ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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19・愛されG41(その1)

 次の日の朝。G41とご主人様は美味しい朝御飯を食べた後に、チェックアウトしました。見送る女将さんには、また来てね、と言われました。もちろんです! G41はこのお宿が気に入りました。ご主人様にお願いして連れて来てもらおうと思います。

 

 今、G41とご主人様は車で16Labに向かっています。一〇〇式(モモ)ちゃん達を迎えにいくのだそうです。

 わーい! G41は嬉しいです。一〇〇式(モモ)ちゃんやSOPMODちゃんにもうすぐ会えます。G41は二人が大好きなので嬉しいです。

 

 というわけで、G41はご主人様の車で16Labに向かうべく走っています。ハイウェイを突っ走って2時間程度らしいです。

 ご主人様の車は一見普通の軽自動車みたいですが、後ろの席がテーブル席になったり、キッチンがあったり、屋根の上に寝るスペースができたりするので面白いです。何だか秘密基地みたいです。

 それで今G41とご主人様は後部座席で絶賛ゲームで遊んでいます。

 

「ご主人様、やばいよ!」

 

「G41! ハンマーを投げろ!」

 

「えーい!」

 

「よし、そこで教えたコンボだ!」

 

「はい、ご主人様! えーい!」

 

「よし、止めだ!」

 

 どかーん! 敵は倒れました。ご主人様とG41の勝利です!

 

「ご主人様ー!」

 

「G41ー!」

 

「「いぇーい!」」

 

 そう言って二人はハイタッチを交わします。二人の合体攻撃で敵を倒しました! ゲームもご主人様とプレイすると楽しさ10倍増しです!

 ちなみに、車の運転は自動操縦システムがやってます。何かあっても、ご主人様は無線で車を動かせるのでハンドルを握る必要がないらしいです。ご主人様はすごいです!

 

「どれ。そろそろ着く頃か」

 

 そう言って、ご主人様は座席に戻りました。G41も助手席に戻ります。流石に、到着したときに運転席に誰もいないのでは困るらしいです。

 というわけで、G41達は16Labの前の目的地に到着しました。

 そこはサービスエリアを改造した軍の基地らしいです。お仕事の話だと思います。

 ゲートを潜る時、守衛の娘が知り合いの戦術人形に似てたので、G41はその娘かと思いました。でも、違いました。あの娘はもっと小さいです。ちょっとがっかりしましたが、あの娘もこの基地にいるかもしれません。もし会えたら嬉しいです。

 

「じゃあ、G41。行ってくるな」

 

 駐車場に車を止めてご主人様はそう言いました。

 

「少し時間がかかるから、車の中でゲームをしているなり、外の立ち入り可能エリアを見て回るなり、好きにしててくれ」

 

「はい、ご主人様!」

 

 G41はご主人様の言葉に元気に頷きます。G41はお留守番のできるいい子です!

 というわけで、ご主人様をお見送りしたG41はゲームをすることにします。

 

 ぴこぴこぴこ…

 ぴこぴこぴこぴこ…

 ぴこぴこぴこぴこぴこ…

 

 …ゲームオーバーになってしまいました。やっぱりご主人様がいないと難しいですし面白くないです。

 

 というわけで、G41はお散歩にでかけます。何か面白いものがあるかもしれないですし、あの娘に会えると嬉しいからです。

 でも、周りには特に何もないですし、あの娘がいる気配もないです。すぐに飽きてしまいました。

 困りました。仕方ないので車に戻って、座席の下にあるエロ本を読んでご主人様をのーさつするお勉強をするしかありません。というわけで、帰ろうとした時…

 

「やあ、グリフィンのG41ちゃんだね?」

 

 突然、声をかけられました。

 声をかけてきた人はご主人様より一回りぐらい年上っぽい男の人でした。

 

「はい、G41です」

 

 G41は素直に答えます。すると、男の人は笑って言いました。

 

「これからバーベキューをするんだが、よかったらご一緒していただけないかな、と思ってね」

 

 ばーべきゅー! もしかして、お肉がいっぱいのバーベキューでしょうか!? そうだとするとG41は嬉しいです! 丁度暇でもあります。

 でも、FALさんからは知らない人について行ってはだめ、と言われています。本来ならお誘いは断るべきです。でも、せっかく誘ってくれているし、このおじさんからは悪意は感じられません。

 

「はい。ご主人様に許可を貰ってからでいいですか?」

 

「ああ、もちろん。なんなら、俺の方から連絡するし」

 

