ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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17・甘えんぼG41(その2)

 芝生です! 緑色の天然物の芝生です!

 足の裏が柔らかくて気持ちいいです! 訓練場の硬い人工芝とは大違いです!

 ここは市街地エリアの運動公園です。目の前には芝生を敷き詰められた広いグラウンドがあります。しかも今日は人がほとんどいないです。G41とご主人様の貸切です!

 空は雲一つない晴天です。市街地エリアは防護フィルターが張られているので紫外線を気にする必要もありません。運動公園には大規模な空気清浄機も備え付けられているので空気も美味しいです。

 G41は思わず芝生にごろごろしたくなります。でも、そんなことをしてはいけません。なぜならば、今日のG41はレディだからです! えっへん!

 ちゃんとFive-sevenさんにお化粧もして貰いましたし、スカートも履いてます。G41はレディの嗜みも完璧です!

 

「いくぞ、G41!」

 

 隣に立っているご主人様が言います。手に持っているのはフリスビーです。

 

「はい、ご主人様!」

 

 G41はわくわくしながらフリスビーを今か今かと待ち望んでいます。G41はフリスビー遊びが超大好きです!

 

「それー!」

 

 ご主人様がフリスビーを投げました。G41はそれを追いかけていきます。すかさず、狙眼と動態センサーを起動させます。G41の左目が赤く染まり、ミミがぴん、と立ちます。

 距離算出、風計算。フリスビーの動きを完全に捉えました。右カーブします。

 すると、フリスビーは推測通り右に曲がりました。ご主人様は上手く投げてG41を惑わせようとします。でも、G41には通じません。G41はフリスビーをキャッチするのが大得意です! えっへん!

 

「えーい!」

 

 G41は一生懸命ジャンプして両手でフリスビーを捕まえます。ぱしっ! 見事にキャッチできました! G41はフリスビーをキャッチするのが大得意です! えっへん!

 

「ご主人様ー! どうだぁ!」

 

 G41は捕まえたフリスビーを片手にぴょんぴょん跳ねてご主人様にアピールします。えっへん!

 

「おお! G41は流石だな!」

 

 ご主人様が感心してくれました。嬉しいです。

 というわけで、G41はご主人様の所に駆けていきます。

 

「ただいまー! 早く褒めて褒めて♪」

 

 そして、ご主人様に頭を差し出して褒めの言葉となでなでをおねだりします。

 

「ああ。G41、よくやったぞ」

 

 ご主人様はそう言って、G41の頭を撫でてくれます。気持ちいいです。G41は幸せな気持ちでいっぱいになりました。

 

「ご主人様、はい」

 

 ひとしきりなでなでして貰って満足したG41は、ご主人様にフリスビーを差し出します。もう一回投げて欲しいです。G41はフリスビー遊びが大好きです。

 

「よし! 行くぞ、G41!」

 

 ご主人様はフリスビーを受け取って、もう一度構えます。ご主人様は今日はG41と徹底的に遊んでくれるみたいです。しばらくの間ご主人様を独り占めです。うきうきです。G41は幸せいっぱいです!

 

 その後、G41はご主人様といっぱいフリスビーで遊びました。ご主人様は色々と投げ方を変えてきましたが、その全てをG41はキャッチしました。そのたびにご主人様はG41を褒めてくれて、なでなでしてくれました。G41はフリスビーをキャッチするのが大得意です! えっへん!

 

「さて、G41、少し喉が渇いたから、お茶にしないか?」

 

「はい、ご主人様!」

 

 ご主人様の言葉に、G41は頷きました。本当はもう少しフリスビーしたいですが、ご主人様は人間なので喉が渇きます。それにフリスビー遊びは基地でもできますが、ご主人様と二人きりでお茶は滅多にできません。なので、優先順位はお茶の方が上です。

 

 ご主人様が手を差し出してくれます。手を繋いで歩こうということだと思います。嬉しいです。でも、G41はもっと甘えたい気分です。

 

「えーい!」

 

 G41はご主人様の腕に抱きつきました。生身の方のご主人様の腕です。ご主人様の匂いと体温を感じます。G41は幸せです。

 

「おいおい。G41は甘えんぼだな」

 

 そう言って、ご主人様は笑ってG41の喉をさすさすしてくれます。嬉しいです。気持ちいいので喉をごろごろ鳴らしてしまいました。

 

