家族仲良く過ごしたい。   作:ト——フ

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其之二十で、ダーブラ様が何故地球にやってきたのかを書くのを忘れてしまっていました!
本当に申し訳ありませんm(_ _)m
真ん中のページくらいに加筆修正致しましたので、もしよければ読んで頂ければm(_ _)m


其之二十二 激突。

「ふふ、排除する、ねェ……。君の力は昨日目にしたが、私には及ぶまいよ。まぁ折角来たことだしサービスだ。

 どれ、かかってくるといい」

 

(あの男も使っていた赤いオーラの増強技を使う前は戦闘力1700といったところ。ふふ、さらに試合後の反応を見る限り多用出来る技ではないとみた。

 なら、戦闘力2000の私からすれば気をつけてさえいれば分がある)

 

 どれ遊んでやるとするか、と目の前の男は余裕の態度を取っている。

 構えもなにもなく、その手に杖を出現させ優雅な佇まいで構えるのみ。

 

 そんな隙だらけな相手に敵意の篭った目を向け

 

「……じゃあ、遠慮なく」

 

 瞬間移動で相手の懐に潜り込み

 

「——ッッ!?そうか!転移の使い手!!」

 

 驚愕している相手に容赦を掛けることなく、がら空きになっている腹部を目掛け、今の全力で拳をめり込ませる。

 

「——ッハが……く、なん……だと」

 

 これ程の力が、と驚きを露わにする。

 吐き出した息からは血が混じっており、ダメージの入りの深さが伺える。

 

 そんな相手へ向け、ぽつりと呟く。

 

「……俺たち種族は傷ついて復活する度強くなれる。

 現に昨日死にかけて無事回復したから、今はあんたより俺のが強いよ」

 

「な、貴様もしや人間では……!?」

 

 そんな相手の言葉を流し、そして、と続けざまに

 

「取り敢えず……この一発が切嗣さんの分」

 

 力とスピードを出来る限り乗せた全力の蹴りで相手を直線上に吹き飛ばす。

 

「……!!」

 

 間髪を入れずに、次の攻撃の態勢に入るため腰を落とし構える。

 

「そしてこれが……」

 

 腰に構えた掌に今出せる気を最大限に貯め

 

「クロを泣かせた分……!!」

 

 全開のかめはめ波を叩き込む。

 

「ぐっ、う、あおおおおおおお!!!!」

 

 かめはめ波の直撃により更に勢いを増して吹き飛び、後ろの壁に激突し、地面に墜落する。

 

(ば、バカな……明らかに昨日のレベルを超えているだと!?まだあの増強技は使っていない筈……だというのに私が!このような小僧に醜態を……!!)

 

「こ、こんのガキめがああああ!!!」

 

 認めるものかと叫びながら、顔つきを険しいものへと変え、勢いよく此方に飛び掛かってくる。

 

 しかしその途中、ドーナツ状の輪に身体を拘束され動きが止まる。

 

「なっ!?昨日の!!」

 

「……これが」

 

 空中で停止している相手の上空へと移動し、急降下する。その勢いのまま、斜めへと傾けた体勢で両手を組み合わせ、全力で相手の頭部へと振りかぶる。

 

「クロが受けた痛みの分……!!」

 

「——ッッ、う、ぐがあああっ!!」

 

 凄まじい勢いで急降下していく相手。

 それだけでは終わらせまいと、その落下地点に先回りし、

 追撃の準備に入る。

 

 これで最後だと、右手を掲げ技の態勢に入る。

 

「サタデー……」

 

 掌に雷撃の如く迸る赤い気弾を練り上げる。

 弟の愛用している技の一つであるこの技。

 

 威力は充分にある。

 が、なによりこの纏っている雷撃のようなスパークが相手に更なる衝撃を与えることが出来、二重のダメージを与えることが出来る。

 

 その掌に練り上げた禍々しく輝く光球を、勢いよく上空の敵に向かい振りかぶる。

 

「クラッシュ!!」

 

 ズォッ!という轟音を響かせ、相手に直撃する。

 直後、バチバチィッッ!と、感電したかのような音が響き渡る。

 

 暫くすると、ふらふらと力が抜けたかのように落下してくる相手。

 先程の攻撃の影響か、纏っていた紳士服は焼け焦げ、中の火傷した肌が露わになっている。

 

 流石にもう動けまい、と相手を見やると、身体を震わせ痙攣を起こしながらもゆっくりと立ち上がってくる。

 

「ふ、ふふ、よもやこれほどまでやるとは……」

 

「まだ立ち上がれるか……しぶといな」

 

「……仕方ない、癪ではあるが、奥の手を使わざるを得まい、か」

 

「……?」

 

