ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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27・G41と仲間達(その4)

 ある日、廊下を歩いていると思わぬ人形たちに会いました。

 UMP45さんと9ちゃん。それに、G11ちゃんと416さん。所謂、404小隊の面々です。

 404小隊はグリフィン直属の部隊の中でも特殊性の強い部隊で、他の隊と絡む事はほとんどありません。それなのに、うちにどうしているんでしょう?

 

「あ! G41、久し振り~!」

 

 G41を見つけた9ちゃんが駆け寄って来ます。そして、遠慮なくG41を抱きしめました。G41も抵抗なく抱きしめられてます。9ちゃんが今もG41のことを好きでいてくれてうれしい気持ちになりました。

 

「9ちゃん、お久し振り」

 

「うん! 相変わらずミミが可愛いね!」

 

 そう言って、9ちゃんはG41のミミを両手で持って左右に引っ張ります。強い力でないので痛くはないですが、ちょっとくすぐったいです。

 

「お久し振り、G41」

 

 続いて45さんもG41に声をかけてきます。

 

「お久し振りです、45さん」

 

 9ちゃんにミミを引っ張られながら、G41は45さんに挨拶します。45さんも尊敬する先輩の一人なので、今日会えて嬉しいです。

 

「…こっちの部隊は水が合ってるみたいね」

 

 そう言って、45さんはG41の頭を撫でてくれます。気持ちいいです。45さんが安心してくれているので、G41も嬉しいです。もしかすると、別れてからもずっと心配してくれていたのかもしれません。

 

 実はG41は昔、ほんのわずかな期間だけ404小隊に参加していました。その時の隊長さんが45さんです。

 G41は404小隊の他のメンバーとも性能的に相性が良く、特にG11ちゃんが苦手な夜戦では416さんと共に多くの敵を倒しました。

 でも、G41はすぐに404小隊から抜けることになりました。45さんがここにはいないほうがいい、と隊から除くことをグリフィンに申請し、代わりに今の隊に編入できるように動いてくれたのです。G41は今の隊でご主人様に出会えて物凄く幸せです。なので、45さんにはとっても感謝しています。

 

「45、9。旧交を温めるのもいいけど、今は天野指揮官に話を聞きに行くのが先でしょう

?」

 

 416さんが45さんと9ちゃんに言います。416さんは404小隊一番の常識人で、仕事熱心な人なので早く用を片付けたいのだと思います。

 

「あたしもう無理… ねえ、G41。お布団は?」

 

 ものすごく眠そうな様子でG11ちゃんが言います。G11ちゃんは物凄く強いのですが、同時に物凄く寝るのが好きなので、用がない時はいつも寝ています。まるで、どこかの闘牛士みたいだ、とご主人様は言ってました。

 

「私のベッド貸してあげるよ?」

 

 G11ちゃんにG41はそう言いました。404小隊が泊まるなら流石にG41達にも通達があるはずですが、それがないので部屋は用意されてないと思います。なので、G41のベッドを使って貰うのがいいです。それに、G41のベッドの布団はご主人様がプレゼントしてくれた物凄く寝心地のいいものなのです。えっへん!

 

「全く…まあいいわ。G41、お願いね?」

 

 416さんが呆れ顔で言います。416さんは何のかんのでG11ちゃんのことを気にしています。仲良しです。

 

「じゃあ、私もそっち行くよ! 天野指揮官とのお話とか私がいても役に立たないし」

 

 9ちゃんはG41に頬ずりをしながら言います。久し振りに9ちゃんと遊べます。G41は嬉しいです。

 

「予定より随分と早いわね」

 

 不意に傍らから声がしました。FALさんです! FALさんがいてくれたので、G41は嬉しい気持ちになりました。

 

「あ、FALさんお久し振り~! …なんか、太った?」

 

「…一発殴っていい、9?」

 

「え!? いや、そういうんじゃなくて! なんか、昔より大きく見えたから…」

 

 FALさんの静かな怒りを受けて、9ちゃんは慌てて言います。G41はあまりにも命知らずな発言にはらはらしましたが、FALさんは本気で怒っているわけではなさそうなのでほっとしました。

 

「…貴女は前に進んでいるのね、FAL」

 

