゃなくてウォーキングから始めた方がいい。
「そうだな。一緒に行こうか」
「ポイ!なら一緒にステキなパーティしましょう」
夕立と共に散歩してすぐに、
「提督さん、今日は短いコースがいい?長いコースがいい?」
最初だし短い方がいいだろう。
「短いコースで」
「ポイ」
しばらく夕立と歩くと現れたのは、崖だった。
「この壁を登るっぽい」
夕立!これは散歩やない!SAS○KEや!
「い、いやー、登ろうと思えば登れるけど、今将校用の制服だから汚すとマズイし、他の道にしようか?」
「ポイ?なら遠回りして山を登るっぽい」
そのまま登山をする羽目になった。
汗と土まみれになったのでシャワーを浴びて、食堂に行くと丁度昼食の時間だった。
「お、今日はカツ丼か。美味そうだな」
空腹を誘う美味そうな匂い。しかし曙が、
「はぁ?そんなカロリー高いのクソ提督に食べさせる訳ないでしょう?アンタはコレよ」
オレの目の前に出されたのはサラダとところてんだった。
「クソ提督のダイエットのためにわざわざ作ってあげたのよ。感謝しなさい!」
マズくはないのだが、カツ丼の匂いを嗅ぎながら食べるところてんは虚しさの味がした。
はぁ。ところてんとサラダだけなんて食った気がしないな。とりあえず部屋に帰って休むか。
自室のドアを開けると、オレのベッドに裸にシーツを巻きつけただけの時雨が寝そべっていた。
「何してるんだ時雨?」
「ベッドで夜戦ダイエットだよ。ボクと一緒にキモチヨクなろ?ねぇ提督?」
オレは無言でドアを閉めてカギをかける。その上、近くにいた朝潮に頼んで使っていないタンスをドアの前に置いた。
ドアを激しく叩く音がするような気がするが気のせいだ。
「う、うぅ」
オレは司令室で1人絶望していた。
ダイエットなんて軽く考えていた。少し間食を我慢してちょっと運動したら痩せると簡単に考えていた。世の数多の女性が失敗する筈だ。こんなに過酷でツラいなんて。
「司令官」
いつのまにか来ていた雷に頭を抱きしめられていた。
「辛かったわね。いいのよ司令官。ツラいなら無理しなくても。少しくらいぽっちゃりしてても雷は司令官のこと大好きなんだから」
雷の優しい言葉が傷ついた心に染み込んでいく。
「クリームたっぷりのショートケーキを焼いたの。甘ーいミルクティーと一緒にいただきましょう?」
雷はケーキをフォークに刺して、
「はい司令官、あーん」
甘美な誘惑。この一口を食べれば二度とサラダやところてんには戻れないだろう。それでも抗うには難しい魅力的な誘惑だ。
もう、いいよね。
しかし、
「しれぇ、漣さんが呼んでますよー」
雪風が入ってきた。
そうだ。オレは何をしてたんだ。こんなことで挫けていたらダイエットなんて成功しない。
「わかった。すぐに行く。それとこのケーキ食べていいぞ雪風」
「わーい。ありがとうございます。しれぇ」
ケーキにかぶりつく雪風。オレは未練を断ち切るように談話室へ向かった。
「ふふふ。よく来ましたね。ご主人様」
漣がmiiを構えて待っていた。
「さぁ!テニスで勝負です」
漣とのシングルスが始まった。
「ぬおぉ!ツイストサーブ!燕返し!」
もちろん、叫んでるだけである。
1時間ほど遊んでいただろうか。オレも漣も汗だくになっていた。
「ぜぇ。ぜぇ。提督、鎮守府の柱になれ」
「お前、それが言いたかっただけだろう」
「しれぇ、ご飯の前にお風呂に入ってください」
雪風が迎えにきた。もうそんな時間か。
オレは風呂に向かった。
漣も汗だくだったし、メシの前にシャワーを浴びたいだろう。体を洗ったオレはさっさと出ることにした。
「ダメですしれぇ。肩まで浸かって100まで数えてください」
脱衣所で雪風が待ち構えていた。小学生か!
仕方なく、雪風に聞こえるように大声で100数えて風呂から出た。暑い!冷たいビール・・・はダイエット中だから自粛して、せめてコーヒー牛乳くらいはアリだよな。
「し、れ、え!はい、どーぞ!」
雪風が手渡してくれたのはキンキンに冷えた黄金色の麦の・・・お茶だった。
「ング。ング。プハー!キンキンに冷えてやがるぅ!」
物足りなさを感じなくもないが、しかし、風呂上がりに冷えた一杯が美味いのも事実だ。
「しれぇ、ご飯できてますよー」
食堂に行くと、みんなもうそろっていた。
「おらー、ご飯とお味噌汁は自分で注げー」
台所にいたのは望月だった。
「ほら、司令官もさっさと席に着いて」
望月に言われるまま席に着いた。
出てきたのは、イカの刺身・鶏肉と大根の煮物・ワカメと大根のサラダ・キノコや大根など具沢山の味噌汁と小盛りのご飯だった。
「なぁ望月、こんなに食べて大丈夫か?」
「面倒だけどもカロリーは計算してるよー。ダイエット中でもタンパク質はちゃんと摂らないと。ところてんとサラダだけのダイエットなんて絶対失敗するから」
「望月!」
まともな食事に感極まったオレは思わず望月に抱きついてしまった。
「ちょっ!司令官、痛い。つーか、マジで痛いってば」
その日の夕食はまともな人間のご飯の味がした。
「司令官。この朝潮、夜間の巡回任務を開始します。」
「あ、うん。いってらっしゃい」
「何をおっしゃってますか?司令官もご一緒ですよ?望月さんからそう伺っております」
望月め、腹ごなしのつもりか?
朝潮との夜の散歩は何も問題なかった。ガケをよじ登る事も、木登りすることもなく無事に自室まで帰ってこられた。
「では司令官、おやすみなさい」
「あぁ。おやすみ、朝潮」
部屋のドアを開けると、ベッドには時雨が待機していた。
「さぁ、今日最後の運動だよ?ねぇ提督?」
オレが何か言う前に時雨は朝潮によってベッドから引きずり下ろされ、連行されて行った。
「何するんだ朝潮。提督に可愛がってほしいなら、混ぜてあげるからさ。ねぇ?」
「時雨さんが司令官の部屋にいたら、連れて帰れと望月さんに言われています」
騒がしかった1日が終わった。
間食をやめて、朝晩に鎮守府内を散歩し、カロリー控えめご飯を食べていたら、無事にお腹周りが凹んだのだった。
「さぁ司令官。ダイエットの成功祈念にコッテリラーメンを食べましょう?チャーハンもあるわ。雷、頑張って作ったのよ?」
これからも小悪魔の誘惑との戦いは続く!
デブプラス
わるきゅーれの作品。作者未プレイ。
その筋では有名なゲームらしい。
続編は本家?に怒られたのかタイトルが変わったとのこと。
相変わらずパクリのパクリで原型を留めていない。
これからもよろしくお願いします。