家族仲良く過ごしたい。   作:ト——フ

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お、お気に入り件数が77にも増えていて驚愕しています((((;゚Д゚))))
こんなにもたくさんの方々が私の作品を読んでくれているなんて、もう、めちゃくちゃ嬉しいです……!
いつも私の作品を見て頂いてありがとうございます!
これからも自分のペースではありますが、頑張っていきますm(_ _)m

では、第十話 決勝戦です!
果たしてロコン君は優勝出来るのだろうか……!?
始まり 始まり〜〜


其之十 天下一武道会 決勝戦!

「……ロコンが只者じゃないって知ってたけどまさか決勝戦まで来ちゃうなんてねぇ……正直驚いてるわ……」

 

「はは、いやまぁ所々危なかったけど……何はともあれここまで進めたのは嬉しい」

 

 1回戦は相手にうっかり嵌められて、2回戦は力不足故にぶっつけ本番の界王拳をせざるを得ない状況に持っていかれて。結構ギリギリなんだよなぁ……。サイヤ人の恵まれた肉体を持っているとはいえ、無双とか出来ずに苦戦する辺り流石俺だよなと改めて自分の不甲斐なさを思い知らされる。

 

 しかも界王拳(我流又もやネット流)の反動で身体痛いし、ダルい。(スーパー)のいつぞやのカカロットみたく気のコントロールがやり辛くなってはいないだけマシかもだけど、それでもこの後に試合を控えてる以上、痛いな。

 この休憩時間で出来るだけ回復に努めなきゃヤバイ。

 

 だから今はとにかく

 

「それじゃお昼にしましょうか」

 

「よっし!いただきます!!」

 

 飯!!

 

 ─

 ──

 ───

 

「あっそうだ!ロコン。あなた出番が一試合目で、しかもその試合の後はトイレの前でウロチョロしてたわよね。だったら次の試合相手のこと知らないんじゃない?」

 

「——あっ」

 

「やっぱりね……それで次のあなたの対戦相手なんだけど中々厄介だと思うわよ。なんせとにかく速いの。

 一回戦目は高速で相手に接近してから鳩尾へのエルボーで相手を気絶させて試合は終わり。2回戦目も……」

 

 ほーん……とにかく速い相手か。これまた界王拳に頼ることになるかも。……ヤダなぁ……正直もう今日は使いたくないんですが……。

 極力界王拳は控えるためにギャラクティカドーナツで拘束してからダメージ与えて〜って流れで行くか? いやけど折角の決勝戦でそんな盛り上がらなそうな戦法使うのもアレか……いや、まてよ。そもそもギャラクティカドーナツって名前をそのまま使うのも未来の甥になんか申し訳ない気がしてきた。

 

 ここは自分で名付けるしか……と思ったけどしかし……なんかちょっと恥ずい。自分が様になるような技名を付けれるのだろうか?っていう。 理想はピッコロさんみたいな格好良いのにしたいけど……なにか……こう、ピンってくるやつなぁ。

 

 ドーナツだろ?んで形は円形で……強度もあって、締め付けると来た。

 

 ──?俺の好物のオールドファッションじゃなのこれ?形は円形で、他のドーナツよりもサクサクした食感で強度がある。締め付ける……は違うかなぁ。いやまぁ俺はオールドファッションに締め付けられて死ぬなら本望だし、その点は大丈夫か(それは違う)

 おっ、いいんじゃないの?オールドファッションで決まりでコレいいんじゃない?

