side優人
IS、それはこの世界で女性にしか扱えない最強の兵器。それを今俺は身にまとい、動かしている。
正直言うと俺だってなぜ動かせるのかはわからない。ただひとつわかることは
(これでこの絶望的だった状況から生きて家に帰ることができる!)
生身の時は暗さであれほど見えにくかったこの部屋がISのハイパーセンサーによって何もかもが見える。これなら……戦える!
武装なんてもの確認している暇はない俺が動きを見せたらすぐにこの女は我に返り俺に攻撃を仕掛けてくるだろう。だから俺がとるべき行動は先手必勝、流れを自分のものにすることなのだ。
「はあぁ!」声と共に肩の部分にあるスラスターを吹かせ突撃する。
女もようやく我に返ったのか急いで回避行動を取ろうとするが、
「遅い!!」先に動いたこちらのほうが圧倒的に有利で、加速に合わせて繰り出した俺の拳は女の顔面に吸い込まれるように叩きつけられる。
「がはっ!!」殴られた女はまるで格闘モノの漫画のみたいに吹っ飛んで壁に激突する。頭を殴られたことによるショックか、壁に激突させたからなのかはわからないが女はピクリとも動かない。
(これがISの性能なのか……)
女を殴ったその拳を眺める。ISによるものであんなに加速して相手を殴ったというのに殴った後のあの痛みが全くない。
(って尊あんこと考えてる場合じゃない!早くここから逃げないと!)
今だ帰ってこない俺のことを心配する家族のことを考えると「帰る」という使命感がわいてくる。襲撃者のとおってきた道から外に出ようとしたその時、背中に強い衝撃が連続して訪れる。
急いで後ろを向くとさっき殴られて気絶していたはずの女がもう起き上がっておりその手にはアサルトライフルがある。
「男のくせに私の顔を殴りやがってゼッテー許さねえ!」
言葉だけはそのままだがよく見るとその足はガクガクと今にも折れそうなほど震えている。それだけであと一撃で勝てると俺は考える。たしかにISはシールドバリアーや絶対防御という操縦者を守る強力なシステムがある。しかしそれは攻撃による衝撃まで無効化できないのだ。それによりさっきは頭に衝撃を与え気絶させるまでに至ったのだ。
(なぎさとの特訓がここで役立つなんてな。)
ふと頭に日本にいる友達の顔がよぎるが今はそんなことを考えている暇ではない。
まず俺の残シールドエネルギーは約60%、さっきの攻撃がかなり大きかったようだ。
対して女のほうはシールドエネルギーは分からないがさっきの攻撃によって意識をもうすぐにでも手放しそうな様子だ。
(さっきと同じようにやれば…いける!!)
地を蹴り、スラスターによる加速で相手に接近しようとする。
「死ねえええええ!!!」
動き出すのと同時に女も手に持ったアサルトライフルを乱射する。
銃を持った相手に真正面から素人が拳ひとつで挑むのは無謀だと言える。しかし、俺には神から授かった
「直感」がある!!
「当たるかぁぁぁ!!」
すべてとまでは行かないが致命傷となりえる弾だけを紙一重の攻撃でよけていく。残り二十メートル。
「なんで当たらねぇんだよ!」
女が俺の回避に驚愕している。そりゃあそうだ2・3発ならまぐれですむあろうがフルオートで売ってくる弾のほとんどをよけられいぇいるのだ。
そして、ついに俺は女のもとへたどり着く。
女の持つアサルトライフルの弾が切れるのと俺が女の目の前に着いたのはほぼ同時だった。
(これで……!)
決められる!っと思った直後だった。
(!!?)
突如右にある壁から、いや壁の奥からくる「何か」を「直感」がとらえたのだ。
無理やり俺の軌道をまげてその場から離れる。同時に壁が爆発で破壊され1機のISが入ってくる。
(くそっ!新手か!)