 416さんがため息交じりに言いました。どこか羨ましそうですが、その言葉には憎悪や怒りは感じられません。

 

「まあね。…で、45」

 

 そう言って、FALさんは45さんの方に視線を向けます。G41達も45さんを見ました。

 

「なんで、私を親の仇を見るような目で見ているのかしら?」

 

 G41はぞっとしました。45さんのFALさんを見る目が凄まじく恐ろしかったからです。憎悪と殺気、そして静かな怒りに満ちた目でした。

 

「…別に」

 

 G41達の視線を受けて、45さんはそう言って、FALさんから視線を逸らしました。いつもの45さんに戻ったと思います。

 

「まあいいわ。とりあえず、指揮官のところに行きましょう?」

 

「…ええ、そうね」

 

 FALさんに促されて、45さんと416さんがその後ろについて行きます。それを見送って、G41達も宿舎の方へ行きました。

 

「45さんとFALさん、仲悪いのかな?」

 

 G41は9ちゃんに尋ねました。45さんとずっと一緒な9ちゃんならきっとその辺りの事情を知っていると思ったのです。

 

「うーん… どうなのかなー? 大体、私も45姉もFALさんと会ったのなんて、ずっと昔に何回かだけだよ?」

 

 しかも、軽く挨拶しただけぐらいだし。9ちゃんは首を傾げながらそう言いました。9ちゃんがそう言うのなら、そうなんだと思います。なら、45さんはどうしてFALさんをあそこまで嫌っているのでしょう。よくわかりません。

 

「FALさん、昔ろくでもないことばかりしてたし、それで恨みを買ったんじゃない?」

 

 G11ちゃんがなんでもなさそうに言います。

 そういえば、FALさんはその昔味方を利用して戦果を挙げるようなことを繰り返していたと言います。グリフィンでも悪名高い味方殺しだっていつか言ってた気がします。

 もしかすると、その辺りのことで因縁があるのかもしれません。でも、今のFALさんはとても優しい先輩です。味方を使い潰すどころか、危機に陥っている味方を率先して救出に向かいます。昔何かあったとしても許してあげて欲しいです。

 

「うーん。何とかFALさんと45さんが仲直りできないかな?」

 

 G41は提案しました。二人とも大好きな先輩なので仲良くして欲しいです。FALさん45さん仲直り作戦開始です。

 

「そうだね。うん、何とかしよう!」

 

 9ちゃんは笑顔でそう言います。とっても乗り気です。45さんと最も近しい9ちゃんが味方なのでとっても心強いです。G41は大船に乗った気持ちです!

 

「えー…ほっとけばいいじゃん」

 

 対してG11ちゃんは物凄くめんどくさそうです。でも、このミッションは恐らくSSSランクの難易度です。多少嫌でも手伝って貰わないといけません。

 

「うん! 作戦、思いついたよ!」

 

 早速9ちゃんが作戦を思いついたみたいです。流石、9ちゃんです。グリフィンの戦術人形の中でも屈指の戦術家である45さんの妹だけはあります。

 

「G41と私が喧嘩してる振りをするの。そしたら、お互い隊を率いている者同士共同して喧嘩を止めようとすると思う!」

 

「そっかー!」

 

 9ちゃんの作戦に、G41は感心しました。とっても良くできた作戦です! 流石、9ちゃんです!

 

「えー… それ、その先がないと上手く行かないと思うんだけど…」

 

「大丈夫! 為せば成る!」

 

 疑問を呈するG11ちゃんに9ちゃんは自信満々に言います。G41もそう思います。大切なのは勇気を出して突撃することです。

 

「というわけで、G11ちゃんはFALさんと45さんを呼んできて!」

 

「うん…」

 

 G41のお願いをG11ちゃんは少し嫌そうに聞いてくれました。G11ちゃんが指揮官室の方に歩いて行きます。ちなみに通信モジュールを開いて、G11ちゃんの聴覚を共有しておきます。FALさんたちがやってきたら喧嘩を始めるためです。

 

 G11ちゃんが指揮官室のドアを叩く音がしました。そして、ドアを開けて言いました。

 

『えーとね。G41と9がなんか喧嘩っぽいことをしてるよー』

 