 

 いやさ、決して俺がミスドの回し者って理由じゃないんだけどね?ホントに。

 そう言えばオールドファッションといえば色々種類があるけど、オールドファッションハニーっていうのがあるんですよね。で、それを温めて、バニラアイスと食べたらね、めっちゃ美味いんすよ……ホント。

 もう……温めたそのドーナツが超しっとりしててスプーン入れたらスッて入ってね……アイスと合うんだなこれが。けど勿論温めなくても絶品なんだけどさ、特に食感g(ry)

 

「…………」

 

「——でね、そうやって相手がね……ってロコン?反応が無いんだけど聞いてた?大丈夫?」

 

 じとーっとした目で此方を見やるクロに、バツが悪く目を若干逸らしつつ

 

「──、あ、あー、勿論。———とにかく次の対戦相手のスピードには気をつけるよ。情報ありがとう」

 

 努めて冷静な風を装って応える。

 なんか聞いてませんでしたと言いづらくて……。

 

「いいわよ。それにもうここまで来たんだもの!優勝もぎ取ってきてよ!」

 

「オッス!頑張ります!」

 

 ……後半の話を聞いてなかったけど今更言い出せる筈もなく、そのまま勢いで力強く応えた。

 

 ─

 ──

 ───

 

 

「世界各地から集まった達人、182名!さらに予選を通過できた者、たったの8名!

 そして決勝戦まで残ったのは、この2名!!ロコン選手と匿名希望の選手であります!!

 果たして世界の頂点に立つのはどっちか!?いよいよ、その答が明らかになります!!」

 

『坊やー頑張ってー!』

 

『フードの兄ちゃんも頑張れよー!』

 

『ロコーン!!ファイトー!!』

 

「それでは、ただいまより天下一武道会、決勝戦を始めたいと思います!!」

 

 遂に始まるか……!!

 

 例の試合相手の人は、黒のチェスターコートの中に赤いパーカー、そして下はスラックスに焦げ茶の紐なし革靴という出で立ち。

 

 パーカーのせいか顔がよく見えないし、まずそもそもの話、武道大会に来る装いには見えない。

 

「準備はよろしいですか……?始め──!!」

 

 先制は貰う!

 相手の背後に素早く回り込み攻撃を仕掛ける。

 

「——良い動きをするね」

 

「っ……」

 

 が、軽く避けられてしまう。

 なるほどお見通しって訳ですか。結構速く移動したんですけれど。

 

「次はこっちからだ」

 

 そう言い相手の攻撃のラッシュが繰り出されるが、なんとかその場から離れる。

 

「ちっ、体術の腕も上々と来たか……ここはどうせめ——はっ!?」

 

 作戦を練ろうとしたところで、ドンッ!とまるで銃弾のように圧縮された気弾が放たれた為、早急に回避行動に移った。

 

「あ、ッッぶねェー……、まさか気弾使える人が出てくるって流石決勝戦」

 

 なんとか避けて独り言ちると相手はスッと両手を銃の形にして

 

「──っ、速!」

 

 ドンドンドンッッッ!!!と休む暇もなく、その両人差し指から気弾が放たれる。

 気弾の大きさを細く小さくしている分、一発一発の威力も相当のモノとなっている。

 

「なら、こっちからも!」

 

 相手へと気弾の連射攻撃を行う。

 

 っし、連射した気弾で発生した煙で姿は眩ませた筈。その内に相手の気を探って仕掛けさせて貰う。

 

 相手の背後に回り、足払いをかけて出来た隙に場外に叩き込もうとしたのだが

 

「っ、や、危っ!?」

 

 相手が振り向きその手に持った短刀型の気の剣で切り込んでくる。

 咄嗟に左手で気の盾を作り防御する。

 

「気の扱いには長けているみたいだね」

 

「貴方も相当ね……っ」

 

 負けじと右手で気の剣を生成し相手に切り込むが、何回か打ち合った後、隙を突いた蹴りを貰ってしまう。

 

「う゛ッ」

 

 くっっそ……容赦なく鳩尾いかれた……中々くる……しんど……。

 てかそれにしても相手は気の扱いに身のこなし、どれも一流のもので正直何処であれ程までの実力を身につけたのかは凄い気になる……けど今は試合に集中。

 

 ——よし、なら今度は……

 

「畳み掛ける……っ!」

 

