継の軌跡(一時凍結中)   作:無限ループ

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遅くなりましたが風邪がだいぶ治ってきたので投稿しようと思いました。という事で書いていきます。それではどうぞ。読んでやってください。

嬉しくも驚いた事が一つあるんです。風邪をゆっくり治してと言ってくださったり感想をくださった読者様にも感謝していますが…

2019年2月17日(日曜日)の時のお気に入りが32件。

涙が止まらないです。嬉しくて…嬉しくて!

こんな自己満足な二次小説ですがゆっくり頑張って書いていきます。本当にありがとうございます。それでは。今回の話は短いかもしれませんが…どうぞ!

2019年6月23日 サブタイトルを変更しました。


第1話 七耀暦1206年 4月15日 まだまだ先は遠く(前編)

七耀暦1206年 4月15日

 

Ⅶ組・特務科が発足して2週間は経った。レベルの高い実技と座学をカイスは疲れる様子を見せず楽しそうに経験や知識を吸収し更に研鑽するので真面目で文武両道な生徒として周囲からも認識されていた。

 

だが教官達も他の生徒にも疑問があった。

なぜ文武両道でここまで出来る事が多いカイスは名を知られていなかったのだろうか…と。

 

彫金師イングヴァルトという父親の傍にいて目立たなかったのだろうと考える。

だが教官に生徒達は更に疑問が残った。今まで隠しておいて何故士官学院で隠すのを止めたのだろうかと。

 

その疑問は当然カイスと父親ラクスしか知らない。

 

「カイス、第Ⅱ分校に通いたいならなるべく覇王流も実力も隠さずに入学すべきだ。隠し通す事もできるかもしれんが実力を隠さずに入学した方がまだ警戒され過ぎずに生活できるだろう。そうやってお前らしく戦ったり勉強したりするべきだ」

 

「…それに、分校長としておっかない女軍人さんもいるみたいだしな。その分校長さんに追い掛け回されて本気を出さなきゃいけない事になるなら最初から実力を示した方が良いだろう。どうせバレるんなら最初からバラしとけ」

 

「お…おう、分かったよ親父。覚えとく」

 

 こんな会話があったから隠すのを徐々に止めただなんて誰も知らない。

…知らない方が良い事もきっとあるのだ。

 

 

ー~ー~ー~ー~ー~ー~ー

 

 

寮での生活も慣れたカイス。早起きして朝の鍛錬を早々に終わらせ一度寮の部屋に戻る。早めに身支度を整えて外もまだ薄暗い時間から太陽が昇り人々に一日の始まりを伝える時間までひたすら趣味の彫金をする。

 

彫りという鏨を使って地金を彫り模様等を入れるという彫金技法でひたすら決めていた模様を無地の鉄の指輪に彫り続ける。その作業を邪魔する事は誰であろうとできないのではないかと言わんばかりに集中していた。

 

だがそろそろ寮を出るべきかと彫金を中断し道具を定位置に置いて収納し鉄の削ったゴミを片づけた。そして寮を出ようと廊下に出ると同じⅦ組のクラスメイト達三人がカイスの出てきた部屋を目指して歩いてきていた。どうやらカイスを探していたらしい。

 

「おはよう、もしかして探してた?」

 

カイスはやってしまったという表情で質問した。

 

「まぁ探してたのかな…

 同じクラスだし偶には一緒に登校しようかと誘いに来たんだ」

 

「あー…なんというか。探させてごめん。俺も一緒に登校していいか?」

 

「勿論!その為に呼びに来たんだから!」

 

「しかしこの時間まで部屋で何をしていたのですか?

 もう準備は済んで部屋にいたと私は記憶していたのでその時間の行動が気になります」

 

「「ちょっ!?」」

 

アルティナは単刀直入に聞いた。確かにユウナとクルトも何故今まで早めに登校していたのに今日に限って少し遅いのか。

 

それが気になっていない訳ではないのだが余りにも直球な聞き方なのもあってか、

クラスメイトという関係がこの会話で少し拗れるのではないかと二人は少し焦った。

しかし杞憂と一目で分かるようなカイスの苦笑と冷静な返事によってその心配は消え去る。

 

「直球だな…まぁ確かに登校する支度は済んでいたんだけど、

 趣味に集中しすぎて気づけばこの時間だったってだけだよ」

 

「成る程。いきなり失礼しました」

 

「まぁいつも早めに登校してたから聞かれてもおかしくないし別に気にしてないよ。

 この程度気にしてたら…親父の親バカな言動でこの第Ⅱ分校に来る前に…うん。

 胃に穴が空いてるだろうし。嬉しいんだけど常識ぶっ壊してるからなぁ親父は…」

 

とんでもない事を言うカイスの表情は何もかも諦観した表情で死んだ魚のような眼になった。そんなカイスの様子に何とか苦笑いするユウナとクルト。

 

アルティナは首を傾げている。

 

「あはは……」

 

「そ…そうか」

 

「…?」

 

「脱線してゴメン。それじゃあ遅れるのもマズいし行こうか」

 

カイスは話を区切り四人は寮を出て歩きながら会話を続け、

ユウナとクルトが近郊都市リーヴスを褒めるとカイスは嬉しそうに微笑む。

 

「リーヴスって雰囲気もあって良い街よね~。

 のんびりとしながらセンスのいい店も多そうだし」

 

「ああ……田舎過ぎず都会過ぎない街というか。帝都からそう遠くないから程よい距離感なのかもしれない」

 

「俺としては生まれ育った街だからリーヴスを褒められるのは嬉しい」

 

