今回は作中に原作「ボケスペ」にはない自分の想像で書いた設定がいくつか登場します。
それでは、よろしくお願いします。
いきなりの伝説級のポケモンとのバトルから一夜あけ、ケン、リョウ、ハリー、ミモザの四人はオウカの勧めもあってハウオリシティポケモンセンターの近くにある浜辺に遊びに来ていた。
「アローラ~!」
「ア、ローラ!」
「アロー~~…らーー!」
各々色んな言い方でテンションをあげるケン、リョウ、ハリー。
「さすがリゾート地方の都市!人がいっぱいだなあ!」
アローラナッシーと普通のナッシーのシルエットが描かれたバミューダ水着を履き頭に濃いめのサングラスをつけたリョウが辺りを見渡す。
「海のレジャーも結構あるな、お!〔マンタインサーフ〕ってのがあるらしいぞ!」
必要最低限の筋肉が無駄なく鍛えられたハリーは黒字にモンスターボールがワンポイントでデザインされたスパッツタイプの競技用水着を履き、昨日のアローラシャツを羽織っている。
「ふっ、楽しみがいがありそうだ」
服の上からは想像もできないくらい鍛え抜かれたマッスルボディにブーメランパンツ、黒いサングラスもビシッと決めて、もし白い水泳帽を被っていたらかいぱん野郎と間違えそうな見た目のケンが筋肉をアピールする。
こんな感じで四人は今日は泳ぎに来ていた。水着はサカキからのボーナスで購入した。
「さて遊ぶ…あれ?ミモザは?」
「まだ着替えてるんじゃないか?」
当然だがミモザは三人と別のところで着替えている。
「あれでも一応女の子だからなぁ、恥ずかしいんじゃねぇの?」
「いや、周りを見てみろリョウ」
「ん?」
ケンに言われ周りを見渡すリョウそしてなにかを察して頷いた。
「なるほど…確かにこれはミモザにはきついか…」
「なにがだ?」
なにかを共有したケンとリョウ。ハリー一人なんのことかわからなかった。そんなハリーの肩に手を回しリョウが波打ち際で戯れるビキニのおねいさんを指差した。
「あんなナイスバディな女がここにはたくさんいるんだぜ?ミモザは見た目はまぁあ可愛いが、まだ子供だしなぁ、自分の貧相な体が恥ずかしくて出てこれねぇんだろ?」
リョウはミモザをバカにしているつもりはなかった。心からの憐れみの言葉だった。故にそれを聞いた本人は黙っていられるわけなかった。
「貧相で悪かったの!!」
「え?ぶべっ!?」
声に反応しリョウがそちらを向いた瞬間リョウの顔面にブニョッとしたものが当たりずりこける。
「あいたぁ!」
仰向けに転んだリョウの目にミモザの姿が映る。ミモザは髪の毛を後ろの高い位置でポニーテールにし、フリルがたくさんついたビキニつけていた。
「リョウはデリカシーという言葉を脳に刻み込んだ方がいいの」
そう言いながらリョウの隣からリョウに投げつけたモノを拾った。
「なんだそれ?」
ハリーが妙な見た目のそれに興味を持った。ミモザはそれの顔が見えるように持ちかえ説明する。
「これはこの地方原産のナマコブシというポケモンなの」
「ぶみゅ~」
紹介に反応するようにナマコブシが鳴き声みたいな音を出す。
「へぇ~」
ミモザの説明を聞いた三人はそれぞれ感想を述べた。
「かわいいな」
「気持ち悪いな!うべっ!?」
「うまそうだな!わぶっ!?」
二番目に感想を言ったリョウと三番目に感想を言ったケンがナマコブシの口から出てきた白い拳のようなもので殴り飛ばされる。
「な、なななななんだぁ!?」
「特性の『とびだすなかみ』なの」
「このナマコやろぉ…!うべばぁ!?」
怒ったリョウが掴みかかろうとした時、またしてもナマコブシの『とびだすなかみ』で吹き飛ばされるリョウ。そんな攻防を十回以上繰り返した後ナマコブシを海に返してあげた。
「ひどい目にあったぜ…うへぇ…ベタベタ…」
『とびだすなかみ』に殴られ続けたリョウは体全体がベッタベタになっていた。ナマコブシを持っていたミモザもベタベタになっていた。
「気持ち悪いの…」
「そういやガイドブックで読んだけど、ナマコブシの体液って美容にいいらしいぞ。日焼け止めにもなるんだと」
「え?」
それを聞いたとたんに体中に塗り始めるミモザ。それを見たケン、リョウ、ハリーは驚いた。
