ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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21・G41vsご主人様(その1)

 翌朝、16Labを出たG41達は昼頃には基地に到着しました。帰り道、ご主人様はぐったりしていたので、G41は一〇〇式(モモ)ちゃんとゲームをして遊びました。

 

 基地についたG41達をカリーナさんが出迎えてくれました。

 

「お、お帰りなさい、指揮官様…」

 

 その様子を見て、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんは仰天しました。

 髪はぼさぼさで、目は充血していて、顔色がすごく悪いです。目の下には濃いクマができています。超ボロボロです。一体、カリーナさんに何があったのでしょうか?

 

「ただいま、カリーナ。随分と苦労したようだな」

 

 ご主人様は平然とそう言って、カリーナさんに近づきます。手には何やら細長い紙の包みを持っていました。

 

「あの… 指揮官様から頼まれた8件…うち4件はどうにか通せたのですが、その他の4件はどうしても無理でした…」

 

 カリーナさんは泣き出しそうな顔でご主人様にタブレットを手渡します。泣きそうなのはご主人様に怒られると思っているのでしょう。

 ご主人様は仕事には厳しい人で、任務を達成できないと怒ります。一〇〇式(モモ)ちゃんも隊長になってからは何度も叱責を受けました。可愛い一〇〇式(モモ)ちゃんでさえその有様なので、カリーナさんはすごく怒られると思っているのです。

 

「…うん、よくやってくれた。ご苦労様」

 

 ご主人様はそう言って、カリーナさんの肩をぽんってしました。予想と大きく違う言葉に、カリーナさんが目を見開いて呆然としています。

 

「ありがとう。これだけやってくれれば、後はこっちでなんとかできる」

 

「指揮官様…!」

 

 カリーナさんが涙を浮かべて喜びました。物凄く珍しいご主人様の仕事に対する満点に近い誉め言葉です。カリーナさんの苦労が報われてよかったです!

 

「後は俺に任せて、休暇を2日ぐらいとってくれ。手続きは俺が通しておく。後、これは土産だ」

 

 そう言ってご主人様が包装を解いてお土産を渡しました。それはコアントローっていう高いお酒でした。

 

「そいつを一杯やって、ゆっくり休むんだ。後は俺に任せろ」

 

「はい…! 指揮官様、ありがとうございます…」

 

「礼を言うのは俺の方だ。お前の仕事のおかげでグリフィンは救われる。ありがとう」

 

 ご主人様の言葉を聞いたカリーナさんは感激で泣きながら敬礼して去っていきました。カリーナさんが嬉しそうでよかったです。でも、見送るご主人様がボソッと

 

「よし。これで刺されずには済むな…」

 

 と言ったのはどういうことだったのでしょう? 変なご主人様です。

 

一〇〇式(モモ)は早急に待機室に行って、総員に警戒態勢を解くように伝えてくるんだ。後、土産でサワー会でも開いてくれ」

 

「え!? で、でも、指揮官…今、グリフィンは非常事態宣言中じゃ…」

 

「大丈夫だ。全責任は俺が取る。気にせずにみんな楽しむように言ってくれ。もちろん、一〇〇式(モモ)もな」

 

「は、はい!」

 

 そう言って一〇〇式(モモ)ちゃんは駆けていきました。市街地から出る際に、ご主人様はみんなのお土産にお菓子や飲み物をたくさん買ってくれました。あれだけあれば、盛大なサワー会が開けます。みんな楽しんで欲しいです!

 

「G41は副官を頼む。サワー会には出られないが、俺と一緒に頑張ってくれ」

 

「はい! ご主人様!」

 

 ご主人様の命令に、G41は元気よく応じます。サワー会には出られないですが、今日もまたご主人様を独り占めできます。G41はとっても嬉しいです。

 

 というわけで、G41は台所でお茶を淹れてご主人様に持っていくことにします。

 お茶を淹れて指揮官室の前に行くと、FALさんが部屋から出ていくところでした。そして、G41の進行方向と逆側に鼻歌を歌いながらスキップして行きました。どうしたんでしょう。すっごくご機嫌そうです。

 

「G41、入ります!」

 

 G41が指揮官室に入ると、ご主人様は椅子に座って、書類を見てニヤニヤしてました。何かいいことがあったのでしょうか?

