忍術の修行をしたり、ナルト少年と遊んだりしているうちにあっという間に時は過ぎ、その時がやってきた。
アカデミーへの入学である。
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(どうして、偉い人の話ってのはこんなにも退屈に感じるんだろうか)
今は入学式、三代目火影様からのありがたいお言葉を頂いている最中である。
任務の関係で父さんが来れなかったので、今回は母さんに来てもらっている。
参列している保護者たちの中にいる彼女に目をやると、朗らかな表情でこちらを見ていた。
ちなみにナルト達とは代が違った。ナルトはナギサの一つ年上だったのである。
(それにしても…)
ナギサはこれからアカデミーに通うことを考え、期待に胸をおどらせた。
もとより、勉強は得意な方であったし、忍術や、前世とは異なる一般常識に興味があった。
そしてなによりアカデミーで体術を学ぶのが待ち遠しかった。
これは特別ケンカが好きなわけではなく、NARUTOの世界で生きていくには体術は切り離せないものだと考えているからだ。
「話長いなぁ…」
そうして、まだ見ぬアカデミーの授業のことを考えながら、火影の話を軽く聞き流すのであった。
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入学式の後軽いガイダンスを受けてその日は終わった。
アカデミーからの帰り道、僕は母さんとアカデミーのことなどを話しながら帰っていた。
「いよいよ明日からナギサもアカデミー生か。時が経つのは早いわね」
母さんはそう呟く。
「ねえ、母さん」
そんな彼女に、僕は話しかけた。確かめたいことがあったからだ。
「どうしたの、ナギサ」
彼女は不思議そうにそう答える。
「僕もなれるかな、父さんみたいな立派な忍者に」
父さんは偉大な人物だ。上忍という里としての立場はもちろん、ひとりの人間としてもナギサは尊敬していた。
そんな父親の背中を見て、いつしかナギサはそのようになりたいとまで思うようになっていた。
しかし、ナギサは一度全て投げ出した。だからこそ自分の思いが揺るがないか不安だったのである。
「なれるわよきっと。あなたは父さんの子供なんだもの」
母さんは当たり前のことのようにそう答えた
「そっか…そうだよね」
目標となる父と、自分を信じてくれる母がいること。決して特別なことではないかもしれないが、ナギサはこれがこの上なく嬉しかった。
「ああ、それと」
母さんが思い出したかのように言う。
「帰ったら父さんからサプライズがあるみたいよ。ナギサならきっと喜ぶって」
「サプライズ?一体なんだろ」
父さんはあまりそのような事をする人物ではないため、ナギサは不思議に思い、サプライズの内容を想像したが、これといった予想はできなかった。
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その日の夜、いつものように三人で夕食を食べていると、父さんはこう切り出した。
「ナギサも明日からアカデミー生になることだ。今後の修行はオレが見てやる」
突然のことに驚き、そしてこれこそが母上の言っていたサプライズなのだと気づいた。
「ずいぶん急だね」
「もともとアカデミー生になったら修行をつけてやる予定だった。もっともそれより前に色々としていたようだが」
僕は浮かんだ疑問をぶつける。
「修行を見てくれると言っても具体的に何を教えてくれるんですか?」
「主に基本的な水遁忍術と体術について教えるつもりだ」
それはナギサにとって渡りに船であった。ちょうど体術の師が欲しかったところだったからだ。
「オレも任務があるからな、つきっきりというわけにはいかないが、空いた時間で修行を見てやる」
目標となる人物に修行をつけてもらえること。その事は僕を俄然やる気にさせたのであった。