ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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本編
1・G41はいいことを思いつきました(その1)


 ある日のことです。G41はいつものように指揮官室で副官業務をしてました。

 といっても、ご主人様のお仕事をG41はほとんど手伝えません。せいぜい、お茶を入れるとか、カリーナさんとのやり取りをするとか、ご主人様が手を離せない時に電話の応対をするとかぐらいです。

 

 なので、G41はソファーに座ってご主人様をじっと見ています。ご主人様が大好きなG41はご主人様を見ているだけでも幸せです。もちろん、本当は甘えたいですが、仕事の邪魔をしてはいけないので我慢しています。

 ご主人様もG41を見ています。視線が遠いのは、頭の中が大忙しだからです。でも、G41を見ていると頑張れるってご主人様は言ってます。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 ふと、ご主人様の視線が近くなりました。次の瞬間、椅子に身体を投げ出して言いました。

 

「終わった…」

 

 長くため息を吐いて、頭のケーブルをIFNデッキから抜きました。ご主人様は頭をサイバー化していて、インターフェイスネットワーク(=IFN)上で仕事ができます。さすがご主人様。凄いです。

 

「ご主人様。仕事終わったの?」

 

「ああ。後は適当に情報処理セルを走らせておけばいいだろう」

 

 ご主人様の言葉にG41は嬉しくなって、立ち上がります。仕事が終わったので甘えてもいいのです。

 

「ご主人様! 頭撫でてー!」

 

「おう! おいでおいで!」

 

 そう言ってご主人様は自分の膝を叩きます。お膝の許可が出ました。G41は大喜びで飛んでいきました。そして、ご主人様のお膝に座って、ご主人様の胸にもたれかかります。

 

「あー、癒されるー…」

 

 ご主人様はしみじみとそう言って、G41を抱っこして頭を撫で撫でしてくれます。G41は幸せです。ご主人様も幸せです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 しばらくそうしていると、不意にG41は背中に電流が走るような感覚を覚えました。

 

「うわぁ!」

 

 びくぅ! として、G41は素っ頓狂な声を上げてしまいました。

 何でそんなことになったのかと言いますと、G41の頭のミミをご主人様がはむっ、としたからです。

 

「す、すまん、G41!」

 

 ご主人様が慌てて口を離して、謝ります。ご主人様はG41をお膝に乗せていると、ついミミをはむっとしてしまいたくなるそうです。

 

「…ご主人様? びっくりしたよ?」

 

「悪い悪い。G41があまりにも可愛すぎてつい、な?」

 

 ジト目で見上げるG41に、ご主人様は謝ってくれます。

 ご主人様が可愛い、と思ってくれるのは嬉しいです。でも、いくら相思相愛でもいきなりミミをはむっとしてはいけないと思います。

 お膝に乗ると、8割以上の確率でご主人様ははむっとしてきます。そろそろ、ご主人様にいきなりはむっとされたらびっくりすることを分かって貰わないといけません。でも、どうしたら分かって貰えるでしょう?

 

 いいことを思いつきました!

 

 G41はご主人様のお膝から降りて、椅子を90度回転させます。

 

「ご主人様。こっち向いててね?」

 

「あ? ああ…」

 

 ご主人様に約束して貰って、G41は行動を開始します。しゃがんで机の陰に隠れながら、ご主人様の後ろに回り込むのです。

 ちなみに、ご主人様からはミミが丸見えだったらしいですが、黙っていてくれました。ご主人様は優しいです。

 

 それで、ご主人様の後ろに回りこんだら、ばっ!って立ち上がって、ご主人様の耳をはむっとしました!

 

「おおう!」

 

 ご主人様はびっくりしました! 作戦成功です! えっへん!

 

「ほしゅひんはま、ほうふぁ~」

 

 耳をはむはむしながら、G41は勝利宣言をします。これでご主人様も耳をはむっとされる気持ちがわかったと思います。

 

「ああ~…なんか、超幸せだ…」

 

 でも、ご主人様はなんだかご満悦です。ご主人様が幸せなのはいいことです。でも、何か違うと思います。これではミミをはむっとされる気持ちが理解してもらえないかもしれません。G41は困りました。

 

「仲良いわね、二人とも」

 

 そう言いながら、FALさんが部屋に入ってきました。

 FALさんは凄い先輩で、なんでも知っています。G41はご主人様から離れて、FALさんの方に駆けていきました。

 

「? どうしたの、G41?」

 

「あのね、FALさん…」

 

 不思議そうなFALさんにG41は耳打ちしました。ご主人様にミミをはむっとされるのでどうしようか、と相談したのです。

 

「ああ! 任せて、G41!」

 

 FALさんはとっても素敵な笑顔でそう言って、G41に解決策を耳打ちしてくれます。素晴らしい案でした! 流石、FALさんです!

 

 G41はご主人様の前に駆けて行って、嘘泣きをしながら言いました。

 

「ご主人様。G41はもうお嫁にいけません。責任を取って誓約して下さい」

 

「こら、G41! FAL、余計なことを教えるな!」

 

「あら? 女の子に恥をかかせたのだから、責任は取るべきでしょう?」

 

「ご主人様~」

 

「う… あ、ああ。借金を返し終えたらな…」

 

「わーい! 借金返したら、ご主人様が誓約してくれる~♪」

 

「よかったわね、G41! 私が証人だからね?」

 

「わーい!」

 

「お前らな!」

 

 こうして、3人でじゃれあいながら時間が過ぎていきました。幸せな一日でした。

 G41はご主人様と誓約したいです。でも、FALさんを差し置いて誓約するのは少し気が引けます。FALさんもご主人様が大好きで、付き合いはG41よりもずっと長いからです。

 だから、せめてFALさんの後に誓約してもらえたら良いな、と思いました。後、一〇〇式ちゃんも一緒だと良いです。M14さんとかSOPMODちゃんとかも一緒だと良いです。みんな大好きだからです。

 というわけで、ご主人様は一杯の戦術人形と誓約しないといけないです。ご主人様、早く借金を返してください。待ってます。まる。

 


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