 間髪入れずに放ってくる銃弾を、両手に生成した気の剣で弾きながら接近していく。

 

 そして再び剣を打ち合いながら相手へと詰めていくが、

 再び巻き返され、相手の力を乗せた一振りにより吹き飛ばされる。

 

「すまないが、終わりだ」

 

 と、再び指を銃の形に変え、止めを刺すかのよう気弾を放とうとするが——

 

「痛っ、……けど作戦通り!」

 

「なッ!これは……!」

 

 相手の背後からオールドファッションがガッチリと嵌る。

 念の為、さっきの煙に隠れて作ったのを空中に待機させて隙を見せる所を狙っていたんだけれど、ようやく決まったみたいだ。

 

 ってかどうでもいいけど、オールドファッションって技名として緊張感が無さすぎる。また後で考えなければ……

 

 ま、だけど、これでようやく

 

「それじゃあ、勝たせて貰います」

 

 そうして相手を場外へと落とす為接近していく。

 場外へと吹き飛ばすべく、そのまま勢いに乗り蹴りを放つが——

 

「——二重加速(ダブルアクセル)

 

 そう言い、相手の身体から赤いオーラが発生し突風が生じる。

 そして、拘束を無理矢理にその力で引きちぎり、蹴りを回避し、カウンターを仕掛けてくる。

 

「——?、え……いや、……は?……いやいや……って、っっ!?ゔ、うぉッ……!?」

 

 またもや鳩尾にキツイ一撃を貰ってしまい、吐き気に襲われるが……なんとか堪える。

 

 は、は、う、ゔぉえ……く、ぐそ……思いっきり蹴りやがって……あ、ダメヤバイ口の中が酸っぱくなってきた逆流してきそう。う、ゔゥォ…………し、シンド……。

 

 逆流してきそうな物を押し返すため必死になり膝をつき背中を丸めて蹲っていると

 

「えぇ!パパ!?」

 

 ──と、クロの声が耳に入った。

 なにごと、と思い青ざめた顔を上げ相手を視界に入れると、激しい赤いオーラの放出による風でフードが脱げてしまっていたある人間の姿が。

 それにより、露わになった顔に驚愕した。

 

 

 一体何を見てきたらそうなるんだと思わせる真っ黒な、まるで死んでいるよう瞳を持ち、顎には薄っすらと何本かの髭を蓄えた男性。見たところ……20代後半くらいの……やけに闇を抱えていそうな男性……

 

 ──衛宮切嗣、その人であった。

 

 

「え、パパ? クロの?…… は?」

 

「はぁ……どうやらバレてしまったらしいね。この技は使わないつもりだったんだけど」

 

 左手を腰に、右手を頭に当て、やれやれ、と溜め息を吐く様はやけに似合っているように感じる。

 

「パパ──!!どういうこと!?説明して貰うわよー!」

 

「まぁクロへの説明は後でするとして……まずは君なんだロコン君」

 

 キッと鋭い眼差しを向けられる。

 ……なんか我が父と似た眼差ししててビビるんですが……睨む時の

 

 言い知れぬ恐怖に身を震わせていると

 

「君のことは知っているよ。別荘で見かけたからね」

 

「は、はぁ……いつもお邪魔させて貰ってます。すみません」

 

「それに随分クロと仲が良いようだね」

 

「え、はい。まぁクロには良くして頂いてます」

 

 でもね、と一泊置き更に眼光を鋭く光らせ

 

「そういうのは、まだ娘には早いと思うんだ」

 

 は、なに?なにがよ?なんなんすかその抽象的な言い回しは……何なんすか?

 こちとらなぁ……さっきから色々ありすぎて頭パンクしてんですよ……衛宮切嗣が登場するし界王拳使い出すしで

 ぶっちゃっけ頭ショートしてんすよマジで。そんで鳩尾蹴られて吐きそうになってシンドイのもあるし、理由不明だけど凄い睨まれて生きた心地しないし……なんなん?

