「おい
友人にカバンを預けた所に戻ると未だにそこで待っていて、ボロボロになった格好を心配する。
「いやぁ、ちょっと転んでな。」
頭を掻きながらそう誤魔化す。
「どう見ても転んだじゃ済まされないレベルな気がするんだが……夜空の事だから大丈夫だとは思うけど、気をつけろよ。」
誤魔化せなかったみたいだが、深く追求されなかった。
「ああ、わかったよ。それとカバン持って待っててくれてありがとな、今度メシ奢るぜ。」
「気にすんなって、メシは期待しとくぜ!」
友人はグッと腕を伸ばし、親指を上げて笑う。
「じゃ、帰るか。」
「そうだな。」
そう言って二人は駅に歩き出した。
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日がくれてあたりが薄暗くなり始めた。雑木林にある、少女が埋められたはずの場所から人形の何かが這いずりだしてきた。
「まさか地面に埋められていたなんて。暗くて何も見えないはずだわ。」
足元に落ちていた手帳のような物が目に止まった。
付いていた土を払いながらそれを拾い上げる。
「これ学生手帳?名前は…
学生手帳をポケットに仕舞おうと手を入れるとガチャという音がなった。
「ああ〜、スマホ壊れちゃってる……私の能力じゃ服までしか直せないし、これじゃ買い替えだ〜。会長に早く連絡しなきゃ。」
そう言うと彼女は暗闇に溶けていった。
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ーピンポーンー
「すいませーん。新音夜空さんはいらっしゃいますか〜」
家で怪物の対策を考えていると、突然家のインターホンがなった。
「お兄ちゃーん!お客さんだよ〜」
妹に呼ばれて慌てて出る
「はい、新音夜空は僕ですがなにか御用でしょうか?」
そう言って扉を開けると、そこには怪物に殺されたはずの少女が立っていた。
「昨日ぶり〜。今日は学生手帳を渡しに来たんだけど。」
一瞬見間違いかと思い、もう一度確認すると紛れもなく昨日の少女だった。
「なっ!どうして君が生きてるんだ!?」
「それの説明もしてあげるから近くのファミレスでも入ろうよ。」
「あ、おい、」
そして手を引かれていった
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家から歩いて数分の場所にあるファミレスでドリンクバーを頼み席に着く。
「それでどうして君は生きてるんだ?怪物に食われて死体も確認したんだが、まさか生き返ったとか言わないよな。」
すると彼女は驚いた様な表情をしていた。
「あ、そういえばまだ自己紹介がまだだったね!私の名前は
「あの状態から一体どうやって蘇ったんだ?まだ、瓜二つの双子だったとか、昨日のアレが幻覚だったと言われた方が信じるぞ。」
「それはね、私が不死身の力を持った超能力者だからだよ。君も怪物を倒したからには何かしらの普通の人には出来ない事ができるでしょ、これを私達は便宜上『ロイド・ミュージック症候群』と呼んでるんだ。ここまでで何か質問はある?」
そこまで言うと愛夜はコップに入っていたジュースを飲んだ。
「えっと、とりあえず能力者まではわかった、僕も多分能力者だ。あの怪物をボコボコに出来る身体能力がある。その上で質問なんだが『ロイド・ミュージック症候群』ってなんなんだ?」
「ロイド・ミュージック症候群の話をするにはまず私達が持ってる超能力について理解してもらわないとね。私達はアニメとか漫画とかに出てくる超能力者とはちょっとだけ違うんだよ、基本的に超能力者が持っている能力は一つだけだけど私達はいくつか、少なくとも2つ以上の能力を持っているんだよね。そして能力はボーカロイドやボイスロイドが歌っている、曲のタイトルとか歌詞の一節から来ているんだ。私の場合は『帝国少女』の〈♪蘇る私は帝国少女〉からの蘇生能力だね。」
「そしてどうやらその超能力は私達が本来持ってるものじゃなくて、曲を聴くことによってウイルスみたいに感染して超能力が発現するみたいなんだよね。機械の歌で発症する原因不明の病、だから私達はこの超能力の事を『ロイド・ミュージック症候群』と呼んでるんだよ。」
「ああ、なんとなくだがだいたいわかったよ。ところで、どうすれば自分の能力の曲がわかるんだ?」
「それはね、だいたい何かしらの能力が発現した日から3日前までに遡ってみて、自分が聴いていた曲を全て調べて最も能力に一致するものを探してみるしかないね。」
「あの怪物との戦闘の3日前か…」
思い当たる候補を考えていると愛夜に止められた。
「あ〜、ちょっと待ってその前に急に頭が良くなったり身体能力が上がったりしなかった?ロイド・ミュージック症候群に感染すると能力を使うための体に作り変えられるみたいでね、これを『
確かに数週間前に、急に頭が良くなった気がする。
「そして僕の場合は怪物との戦闘がきっかけか…まさかあの怪物も能力でつくられたのか!?」
「多分ね。あの怪物たちは無差別に人を襲ってるし、一般人はそのことに気づけない、おそらくは能力で違和感が無いようにされてるんだと思う。私はそういった暴れている能力者をとめる為の組織にいるの。夜空君も私達の組織に入らない?」
親友の顔が頭に浮かんだ。そして同時に親友が怪物達に食われてしまう可能性も。そう考えると確かにあんな怪物を放置しておけなし、一人で対処するのは無理だ。
「わかった。君達の組織に仮で入らせて貰おう。まだその組織について知らないしな。」
愛夜が席を立ちながら言った。
「うん、オッケー、最初はそれでいいよ。じゃあまず、私達の組織のトップに会いに行こうか!」