「以前は、とある貴族の領地だったそうですね。その貴族が手放した後、別荘地が造成されたものの、諸般の事情で頓挫――その跡地が第Ⅱ分校に利用されたとか」

 

「流石情報局って所かな。

 親父から聞いた話だとカプア男爵家という貴族さん達が、

 詐欺で領地を失って爵位も剥奪されてまったらしい。

 でも開発計画も頓挫して数年間放置されてたんだ。

 いきなり軍学校が新設されたから驚いたよ。」

 

カイスとアルティナが詳しく説明するのもあって歩く足も止まってしまったユウナとクルト。

リーヴス出身のカイスと情報局出身のアルティナ達は説明を苦笑しつつも聞く。

 

「流石に詳しいわね…」

 

「なるほど、それで都合良くあの規模の分校が作れたのか…」

 

世間話で親睦を深めつつ登校する足を止めない四人。

その後も雑談しながら歩いていたがユウナによって話の話題が、

少し真面目な話になった。

 

帝国の士官学校がここまでハードとは…

そう愚痴を呟くユウナにクルトは名門トールズであるならば、

第Ⅱ分校であれど文武両道の精神も変わらないのだろうと言う。

そしてアルティナは本校の方が大きく変わり始めていると呟く。

 

クルトはその呟きに反応しようとするが何も知らない訳ではない。

少なからず自分とも関わりがある話に言葉や足も止まってしまうクルト。

 

その話にユウナは首を傾げつつも気合を入れなきゃと自分に言い聞かせるように言ってその話題を終わらせた。

 

そうして校門の近くにまで辿り着いた四人だったが、

ここで四人を茶化すように声を掛けられる。

 

「ハッ。選抜エリートが仲良く登校かよ…」

 

「貴方は…」

 

「えっと、確かⅧ組・戦術科の…」

 

「…む」

 

「……おはよう。僕達に何か要件か?」

 

その青年はいかにも不良という雰囲気を纏いつつもその雰囲気や金髪さえも含めて整った容姿をしている。そんな青年が喧嘩を売るように挑発し始めた。触れてはいけないような話題を敢えて言う辺り性質が悪い挑発である。

 

「クク…いや、別に?

 ただ、噂の英雄のクラスってのはどんなモンか興味があってなァ。

 Ⅶ組・特務科。さぞ充実した毎日なんじゃねぇか?」

 

「「…………」」

 

「悪いが、入ったばかりで毎日大変なのはそちらと同じさ」

 

「そうね。あの人のクラスだからって今の所カリキュラムは同じなんだし」

 

「だったらどうして、わざわざ別に少人数のクラスなんざ作ったんだ?

 明らかに歳がおかしいガキや女顔のチビもいるし、

 毛並みの良すぎるお坊ちゃんもいる。

 曰くつきの場所から来たジャジャ馬の留学生もいるしなァ。

 おっと悪い。留学生じゃなかったか?」

 

「ッ……」

 

「…チビで女顔だァ?この野郎俺が凄く気にしてる事を単刀直入に言いやがって。

 腹立つがこのまま付き合ってたら遅刻す…クルト?」

 

「無用な挑発はやめてほしいんだが。

 言いたい事があるならいつでも鍛練場に付き合うが?」

 

「クク、良いねぇ。思った以上にやりそうだ。

 だが生憎、用があるのは…」

 

「(コイツめんどくさい奴だな。リィン教官に用事があるみたいだが。

 ん?少し遠くから歩いてきてた気配が近付いてくる。数は一人。

 こちらに視線を向けながら接近している…その少し後ろに教官達二人もいるな。

 この学校は本当に俺も含めて個性が強い人達ばかり。

 っていうか今のままじゃ本当に遅刻しそうなんだが…)」

 

「うふふ、仲がよろしいですね」

 

「「「「っ!」」」」

 

「まぁ…ある意味仲は良いよな。多分」

 

背後から近付いてきたのはⅨ組主計科のミントのような色の綺麗な髪の少女。

美しく気品のある挨拶により険悪だった雰囲気は有耶無耶になった。

 

「ふふ、おはようございます。気持ちのいい朝ですね。

 ですがのんびりしていると予鈴が鳴ってしまいますよ?」

 

「確かに…」

 

「そっちはまだ絡んでくるつもり?」

 

「クク……別に絡んじゃいねぇって。

 そんじゃあな。2限と4限で会おうぜ」

 

そう言いながら不良っぽい青年は校門の先へと歩いていった。

ミント色の髪の少女も1限、3限、4限でよろしくと言って校門を通っていく。

ユウナは思わず金髪の不良青年に愚痴をこぼすが、予鈴も鳴ったので急いで四人は教室に向かう。

 

何とかホームルームに遅れずに着席できてカイスも一安心した。

入学して2週間。まだまだ翼も脆弱な雛鳥達。

そして本鈴が鳴ってトールズ第Ⅱ分校の新入生達は多くを学ぶ。

1日は始まったばかり。今日も一つ一つ努力積み上げていくのだ。

カイスも新しい事を学ぶ事を楽しむ姿を今日も他の生徒達から苦笑されるのだった。




とりあえず前編が書き終わりました。しばらくまた間隔があきますがこれからも頑張ります。

そう言えば何故オリ主の名前がカイスなのかと言えば…

ストラトス

成層圏



スカイ

少し弄ってカイス

みたいな感じです。安直ですね。それではまた次回もゆっくり読んでいってください。
此処まで読んでいただきありがとうございます。では!
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