GODGRID ─決戦機動電光超人─   作:ミレニあん

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あらかじめ伝えておきますが、本作はアニゴジへの尊重と配慮として怪獣型のメカゴジラは登場しません(ある例外を除けば)
メカゴジラシティも本作+没案や作者の独自解釈で描写する事になります。


第7回 共・闘 ‐アカネの二大怪獣‐

「……いよいよ動き出したか、ハルオ」

 

 洞窟の外に立ちながら、メトフィエスは一人言葉を漏らす。

 

 彼が見据える先にメカゴジラシティが存在する。そのシティに強行するように二つの赤い光と、謎の巨大物体が飛行していた。

 後者はともかくとして、赤い光は間違いなくヴァルチャーだ。ついに人類の英雄ハルオが動いたという事になる。

 

 やはり彼は自分の考え通りに動いてくれる。

 

 メトフィエスは静かにほくそ笑む。その手にある小さな石板――七芒星が描かれたそれを強く握り締めながら。

 

「ただいま。いやぁ、遅くなって申し訳ない」

 

「お帰りアレクシス。ところで怪獣が出来たよ~見てみて」

 

「どれどれ。ほうほう、以前の怪獣をアレンジしたんだね。とても素晴らしいデザインだ!」

 

「でしょう? 同じデザインじゃあつまらないと思ってパワードテレスドンをオマージュしたんだ~。尻尾にも光線発射口付けて強化してみたの」

 

 洞窟から声。メトフィエスが戻ると、そこにアレクシスの姿があった。

 彼は調査と言いながらちょくちょく出入りしている。ただ入り口を通った形跡がない為、恐らくは瞬間移動が使えるかもしれない。

 

「さてと……じゃあアンチ、この怪獣と一緒に街を破壊して。あんな名前詐欺なんか徹底的にさ」

 

「何故その街をやらなければならない? 俺の敵はグリッドマンだけだ」

 

「…………」

 

「まぁまぁ、そう言わずにアンチ君。先ほど見たがグリッドマンは確かにいてね、シティを破壊した後でも彼と戦えると思うよ?」

 

 仲が悪いのか、アカネのアンチに対する声音が低めだ。さらに拒否された時には泥を投げようとしていた。

 その泥投げを止めつつフォローするアレクシス。一方で止められたアカネが「やっぱり響君達いるんだぁ」と納得した素振りを見せる。

 

「……分かった。お前達の言う通りにする」

 

「うむ、頼んだよ。ではメトフィエス君、とくとご覧あれ……インスタンス・アブリアクション!!」

 

 アレクシスのゴーグルアイから発光。

 アカネの作った怪獣人形が光に包まれたかと思えば、一瞬にしてそれが消え失せる。同時に洞窟の外から轟音と地響き。

 

 メトフィエスが外に出ると、巨大な壁のような物体が見えた。

 

 正体が分かった途端、心底驚きが出てくる。

 

「こういう事か。実に素晴らしい」

 

「そうだろう? これがアカネ君と私のなせる業だ。それにまだまだあるよ」

 

 アレクシスと共に外に出るアンチ。そうして彼が獣のように雄叫びを上げる。

 

 身体が赤い閃光に包まれて、人間の姿から、巨大な青い怪獣へと変貌。

 

 一瞬にして異形になったアンチは、身丈に合わない身体能力で物体の上に跳び移った。

 

「なるほど……これは面白くなりそうだ」

 

 怪獣を作り出す少女と怪人、怪獣に変身する少年。

 この世界ではあり得なかった現象に、メトフィエスは興味を抱く。

 

 

 

 #SSSS#

 

 

 

『あいてて! 葉っぱが鋭くてすげぇ痛い!』

 

 森の中、マックスとボラーがシティに急行していた。

 ボラーの言う通り、森の葉がナイフのように鋭利で固い。そうした中を潜り抜ける物だから、二人とも蚊に刺されたように痛みが走る。

 

『マーティン博士が言っていたな。この森は以前の生態系と全く異なると』

 