 

 しかも界王拳を使えるってことはさ……

 原作(fate)だと確かスピードを倍加させる技使ってたけど、界王拳の場合は戦闘力自体を倍加させるって訳じゃん?

 つまりスピードだけでなく攻撃力まで上がってるってことでつまり、これまた原作より厄介になってるって訳で。ホントなんてこったと(白目)

 

 という感じで、俺の思考がグルグルと定まらないままになってパニック状態。だからだろうか──目を回しながらつい咄嗟に

 

「……そ、そうですかねェ」

 

 意味を理解せず、ただ咄嗟に口を開いてしまったのは。

 

「そ、そりゃあね。君もだが娘はまだ11なんだ。そういうこと(恋人としての付き合い)はもっとお互いを知って、出来ればもう少し年齢をだね——」

 

「えぇ……?そんなの(友達としての付き合いに)関係ないんじゃ……」

 

「——ふむ、そうか。どうやら、何を言っても君は引かないと」

 

 ため息を吐き、覚悟を決めたかのように

 

「本当は、君が娘に相応しい人物か確かめて一言言うだけにする予定だったんだけどね。

 ——だけど、君はどうあっても引かないときた。

 なら、そんなに娘と一緒になりたいというなら!

 僕を倒してからにするといい!」

 

「──、────────は?」

 

 一気に頭が冷え、意識が覚醒する。

 いや……ってか、なんでそんな話?

 一体いつからそんな話?

 ——ってヤバい……だめだ。自分が何言ったか思い出せん。冷静じゃなかったからってのもあるけど、なんも考えず本心ぶっちゃけたのもありそう。

 でもマズイ。盛大なる勘違いをしてらっしゃる予感。

 

「いや待ってください!クロの父さん俺」

 

「まだ君に!お義父さんと呼ばれる筋合いはない!!」

 

 気の勢いが更に激しさを増す。ヤバイ……これもう話が通じないんじゃ……。

 

 ──、仕方ない。誤解は後で解くとして、まずはこの人に勝つことを考えよう。

 

 となれば、なら、正直かなり、大分気乗りはしないけど、これしかあるまい。

 

「──────、……よし、界王拳ん2倍……っ」

 

 ——っ、……くッ、そ……相変わらずシンドイなぁコレ……。

 使うのまだ2回目だから仕方ないけどマジで慣れない。身体が少しビキビキと鳴り出したし、なにより痛いし。

 長期戦は保たないだろうと簡単に推測出来る。

 

「ぁぁぁもうくそっ!がああああああああ!!」

 

「——————!!」

 

 両者接近しお互いに拳で殴り合い、その余波で周囲に風が吹き荒れ、会場が更に沸く。

 

『スゲェぞー!二人ともー!』

 

『い、今これ凄いモン見てるんじゃ……?』

 

『坊主──!!ファイトだー!』

 

『パーカーの兄ちゃんー!やっちまえー!』

 

『ロコーン!パパー!ファイトー!』

 

 そして一旦お互いに離れる。

 切嗣さんは手を銃の形にし、その人差し指に気を貯めている(霊丸っぽい)。

 

 俺はといえば、まぁ勿論この技の構えを

 

「か……め……は……め……」

 

「————————」

 

 亀仙流の奥義(武天老師様に会ったことすらないけれど)の準備に掛かる。それと技名唱えるのは単純に格好良いからって理由。

 

 そして、お互いの最大限の気を込めた必殺技を放つ———

 

「波ァ──ー!!!」

 

「————ッ!!!」

 

 ドンッ、と凄まじい轟音を響かせる。

 

「っ、ぐ、う……ああああアアアア!!!」

 

「ぐっ、はああああアアア!!!」

 

 バチバチッッ、と必殺技がぶつかり合う。

 威力は互角……ってところかもしれん。

 

「あああああああアアアア!!!」

 

