side優人
IS学園は全寮制の学校だ。そのためどれだけ学園に近いところに住んでいたとしても生徒は必ず寮に入らなければならない。家族に別れを告げた後、俺はある人物の家を訪ねていた。
「やあ優人、まさか君がISを動かすなんて思いもしなかったよ。」
俺の前に立つ黒髪をツインテールにしている子の名前は皇樹なぎさ。俺とは違う世界からやってきた「元マホウツカイ」皇樹龍一である。しかし、その姿は俺の知る「彼の世界」で彼と恋人のような関係であった鈴白なぎさと瓜二つの姿で性別も女になっている。
「俺も予想外だったよ。今から学園に行くんだ。ここからお前とも会う機会が減ってしまうかもしれないからさ、一応挨拶に来たんだ。」
そういうとなぜか彼女はこらえ気味に笑い始める。
「な、なんだよ急に。俺なんか変なこと言ったか?」
「いいや、何も言ってないよ。ただ零二と同じ外見だからさ、僕のイメージと君が重なると変な気分になるんだ。」
「全くびっくりさせないでくれよ。」
「ごめんごめん。でもここに来てくれてありがとう。わざわざ寄ってくれたんでしょ?」
「まあな友達だし。」
こんな日でも俺の友達は何も変わってなかった。いや、変わってないことが俺にとっていいのかもしれないISを動かせると分かってから俺の周りの環境はめまぐるしく変化した。その中で彼女は変わらずいてくれた。それが嬉しかった。
「じゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい、優人。」
そうして俺はIS学園へと向かった。
◆IS学園◆
ジー……
視線を感じる。今俺がいるのはIS学園の一年一組の教室。つまり俺は織斑一夏と同じクラスになったのだ!しかし、喜んでいた俺にある事態が起こった。それは
ジー……
この視線だ。アニメでのシーンと同じでこの女の子だらけの教室に2人だけいる俺と一夏にクラス中から視線が集まっていた。っていうかシャレにならんぞ。かれこれ十分くらいこの状態が続いている。かといって今動くと一夏に向いている視線がこっちに来てしまう。心を無にするんだ、俺!
なんて馬鹿なことをしていると緑色の髪の女性が教室に入ってくる。そう、このクラスの副担任である山田先生だ。
「皆さん入学おめでとうございます。私は副担任の山田麻耶です。」
「「「………」」」
おおう!見事に空白の時間ができた。
しかし、山田先生はめげずに話題を振る。
「今日から三年間皆さんは此処でISについて学びます。仲良く助け合って楽しい三年間にしましょうね。」
「「「………」」」
しかし、この沈黙は破れなかった。頑張れ!山田先生!
「では自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順でお願いしますね。」
あ、自己紹介か。すっかり忘れていた。変なこと言って嫌われたりひかれたりだけはしないようにしよう。気になって、織斑一夏のほうを見ると彼はずっと下を向いて何かを考えている。俺の存在でアイツが自己紹介をしくじらないことを祈るのみだ。
「よろしくお願いします。」
前の席の女の子が話を終え席に着く。俺の番が来たようだ。ゆっくりと席を立ち話し出す。
「初めまして、十六夜優人です。趣味は読書で好物は激辛カレーです。よろしくお願いします。」
うん、無難な挨拶だ。いまだ感じる視線をできる限り無視しながら織斑の自己紹介を待つ。
さて、彼は呪われた運命(原作)から逃れられるかな?
「えーと、次は織斑君、自己紹介をお願いします。」
「は、はい。えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします。…あっ…えっと…」
黙り込む一夏。席の立ち方、言葉の泊まり方も同じ。あっ、ダメだなこりゃ。
「スゥー、ハァー。」
やっぱりやらかすな、アイツ。
「…以上です!」
「「「だぁぁっ」」」
一課が溜めにためた期待感を一気に台無しにする。ってかこのクラスのヤツ乗りよすぎだろ。全員ずっこけてたぞ今!
「えっ!ダメでし」ガンッ!「痛ぁ!」
その直後黒いナニカが一夏の前に現れ拳を振り下ろした。世界最強の女性ブリュンヒルデの称号を持つ織斑千冬、会うのはこれで二回目となる。
「学校では織斑先生だ。」
学校では決め言葉ですね。そう心の中で突っ込んだ。(…!!)
ほぼ反射的に手を前にかざす。バスっという音と共に「俺の手にあたった」出席簿が床に落ちる。
危なかった「直感」を感じてから手を出していては間に合わなかったはずだ。
「さすがだ、十六夜。」
ただそれだけ言うと織斑先生は教卓に向かっていく。
周りからは「すごい」とか「かっこいい」とか聞こえてくるのは今どうでもいい。今俺の一番気になることは…
(まさか…心を読んだのか?)
アニメを見て只者ではないことは分かっていたつもりだがここまでずば抜けているとは思わなかった。
「さて諸君。君たち新人を一年で使い物にするのが私の仕事だ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半年で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか?いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ。」
「「「はい!!!」」」
いやー、こんなもんなのだろうか女子校って。乗りっていうのか雰囲気なのか俺のいた高校とは大違いだな。違うか。ここにいる織斑千冬とISという存在なのからだろう。ちょっと大人ぶって考えてみる。
「痛ッ!!」
突然額に痛みが現れる。何かが当たった様だ。手に取ってみるとボールペンだった。
「担任の話は聞け、十六夜。」
「すいません。」
席を引いて座りなおす。額の痛みでついに原作が始まったことを強く認識する俺だった。
久しぶりの投稿です。
他の二次創作を読ませてもらうとこのあたりの話はもう少し先まで書いて一話とされているのですが作者の力の及ばないところがあり、微妙なところ出きってしまいました。
また、原作キャラクターの発言はできる限りアニメから出していますので結構時間がかかりました。次も同じようなことになりそうでうまくできるか心配です。
この作品を読んでくださっている方、こんな駄作を読んでいただき本当に有難うございます。
ではまた今度の投稿でお会いしましょう。