『そんな話してたっけ? ジャンク修理に夢中だったから分からねぇや』

 

『その途中で話していたんだ。……っと、あれがメカゴジラシティか』

 

 森を抜けた先にある、視界を覆い尽くさんばかりの巨大都市。

 

 あれがハルオ達を苦しめたメカゴジラシティで間違いない。ハルオが言うには、内部にあるメカゴジラの頭部を破壊すれば全ナノメタルが機能停止するらしい。

 

 となると外壁に穴を開け、内部に侵入するのがベストだ。

 二人はそれぞれの火器で攻撃すべく、砲門をシティに向ける。

 

『……! 回避しろ、ボラー!!』

 

『おっと……!!』

 

 二人が回避行動した直後、元いた場所に穴が開いた。

 察知したメカゴジラシティからの攻撃だ。所々生えた砲台がマックス達を照準し、雨あられと撃ち続けている。

 

『砲台の死角を突きながら攻撃するんだ!! 急げ!!』

 

『分かっているっての! ……グウ!!』

 

 疾走していたボラーの近くに着弾。ボラーが横転し、近くの岩に叩き付けられる。

 マックスが援護すべくタンカーキャノンを発射。自分達を狙ってきた砲台を一つ残らず破壊した。

 

『大丈夫か、ボラー!?』

 

『ああ、何とか……ってナノメタルが!!』

 

 着弾した訳ではなく、ボラーの装甲を砲弾が掠っただけ。にも関わらずナノメタルが付着して浸食してくる。

 しかしすぐにそれが剥がれ落ちていく。その様子を見て安堵するボラー。

 

『ああ、よかった……マーティン博士の言った通りだな』

 

『僕の推測は正しかったようだね。タニ曹長、やっぱりどうやって鱗粉を分けやったのか後で聞かせてくれないかな?』

 

『今は戦闘中です! 放っておいて下さい!!』

 

 ジャンクはある種の通信機器になっている。そこから近くにいるだろうマーティンと戦闘中のユウコの声が聞こえてくる。

 

 まずヴァルチャーもナノメタル製のマシンである。それに乗っているハルオとユウコがいつ浸食されてもおかしくない状態にあった。

 ただ両者とも何故か浸食されていない。マーティンが調べた所、かつてハルオがフツアの身体から浮き出る鱗粉で、怪我の治療を受けた事が原因ではないかとされた。

 

 つまり鱗粉がナノメタルに対して抗体の役割をしている。

 

 ユウコはそのハルオから、何らかの行為で鱗粉を経口摂取(なおこの事を本人は全く説明しようともしない)。結果として浸食の恐れのあるヴァルチャーを難なく操縦する事が出来たのだ。

 

 そこでマーティンが裕太や新世紀中学生にも鱗粉を塗る事を提案。そうした事で、ナノメタルのキャリアでもあるシティに対抗出来るようになった訳である。

 

『あの時は身体を塗られて嫌だったけど、今となってはありがたいぜ』

 

『そうだな。感謝する、マーティン博士!』

 

 破壊力に優れたタンカーキャノンと広範囲攻撃に優れたミサイル。二人の武装がメカゴジラシティへと攻撃。

 それらが砲台や都市の至る所を破壊し、崩れさせる。上空にいるグリッドマンやヴァルチャーもまた、持てる火力をもって集中砲火していった。

 

『……! ガア!!』

 

『ボラー!! グアア!!』

 

 突如地面から鋭い物が生え、マックス達に襲い掛かる。

 ナノメタルの槍だとマックスが気付いた時には、それが彼らに目掛けて……

 

 

 

 #SSSS#

 

 

 

『マックス! ボラー!!』

 

 グリッドマンにも、二人のやられる声が聞こえた。

 キャリバーが呼びかけるが返事は返ってこない。様子を確認しようともシティが死角になってままならない。

 

 またグリッドマン達も集中砲火を喰らっている最中だ。キャリバーで防ぐのが精いっぱいで、マックス達の様子を見に行ける余裕すらない。

 

『サカキ、メカゴジラの頭部はどこに!?』

 

