園田海未ちゃんとの○○   作:AQUA BLUE

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前回と繋がってたりします。閑話、おまけポジです。


6.園田海未ちゃんとのアフタヌーン

「もう一度です……!」

「あーもう降参。海未の勝ち!」

「シャッフルしますね」

「ナイスルーだこと」

 

 お腹が空いたまま始まった激戦から早二時間近く。トランプを握る挑戦者と辟易な勝利者の図に逆転は未だない。

 

 

「休憩を要求しまーす!」

「……もうこんな時間なんですね」

「なんなら良い子はお昼寝タイムってくらいさ……オーケー?」

「仕方ありませんね。一時休戦です!!」

「終わったとは言わないとこほんとさすがな」

 

 

 (また後でやることになるだろうが)ようやく中断に成功した。まだ闘志をみなぎらせてる海未、例えるなら強キャラの風格だ。

 

「一度だって勝利を収めてはいませんから……しかしながら、腹が減っては戦ができぬといいます」

「そもそもババ抜き始まった原因それだかんな?」

「ハッ……そうでした、勝った暁にはしっかり忘れてもらいますからね!?」

「……その前にな? たった今、リベンジャーによる当の目的忘却が露呈したわけだがどうよ?」

 

 手にあるトランプの向きを揃えるのと同時進行で、丁寧に散らばったものも回収していく海未。どさくさ紛れて間違えた形を混ぜてやるという悪行も、彼女のまめさの前には仕組んだことすら気付かず修正される。

 

 今日も絶好調だなという意味を込めてしらーっとした視線を送れば、受け止めた海未は何か顔についていますかなんて、実に生真面目なことを問いかけてくる。

 

「園田さんや。今後もそのピュアさを忘れないでくれたまえ」

「……いったいなんの話を?」

「ラブリーエンジェルだってこと」

「どこか打ったんですか」

「かもしれんな」

 

 歯の浮くような台詞からの自虐にも、深読みして心配してくる彼女が愛おしかった、お片付けタイム――。

 

 

 

 

 

 というわけで、所変わってリビング。何を食べるか会議した結果、海未の得意料理(チャーハン)に確定しつつあった。

 

「じゃあ、作りますから座っててください。チャーハンでいいですか?」

「ハンバーグ希望」

 

 普段なら特に異論はない……ないのだが、早朝に食べたのが最後で腹ペコすぎる以上、もう少しだけボリュームあるものを口にしたい欲が浮上してきていた。ゆえに反逆という名の我が儘をかましてみる。気分は好物をねだる駄々っ子さ。

 

 

「夜までとっておきなさい」

「待ちな。『作ることを仄めかしてのおあずけ』ってのはだいたいが果たされないというアレを知らないとでも……ああいやチャーハンでお願いしやす」

「助かります」

 

 

 海未には勝てなかったよ……。鬼、悪魔である。もっとも作ってくれるだけで天使ではあるが。

 

 

 

 

 

「……明日、必ず作りますからね」

 

 なんてひとり苦笑いしていたら、海未から小声の耳打ち。兎のように軽やかに離れ、すっと三角巾に手をかける彼女には……もっと勝てる気がしなかった。

 

 

「やっぱ手伝おうかな」

「いえいえ、ソファーで楽にしていてください」

「んなこと言わず、愛の共同作業といこうや」

「あ、愛って……もう」

 

 

 と思えばこちらのマヌケな申し出にちょっともじついて、赤みの差した頬っぺたを斜めに逸らそうとする。

 

 

 まったく。

 

 

 くえるのか、くえないのかわかったもんじゃない。

 

 

 




実は調理する海未ちゃんを書きたかった。だが何故かボツにする流れになっちまった許せ
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