 そう言うと、右の掌に宝石が出現する。

 それはクリスタルのように透き通っていて美しく。

 そして、左の掌にはスイッチが。

 何か企んでいる様子で、直感的にそのスイッチを押されてはマズイと思い、攻撃に移るも少し遅かった。

 

「ふふ、ふ、これぞ太陽を滅ぼす為の我らが切り札」

 

 ルシフェルがそのスイッチを押した途端、ゴゴゴゴ、と重音が響く。

 すると、後方にある壁を勢いよく突き壊し巨大な兵器が姿を現わす。

 

 ルシフェルの盾になるかの如くそれは、両者の直線上に滑り込む。

 

「そして、これがねむり姫の力!」

 

 現れた巨大な兵器に宝石をセットし、目の前の男の様子が一変する。

 

「な、急に気が上がった……!?」

 

「ふふふ、この兵器には「ねむり姫」の力を自らに付与する機能が搭載されている。まぁ、使用者により限度があるがね」

 

 得意げな表情で語るルシフェルの思わぬパワーアップに舌打ちする。

 なにより厄介なのは、先程与えたダメージも傷も回復していっているのが目に見えて分かる。

 

「さらに治癒能力もついってるって訳か……とんだチートだ」

 

「ふふ、ご明察。君から受けたダメージは回復された……ではこちらの番といこうか」

 

「——ッ、はや、っあが!!」

 

 言い切る前に相手の攻撃により地面に叩きつけられる。

 肺の中の空気が吐き出され、思わず怯んでしまう。

 

 その隙を見逃す筈もなく、攻撃の手は緩められない。

 

「そらそらそら!まだまだぁア!!」

 

 襟首を掴み上げられ、空中に放り投げられる。

 すると、さっきのお返しとばかりに

 

「ブラッディフレイム!」

 

 その掌に作られた赤黒い光球を上空の少年を目掛け放つ。

 

「——ッッぐ、あああああ!?」

 

 見事直撃し、ダメージをモロに受けてしまう。

 

 くっそ、あまりの勢いにやられっ放しだ。

 しかし現に相手は大幅に力を上げている。

 今のままじゃ抵抗すら厳しいだろう。

 

 何かないか、と急いで頭を巡らせていると、ふと言峰さんから頂いたものを思い出す。

 

 ……そうか、脳筋な考えかもしれないけど……今はこれしかない。

 

 そうと決まれば行動だ。

 

 袋を開き、仙豆を半分齧り口の中に含む。

 もう半分は袋に直しておく。

 

 奴が戦闘力を上げたのなら、こちらも同じことをするしかない——

 

「ふぁい、ほぉう……へん二ばい!!」

 

 心の中で言えばいいものを、つい癖で技名を口ずさんでしまったので、口の中の仙豆を噛まないよう気をつける。

 

「ッッ貴様!その技は!!」

 

 たちまち赤いオーラに身体が包まれ、戦闘力が上昇する。

 だが、身の丈に合わない技の行使により、身体が悲鳴を上げ始める。

 

 相変わらず全然なれない。身体の節々が痛みに苛まれ苦しい。

 

 だけど今はやるしかない。

 

「……ッッ!!」

 

「ぬっ、ぐぅうう!!」

 

 勢いそのままに相手へと接近し、攻撃を仕掛ける。

 が、相手もそれに応じて対処してくる。

 

 多分、今の俺と奴の戦闘力はほぼ互角。

 じゃあ、技量の差が勝利に繋がる、ってところか。

 

 そうして両者互角の攻防を繰り広げた訳だが、先に界王拳の反動で俺の体力が大きく減衰し、劣勢へと陥っていた。

 

「無理もあるまい、貴様にはまだその技は早すぎたのだ。二倍ですら、重症に繋がり病院送りにされたのだからなァ!!」

 

 これで沈め!と顔面に右ストレートを入れようと振りかぶる。

 

 勢いよく突き出された拳は少年の顔へと進み、ルシフェルは内心勝ちを確信する。

 

「ここまでよくやったと褒めてやろう!終わりだぁ!」

 

 その瞬間カリッという咀嚼音が響く。

 すると、突き出された拳を少年の手が掴み上げる。

 更にそのまま腕を引き寄せて相手の体勢を崩し、お返しに顔面へと拳を叩き込む。

 

「貴様……何故回復を!?」

 

「まぁ、ちょっとね」

 

 お気づきかもしれないが、タネは簡単で口に含んでいた仙豆を食べたのである。

 

 今の俺なら二倍の界王拳でさえ身体がぶっ壊れてしまい、長期戦が不利なのだ。

 なら、身体が壊れる度に直すしか方法は無い。

 

 正直心身ともにしんど過ぎるから、出来ればやりたくないんだけど……なりふり構ってられない。

 

「さて、見た所あんたはそれ以上にパワーアップは図れないとみた。そして動きも大体見慣れてきた。だから……」

 

 次で最後にする!

