綺麗な花には毒がある   作:羽沢ちゅぐみ

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朝起きたらいきなりUA300超えてて震えました:(;゙゚'ω゚'):もう一つの分は4話でまだ280なのに...
先に紹介しておきます この作品はBanG Dream!のifのお話となります
今のところー ポピパとかロゼとか他のバンドの子たちも出すかどうかは未定です


妖艶なる毒牙

「ねえ!ちゃんと答えて!あの明日香って人は何なの?」

 

困ったことになった......前回の続き、つまりは放課後に同じクラスになった美竹蘭と一緒に帰ることになったんだが、いきなり明日香とはどういう関係なのかとかいう類のことを聞かれる。

 

「だから、本当に中学三年間同じクラスだったってだけだって。あいつとはそれ以上のことはねーよ」

「でもしゅーくん、あんなに仲良さそうに話してたじゃん!それに私の事忘れてたし......あんなことまでさせといて...」

 

あんな事ってなんだよ気になるじゃねーか!?え?俺はこの美竹蘭に何かしたってのか?

 

「あれ?蘭ちゃん?」

 

前から可愛らしい女の子が歩いてきた。蘭の知り合いのようだ、どこかの店の制服を着ているし買い出しだろうか

 

「つぐみ?どうしたの?まだ店の時間のはずだよね」

「うん!ちょっとお母さんに頼まれてお使いにね。それより、そっちの人は?」

 

くりっとした目をこちらに向ける。なんか女の子って感じがする雰囲気だ、こういう子が彼女だったらなぁ...

 

「こ、こんにちは、美竹さんと同じクラスの三ノ輪修です...」

「こんにちは!蘭ちゃんと同じクラスって事はひまりちゃん達とも同じクラスかー。私は羽沢つぐみ、A組だから学校でも会えるかもね!」

 

純粋な笑顔に心を撃ち抜かれる、あぁ...可愛い。明日香や美竹さんも見習ってほしいものだ。

 

「あ、蘭ちゃん、お母さんから今度の土曜日のシフトなんだけど......」

「ん?何?」

「その...ホールと厨房変わってもいいかって」

「うん、別にいいけど」

「ありがとう!伝えとくね」

 

なんかシフトとか聞こえたけど美竹さんもバイトしてるみたいだな。んー、俺もはじめてみような...特にすることも無いし、金も稼ぎたいし。そういやうちの学校ってバイトして良かったっけ?

 

「じゃあ、そろそろ私戻るね!蘭ちゃん、また明日ね!」

「うん、また明日」

「三ノ輪くんも、また学校でね!」

「おう、気をつけて」

 

俺達は手を振って羽沢さんを見送った。振り向きざまに俺に何か獲物を狙うような視線を送った気がしたが気の所為だろう

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「三ノ輪修くん......ね、ドキドキしてあまり話せなかったなぁ」

 

見えなくなったところで私は立ち止まってさっきの人の顔を思い出す。胸は張り裂けそうなくらい高鳴っている。

 

「かっこよかったなぁ......蘭ちゃんと仲良さそうだったけど...」

 

まだそこまでの関係には見えなかった、同じクラスじゃないのが恨めしい...

 

「よし!頑張ろう!」

 

ボヤいてても仕方ない、まだ知り合ったばかりだしこれからこれから!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なあ、さっきの子とは中学の時から友達だったのか?」

「うん、幼馴染。小さい頃からずっと一緒」

「そうか、じゃあ朝一緒に来た他の3人も?」

「うん...私たち5人小さい頃から小学校も中学もずっと一緒だった」

 

そんなに長くいるのか、少し羨ましいな。俺にはそういう奴がいない、というかそもそも友達が少なすぎて思い出しただけでも泣けてきた。

 

「けどさっきの子可愛かったよなぁ、バイトってどこのバイトなんだ?」

「喫茶店...」

「へぇー、喫茶店か...なんか楽しそうだな」

「別に...」

 

ん?心なしか元気ないっていうか、怒ってる?

 

「どうしたんだ?」

「なんもない」

「いやでも...」

「何もないってば!」

 

本気で怒鳴られた......わけわかんねえ、何かまずい事でも言ったか?でも心当たりなんて無いし

そこから美竹蘭は無言になってしまった、俺も気まづくて話しかけられないし、俺達の間に微妙な気が空気が流れていた

 

(わっかんねえな...何がいけなかったんだ?)

 

考えるが思い当たる節が全くない。そもそもそこまで話もしてないし怒る要素なんてどこにも無かっただろ......

 

「着いた」

 

いつの間にか住宅街の方まで来ていた。俺達がいるのはその中でも広い土地を持つ屋敷の前。

 

「ここが美竹さんの家か?」

「うん」

 

いやここって確か金持ちが住んでるって噂の家だろ?もしかしてこいつはお嬢様とかいうやつなのか?

 

「そうか、じゃあ俺はこれで...」

「何言ってんの?」

 

腕を掴まれた。何言ってんのってそりゃ送り届けたんだから帰るに決まって......

 

「うち、上がってって」

「はい?」

 

そのまま引きずられるように中へと連行された。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

幸いにも親御さんは出かけているらしく家の中には俺と美竹蘭の二人きりだ......いやそれはそれで問題があるんだが?

