side 優人
この世界は俺が前世で生きていたころに「別の世界」として見てきたものだ。この世界には「織斑 一夏」という「主人公」がいて世界は彼を中心に回っていく。
さて、ここに「この世界を別世界として見続けてきた者」がいるとしよう。はたして「彼」はこの世界に実際に「自分」がいるときどのような立ち位置にいようとするだろうか。自分の知っている「これから起こること」を捻じ曲げるか、またまた別の世界として見ていたものを自分のいる世界の出来事として見るのか。
俺、十六夜優人が選んだのは後者だった。理由としては「命の危険があるから」というのも正解だ。でも、俺がそれを選んだのには理由がある。俺はさっき言ったようにこの世界を「別の世界」として眺め、
一部の人間に限っては彼らがこれから体験することを知っている。だからこそ彼らの未来を変えるわけにはいかないのだった。
彼らは俺が何かいらないことをしない限り絶対の安全と幸福が待っているのだ。確かに途中でかなり痛い目にあっても最後は必ず俺の知る限りでは幸せになれる。
だから選ばなかった。俺のせいで誰かの人生が変わって俺が神たちにやられたようになってほしくなかったから。
「だからってこの期に及んで弱音を吐き続けるのか?」
突然声が聞こえる。声のしたほうには俺を転生させた神様がいた。
「まず『その世界に影響を与えたくない』っていう考え自体が間違っている。人は生きていれば何かしら人に影響を与えるものだ。それは身近な者に限ったものではない。そいつの関係しないところでもそいつによって生じた何かで人の未来は変わるんだ。」
「でも俺の知るアイツらを苦しませたくない。それにあんなもの欲しくなかった!俺が襲撃されたときには助かったけどあれがなかったら俺は篠ノ之束にも拉致されず普通にクリスマスを家族と祝うことができたんだ!」
どこからかあふれ出した自分の怒りを神様にぶつけてしまう。
「そうだな。たしかにあれは私が勝手におまえにやったものだ。しかし、私は言ったはずだ『お前には私の仕事の手伝いとして転生してもらう』とそのために必要だったからやったんだよ。」
「!!」
転生させてもらった時のことを思い出した。確かにそんなことを言っていた。
「でも、それじゃあ仕事って?」
「ようやく話に入れたか…。まあいい、仕事についてだが。まずはお前のこの世界への認識を改めてもらわねばならない。」
「?」
「この世界はお前の知っていた世界と同じに見えるが少し違う。一つはお前がいること。そしてもう一つは『この世界には大きなゆがみがある』という事だ。」
「ゆがみ……とは?」
「本来その世界にはあってはいけないものだ。本当は私はそれが何なのか知っているんだが今お前に伝えるとそれをお前が見つけることが不可能になってしまう。ああ、安心しろ。お前と一緒にいた。皇樹 なぎさとかいうのはゆがみではないぞ。」
一瞬心に中に浮かんでいた考えを神様自らが否定してくれたことに安心する。
「でもゆがみがあるからって何か困るのか?」
「ああ、まあ私にとっては些細なものだがお前やあの世界にとっては大事だぞ。何しろその歪みはほっておくとその世界を壊してしまうんだ。」
「なんだって!?」
俺の驚きを気にもせず神様は話を続けていく。
「だからお前にはその歪みを壊してもらわねばならない。ゆがみも世界を壊すほどのものだから力を持っていてな。そのためにそれを授けたんだよ。」
「そうだったのか……。」
「そしてお前の言う『あいつら』もその世界のゆがみのせいで人生は、その結末は変わってしまっているんだ。」
「!?」
突然の告白に頭がくらくらしてしまう。
「ここからがおまえの選択次第だ。『あいつら』にはもう『約束された幸せ』はもうない。ただ『あいつらの力で乗り越えなくてはいけないんだ。」
ロキは話すのをやめると俺の目を覗き込み尋ねる。
「どうするんだ、おまえは?外から眺めておくのか、『あいつら』と共に戦い『幸せな結末』を時分の手で手に入れるのか?」
「俺は……」
もうするべきことは分かった。
自分に必要なものは分かった。
「戦うよ神様!」
これが俺の決断。
「なら行ってこい。」
神様はそのままこちらに背を向けて歩きだし、すぐに消えてしまう。
「待ってくれ!そういや神様の名前って……!?」
神様を追おうとしたところでいきなり体が前に倒れこむ。いや倒れこんでいるのではない。落ちている!
さっきまで俺が立っていたところは何もなかったとでもいうのか!
「なんでここだけ良くあるネタなんだよー!!」
「!?」
飛び起きて周りを見渡す。誰も乗っていないモノレール。その行先は高校一年から俺が通うことになるIS学園だ。男だからと言ってテストなしで学園に入るのはおかしいという事で今日学園で模擬選をすることになっている。
年が明けてから間もないため暖房のきいた車内でもすこし寒く感じる。寝ている間にずり落ちていたマフラーを首にかけなおす。
このマフラーこそ俺が去年のクリスマスに手に入れたIS「フェンリル」だ。どうやらこいつは世界に登録されているISコアのどれにも該当していないものらしくどこで作られたのかも不明なものなのだ。
しかし、転生した俺からは「神様が作ったものだ」と確信を持って言える。むろんそんなこと絶対言わないが。
武器もおれがアメリカで目覚めた時には入っていて一応説明のようなものは読んでおいた。
(そういえばあれってやっぱり夢じゃないんだろうなぁ)
もし夢であっても俺は確かにあの夢の中で決断をした。そして俺は絶対にそれを貫いて見せる。
決意を胸に目的地に着いたモノレールから降りる。
ここから俺のIS学園の生活の始まりだった
戦闘なくてすいません。一応次が戦闘回の予定です。
勘のいい人なら試験の相手がだれか分かってしまうだろうという事で改めて自分の文才のなさに悲しく思います。こんな駄作ですが更新していきたいと思っています。どうか皆様これからもよろしくお願いします。
優人の能力が魔法戦争の武の魔法と似ていてびっくりしました。一応作者の中ではあんな感じのイメージです。
ではまたの投稿でお会いしましょう!