 

「ご主人様、どうしたの?」

 

「いや、FALは本当にいい仕事をしてくれる。完璧の一つ上を行っているな」

 

 お陰で仕事がなくなった。ご主人様はそう言って、書類を机の上に置きました。ご主人様がここまで褒めるのは珍しいです。流石FALさんです! しかも、仕事がなくなったということは、今日もまたいっぱい遊んで貰えるかもしれません! G41は嬉しいです!

 

「というわけで、G41。おいでおいで!」

 

 ご主人様が膝をパンパンと叩きます。お膝の許可が出ました。G41は喜び勇んでご主人様のお膝に座ります。

 G41はご主人様のお膝を満喫します。G41は幸せです。お出かけも楽しいですが、こうして基地でご主人様と一緒に過ごすのも楽しいものです。

 でも、G41ばかり幸せではいけません。この数日、G41は幸せでいっぱいでした。なので、ご主人様にも幸せになって欲しいです。

 

「何をしたいですか、ご主人様?」

 

 というわけで、G41はご主人様に尋ねました。ご主人様の幸せのためなら、G41はなんでもします。お散歩でも、フリスビー遊びでも、ゲームでも何でもご主人様にお付き合いします。

 

「そうだな。G41のミミをはむはむしたいな」

 

 あう。ご主人様が不穏なことを言います。

 困りました。ご主人様はG41のミミをはむっとするつもり満々です。大ピンチです。

 というわけで、G41は両手でミミを押さえました。これでご主人様はG41のミミをはむっとできません!

 

「んー、そういうことをすると、ますますはむはむしたくなるな」

 

 ご主人様が意地悪なことを言います。でも、こうしてミミを押さえている限り、ご主人様ははむっとすることができません。ご主人様、敗れたりです! えっへん!

 

「そうだ。G41、いいものをあげよう」

 

 そう言って、ご主人様がポケットに手を入れます。何をくれるのでしょう。G41は興味津々です。

 

「はい」

 

 そう言って、ご主人様が取り出したのは赤い飴でした。これはコーラの飴です!

 わーい! G41は嬉しいです。コーラの飴は甘くてしゅわっとするのでとっても美味しいです。G41はコーラの飴が大好きです!

 

「感謝します、ご主人様! 頭撫でて?」

 

 G41は感謝の言葉を言いつつなでなでをおねだりしました。もちろん、ご主人様は優しくなでなでしてくれます。気持ちいいです。G41は幸せです。

 

 というわけで、G41はご主人様から飴を受け取りました。そして、その包装を両手で剥こうとして

 

 はむ。

 

「うわぁ!」

 

 素っ頓狂な声をあげてしまいました。ご主人様がG41のミミをはむっとしたのです!

 なんと、G41はご主人様の巧みな罠にかかってしまいました! さすがご主人様です!

 

 でも、これ以上はやらせません。G41は再びミミを両手で押さえました。これでご主人様はもうはむっとできません。次は飴にもほねっこにもささみジャーキーにも釣られません。ご主人様、敗れたりです。

 ちなみに、飴はご主人様が包装を剥いて食べさせてくれました。甘くて美味しいです。ご主人様は優しいです。

 

「さてさて」

 

 飴を食べ終えたところで、ご主人様が机の引き出しから何かを取り出しました。

 それはなんと猫じゃらしでした!

 

「ほら~、G41!」

 

 ご主人様は机の上で猫じゃらしをしゃかしゃかします。

 むー。G41は猫じゃらしから目を離せません。しゃかしゃか動く猫じゃらしを見ていると胸の中がうずうずします。捕まえたくなります。

 でも、我慢しないといけません。これは罠です。G41が猫じゃらしに手を出すと、ご主人様はミミをはむっとしてきます。

 

 なので、G41は我慢します。

 しゃかしゃかしゃか…

 我慢します。我慢します…

 しゃかしゃかしゃかしゃか…

 我慢します。我慢します。我慢します…

 しゃかしゃかしゃかしゃかしゃか…

 我慢します。我慢します。我慢します。我慢しま…たしっ!

