G41は普段第一部隊、通称一〇〇式隊に所属しています。
なので、非常事態が起きるまでは割と暇です。
そんなわけで、G41はご主人様の所に行くことにしました。今日副官には
指揮官室のドアの前に着きました。こんこん、とノックしますが、反応がありません。きっとお仕事が忙しいのでしょう。
「G41入ります!」
G41はそう言って、ドアを開けます。すると、ご主人様は椅子にもたれかかって寝ていました。
カリーナさんやヘリアンさんが見たら、さぼっているように思うかもしれません。でも、ご主人様は忙しいと2日も3日も寝ないでお仕事をしています。暇な時ぐらい寝ていても、文句は言えないと思います。
ふと、G41は思いました。人間は寝ていると体温調節機能が低下するみたいです。このままだと、ご主人様が風邪をひいてしまうかもしれません。ご主人様が病気になると、G41は悲しいです。
G41はお布団を探してみました。でも、指揮官室にはお布団の代わりにかけられそうなものがありません。G41はどうしたものか、としばらく考えました。
いいことを思いつきました!
G41はご主人様を起こさないように静かに近づいていきました。それで、ご主人様の方を向いてお膝に乗って、そのまま被さるようにしました。
G41の身体は温かくて柔らかいのでお布団の代わりになります。そうすると、ご主人様は風邪をひきません。G41もご主人様の側でいられるので嬉しいです。とっても名案です!えっへん!
というわけで、ご主人様にそっと覆いかぶさりました。ご主人様の匂いがします。嬉しいです。
すると、ご主人様にぎゅっ、とされてしまいました。頭をなでなでしてくれます。
「どうした、G41? 甘えに来たのか?」
ご主人様が目を開いて、笑ってくれます。ご主人様に撫でてもらえるのは嬉しいです。でも、G41はご主人様にゆっくり休んで欲しかったのです。自分の役目を果たせなかったので、G41はしょんぼりしました。
「ごめんなさい、ご主人様。起こしてしまいました…」
G41はご主人様に謝ります。お布団になろうとして、寝ているのを邪魔しては本末転倒です。
「ああ、そういうことか」
ご主人様はG41の意図に気づいてくれました。それで、ぎゅっとしたまま笑って言いました。
「G41。俺は別に寝てたわけじゃないよ」
そう言って、ご主人様は頭のケーブルを見せました。どうやら寝ている風に仕事をしていたみたいです。目が疲れていたのかもしれません。
「でもまあ、G41が気遣ってくれるのは嬉しいな。ありがとう」
ご主人様からお礼を言われて、G41は幸せな気持ちでいっぱいになりました。ご主人様はG41の気持ちをよくわかってくださいます。G41はそんなご主人様の戦術人形で幸せでした。
「戻りました、指揮官…」
ドアを開けて
「し、指揮官…! お、お邪魔しました…!!」
「も、
ご主人様が絶叫しました。本当にどうしたんでしょう? G41には分かりません。
『…FAL。緊急任務が発生した。直ちに遂行を頼む』
『はいはい、分かったわ。…お礼はガトーショコラね?』
『う… わ、わかった…』
ご主人様は通信モジュールを開いて、FALさんに緊急任務を依頼しました。お仕事の最中に何か非常事態が発生したのかもしれません。単独で任務を貰えるなんて、さすが、FALさんです。
FALさんはガトーショコラが貰えるみたいです。あれは物凄く高いので滅多に食べられません。任務の報酬で貰えるなんて羨ましいです。G41も一口だけ貰おうとおねだりしてみます。
次の日、ご主人様はお金が無くなったみたいで御飯がお水だけになってしまったみたいです。何にお金を使ったのでしょう。
よくわからないですが、この前