 

「ここで待ってて、動いたら許さないから」

「は、はい...」

 

そう言って俺を居間に残してどこかへ行ってしまった。いや、どういうことだってばよ......とりあえず状況を整理しよう、俺は放課後に女の子と帰る約束をして、約束通りその女の子と一緒に帰りその子の自宅まで送り届けた、それまでは普通だ、何も問題は無い。問題はそこからだ、いきなり家の中に連れ込まれて乾いた花の匂いが充満した畳の部屋で1人放置されている。わからん......あの子が何を考えてるのかなんで連れ込まれたのか全然わからん。とりあえず動くなと言われたから言う通りにはしよう、部屋には...特に何もないか、ちょっとかっこよさげな虎の掛け軸が掛かってる、あれいくらするんだろうか?

そんなことを考えながら俺はその部屋でくつろいでいた。しばらくすると美竹蘭は戻ってきた。

 

「ごめん、お待たせ。こっち来て」

 

蘭に着いて行くと綺麗に片付いた女の子っぽい部屋に連れてこられた。ん?女の子っぽい部屋?もしかして...

 

「ここって...美竹さんの?」

「うん......ちょっと散らかってたから、片付けてた」

「い、いやけど...俺男だしいいのか?まだ知り合ったばかりの男を自分の部屋に入れるとか...」

「しゅーくんだったら、いいよ」

 

おい待て、頬を赤らめるな!なんか変な意味に聞こえるだろうが!

そのまま部屋に押し込まれるように入れられて渋々俺はフローリングの床に座る。しかし、割と普通の部屋だ。もうちょっと豪華な部屋だと思ってたがそうでも無かった。

机の上の写真に目がいった、5人の女の子が楽器を持ってる写真だ。真ん中は...美竹さんか?

 

「ねえ、その......しゅーくんは本当にあの明日香って人とはなんでもないんだよね...?」

 

美竹さんがおもむろに口を開いた、少し気にはなったが写真から意識を彼女へと向ける。

 

「だから何回も言ってるだろ?あいつとはただの腐れ縁だ、そもそもあいつを女として見た事ねーよ」

「本当に......?」

「本当だって」

「そっか」

 

なんか嬉しそうに笑ってる、何なんだ?情緒不安定な女子だな.....ちょっと怖くなってきた、何とかしてこの場を切り抜ける方法を...

 

「ねえしゅーくん...覚えてる?私たちの約束...」

「はい...?約束?」

 

雰囲気が変わった、というよりその場の空気が変わった。

 

「うん...約束、私たちが小さい頃にした約束」

「えっと......」

 

覚えてる....多分あの事だろう。俺が、顔も覚えてない小さい女の子と交わした、『結婚』の約束。けれどそれを口にすることが出来なかった。

 

「本当に......覚えてないの...?」

「うん...すまん......うっ...!」

 

強い衝撃、目の前に見えるのは殺風景な天井と美竹さんの顔。押し倒されたと気づくのに一瞬時間がかかった。

 

「は...?えっ...?」

「しゅーくん.......私本気だったんだよ...?ずっと忘れた事なんて無かった」

 

どういうことだ!?なんで押し倒されてんだ?そしてこの人は何を言ってるんだ?状況に全然頭が追いついてこないんだけど!?

 

「ま、ま、待て待て!とりあえず落ち着け!」

「私は落ち着いてる.......それより、責任取ってよ...私こんなにしゅーくんのこと好きなんだよ?」

 

そして彼女に、唇を奪われた。俺のファーストキスが、こんな雰囲気もクソもない形で奪われるなんて誰が予想しただろう。味なんてわからんしそもそも頭なんて真っ白になって気づいた時には美竹蘭のほのかに赤みがかった顔が目の前で俺をうっとりとした表情で俺を見つめていた。

 

「私、しゅーくんのことが好き...世界で一番好き...誰よりも好き」

「あ...え...う......」

 

上手く言葉が出てこない、唇は震えて体は蛇に睨まれたカエルのように動かすことが出来なかった。

怖い、女の子と部屋で二人きりでキスまでされたのに俺の頭の中は恐怖で支配されていた。

 

「私の、恋人になってくれるよね...?」

 

彼女からの告白、はじめてのことなのにこんなに怖くて嬉しくない告白はそうそう無いだろう。美竹蘭の目からはハイライトが消えてどす黒い闇のような目が俺をその瞳に写す。

 

俺はただ頷くことしかできなかった。

 

(もう、どうでもいいや...)

 

全部諦めるしかない、彼女からは絶対逃げられないんだから。

なんでかって?そりゃあ、俺のポケットに答えはあったよ。

俺の携帯がいつの間にか彼女の手にあるんだから。

 

「しゅーくん、愛してるよ」

 

彼女は微笑む

だがその顔は歪な笑顔

 

「ゼッタイニ、ニゲラレナイカラ」

 

綺麗な花には棘があるとはよく言ったものだ

しかし、彼女は棘は棘でもただの棘ではない

 

「アイシテルヨ」

 

彼女の棘には、俺を殺す毒がある




良かったら感想等コメントよろしくお願いします_(┐「ε:)_
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