 

 あ! G41は思わず手を出してしましました! しかも、外してしまいました!

 でも、ご主人様ははむっとしてきません。まだ猫じゃらしは目の前で動いています。なので、もう少したしっとしても大丈夫です。

 

 しゃかしゃかしゃか…

 たしっ!たしっ!

 しゃかしゃかしゃかしゃか…

 たしっ!たしっ!たしっ!

 

 むー、捕まりません。ご主人様は巧みに猫じゃらしを操ります。

 業を煮やしたG41は両手で挑むことにします!

 

 しゃかしゃかしゃか…

 ぱしっ!

 

 やりました! G41は見事猫じゃらしを捕まえました!

 勝利の充実感に、G41は満足して…

 

 はむ。

 

「うわぁ!」

 

 素っ頓狂な声をあげてしまいました。ご主人様がG41のミミをはむっとしたのです!

 なんと、G41はまたご主人様の罠に引っかかってしまいました!

 

 困りました。G41は連戦連敗です。

 このままではG41はまたはむっとされてしまいます。でも、ご主人様を防ぐ手段をG41は思いつきません。どうしましょう…

 

「ちょっと。仕事してるんじゃなかったの?」

 

 声がしたので部屋の入り口を見ると、FALさんが立っていました。FALさんはちょっとあきれ顔で苦笑しています。

 

「どうした、FAL? 申し継ぎ忘れか?」

 

「雑誌を忘れたから取りに来ただけ。…このネックレスに合う服を考えないといけないものね」

 

 そういうFALさんの首元には宝石のネックレスが着けられていました。きれいです! FALさんはお姫様みたいです! もしかするとご主人様から貰ったのでしょうか?

 

 G41はご主人様のお膝から降りてFALさんのところに駆けていきました。FALさんならご主人様に負けない策を思いつくかもしれないからです。

 

「? どうしたの、G41?」

 

「あのね、FALさん…」

 

 G41はFALさんに耳を貸してもらって話します。ご主人様に勝てる策はないでしょうか?

 

「ええ! 任せて、G41!」

 

 すぐに策を思いついたFALさんはそう言ってG41に策を耳打ちしてくれます。これは名案です!さすがFALさんです!

 

 というわけで作戦開始です。G41はご主人様のお膝に、ご主人様の方を向いて座りました。

 

「…そう来たか」

 

 G41の顔を見て、ご主人様は苦笑します。

 G41がご主人様の方を向いていたら、ご主人様ははむっとできません。しかも、G41はご主人様を間近で見られるので嬉しいです。まさに一石二鳥の名案です!

 

 というわけで、G41はご主人様をいっぱい見ます。ご主人様の顔が近いです。嬉しいです。

 でも、そのうちペロペロしたくなりました。というわけで、G41はご主人様の顔をぺろぺろします。ご主人様はくすぐったそうにして、G41の頭を抱いてくれました。嬉しいです。

 

「参ったよ、G41。降参だ」

 

 G41の頭を抱きかかえて、頭をなでなでしながらご主人様はそう言ってくれました。

 やりました! G41の勝利です! G41はご主人様に勝ちました! えっへん!

 

「ふふふ。邪悪な指揮官にはG41の純な視線は辛かったかしら?」

 

「それはお前も変わらないだろ?」

 

「あら? さっきまで褒めててくれたのに、急にそれ?」

 

「そういうところまで含めてお前は俺の連れ合いだってことだ」

 

 頭の上でFALさんと言葉を交わしながら、ご主人様はG41をなでなでしてくれます。嬉しいです。勝利の達成感と合わさって、G41は超嬉しいです。

 でも、今回の勝利はほとんどFALさんのお陰です。なので、次こそはG41の力でご主人様に勝ちたいと思います。ご主人様、覚悟してね? まる。


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