すぐに動けるよう俺は構える。
「そんなに身構えなくても大丈夫よ。私は戦う気はないから。」
そういって乱入者は女のところへ近づいていく。
「大丈夫?オータム?」
「スコールか!よかった今すぐコイツを…」
「退きましょう。オータム。」
「なんでだよ!スコールもいるんだ絶対勝てるぞ!?」
「相手は未知のISを持っているのよ。しかもあなたは手負いの状態なんだから無理をしないで。」
「……わかったよ。」
「というわけだから私たちは帰らせてもらうわ。じゃあね。」
「覚えとけよ!絶対に借りは返してやる!」
言い残してスコールとオータムは去って行った。同時に体中から力が抜ける。
(緊張していたからかな?早く起きないと……)
しかし体をどれだけ動かそうとしても動けない。逆に頭がボーッとなってきているのが自分でもわかる。
(やばい…このままじゃ…帰れ…ねえ)
最後に感じたのは埃で汚れた床の冷たさだった。
◆???◆
sideロキ
やっと呼び出したか。あのバカめあんな危機的状況になるまで出せないようにするなんて本物のばかだぞ。まあ、死ななかっただけましか。奴にはやることもあるしな。
「ついに彼が出したそうね。」
横からオーディンが話しかけてくる。
「ああ、あの土壇場でやっとな。しかも武装なしで『直感』しか使わなかったからあのざまだよ。」
「ええ!!倒れてるの!?やばいよロキ助けてあげないと!」
馬鹿みたいに騒ぐオーディンに思わずため息が出てしまう。こいつは主神であらゆる知識を手に入れているはずなのにどうしてこんなに頭が回らないのか。いや、もしかするとわかっているのかもしれない。
いや、分かっていて私に答えを聞いて楽しんでいるのだ。
「私はトリックスターと呼ばれる神だぞ。こんなことお見通しだ。その証拠に、ほら。」
私の指差したほうをオーディンがみると「なるほどね。」とつぶやく。
「そろそろ帰ろうと思うんだけど、最後に一つだけ聞いてもいい?」
「なんでもいいぞ。」
「篠ノ之束が彼に興味を持ったのとその後の態度、あと彼が武器を展開できなかったのはロキ、あなたの仕業?」
「そうだよ。」
即答する。別にばれないと思ってなどいなかったことだ。数日もすればアイツも自分でわかるだろう。
「適度に手を加えるのはいいけどあの世界を壊さないでね。私、あの世界を見るのが最近の楽しみなんだから。」
言ってオーディンは帰って行った。
「私だってどうなるか見ていたかったのだがこのままじゃアイツはあれに勝てないからな。」
必ず訪れるあの世界での戦いを想像し笑みが浮かび上がる。
「だがもう必要ない。これであとはあいつ次第だ。でも何もしないのは面白くないから少しずつ手を加えてやろう『悪戯』としてな。手始めにアイツがこのことに気付いたら『二者面談』でもしてやろう。」
side優人
目が覚めると最初に映ったのは優花の顔だ。
「優人起きたのね!お父さんたちよんで来るから待ってて!!」
どたどたと足音を鳴らしながら階段を下りていく姉。部屋から察するにここはアメリカの十六夜家(母と父が住んでいる)だろう。
(起きた直後に大声出すなよまったく……あれ俺なんでここに……あ、そっか。クリスマスの家族パーティーか。しかしなんだったんだ、あの夢は。
たしかに俺は転生者でここはISの世界だけどだからってあんな夢じゃなくっていいだろ。第一篠ノ之束が俺に会いに来るなんてあるわけが……ってあれ?じゃあ俺どこから寝て夢なんて見てたんだ?)
定かではない記憶を必死に思い出そうとしている俺のところへ優花が父と母を連れてやってくる。
「優人!!」
母は目に涙をためながら俺に抱き着いてくる。
「はあ!?なんで母さん泣いてるの!?」
突然のことに俺は驚き、母を引きはなす。
「どういうことだよ!てかいつの間に俺この家ついてんだ!?」
全員が俺のことを「えっ?」ていう感じの目で見てきてる。なんなんだ一体?
「もしかして優人覚えていないの?」
優花がおそるおそるといった感じで俺に訪ねてくる。
「ああ、なにがあったんだ?」
「それは……」
「もういいよ優花。あとは僕が話す。」
急に父が話始めた。
「優人、おまえはどうやら二週間前ISを起動させたらしい。」
「はぁ!?」
「優花の話によればお前は後でここに来ると言って一人でどこかに行った。そしてその次の日の朝お前が家の前で倒れていたんだ。」
凄い衝撃的な話だ。いまだに理解が追い付かない。
「でも俺がISを動かしたなんてことは分からないじゃないか。誰かが言ったのか?」
そう、この話なら優花も父も母も俺がISを動かしているのを見たわけでは……
「……言ったんだよ。」
「誰が?」
「束、篠ノ之束が言ったんだよ!それも全世界に向けて!」
「篠ノ之……束…!!!」
突如、頭を強い衝撃が襲う。同時に何もかもを思い出した。
そうだ!俺はあの時オータムとかいうやつをISを使って追っ払ったんだ。
「これ!!」
優花が携帯の画面を俺に見せてくる。そこにはアニメで見た姿と全く同じ姿の束がいる。そして俺がISをまとっているのが映っている写真を見せた後何かを言っていた。内容は茫然としていたおれは聞いていなかったので覚えていない。
「そのあと日本政府とIS学園の関係者が来て話をした。そして決まったのが……」
「優人はIS学園に行くことが決まったんだよ。」
父の言葉をさえぎって優花が言った。
「そうか……あっ!あのマフラーは!?」
もしあれがISじゃなかったら……。なんて事を願いつつベッドの横においてあるマフラーをとる。
すると、気が付いたら俺はISをまとっていた。
「夢じゃないのか……やっぱり。」
美しい銀色の装甲を見ながら俺はこの後訪れる未来に不安を感じた。
ついに原作前の話が終わりました!(作者的には)
そして次からは原作です。戦闘シーンが多い原作ですので頑張っていきたいと思います!
また、この二次創作が初めての投稿作品なのでまだまだうまく話が書けないところがありできれば読者さんにアドバイスをいただきたいです!
ところでヒロイン決めについてですが今のところ束、楯無、シャルル、ラウラなどが上がっております。誰にしようか絶賛悩み中です!
感想とかアドバイスとかいろいろほしいです!(特に書き方)
以上、魔法戦争の原作を今日買ってみて読んだら結構はまってしまったロキでした!
また今度!