「あああああああアアアア!!!」

 

 そして、しばらく拮抗していたお互いの放たれた技はボシュッ!、と音を立て相殺される。

 

「は、ハァッ、ハァッ、ハァッ」

 

「クッ、ハァッ、ハァッ、ハァ」

 

 ガクッとお互いに膝をつき、息を荒げる。

 

「ぜ……全力で、やったんだけどッ、ハァッ、くそっ……」

 

「——ふぅ、本当に君には驚かせられるね。まさか相殺してくるとは」

 

 つッッかれた……いや、まさかここまで威力がこもった気弾を放ってくるとか……さっきで終わらせるつもりで挑んだけど……やっぱりこの人強ェなぁ……流石主人公務めたことある人は違う。

 

「いや、こちら、こそ驚きました……。ここまでのパワーアップを遂げ、るとか……相当に界王拳を使いこなしてますよね。界王様も鼻が高いでしょうねぇ……」

 

 ここまで見事に界王拳を扱えるとか本当に凄いんだよなこの人。だって見た限り気の流れが綺麗。界王拳の赤く発光する気が荒々しさを際立ててる一方で、淀みなく綺麗に、至って平時と変わらないかのように循環してる。

 どれだけ鍛錬積み重ねたのかってのがよく現れてる。

 

 というか、話変わるけど。疑問に出ることすら無かったけれど、切嗣さん一回亡くなったのか?まぁこの世界何があるか分からんから不思議なことでも無いけどさ。

 

 まず界王様に訓練付けて貰うにはあの世の蛇の道を通って界王星まで行かなきゃだし。んで、生き返るのはドラゴンボールを使ってのことだろうし。ってことはドラゴンボールの認知度って結構ある感じなのか?

 

 そんな推測をしていると、目の前の男は若干眉を顰め、さも不思議な様子で

 

「……?ごめん、悪いけど誰の話をしているのかな?」

 

「え?」

 

 え?

 

「いや界王様ですよ。貴方の今のパワーアップ状態を伝授して下さった方じゃないですか」

 

「生憎だけど……僕はこの技を誰かから伝授された訳じゃないよ。だから……君の言う『界王様』が分からないんだ」

 

「…………じゃあ、どうやって身につけたんですか?」

 

「どうやって、か。単に速さを追求していたら、この技に行き着いたんだ」

 

 え、?はや、?……っと、うん。まぁ、さ、俺は前世の知識があるからさ、だから界王拳の仕組みもなんとなく知っていたから出来るのは分かる。DB転生者特有のアドバンテージだからまぁ、出来んのはまだ不思議でもない。

 

 けどこの人に至っては話が違うでしょ。本当に真っ新な状態、正真正銘ゼロからのスタートでしかないのに……界王様レベルの存在が編み出した技に辿り着くって……しかも独学で。更に更には非の打ち所がないレベルで十全に使いこなしているし。

 

 もうこの人あれですね。

 間違いない……。

 この人は完全に──────

 

 

 

 

 

「へ……」

 

「ん?」

 

 

 

「変態だ────ー!!!!うああああああ!!!」

 

「えぇっ!?」

 

 変態だ!!!

 間違いない!この人ヤバイ!ド変態に違いない!!

 こんな変態が地球に居たとは……怖すぎるっ!!

 

 

 

「大変だ──!!変態だ──!!」

 

「ま、待って。なにを急に……」

 

 そう、叫びながら切嗣さんから一心不乱に逃げ始める。

 そんな俺を必死の形相で追いかける切嗣さん。

 

「待ってくれ!僕が何をしたと言うんだ!」

 

『え、ナニ、を?』

 

『いったいナニをしたんですかねぇ……』

 

『マジか……あの兄ちゃん……』

 

『あのパーカー野郎っ!ショタコンだったのか!……!^_^!』

 

『テメッ!YESショタコンNOタッチだろうが!』

 

『うぅっ、 あの男の子かわいそうに……』

 