 

「2.……5倍ぃい゛い゛!!」

 

「ッッ!ま、マズイ!」

 

 速攻で終わらせる!!

 

 瞬間移動で相手の背後に移動してから畳み掛ける。

 すかさず相手も応酬するも、俺の方が優勢。

 出来る限りの攻撃で速攻の攻撃を仕掛けていく。

 

「ハァッ、ハァッ」

 

「は、あぁ、くっ」

 

 が、相手は例の兵器のバックアップにより、幾ら叩いても倒れない。

 

「ふふ、ふ……貴様の攻撃は確かに凄まじい……が、幾ら強くてもねむり姫の恩恵により私へのダメージは回復する。このままではジリ貧だと気づかんのかね?」

 

 確かにそうだろう。

 幾ら強い力を持っていたとしても、回復する相手に考えなしに突っ込んで勝てる訳もない。

 

「だろうね……だから、そのねむり姫には消えてもらう」

 

「なに?」

 

「2倍で戦ってる時はお互い実力が拮抗していて他のことまでしてる余裕なんか無かったけど、2.5倍なら話が違う。

 あんたとやり合ってる間に、例の兵器の所に気弾を仕込んでおいた」

 

 そう、いつでも起爆出来るように裏で設置しておいたのだ。

 後は、爆発の影響がクロに及ばないように安全な場所へ移動すればいいだけだ。

 

「ねむり姫さえ無ければ、あんたの状態は解除される。

 だから——この勝負、俺の勝ち」

 

 そう言い放った後、2.5倍で傷ついた身体の状態を戻す為に残りの仙豆を袋から取り出し咀嚼する。

 気弾の設置に思ったより時間が掛かり、身体への負荷が予想以上に掛かった為、仕方がない。

 

 さて——

 

 勝つ為の布石を打った。2.5倍の戦闘力は相手を上回っていて充分。そして残り半分の仙豆を食べて身体もマシな状態にまで回復した。

 自分の打てる手札を使い切り、ここまで勝つ為の算段は整えた。

 

 あとはクロを安全な場所に移動させるだけだと行動に移そうとした時——目の前の男が突然笑い声を上げ出した。

 

「ふっふっふ、そうだな。確かにそうだ。

 ねむり姫を破壊でもされたら私に勝ち目が無い」

 

 発言の内容の割には、目の前の男は涼しげな顔をしている。

 まだなにか企んでいるのかと思い、こちらも気を緩めずに相手の発言を待つ。

 

「だが、ねむり姫が破壊されるなど……起こりはしない」

 

「……言っとくけど、宝石の一つや二つ、やろうと思えば幾らでも」

 

「そうじゃない。そうじゃないんだよなぁ……」

 

 くっくっくっ、と笑いを押し殺しながら、続く言葉を発する。

 

「確かに貴様の力ならば、ねむり姫を破壊することは容易いだろう。

 ——だがそれでも、貴様が貴様である限り、私が行ったことへの憤りを感じた貴様である限り、なによりこの場へと赴き、私と対峙している貴様である限り、ねむり姫は破壊されることは無い」

 

「……」

 

 要領を得ない相手の言葉にどういうことか、と混乱する。

 この場でハッタリをかましているのかと思ったが、様子を見る限りそれは無さそうだ。

 

 ならば一体、他に切れる手札でもあるのか、と訝しむ。

 

「まぁいいだろう……教えてやろう。勿体ぶって貴様がねむり姫を破壊でもしたら、私の身は危ないのだからな」

 

 それはこの状況を覆せるくらいの情報なのだろうか?

 その内容がどのようなものでも、自分は目の前の敵を倒す為ならば行動に移せるだろうが、と考えていたのだが

 

「貴様の壊そうとしているねむり姫だが、その正体は……貴様の今戦っている理由でもある——」

 

「……は?」

 

 いや、まさかそんな……あり得ないだろ。

 きっと俺が想像した答えは違う。

 もしそうならば、本当にもう手出しが出来なくなるのだから。

 

「お友達なのだよ」

 

 その発言は、俺の勝ち筋を潰すには充分すぎる内容だった。





ロコン戦闘力1700(天下一武道会時点)
 格上の相手との闘い。
 界王拳二倍で身体が悲鳴あげるレベルなのに、無理して三倍まで使い体中ガタガタになる。
 ⬇︎
 ほぼ瀕死状態から言峰の治療で回復
 ⬇︎
 戦闘力2600に上昇(現時点)

って感じの変化です。

 ちなみに小ネタですが、原作のラディッツが上空の悟空に放った技がサタデークラッシュでして、今回主人公も同じタイミングで使用しました。
 やっぱり兄弟だなぁって思わせるシーンが欲しかったので、この技の採用となりました。あと単純に格好良い技なんで。
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