ご~るでん☆れとりば~ず!   作:カール・ロビンソン

56 / 59
追記15:接待G41

 ある日のことです。G41にお仕事の依頼がやってきました。以前ご主人様と泊った旅館の女将さんからです。

 女将さんの話によると、今度物凄く偉い人が旅館にやってきて、御持て成しをしないといけないのだそうです。

 ご主人様の曰く、その人は悪い人ではないのですが、結構面倒くさいらしく普通に持て成しただけでは満足しないかもしれない、とのことです。そして、満足して貰えないと旅館に回すお金なんかが減らされるかもしれない、と困っているのです。

 

 そこで、G41が接待役に抜擢された、と言うことです。G41は最近WA2000さんに下されてしまいましたが、それでもグリフィンドール総選挙6位の人気者なのです! えっへん! そんなG41が接待すれば満足してくれるだろう、と言うのです。

 

 お任せください! G41は頑張って、きっと満足して貰える接待をします!G41は笑顔で女将さんの依頼を受けました。

 

 というわけで、今日は件の旅館に行き、女将さんや他の女中の人達の指導を受けて、失礼がないよう作法を学びました。G41は呑み込みがいい、とみんなから褒めて貰えました。なでなでもして貰えました。嬉しいです。可愛い着物も着付けて貰ったので、G41は幸せです。

 

 そして迎えた明くる日。いよいよ、偉い人がやってくる日です。G41と女将さん、それに数人の女中さんが門の前で、到来を待っていました。

 やがて、黒塗りの車がやってきて門の前で止まりました。女中さんの一人がドアを開け、男の人が出てきます。ご主人様より二回り以上年上な綺麗な白髪の男の人でした。

 女将さんも女中のみんなも深くお辞儀をして、男の人にお出迎えのご挨拶をします。でも、G41は思わずタイミングを逃してしまいました。

 

「あれ? ご主人様?」

 

 そして、男の人についそう言ってしまいました。どうしてなのか、G41には分かりません。男の人はご主人様にちっとも似てないですし、匂いも違います。でも、G41は何故かご主人様がやって来たのか、と思ったのです。

 

「おや? そちらはG41ちゃんかな?」

 

 男の人はG41の失礼を咎めたりはせず、G41に微笑んでくれました。G41も笑顔になりました。この人はなんだかいい人そうです。そう思いました。

 

「なるほど。あいつはうちのG41はとても可愛いと自慢していたが、その通りだな」

 

「ご主人様の事を知っているんですか?」

 

「ああ、もちろんだとも。…女将たちは下がっていい。G41ちゃん。離れに案内してもらえるかな?」

 

「はい!」

 

 というわけで、ここからはG41だけで男の人に接待することになりました。女将さん達はなんだか不安そうな表情でしたが、G41はこの人とは仲良くできそうな気がします。どこと言うわけではないですが、ご主人様に似ている気がするからです。

 

 というわけで、G41は離れの部屋に男の人を案内しました。離れは相変わらず上等な和室で、畳のいい匂いがします。机の上には綺麗な陶磁器のお皿と、その上には少量ずつの酒肴が盛られていました。近くには氷水の張った瓶が置かれており、その中にはお酒の入ったひょうたんが浮かんでいました。

 

「堅苦しい挨拶なんかは必要ない。隣に座って、御酌をしておくれ」

 

「はい!」

 

 男の人にそう言われたので、G41は瓶からひょうたんを取り出して手拭いで軽く拭いて、男の人の隣に座ります。そして、男の人が手にしたお猪口にお酒を注ぎました。甘い香りのする透明なお酒です。

 

「…ふむ。いい酒だ。可愛い子に注いで貰うと、なお美味い」

 

 男の人はお酒を飲んで満足そうにそう言いました。G41の接待は喜んで貰えているようです! 何だか全然訓練通りに出来てはいませんが、お客様が満足してくれていればそれでよしです! G41は接待もできるいい子です! えっへん!!

 

「G41ちゃんも一口どうかな?」

 

 そう言って男の人は机の上にあるもう一つのお猪口をG41の前に置いてくれました。そして、G41の手からひょうたんを持ち上げます。

 

「はい、頂きます!」

 

 G41はお猪口を手にして笑顔で言います。美味しそうなお酒には興味津々です。

 

「じゃあ、はい」

 

 そう言って男の人はG41のお猪口にお酒を注いでくれます。なんだか、立場が逆転しているように思えますが、お客様が喜んでくれてるのならそれでよしです。

 

 G41はお猪口のお酒の匂いを嗅いでみます。凄く甘くていい匂いがします。普段基地で飲んでいるお酒と違って安っぽいアルコール臭などはしません。どちらかというと上品な化粧水のような香りです。

 

 飲んでみるとその美味しさに驚きます。とても上品な甘さです。コーラのようなわざとらしさがない清々しい甘さと、鼻から抜けていくいい香りがとても素晴らしいです。こんなお酒飲んだことがありません。

 

「美味しいかい?」

 

「はい! こんな美味しいお酒初めてです!」

 

「そうかい。それはよかった」

 

 そう言って男の人はG41の頭をなでなでしてくれます。気持ちいいです。何だかご主人様になでなでして貰っているみたいです。G41は幸せです。

 

「晶の奴は相変わらず金に困っているのかな?」

 

「はい。昨日もご飯はG41が差し入れてあげました」

 

「そうか。全く、あいつは仕事ばかりでなく自身の世話もできるようにせんとな」

 