 ざわざわとざわめき立てる周囲

 

「ちょ、本当に待って!君!違う!誤解だ!僕は何もしていない! 」

 

『パパ……』

 

「クっ、クロ!違う誤解なんだ!父さんを信じてくれ!」

 

『近寄らないで変態』

 

 冷徹な眼差しでばっさりと一言。

 

「あああああああアアアア!!!」

 

 頭を抱え、膝から崩れ落ちるかのようにバッタリと倒れる。最愛の娘からの心無い言葉に、その表情は正にこの世の終わりを感じ取ったかのような、最大級の絶望を孕んだ表情で正直見ていられない。

 

「僕が何をしたっていうんだ!ふざけるな!ふざけるなっ!!馬鹿野郎!!うわぁ──!!!」

 

 —

 ——

 ———

 

 ──や、ヤっべ──……、まさかこの台詞を聞くことになるとは……その所為かテンションが戻って冷静になった。

 さてどうするか。あまりに感情が昂りすぎてうっかり前世で読んだ漫画の1シーン再現してしまったけれど……齎した被害がデカすぎて自分でもどうしたらいいのかと……。

 

 ヤバイどうしよう。切嗣さん娘のこと溺愛してるからなぁ……クロにあんなこと言われたら相当ショックだろう。現にこの世の終わりのような顔してることから如何にダメージがデカかったのか容易に想像できるし。

 

 ヤバイナァ……相当やらかしちゃったナァ……どう詫びたらええんやろか……

 

「あ、あの……っ、そのッですね……」

 

「——三重加速(トリプルアクセル)

 

ヒッ

 

 ぼそっと、小さく呟いた程度だろうけど確かに聞こえた!3倍!?マジか!?

 や、ヤッバ目が血走ってるこの人ガチじゃん……殺られる!

 ──っと、凄ぇ速さで迫ってきた!!

 

「——ッさ、ささ3んんん倍!!!」

 

 ——ヤバいヤバいヤバいヤバイ真面目にこれ身体が悲鳴上げてるってしかも痛いの増したってか本気でヤバイやつ……っっ!!流石に3倍は身体に響……きすぎて死にそうってかビキビキと何かが潰れるような不穏な音が身体から響くし怖すぎる笑えない……多分、ってかほぼ確実に試合の後は覚悟しといた方がよさそう案件かよこれ

 

「はあああああ!!」

 

 ガキィン!、とお互いの腕がぶつかり合う音が響く。

 そして激しい打撃の応酬の末、後退し距離を稼ぐ。

 

 3倍まで使ったし多分お互いに長くは持たない筈……だと思いたい。

 いや、俺なんか余裕無さ過ぎて切嗣さんとは別の意味で目が血走ってるし、激しいぶつかり合いでダメージめっさくるし、気抜けば終わってしまうかのような緊張感に精神擦り減るし、ジワジワと自分の身体が内から壊れていく感覚がさらに拍車を掛けて精神擦り減らして来やがるし……大分余裕無いですよ。

 

 まぁけど俺はともかく……彼も見た限りじゃ息は上がってるし、顔も強張ってきてる。まぁ、仮にそれが演技だとしても気の出力もだんだん下がってることから本当に疲れてはいるんだと分かる。

 

 ……相手も結構な体力の消費で、なにより俺はそろそろ限界で長くは保たんし……ここで一気に勝負を仕掛けるしかないか。

 ……っし、なら、とっておきの技を出し惜しみ無く全力でいくか……

 

 一旦空中に上がり

 

「はあああああああ!!!」

 

 かめはめ波のポーズを取り、腰に携えた両手にありったけの身体中の気を集めていく。

 

「ライオット……」

 

 そして、右の腰辺りに固定していた両手の内、右手だけに貯めた気を移動させ、大きく振りかぶる。

 

「かめ」

 

 一回同僚の人に食らわせてんの見た、父さんの技(格好良かったから練習して覚えた)に、弟の代表的な技を掛け合わせたとっておきの必殺技。まぁ家族愛が割と高めな部類に入る俺としては、非常に気合が入る技。

 

 そして腰の捻りをしっかり加えて

 

「はめ……」

 

 全力で相手に投球する……!

