速さを追及したいのでゲーム内最速を目指します。   作:黒三葉サンダー

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「」は普通に台詞、()は心の声です。
()は基本的にオリ主が多めです。





敏捷特化とキャラ設定

「……」

(オンラインゲーム……)

 

野沢 和花は『NewWorld Online』と書かれた、男女が剣や槍などを持ったイラストのゲームパッケージを握りしめながら不安にかられていた。

昔から口下手かつ口数の少ない和花は幼馴染みである白峯理沙と本条楓 が居なければまともに会話をすることが出来ず、いつも二人の背に隠れて生きてきた。

そんな人見知り抜群の和花に理沙はこのゲームを一緒にやろうと勧めてきたのだ。

 

「……」

(理沙ちゃんがあんなに誘ってくれたし、興味もあるけど……)

 

滅多にオンラインゲームをやらない和花にこうも勧めてきたゲーム。VRゲームが好きな和花はほんの少しワクワクしているのも確かだ。

それに和花も人見知りのままじゃ駄目だと分かってはいる。それを克服したいとも。

 

「……ん」

(いつまでも二人に頼りっきりは駄目だよね!)

 

何より理沙と楓とゲームを楽しむチャンスである。長く悩んだ末に和花はゲームハードを起動した。

 

 

─────────

 

 

電脳空間で和花は悩んでいた。

 

名前をノノと打ち込んで、和花は武器を考える。これから三人でパーティを組んでいく事を考えると、パーティはバランスよく構成するのが定石だろう。理沙は恐らく手数があるものを選ぶだろうというのは和花は予測出来たが、和花にとって一番予測出来ないのは楓であった。

 

何せ和花は楓とはこういったゲームを一緒にやったことが殆どない。そもそも楓がゲームをするときは大概理沙がグイグイ引き込んだ結果である。しかし楓は決してゲームが苦手と言うわけではないし、きっと予想の上を行くに違いない。つまり楓の装備は気にするだけ無駄である。

 

「……どうしよ」

(どれを使うか迷っちゃうなぁ……)

 

一つ一つ武器を見ていくと、ふと視線が弓で止まる。

基本的に前衛も後衛も務められる和花だが、本人は基本的に後衛職が好きだ。それというのも、後衛ならばあまり他人と接近せずに済むからである。

しかしそれでは『人見知りを克服する』というサブクエストが達成出来ない。いや出来ない訳ではないが和花には難しいだろう。

 

「……ん」

(……やっぱり弓がいいかな)

 

そして和花は迷いに迷い、結果弓を選んだ。やはり後衛寄りになってしまったが、和花はうんうんと頷いて満足そうだ。

 

そして次にするべきはステータスの構成だ。

こういったファンタジー物のゲームではステータス構成は非常に大切なものである。ステータス構成を満足に出来ずに泣いた者が一体どれ程いるか、数えるとキリがないだろう。

そしてMMORPGなどでは弓や銃といった飛び道具を使用する場合、ステータスは基本的に筋力ではなく敏捷や器用さに左右される。大抵レンジ内に潜り込まれると不利になる弓は敏捷や器用さは重要と言ってもいい。

 

「……」

(普通なら満遍なく振るところだけど……)

 

しかしここで和花のゲーマーとしての好奇心がうずいてしまう。そしてその衝動はすぐにステータスに打ち込まれ、和花は迷いなく決定を押した。

後は軽い調整くらいだ。残念ながら身長は調整出来ないみたいだが、そこはVRゲーム体験者。薄々そうだろうなぁと気付いていた和花は髪の色や瞳の色を変えたりして一通り設定し終えると、和花の体が光に包まれていく。

 

 

 

──────────

 

 

 

「……ふぁ」

(おぉー……凄いリアルだなぁ)

 

和花が目を開けると、目の前に広がっていたのは活気が溢れる城下町の広場だった。

 

「……」

(……あ……あ……)

 

何処を見ても人、人、人。視線こそあまり和花自身に向いてはいないものの、人見知りである和花が恐怖心を抱くのは必然だった。

 

「……!!」

(……やっぱり無理ぃぃぃ!楓ちゃん何処ー!?)

 

みるみる顔が青ざめていく和花。そして限界に達した和花は脱兎の如く広場を駆け出していくのだった。

 

 

 

 

 

 




表向きは口下手、心の中では饒舌な野沢 和花ちゃんでした。

もう少しだけソロプレイが続くんじゃ!
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