FE 新・紋章の謎異聞 漂流傭兵 ルオ・ルスペード   作:おかのん

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エピローグ

「ライアン!!」

「あ、セシルさん、ロディさん」

 

街の中心にある、大きな噴水。

待ち合わせたそこで、声を掛け合う。

 

あれから。『英雄戦争』と呼ばれた戦争から、また一年がたつ。

世界は、平和を本当に取り戻した。

 

「今日、ですね。手紙にあった日は」

「ああ。今日だ」

「ま、こんな日くらいはね。帰ってくるわよ」

 

アカネイア帝国は滅びた。名実ともに。

ハーディンが死しただけではない。ニーナも姿を消したからである。

ニーナ王女はあの戦いの後、全てをマルスに任すと言って、平民となってしまった。その後行方が知れない。

 

ミネルバ、マリア、ミシェイルについても、レナやジュリアンと一緒に孤児院をはじめ、王位を放棄。彼らもマケドニアをマルスに任せてしまった。

一度マケドニアを潰したミシェイル、クーデターをおこされたミネルバ。それでも復権を望まれる声があったというのだから、そのカリスマが窺い知れるが、本人達にはもうその気がなかった。

 

オレルアンにいたっても、王家存続は難しい。オレルアン王も退位してしまった。ハーディンの代わりにけじめをつけたという事なのだろう。

グラはもともとアリティアに併合されているし、シーマも同上である。

 

グルニアは王はいるにしても、マルスの庇護下・・・つまりアリティアの属国である事を望んだ。独立国家である事の厳しさは、また別にあるというのに、グルニアの王族はまだ若すぎ、研鑽の日々を過ごさせてあげるべきではないかという意見もあったからだ。

いずれは独立するにしても、今は庇護下にというなら、その間の国家存続の責任はマルスが背負う事となる。

 

ドル―アにいたっては、もう残り少ないマムクートが静かに暮らす地として開放されている状態である。また、各国復興の途中で十分とはいえないまでも、終末を迎える先達たる種族に敬意を払い、出来るだけの援助を約束している。また、教育に力を入れ始めたアカネイアは、彼らをそれこそ先達として敬う事を教え始めた。無知による迫害をして、また愚かな歴史を繰り返させぬように。

 

マルスは、それらすべてを統合するアカネイア連合王国初代国王となる。

そうならざるをえなかった。他の王族は軒並み辞退した上、マルスが、ハーディン、ガーネフ、メディウスを倒し、全ての国をまかされようとしていた事実は、連合王国の盟主となるこれ以上の適任者がいない事実を示していたからだ。

 

魔法学校を作ったマリクとエリスも、政務のいくらかを手伝っている。天馬騎士と宮廷騎士団も、悲喜こもごもあったが、国の力となってくれている。オグマやナバールなど、傭兵達はいずれも姿を消しているが、大陸のどこかでまた、誰かの正義に力を貸しているのだろう。

それぞれがそれぞれに未来を描いて歩んでいっている。そして・・・

 

「よう!! ライアン!」

 

それは、ルークだった。馬の後ろに、クライネもいる。

 

「ルークさん!!」

「背、少し伸びたか!? しかしまだ低いけどな!」

「馬上からいうな」

「お前も相変わらずだなロディ!!」

「久しぶりだな月の女神の心を射止めた伝説の暁の流浪の自由聖騎士ルーク様」

「アンタ殺すわよ」

「俺に文句を言うな。旅立つ時にそう名乗って出て行った旦那に言うといい」

 

クライネとルークは旅に出ていた。どちらが言い出したか知らないが、ルークが言い出したならクライネを強引に誘い、クライネが旅に出たのなら、ルークは無理矢理ついて行ったのだろう。

 

「変わってませんね。ルーク」

「おお! カタリナ」

 

ほぼ同じタイミングで、カタリナもやってきた。

 

「アンタは変ったわね。髪、伸びた?」

 

結局あれから、カタリナはエレミヤと暮らしている。

レナ達とは別の孤児院を始めたのだ。

戦災復興には、それなりの額が投じられているために、孤児たちが生きるに困ることはなさそうだ。もっとも、彼らの抱える事情はそれぞれ重い。二人とも苦労しているようである。勿論、充実してもいるのだろうが。

 

各々忙しいようだが、

 

それでも皆とは連絡は取り合い、この日には帰って来たのだ。だって、今日は・・・

 

 

わああああああああ・・・・・・

 

広場が歓声に包まれる。

紙吹雪が舞い、町中から聞こえたさっきまでの陽気な音楽の代わりに、荘厳なオーケストラが響き渡る。

 

今日は、マルスとシーダの結婚式なのだ。

 

 

 ・

 

 

「シーダ」

「マルス様・・・」

 

互いの目は、潤んでいた。

この日にふさわしい衣装に身を包んで、お互いをその瞳に映し合う。

 

「こんなところにいるのに、まだ私思うんです。私でいいのかなって・・・」

「君じゃなきゃあダメだ。君がいいんだ」

「・・・嬉しい。本当にうれしいんです。でも・・・・・・」

「僕は、君がいるから幸せになれるんだ。僕も、君にとってそうあれるように頑張るよ」

「マルス様・・・」

 

そう言って手を取る。歩いてゆく。

 

「・・・ルオがいなくなったあの日、あの時まで、僕は彼がずっと共にいてくれると思っていた。そして、それがかなわないとわかった時、僕が彼という存在に甘えていたと気がついたよ。

あんな風に別れるのが分かっていたなら、もっと語っておきたい事があった。

今もどこか別の場所で、僕の事を忘れずにいてくれているとは思う。けど・・・ もう、会う事はないのだろう。

 

だから、君とは間違えないと誓うよ。力の限りに愛し、幸せにする。

この一瞬さえ、この大陸ごと、君を愛する。

だから、一緒にいて」

「・・・はい」

 

光の向こうに、二人を迎える皆がいる。

 

遠い空の向こうに、信じあえる友がいる。

 

人が、つながる。

 

 

 

  ・

 

 

いつだろう。

 

どこだろう。

 

でも、目の前に。

 

この人が、いる。

 

 

「さて」

「どうしよっか」

 

とりあえず、手をつないで歩きだした。

 

 

「眼帯、取らないの?」

「・・・これ、なんだか余計な物まで見えるのよ。だから、普段は封印しとく。ちゃんと目があるって事を、ルオが知っててくれればそれでいいもの」

「そっか」

 

1と1から出直しだ。

でも、足した答えは2じゃあおさまらない。

さあ、幸せになってやろうか。

そしてそれはまた別のお話。

 

 

FIN

 

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