至らない点が多いと思いますがよろしくお願いします。
プロローグ
少年は絶望していたーー彼自身の生に対してだ。
恵まれない家庭環境、生まれ持った性格、学校での友人関係のストレス。
様々な要因が彼の負担となり、それらは彼の視野をも狭めてしまっていた。
それ故に、彼はおそらくもっとも間違っているであろう選択をした。
それが彼にとっての救いであると信じて。
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長い夢でも見ていたような感覚と、これまでにないほど晴れ晴れとした意識とともに目を覚ますと、そこは見覚えのない空間だった。あたりは見渡しきれないほどに広く、そして虚無感さえ覚えるほどに何もない場所だった。
いや、何もないというのは間違いだろう、目の前には先程からこちらじっと見つめている老人がいたのだから。
少年は目の前の老人にここはどこか、あなたは誰なのかと尋ねた。
「ここは君たちの言い方を借りたところの死後の世界、私は神のようなものだ」
老人は当たり前のようにそう答えた。
少年はここにきて自分の選択が正解であったことに気づき、そして安堵した。
そして続けて少年は尋ねる、自分はこの後どうなるのかと。
「普通ならばこのまま記憶を消して生まれ変わってもらうところだが、こちらの都合でな、記憶はそのままに別の世界に転生させてもかまわん」
老人はそう言い放った。
かねてより疑問だったことだが人は死後、転生するらしい。そこで少年は考えた、どちらの選択が正しいのかを。
仮に前者を選ぶとしよう。その場合、記憶が消されるのだから、全く新しいスタートがきれることとなり、そこには今までのような悪環境はないかもしれない。しかし逆に今まで以上に劣悪な環境の中に放り込まれることも考えられる。
ならば後者の選択はどうだろうか。記憶を持ち越せることで多少の環境ならば自分で改善できるかもしれない。それに別の世界というものにも多少の興味があった。
そして少年は選択した。別の世界で新たな生を受けることを。
「うむ、了解した。それと一つ言い忘れていたが別の世界は少しばかり危険が多くてな。一つ。なんでも好きな能力を分け与えてやろう」
なんでも好きな能力。そう言われて少年の脳裏には色んな能力が思い浮かんだ。生前、アニメや漫画などを好んでいた少年にとって色々な選択肢が考えられた。
しかし少年がもっとも欲していたものがあった、それは平穏であった。もう一度一からやり直せるというのならば、少年が求めるものは平穏な日常、そしてそれを守れるだけの力であった。
「平穏な日常を守る力か。おもしろい。それではそれを可能とするだけの能力を与えてやる、話は以上だ。あとは向こうの世界で確かめるといい」
その老人の言葉とともに少年の意識は深いまどろみの中に沈んでいった。
次話以降の行の開け方などを改善しました。