 おじさんがそう言ってくれたので、G41は通信モジュールを開いてご主人様に連絡します。ここは軍の基地ですが、グリフィン用のチャンネルもあるので通信モジュールが使えるのです。

 

『ご主人様、今時間大丈夫ですか?』

 

『ああ。どうかしたのか?』

 

『はい。実はバーベキューに誘われてしまいました』

 

『…ええと、G41。目を借りるぞ?』

 

『はい、ご主人様』

 

 というわけで、G41はご主人様と視覚を共有しました。これでご主人様にもおじさんの顔が見えたはずです。

 

『…いないと思ったらそういうことか…』

 

 すると、ご主人様はあきれ果てた口調でそう言いました。どういうことでしょう。もしかして、ご主人様はこのおじさんと知り合いなのでしょうか?

 

『…許可する、G41。たらふく食ってきてやれ』

 

『はい、ご主人様!』

 

 やりました! ご主人様からの許可が下りました。これでバーベキューしても大丈夫です! うきうきです!

 

「おじさん! ご主人様からの許可が出ました!」

 

「ああ! じゃあ、行こうか!」

 

 というわけで、G41はおじさんの差し出した手を握って歩いて行きました。バーベキューです! バーベキューです! うきうきです!

 

 道すがらおじさんとお話ししたところ、おじさんは若宮将補っていうらしく、ご主人様の昔の上司だった人らしいです。バーベキューが趣味みたいでご主人様にも何度も御馳走したことがあるらしいです。

 

「あいつは優秀だが、物凄く困った奴でなぁ」

 

 おじさんは軍にいた頃のご主人様の話を懐かしそうに話してくれました。ご主人様は優秀な情報員兼戦術人形の指揮官だったらしいです。時々、口が汚いとか人形たらしとかの文句も入りますが、全体的には褒めている内容なので、G41は嬉しかったです。G41は自分が褒められるのも嬉しいですが、ご主人様が褒められるともっと嬉しいからです。それに交じってる文句も、納得の内容でした。

 

 話している間にバーベキューエリアに着きました。展望台みたいになっている奇麗な場所で、青い海と空と緑の山を一望できます。

 でも、G41はほんの少ししゅんとします。あの海は奇麗に見えても死の海です。それが凄く悲しいです。

 

「大丈夫だよ、G41ちゃん。この辺りの海は浄化された海なんだ」

 

 おじさんの言葉を聞いて、G41は驚きました。あの海は奇麗な海なんでしょうか!?

 おじさんの言うには、この辺りの内海は海洋研究所の研究の成果が実って、浄化に成功した海なんだそうです。しかも、その成功のカギになったのはご主人様が提供した新型ナノマシンのデータのおかげだそうです。

 G41は感動しました! G41が関わった件で世界が良くなっているのが分かったからです! G41や一〇〇式(モモ)ちゃんやFALさんが頑張った甲斐がありました!

 

 バーベキュー台の方を見ると男の人がいっぱい待っていました。みんなこの基地の軍人さんらしいです。ご主人様より若そうな人たちばかりでした。

 

「おお! 本物のG41ちゃんだ!」

 

「マジか! 可愛い…」

 

 みんなG41を見るなり、口々に褒めてくれました。G41は人気者です! えっへん!

 

「さて、始めようか諸君!」

 

 そう言って、おじさんがクーラーボックスを開いて、中から物凄く大きな肉の塊を取り出しました。すごい大きさです! あんな大きな肉、G41は見たこともありません。しかも、どう見ても天然物の肉です。凄すぎます!

 

 おじさんが大きな包丁で肉を切り分けます。肉からは血が流れませんでした。どうもベーコンらしいです。周りの男の人に聞いたのですが、おじさんはベーコンを作ったり、漬物を作ったりするのが趣味らしいです。とってもおいしそうでいい趣味だと思います!

 

 おじさんは分厚く切ったベーコンを鉄板の上に置きました。じゅう、っといい音がしました。次第に物凄くおいしそうな匂いがしてきます。G41はもう待ちきれません! うきうきです!

 

 やがて、ベーコンが綺麗に焼きあがりました! 憧れのステーキです!

 おじさんはそれをお皿にとって、G41に渡してくれました。レディファーストだそうです。周りのみんなも勧めてくれます。嬉しいです。みんないい人ばかりです。

 

 G41は切り分けられているベーコンを食べました。もう物凄く美味しいです! 肉汁がジューシーで脂が凄く甘いです! G41は幸せな気持ちでいっぱいになりました!