 G11ちゃんがすっごいやる気なさそうにそう言いました。あう。早くも作戦に暗雲が漂ってきました。これでは来てくれないかもしれません。TMPちゃん辺りを呼んで協力して貰った方が良かったかもしれません。万事休すです。

 

『というわけで、FALさんと45。止めてきてよ』

 

『…ってことだけど、指揮官?』

 

『ああ。カリーナの資料を待つ時間もあるし、行ってきてくれ』

 

 やりました! ご主人様が促してくれたお陰で、二人は部屋を出てこっちに向かってます。G41は9ちゃんと顔を見合わせてサムズアップします!

 というわけで、喧嘩開始です。9ちゃん、かくごー!

 

「9ちゃんのばかー!」

 

「G41のばかー!」

 

 とりあえず、まず口喧嘩です。二人で大声を出したので、傍らを歩いていたMP5ちゃんがビックリして足を止めました。掴みはばっちりです。ここから実力行使に移ります。

 

「えーい!」

 

 というわけで、G41は両手を振り回しながら9ちゃんに突撃しました。9ちゃんは手を突き出して、G41の頭を押さえます。9ちゃんの方がずっと背が高いので手が届きません。流石、9ちゃん。的確な回避です!

 

「おりゃー!」

 

 すかさず、9ちゃんが後ろの回り込んでG41の頬を軽く抓って引っ張ります。あまり力が入ってないので痛くはないです。でも、一方的にやられっぱなしです。おのれー、9ちゃん。

 

「えーい!」

 

 G41は手から抜け出して振り向き、脇をこちょこちょしました。ちなみに、9ちゃんのおっぱい結構大きいです。羨ましいです。

 

「あっはっはっは! やったなー!」

 

 9ちゃんはくすぐったそうにしながら、G41のミミをはむっとしました。

 

「うわあ!」

 

 G41はビックリして手を放してしまいました。9ちゃんはG41の弱点を巧みに衝いてきます。おのれー。かくなる上は…

 

「…仲いいわね、貴女達」

 

「…本当にただじゃれ合っているだけね」

 

 気が付くと、FALさんと45さんが呆れた様子で見てました。二人とも共感しています。仲直りしてくれるのでしょうか!? G41と9ちゃんは手を止めて、期待を込めて二人を見ます。

 

「9、この茶番は何?」

 

 あう。完全に見抜かれています。流石、45さんです。G41と9ちゃんはしょんぼりです。

 

「え、えっとね、45姉…」

 

 バツが悪そうに9ちゃんが説明します。45さんとFALさんが仲が悪そうなので、仲直りして欲しくてやったと白状しました。

 

「そういうことね…」

 

 FALさんがため息を吐いて、そして軽く笑って言いました。

 

「誤解よ、二人とも。私は45のこと好きよ?」

 

 そう言って、FALさんは45さんに視線を向けます。その視線は暖かくて、柔らかくて、何だか懐かしいものを見るかのように思えました。

 

「…ええ、そうね。分かった」

 

 そんなFALさんの視線を受けて、45さんは降参するように両手を上げて言いました。

 

「FAL。私はね、鬱陶しい貴女が疎ましくて、腹立たしくて…………そして…大好きなのね…」

 

 45さんもまたFALさんを見ます。その視線は、ある種の諦観を受け入れたような視線でした。何だか憑き物が落ちたように穏やかな目でした。

 

 G41は9ちゃんと笑顔を交わしました。作戦は見抜かれてしまいましたが、FALさんと45さんは仲直りしたみたいです。なので、作戦は部分的成功でした!

 

「じゃあ、私達は打ち合わせに戻るから」

 

「うん! 仲良くね!」

 

「…はいはい」

 

 9ちゃんに軽くそう言って45さんはFALさんと一緒に歩いて行きました。G41と9ちゃんは笑顔でそれを見送りました。二人が仲直りできた本当に良かったです。G41と9ちゃんの思いが一つでした。二人は相思相愛です。えっへん!

 

 というわけで、G41と9ちゃんは安心して遊ぶことにしました。G11ちゃんが寝ている横で、ゲームで超盛り上がって楽しかったです! まる。

 


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