 

「波ァ────ー!!!!」

 

 ゴォッ!、と周囲に轟音が鳴り響く。

 

「なッ、これは……!」

 

 すかさず切嗣さんも、特大の気弾で応戦する。

 

「づ、うううゔゔゔゔゔあああああああああ!!!!」

 

「はあああああああああああああ!!!」

 

 お互いの全力を以って、ぶつかり合う。

 そして——

 

「あああああアアアアアアアア!!」

 

「はああああアアアアアアアア!!」

 

 ズゥン……!とお互いの技が相殺され、重く、身体を震わせる音が響く。

 

「ハァッ、ハッ、ハッ、ハッ」

 

「ハッ、ハッ、ハッ、クッ——」

 

 精一杯の、それこそ身体中の力を掻き集めて放った最後の一撃だったので体力の消費が激しく、地上にゆらゆらと覚束ない様子で降下し、膝を着く。

 界王拳は勿論解けている。が、どうやら切嗣さんも、同じ状態らしい。

 

「は……自慢の技だったのに……普通に相殺して……くるとか」

 

「い、いや、僕も、かなりギリギリ、だったけどね」

 

 もう殆ど気も体力も残っていない。足なんかガタガタ震えて、それを抑えて立ってるのに精一杯って所だし。

 

 ——なら、もう最後は

 

「もう、体力は、殆ど底をついてて、だから、この一撃で、終わらせ、ます」

 

「奇遇だね。僕もせいぜいあと一発が限界だろう」

 

 その言葉を皮切りに、お互いに覚束ない足どりながらも駆け寄り

 

「おおおおおああおあ!」

 

「はああああああああ!」

 

 腕を振りかぶり

 

「ぐふッッ」

 

「グッッ」

 

 渾身の右ストレートを互いの頬へと打ち抜く。

 

「うっ……は、ぁ」

 

「くッ……」

 

 ドサッ、とお互いに倒れる。

 うぁ駄目だコレ……頭ふっらふらする……。頬すっげェ痛い目が回って焦点が定まらない。

 

『両者共にノックアウトです!ダブルノックダウン!』

 

 は、これは相当堪える……ヤバイ……

 

『カウントを取ります!ワーン!ツー!スリー!」

 

『ロコ──ン!!立って──!!』

 

 ぐぎぎ、となんとか立ち上がるべく身体の力を振り絞る。

 

『フォー!ファーイブ!シッークス!』

 

「うぅぐぐぐぐ」

 

「グッ……」

 

 界王拳3倍と、全力の気功波まで使ったから、流石に体力の消耗がヤバイ。節々まで痛むし疲労感凄いし、正直このまま寝てしまいたい。

 もう余力なんか殆ど無いし、なんなら気弾の一つも生成出来ないけれど

 

『セブーン!エーイト!』

 

 だけど……んな弱みを自覚した上でも、度重なる強烈な睡魔に誘惑されようと……それ以上に勝ちたいって気持ちの方が勝って──

 

『ナイン!』

 

「ううううッ」

 

『テーン!』

 

「くそッ」

 

『どちらも立ち上がれません!ダブルノックアウトです!』

 

『しかし、天下一武道会に引き分けはありません!この場合は先に立ち上がり、『優勝したもんねー』とにこやかに宣言した者を勝ちとします!』

 

『頑張って──!もうちょっとー!ロコ──ン!!』

 

『パーカーの兄ちゃんもファイト──!!』

 

「ぐぎぎぎぎぎぎぎ……!!」

 

 勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ、勝つ……!!