 そう言って男の人は苦笑しながらG41の注いだお酒を飲みます。そして、酒肴の酒盗を一口食べました。

 

「あの、ご主人様の事を知っているのですか?」

 

「ああ。あいつは俺の息子のようなものだ」

 

 男の人はG41の問いに答えて言います。なんでも、この人は軍時代の上官で、そして家族を亡くして天涯孤独になったご主人様を引き取った人らしいです。仕事の事とかもこの人が全部ご主人様に教えたのだそうです。なるほど。確かにご主人様のお父さんみたいな人です。だから、G41はこの人をご主人様と誤認したのかもしれません。

 

「と言う訳で、G41ちゃんは俺のことをお祖父ちゃんと呼んでくれると嬉しいな」

 

 お祖父ちゃん! 確かにそうです。ご主人様のお父さんならお祖父ちゃんと呼ぶのがいいかもしれません。

 

「はい、お祖父ちゃん!」

 

「おお…とてもいい響きだ。嬉しいな」

 

 G41が呼ぶと、お祖父ちゃんは嬉しそうに微笑んでG41の頭をなでなでしてくれました。嬉しいです。

 

「と言う訳で、G41ちゃん。おいでおいで」

 

 胡坐をかいているお祖父ちゃんが言いました。G41は喜び勇んで胡坐の上の座ります。気持ちいいです。何だか、ご主人様のお膝みたいです。とっても幸せです。

 

 その後、G41はお祖父ちゃんと昔のご主人様のお話をしたり、今の基地のお話をしたりしてしばらく時間を過ごしました。お酒を飲ませて貰ったり、酒肴を食べさせて貰ったりもしました。物凄く幸せです。G41はお祖父ちゃんが大好きです。お祖父ちゃんもG41が大好きです。二人は相思相愛です。えっへん!

 

「あのね、お祖父ちゃん。G41ね、お祖父ちゃんのために接待を考えたの」

 

 G41はお祖父ちゃんにそう言います。すっかり口調が砕けていますが、お祖父ちゃんもその方が嬉しそうです。

 

「おお、それは嬉しいな。どんなのだい?」

 

「うん。ちょっと待っててね?」

 

「ああ」

 

 お祖父ちゃんの許可を得たG41は部屋を出て、離れの炊事場に行きます。そして、ご飯の入ったおひつと塩、それに水の張った小さなタライと小梅の入った瓶と海苔を貰って部屋に帰ります。

 

「おにぎりを握りますね、お祖父ちゃん」

 

 そう言ってG41は考えていた接待を始めます。

 G41のファンの人はG41の作る料理を食べたい、と言う人もいます。お祖父ちゃんもG41の事が気に入ってくれたのなら、G41の料理を食べたい、と思うかもしれません。でも、厨房を貸して貰う訳にもいかないですし、ポケットストーブで料理を始めるわけにもいきません。

 なので、G41の手でおにぎりを握ったら喜んで貰えるかもしれない、と思ったのです。それにお米のおにぎりを作ってみたかったというのもあります。

 

「おお、それは素晴らしいな」

 

 お祖父ちゃんも嬉しそうにそう言ってくれました。G41の接待は成功みたいです。えっへん!

 

 まず、手をタライの水に漬けます。そして、手に塩を付けてご飯を握っていきます。手の中で転がして、三角にしていきます。そして、小梅をおにぎりの真ん中に埋め込んで海苔で包んだら完成です!

 

「お祖父ちゃん、どうぞ~」

 

「ああ。いただきます、G41ちゃん」

 

 G41がお皿に乗せて差し出したおにぎりを、お祖父ちゃんが一口食べました。

 

「嗚呼、美味しい。最高のご馳走だ」

 

 お祖父ちゃんはとっても喜んでそう言ってくれました。やりました! G41の接待は大成功です! えっへん!

 

 その後もG41とお祖父ちゃんは楽しくお話をしたり、なでなでして貰ったりして小一時間が過ぎました。そろそろお祖父ちゃんは帰る時間です。G41は名残惜しいですが仕方ないです。女将さんを呼んで車の支度をして貰ってお見送りします。

 

「女将、大変楽しめたよ」

 

「はい、ありがとうございます御前!」

 

 お祖父ちゃんからお褒めの言葉を貰った女将さんは物凄く嬉しそうです。周りの女中さんの間にもホッとした空気が流れます。接待が成功したことを心から喜んでいるのです。みんなが嬉しそうだから、G41も嬉しいです。

 

「G41ちゃん。これはお小遣いだ。次は一〇〇式ちゃんやFALも連れておいで?」

 

「ありがとう、お祖父ちゃん!」

 

 支払い保証済み電子通貨カードを受け取ったG41はお祖父ちゃんにお礼を言います。後で確認したら、ご主人様の月給を大きく上回る金額が入ってました。わーい。これでご主人様やみんなに美味しいご飯を作ってあげられます。ありがとう、祖父ちゃん。

 

 というわけで、G41の接待のお仕事は無事終了しました。G41は旅館のみんなから物凄く褒めて貰えて、一杯ご馳走を食べさせて貰ったり、なでなでして貰ったりしました。またいつでも遊びに来て、とも言われました。物凄く嬉しいです。G41は幸せ一杯です。

 後で聞いたら、お祖父ちゃんはこの国の情報部の元締めのような人で、国を裏から動かして世界と渡り合っているとんでもない人みたいです。

 でも、G41にとっては優しいお祖父ちゃんでした。今度は一〇〇式(モモ)ちゃんやFALさんも一緒に、しっかり準備して接待するから待っててね? まる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。