「ミモザも女の子…いや、女なんだな…」
「マセガキ…」
「でも、これうまくしたら商売になるかも」
三人がなんやかんや言っていると、ミモザは自分に残っている体液だけでは足りないのでどうしようか考え結論にいたる。
「わ!?なんだ!!?」
ミモザはリョウに抱きつきリョウの体の体液を自分の体に塗り始めた。
「なにやってんだ!!」
「足りなかったからリョウのを塗ってるの」
「や、やめろ!今すぐ離れろ!!」
「なんなの?照れてるの?」
「んなわけあるか!!周囲の目線が痛いんだよ!」
周りから見たら体がぬめった少女が同じくぬめった男性に抱きついているというかなりヤバめの絵面だった。
「お前も恥ずかしいだろうが!」
「サカキ様のために綺麗になりたいの、そのためなら気にもならないの」
「どんだけアイアンハートなんだよ!?俺は気にするんだよ!!ていうかお前の手持ちのギルガルドとニャオニクスがさっきからすごい目でこっち見てるんだよ!」
いつの間にかボールから出たミモザの主力ギルガルドとニャオニクスが技を放つ寸前で止まっている。ギルガルドに関しては《ブレードフォルム》になっている。
「ケン!ハリー!助けて…」
二人に助けを求めようとしたがいつの間にかいなくなっていた。
「あいつら、裏切りやがったなー!!」
リョウの孤独な叫びがビーチにこだました。
数分後なんとか通報される寸前でその場を脱したリョウとミモザは四人分の食べ物と飲み物を買ってくれていたケンとハリーに合流し今は四人でビーチボールで遊んでいた。
「本当に危なかったぜ…」
げっそりするリョウ、一方ミモザはなんだか元気いっぱいだった。
「リョウは情けないの」
「お前のせいだろうがー…」
ツッコミにも覇気がない。それゆえに飛んできたボールを取り逃した。
「ああ、すまん」
謝りながらボールを追いかける。するとボールは妙な軌道で転がり一つのパラソルの下に入っていった。
「すみません、ボールを取らせていただけませんか?」
パラソルの下には一人の女性がビーチでよく見るようなイスに寝転がり涼んでいた。
(うっわ、スッゲェいい女…)
サングラスで顔は隠れているが黒と濃い紫のビキニにモデルを思わせるスタイルに見惚れてしまう。そしてリョウの男としてのスイッチが入る。
「ねぇ彼女、俺達と遊ばない?」
できうる限りのイケボとナイスな表情、そして決めポーズで女性を誘う。完全にアローラの熱に当てられテンションが上がるリョウ。しかし答えてきた女性の声にリョウのテンションは再び地の底まで落ちる。
「フフフ…元気そうで何よりだわ、リョウ」
「!!!その声は!!?」
女性が上体を起こしサングラスを取る。リョウが遅いので追いかけてきた他の三人もタイミングよくその場に到着した。サングラスを取った女性は結んでいた髪をほどいた。漆黒よりも黒い長髪がブラックホールのようにその場の全員の視線を集める。リョウはガタガタと震えだした。
「ナ…ナツメ…様?」
「あら、私の顔を忘れたわけじゃないのね」
目の前にいる綺麗な女性、ナツメは冷たい笑みを浮かべリョウを見据える。ナツメ、元R団幹部でリョウの直属の上司、ヤマブキシティジムリーダーで現在はイッシュ地方のポケウッドで女優業もこなし、エスパータイプのエキスパートで本人も超能力者というなんだか盛りだくさんな女性だ。
リョウは砂浜におでこを擦り付け必死に謝罪した。
「申し訳ありませんでした!!ナツメ様とは気づかずあのような軽口を叩いてしまいました!」
「お前ナツメ様に何を言ったんだ!?」
「ウフフ、気にしなくてもいいわリョウ」
(本当に綺麗な人なの…)
ミモザはナツメとは初対面だがR団の資料を読んで少しは知っていた。
(でも実際に会うとなんだかとってもミステリアスな雰囲気なの)
ミモザが見惚れているとナツメが気付き笑いかける。
「あなたがミモザね、あの方の養女の」
少し言葉に圧を感じたが気にせず答える。
「そうなの、私はミモザなの。でもなんで私の名前を?」
今ナツメはサカキとは連絡をとっていないはずだ。