 

『おーっと!ロコン選手頑張るー!!』

 

『もうちょっと!頑張れー!』

 

『ファイト──!!』

 

「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……!!」

 

『立ったー!ロコン選手立ちました──!!』

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ」

 

 しっ、しぶとさには、なにぶん自信がある。スパルタの髭にしごかれたから耐性は付いてる。

 

 よし、幸いにも相手はまだ立ち上がってないな……勝ちは貰う!

 

 そして、そのままニカっと、ぎこちないながらも顔に笑みを浮かべ——

 

「ゆ、優勝」

 

 もうちょっと!頑張ってくれ俺の身体……!!

 

「した……」

 

 観客の声も静まり、皆続きの言葉が発せられるのを待つ。

 そして——

 

「もん」

 

 これで決まりだと、そう誰もが疑わず思い始めるが

 

「……」

 

 ドサッ、と倒れる音が響く。

 

『あーっと!あと一息!あと一息のところでロコン選手倒れてしまいましたー!』

 

『あぁ──!!』

 

『惜しいー!』

 

『おーっと!続いて匿名希望選手が立ち上がりました!』

 

「グッ、ハァ、ハァッ、ハァ、ゆ、ゆ……」

 

 少し恥じらいがあるのか、頬を染めながらも笑顔で

 

「優勝したもんね」

 

『優勝です!匿名希望選手が優勝しました──!!』

 

 わあああああ、と観客の歓声が響く。

 

(しかし、本当に見事だった。僕も全力じゃなかったとはいえ、ここまで追いつめられるとはね。

 末恐ろしい子供だよ、全く……)

 

 ふっ、と笑みを浮かべ、

 

「だが、君ならクロを守れるかもしれないな」

 

「……っ!?」

 

 っ、な、俺気失ってた!?確か、優勝したもん、まで言ってから

 

「お疲れ様、ロコン君」

 

「──、……そうか。俺の敗け…………」

 

 仰向けに倒れている俺に、スッ、と手を差し伸べてくれる切嗣さんの手を取り、立ち上がる。

 

 しかし、敗けたか……。

 もう、ちょっとだったんだけど……悔しい。耐久力にはハゲ(将来)に鍛えられたから自信があったんだけど……まだまだ精進しなきゃいかんな。

 

 

 ま、けど、今の俺の全力を尽くしての結果だから仕方ない。むしろ精一杯戦えて清々しい気持ちでもあるし、だから、辛気臭い顔はやめるか。

 

 顔をほころばせて

 

「お手合わせ、ありがとうございました。こんなに良い試合が出来て、光栄です」

 

「ああ、こちらこそ。良い試合だったよ」

 

 本当に良い試合だった。充足感に満ちている。今後の課題も見えたし。勉強にもなった。

 

 っと、振り返る前に

 

「それで、えぇと、あの、っすね……途中にご迷惑お掛けして本当にごめんなさい」

 

「……あぁ、いいよ。だけど、後でクロの誤解は解いておいてね」

 

「はい……」

 

 そうして、俺の初の天下一武道会は準優勝という結果で幕を閉じたのだった。




ということで、パパさんに出演して頂きました!
折角の決勝戦ですから、強キャラに出てもらわなきゃと思いまして。
それにしっかりとロコン君の成長を促してくれる人だと思いましたので!(出場動機が考えやすかったらなんて、ち、違いますからね)

原作で、切嗣は娘に彼氏が出来たら排除するという描写があったそうですが、今作の切嗣は少しその辺は軟化したってことでどうかお願いします……。

プリヤイベント復刻やったーー!!!待ってましたよぉ!ヤッホォォ!!
ようやくクロがうちのカルデアに来てくれる……。
この時を待ってたんだ!
よーし!じゃあイリヤと美遊もお迎えしなきゃ!と思い、ガチャした結果!美遊はお迎え出来たんだけど……
イリヤをお迎え出来ず(T_T) いや、まだ期間はある……。まだまだ諦めませんよォォ!!
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