『あの巨大なドームのすぐ左だ!! そこさえ入れれば……!!』

 

 メカゴジラシティはドーム状の建物が無数建てられた構造になっている。それら全部ナノメタルで構成された物らしい。

 そのナノメタルを制御しているメカゴジラの頭部が、ひと際巨大なドームの陰にあるようだ。もちろんそれを守る為か、周囲の攻撃が激しさを増している。

 

 グリッドマンは何としてもそこに突入したかった。

 

 しかしそんな彼らの意志を阻むように、ドームの側面から刃のような突起物が生えてきた。数多く並んだ突起物が射出され、ミサイルのようにグリッドマン達を追尾してくる。

 

『メカゴジラの背部ブレードランチャーだ! 気を付けろ!!』

 

 ハルオの叫び声。彼やユウコのヴァルチャーが回避しつつ、ブレードランチャーを撃ち落とす。

 グリッドマンを乗せたヴィットも目に留まらぬ機動性で振り切った。それでも向かってくるブレードランチャーが、メカゴジラの殺意を象徴しているかのように見える。

 

『グリッドォ……ビーム!!』

 

 構えを取り、アクセプターから黄金の光線を発射。

 追尾してくるブレードランチャーを蒸発し、そのまま角度を変え、射出装置をも破壊する。これでしばらくは撃てない。

 

 

 

 ――オ゛オ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオ……――

 

 

 

『……何この音? 先輩!』

 

『風の音……いや違う……これは!』

 

 咆哮か轟音のような何かが、この場に響き渡る。

 グリッドマンが不思議に思ったが、すぐに原因が判明した。メカゴジラシティのすぐ近くの地盤が、意思を持っているかのように盛り上がってくる。

 

 地盤がとてつもない高さまで上げられた後、重力に負けるように落ちていく。地面に落下した地盤は粉砕され、粉塵となって蔓延した。

 

『あれは……以前の怪獣!!』

 

 グリッドマン達の前に、その正体が露わになった。

 まるで山のようなとてつもない巨体。身体の大部分で巨大な口で占めており、その先に赤く光る両眼が付いている。

 そして何物を踏み壊せそうな巨大な四肢と長い尻尾。その姿はかつて、裕太達が出掛けていた校外学習の怪獣と大変酷似していた。

 

 ただ別個体なのか、身体が森と岩ではなく金属質の装甲で包まれている。尻尾の先端も二股に分かれ、サソリのように前方にもたげていた。

 

『あいつは一体……』

 

『私達の世界にも怪獣がいる。これはその内の一体だ』

 

 ハルオが動揺するのを聞いて、グリッドマンがすぐに説明する。

 また彼だけではなく、ジャンク越しの六花と内海も同様だった。

 

『ねぇ、あれって校外学習に出てきた奴だよね!?』

 

『ああ! でも見た目が大分変わっているな……てかあのパクリ怪獣もいるぞ!!』

 

 確かに会話の通り、巨大怪獣の頭にはあの青い怪獣(アンチ)がいる。

 となるとこれはグリッドマンを追い詰める算段か。彼が振り向いてくるのを見て、キャリバーを構えるグリッドマン。

 

『やはりここにいたか……でも貴様の相手は後だ!!』

 

『……何?』

 

 怪獣(アンチ)はグリッドマンを敵視し憎悪している。彼らしくない言葉にグリッドマンは怪訝に思う。

 直後、巨大怪獣の尻尾がメカゴジラシティへと向く。先端から赤く光る二筋の光線が発射。怪獣(アンチ)もそれに続くように光弾を放つ。

 

難攻不落(なんこうふらく)怪獣メガゴーヤベック』と怪獣(アンチ)。二体の強力な攻撃がメカゴジラシティに直撃し、大爆発が炸裂した。




アカネちゃんからメカゴジラシティをディスる発言がありますが、あくまでも「アカネちゃんがシティを見たらこういう反応をするだろう」という判断から描いたものです。

作者の自分はあれもまたメカゴジラであり、名前詐欺ではないと思っておりますはい。
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