ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

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追記14:怖がりG41

 ゴロゴロゴロ…

 ピシャーン!

 

 雷です! G41は大慌てです。大雨と共に雷が鳴り始めました!

 幸い、雨には崩壊液はほぼ含まれていないので対崩壊液用タープを張る必要はないみたいです。小太刀を握り締めて非常事態に備えていた一〇〇式(モモ)ちゃんもほっとしていました。

 でも、G41は雷が怖いです。もし雷が落ちたら、G41達戦術人形はショートして、メンタルモデルが破損してしまう可能性があります。それは銃で撃ち倒されるより嫌です。メンタルモデルが破損したら、ご主人様の事も一〇〇式(モモ)ちゃんのことも忘れてしまいます。そんなの嫌です。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん~」

 

 G41は怖いので一〇〇式(モモ)ちゃんに抱き着きました。大好きな一〇〇式(モモ)ちゃんが側にいると安心するのです。一〇〇式(モモ)ちゃんはなんだか甘くていい匂いがします。身体も柔らかくて抱き心地もいいです。

 

「大丈夫だよ、G41ちゃん。怖くないからね」

 

 そう言って一〇〇式(モモ)ちゃんもG41を抱き締めてくれます。気持ちいいです。G41は幸せです。G41は一〇〇式(モモ)ちゃんが大好きです。一〇〇式(モモ)ちゃんもG41が大好きです。二人は相思相愛です! えっへん!!

 

「どうやら心配なさそうだな。一〇〇式(モモ)、ご苦労だった。通常待機に戻ってくれ」

 

「はい、指揮官」

 

 しばらくそうしていると、ご主人様がやってきて一〇〇式(モモ)ちゃんに言いました。一〇〇式(モモ)ちゃんもそれに応じて懐に小太刀を仕舞いました。どうやらもう怖くないみたいです。G41は一〇〇式(モモ)ちゃんから離れました。ご主人様がいるので雷なんて怖くないのです。

 

 ゴロゴロゴロ…

 ピシャーン!

 

 また雷です! 凄い光と音でした!

 でも、怖くないです。今はご主人様と一〇〇式(モモ)ちゃんがいてくれるのです。何にも怖い物なんてないです。

 その瞬間、ふっと電気が消えてしまいました! 発電機に雷が落ちたのかもしれません!!! 真っ暗です!!! 何も見えません!!!!

 

「ご主人様ー!!」

 

 怖くなったG41はご主人様に抱き着きました。一〇〇式(モモ)ちゃんもいいですが、やはりご主人様の側が一番落ち着きます。

 

「よしよし、G41。怖いことなんてないからな」

 

 そう言ってご主人様がG41をなでなでしてくれます。嬉しいです。G41は幸せです。

 すると、すぐ電気が付きました。予備電源が働いたみたいです。よかったです。これで一件落着です。

 

 でも、まだ雷はゴロゴロいってます。怖いです。銃声はもう聞き慣れましたが、雷はいつになっても慣れません。G41はご主人様に抱き着いています。ご主人様がいてくれると雷も怖くないです。

 

 …ふと、思いつきました。このまま雷が落ちたら…ご主人様も危ないです!!

 G41は真っ青です! G41達戦術人形は金属パーツを使っているので、人間よりも落雷する可能性が高いです! このまま抱き着いていたら、ご主人様に雷が落ちるかもしれません!!

 

 なので、G41はご主人様から離れました。怖いですが仕方ないです。G41にとって一番大事なのはご主人様の安全なのです。なので、怖いけど我慢します。くすん。

 

「大丈夫だよ、G41。雷なんて怖くないからおいでおいで」

 

 そう言ってご主人様が手招きします。G41は恐る恐るご主人様に近づいて抱き着きました。やっぱり安心します。G41はご主人様の側にいるのが一番幸せなのです。

 

「俺の腕にはフォースフィールド発生装置が仕込まれてるから、雷なんて効かないさ」

 

 そう言って、ご主人様はG41をなでなでしてくれました。嬉しいです。そう言えばご主人様は軍用戦術人形に匹敵するぐらい強いのです。何も心配はありません。なので、G41は遠慮なくご主人様に抱き着きました。

 

 ふと見ると、一〇〇式(モモ)ちゃんが微妙な表情で立ち竦んでいました。なんだか、微妙に羨ましそうな色があります。一〇〇式(モモ)ちゃんもご主人様に甘えたいのでしょう。

 

一〇〇式(モモ)ちゃん! 一緒にあまあましよう!!」

 

 というわけで、G41は一〇〇式(モモ)ちゃんも誘うことにします。一〇〇式(モモ)ちゃんはG41の大親友でかつ序列もG41より上です。ここは一緒にあまあますべきです!!

 

「そうだな、二人とも。おいでおいで」

 

 そう言ってご主人様は近くのベンチに腰を下ろして、股を開いて両方のお膝を叩きました。

 お膝の許可が出ました! G41は喜び勇んでご主人様の右のお膝に座ります。一〇〇式(モモ)ちゃんも遠慮がちに左のお膝に座りました。気持ちいいです。一〇〇式(モモ)ちゃんも恥ずかしそうですが、気持ちよさそうです。

 

「嗚呼…両手に花…幸せだなぁ」

 

 そして、ご主人様はG41と一〇〇式(モモ)ちゃんの頭をなでなでしながらしみじみと言いました。ご主人様も幸せそうです。三人は相思相愛です! えっへん!!

 

 しばらくすると、雨音がなくなりました。小さな窓から光が差し込んできます。雨が止んだのです。雷はどこかに行ってしまいました! G41達の勝利です!! えっへん!!!

 

 窓から外を眺めてG41は目を丸くしました! 七色のアーチが空にかかっています! 虹です! 虹が空にかかっているのです!! とっても綺麗です!!!

 

「ご主人様、虹です!!」

 

「ああ、綺麗だな。…せっかくだから、中庭に見に行こうか」

 

「はい、指揮官!」

 

 こうして、G41と一〇〇式(モモ)ちゃんはご主人様と手を繋いで、中庭に歩いて行きました。そして、お日様と虹を堪能しながら、今日の午前の時間を終えました。

 G41は嬉しいです。怖い雷が去って綺麗な虹が見えました。大好きなご主人様と一〇〇式(モモ)ちゃんも一緒です。今日もとっても素敵な一日になりそうです! G41は笑顔で花に満ちた中庭に駆けて行きました! まる。


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