 ご主人様の腕に抱きついたまま、G41はご主人様と歩いていきます。あまりいない周りの人が見てます。今のご主人様とG41はみんなにはどう見えるのでしょうか。カップルに見えるのでしょうか。そうだとすると嬉しいです。えへへ。

 

 というわけで、G41達は併設されているカフェに来ました。そして、オープン席に腰を下ろします。G41の座る椅子をご主人様が引いてくれました。今のG41はレディです。えへへ。

 

 ウェイトレスの人がやってきて、ご主人様に注文を聞きます。ご主人様はホットコーヒー、G41には苺サンデーを頼んでくれました。こういう時、レディは殿方に注文を一任するそうです。Five-sevenさんがそう言ってました。

 

 ご主人様がにこにこしてG41を見ています。G41もご主人様を笑顔で見つめます。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 

「G41が楽しそうで何よりだ」

 

 ご主人様が嬉しいことを言います。幸せでないはずがないです。憧れのご主人様とのデートなのですから。G41は幸せすぎて夢かと思うほどです。

 

『だが、G41。分かっているとは思うが、これは策の一環だ』

 

 突然、ご主人様が通信モジュールを開いて秘匿回線で言いました。

 

『だから、そういう動きが混じることはある。それは勘弁してくれな』

 

 ご主人様の言葉に、G41はほんの少しだけ残念に思いました。でも、考えてみれば当然だと思います。ご主人様はいい加減そうに見えますが、仕事には真面目な人です。そんなご主人様が非常事態宣言中に単に遊んでいるはずがありません。

 ご主人様の仕事はこの世の中を少しでもよくするためのとても大切なものです。G41はご主人様とその仕事を大切に思います。そして、そのお手伝いができる戦術人形の自分を誇らしく思います。

 

『はい、ご主人様。G41は何かした方がいいですか?』

 

『周囲に敵意がある奴がいないかどうかの警戒は頼む。いざというときの護衛もな』

 

 ご主人様の言葉にG41は頷きます。G41は護衛はお手の物です! お任せください、ご主人様! ご主人様のことはG41は命を懸けてもお守りします!

 

 やがて、注文していたコーヒーと苺サンデーがやってきました。

 G41の目はまん丸です。綺麗にデコレーションされた苺サンデーが目の前にあります。こんなのVRシアターでしか見たことないです!

 ご主人様に促されて、G41はスプーンで掬って食べます。美味しいです! 甘くて冷たくて、ほんのちょっぴり酸っぱくて物凄く美味しいです! 多分、全部天然素材です! 美味しすぎます!

 

「どうだ、美味しいだろ?」

 

「はい、ご主人様!」

 

 G41はご主人様の言葉に頷いてもう一口です。天然素材のスイーツはこんなにも美味しいです! G41は感動で胸がいっぱいです! 美味しいのでゆっくり味わって食べようと思います。

 

 三口食べたところでG41は思いつきました。そういえば、こういう時にやりたいことがG41にはありました!

 

「ご主人様!」

 

「ん?」

 

 G41の声にご主人様はコーヒーを飲む手を止めてこっちを見ます。G41はスプーンでクリームを掬ってご主人様の方へ持っていって言いました。

 

「ご主人様、あ~ん♪」

 

「なん…だと…!?」

 

 ご主人様が物凄く驚いています。どうしたんでしょう? よく分からないですが、でもG41はご主人様にあ~んして貰いたいです。なので、もう一度言います。

 

「ご主人様、あ~ん♪」

 

「…ああ。あ~ん…」

 

 ご主人様があ~んしてくれたので、G41はクリームをご主人様の口元に持っていきます。ご主人様は食べてくれました。なんだか嬉しいです。間接キッスです。えへへ。

 

「G41…」

 

 クリームを食べ終えたご主人様が感極まった声で言いました。

 

「俺、生きててよかった…」

 

 なんだかよく分かりませんが、ご主人様の目から一筋の涙がこぼれました。でも悲しそうではなくて、幸せそうです。ご主人様が幸せそうなので、G41も幸せです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 というわけで、G41はご主人様と楽しいデートの一時を過ごしています。

 でも、今日はまだ終わりじゃありません! それにまだご主人様の休暇は2日以上残っています。その間、ずっと一緒です! G41は幸せな気持ちでいっぱいです! ご主人様、G41はご主人様の戦術人形で本当に幸せです! 残りの休暇期間、いっぱいいっぱい遊んでください! まる!

 


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