「久しぶりにマチスから連絡があってね、あなたたちの近況を聞いたのよ、それで会いたくなって超能力で場所を予知して会いに来たのよ」
「ということは、今日ここにいらっしゃるのは偶然ではないと?」
「ええ、目的もあるわ」
「目的?」
ナツメは立ち上がり上着を羽織った。
「あなたたちの力を見極めに来たのよ。ついてきて」
ナツメの言葉に従い着替えてついていくとハウオリシティの外れのある施設の地下に入っていった。暗い階段を下っていくと扉があり、それを開けるとバトル用の部屋が広がっていた。
「ここは?」
「ここはプライベートのバトルスペースよ、誰にも見られずにバトルをしたい人をターゲットにした貸しバトルフィールド」
「え、それってかなり高いんじゃ…」
パンフレットにも書いてあった。アローラ地方はリゾート地方ということもあってお金持ちが多く訪れる。その中にはポケモンバトルを目的とした人も多くいる。その辺のトレーナーにバトルを仕掛ける人がほとんどだが、中には仲間内でちゃんとした設備でバトルをしたいという人もいる。そういった人のためにこのような施設があるのだが、基本貸し切りなので値段が高い。この場所のように地下にあり、フィールド切り替え装置やあらゆるポケモンの技に耐えうる“ひかりのかべ”と“リフレクター”を応用した特殊な壁など設備が充実していると値段がとんでもないことになる。
「ちなみにナツメ様?この場所のお値段を教えていただけませんか?」
「ここは私が持つわよ、気にしなくていいわ」
「それでも一応聞いておきたいの」
「…わかったわ」
ぐいぐいくる元部下たちの気迫に負けここの使用料を聞いたケン、リョウ、ハリー、ミモザの四人は目の前が真っ白になった…
…
…
…
「そろそろ戻ってきなさい」
「「「「は!!!!」」」」
ナツメの声で現実に戻ってきた四人。「相変わらずね…」とナツメにあきれられた。
「さて、ルールを説明するわよ。勝負は私一人があなたたち一人ずつと順番に一対一で勝負をしていくわ。各勝負に使えるポケモンはお互いに一匹のみ、道具は一切なしわかったかしら?」
「あ、あの」
「何かしら?」
おずおずと手をあげるミモザ。
「ルールはわかったの、でもなんで今はR団じゃないあなたがここまでしてくれるの?」
「お、おいミモザ!失礼だぞ!」
「ナツメ様!すいません!」
ペコペコ謝るケン、リョウ、ハリー、だがナツメはR団当時では考えられない優しい笑顔をミモザに向けた。
「確かに私は今はR団ではないわ、しかも立場的には元R団だと知られればまずい所にもいる」
「ではなぜ?」
「マチスと同じ理由…いえ、それ以上に私の心はまだあの方…サカキ様に囚われているから…私が唯一慕うあのお方、そんなサカキ様の直属の部下になったあなたたちの力を見ておきたい、ちゃんとサカキ様の力になれるかどうか…ね」
恍惚とした表情、心からの言葉であると演技ではないと直感がそう告げている。ミモザ自身サカキの事を心から慕っているから。
「よくわかったの。ナツメ様、よろしくお願いしますなの」
「ウフフ、素直な子は嫌いじゃないわ。さぁ、誰からやる?」
「俺からいきます!!」
「あなたからね、わかったわ」
リョウが前に出る。ナツメは対面に移動する。ナツメが手元のパネルをそうなすると部屋の両側にあるモニターがつき、部屋中のカメラが映す映像をダイナミックに表示した。ナツメは上着を脱ぎ捨てた。いつの間にか服が変わりかつてジムで着ていたコスチュームになっていた。
「雰囲気は大事だからね、さぁいくわよ!」
「はい!!」
ナツメとリョウの手から同時にボールが投げられた。
いかがだったでしょうか?久しぶりすぎて設定ガバガバになっていてらすいません!
今回のサブタイトルにも使ったナマコブシはサンムーン発売時からかなりお気に入りのポケモンでガラルでもナマコブシ×6のパーティを作ったり、色違いが欲しくて国際孵化でナマコブシを200匹以上孵化させたりしました(だいたい250くらいで生まれました)。
今はナマコブシのぬいぐるみが出たら買おうと妄想しています。
次の話も投稿までかなり空くと思いますが頑張って書きますのでよろしくお願いします!