 

「どうだい?」

 

「はい! 物凄く美味しいです!」

 

 おじさんの問いに、G41がそう言うとみんな喜んでくれました。みんないい人たちばかりです!

 

 というわけで、本格的なバーベキューパーティが始まりました。いくつかある台の上で、ベーコンやコンビーフ、それに野菜の漬物が焼かれていきます。美味しそうな匂いで満たされています。

 みんな、G41のことを褒めてくれたり、お肉を取ってくれたり、なでなでしてくれたりしてくれます。美味しいものとみんなからの愛情が一杯で、G41は幸せです!

 

「G41ちゃん、こっちも食べてくれないかな?」

 

 おじさんはそう言って、お皿に料理を取ってくれました。なんでしょう? 見たところ、野菜と卵みたいです。なんでしょう。G41はそれを食べてみました。

 物凄く美味しいです! 漬物のすっぱさと卵のまろやかさとバター醤油の風味が何とも言えません!

 おじさんにきいたら、これは漬物のステーキだそうです。凄いです! G41は作り方を聞いておきました。これなら野菜が嫌いなご主人様でも美味しく食べられるに違いありません。今度、もやしの漬物を使って作ってあげたいと思います!

 

 ふと、G41は思いました。G41は昨日から美味しい思いを沢山しています。でも、カリーナさんやFALさんは今もきっと仕事をしているはずです。他のみんなも警戒態勢のはずです。G41ばかりが美味しい思いをしてはいけないと思います。

 

「どうしたんだい、G41ちゃん?」

 

「あのね、おじさん」

 

 気を遣って尋ねてきたおじさんにG41は言います。他の基地のみんなのためにお土産が欲しいって。

 もちろん、これは厚かましいお願いです。でも、G41は言いました。せめて、FALさんだけにでもあげてほしいです。そのためなら、G41はこれから食べなくてもいいです。我慢します。

 

「ああ。そのことなら」

 

 そういうと、おじさんは大きなクーラーボックスを指さして言いました。あの中には一番大きなベーコンの塊が入っているそうです。あれを丸ごと持って帰ってくれ、って言いました。

 

「みんなも異存はないな!?」

 

「「「「「おおー!!!」」」」」

 

 おじさんの言葉に、みんな賛同してくれました。そして、G41のことを健気だ、と褒めてくれました。

 G41は感動しました! こんなおいしいものを沢山G41のために譲ってくれるのです! G41はおじさんたちが大好きです! おじさん達もG41が大好きです! みんな相思相愛です! えっへん!

 

「その代わりといっては何だが、一つお願いを聞いてくれないかい?」

 

 おじさんがそう申し出ます。何でしょうか? こんなにいいようにしてくれるおじさん達のお願いなら聞いてあげたいです。

 

「何か歌を歌ってくれないかな?」

 

 もちろん、恥ずかしかったり、難しかったりするなら断ってくれてもいい、とおじさんは言いました。

 どうしましょう。G41は困りました。G41は歌なんて全然知りません。でも、オジサン達のお願いなら聞いてあげたいです。周りのみんなも期待を込めた視線を向けてきます。

 G41は少しの間悩んで、思いつきました! そうでした! G41は歌を知っています! 劇をやるために覚えたあの歌です!

 

「はい! G41は桃太郎さんを歌います!」

 

 G41がそう言うと、みんながおおー!って歓声を上げて、拍手してくれました。照れてしまいます。えへへ。

 というわけで、G41は息を吸い込んで歌い始めました。

 

「も~もたろさん♪ももたろさん♪ おっこしにつっけた~きっびだんご~♪ ひっとつ~わったしにくっださいな~♪」

 

 G41は歌詞を思い出しながら一生懸命歌います。周りのみんなは手拍子をしてくれたり、可愛いって褒めてくれたり、身悶えしたり、地面でごろごろしたりしてくれました。なんだかみんなご主人様みたいです。この国の軍人さん達はそういうものなのでしょうか。何だか可愛いです。

 

 歌を歌い終わると、みんなの拍手と歓声に包まれました! なんだかアイドルみたいです! えへへ。

 

 その後もG41はおじさん達と楽しい時間を過ごしました。みんないい人達でした!

 お別れする時に、みんないつでも会いに来てくれって言ってくれました。G41もまた会いたいです!

 その時は、もっと一杯歌を覚えて、一〇〇式(モモ)ちゃんと一緒に披露したいです! みんな、待っててね? まる!


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