ウルトラブライルーブ!サンシャイン!!   作:焼き鮭

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※今回は拙作『やはり俺がウルトラマンジードなのはまちがっている。』を読まれていないと話が理解できない部分が多くあります。どうぞご了承下さい。



彼らのSTART:DASHはまちがっているのか。(A)

 

\前回のウルトラブライルーブ!サンシャイン!!/

 

???「自分で事故の原因を作ってヒーローを装う偽りのウルトラマン、オーブダーク。高海兄弟は猛特訓の末に、この偽者を倒すことに成功した。……しかし、二人がかりでようやく勝ててるようでこの先大丈夫なのか? ちょっと試してみるか……」

 

 

 

 内浦の町外れにある、人が寄りつくことのない山間部。

 

『――うわぁッ!』

『ぐわぁッ!?』

 

 ここで今まさに、ロッソフレイムとブルアクアが窮地に陥っていた。

 二人の攻撃を寄せつけず、圧倒的な破壊力で追いつめる巨大怪獣が、大口を開いて咆哮を発する。

 

「ヴォオオオオオオオオオオ!」

 

 青い身体に、背面に翅と、腹部に縦列に牙が並んだ怪獣。その名もキングオブモンス! その巨体から繰り出される圧倒的パワーに押され、ロッソとブルは既にカラータイマーが点滅するほど消耗していた。

 

『くそッ、こいつ何て強さだ……!』

『このまんまじゃやべぇぜ、克兄ぃ……!』

『こうなったら、俺たちの力を合わせるしかない! 行くぞ!』

『ああ!』

 

 ロッソとブルは一発逆転のために、腕をそれぞれ十字とL字に組んだ。

 

『フレイムスフィアシュート!』

『アクアストリューム!』

 

 火炎弾と水の奔流が同時に発射される!

 が、その瞬間にキングオブモンスは羽からバリアを発して全身を包み、二人の攻撃を完全に受け流した。

 

『何!?』

『マジかよ!』

「ヴォオオオオオオオオオオ!」

 

 動揺するロッソたちに、バリアを解除したキングオブモンスが口からクレメイトビームを放つ!

 

『『うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』』

 

 すさまじい爆発を引き起こす光線によって、ロッソとブルは弾き飛ばされた。

 

「ヴォオオオオオオオオオオ!」

 

 倒れた二人に、キングオブモンスがドスドスと地面を揺らしながらにじり寄ってくる。

 

『ま、まずい……!』

『万事休すかよ……!』

 

 立ち上がることもままならないロッソとブルは、せめて少しでもダメージを軽減しようと身構える。

 だが、もうこれまでと思われたその時に、キングオブモンスの身体がいきなり光に包まれて小さくなっていく。

 

『『は……?』』

 

 カード型の光にまで圧縮されると、そのままどこかへと飛んでいって消えていった。

 

『な、何が起こったんだ……?』

『さぁ……』

 

 突然の出来事にロッソとブルは全く呑み込むことが出来ずに、ポカンとするばかりであった。

 

 

 

 ――キングオブモンスが変じたカード型の光は、何者かの手が握る長方形の箱型の装置に吸い込まれていった。三つの窓が並ぶ、奇妙な機械だ。

 キングオブモンスを回収した手の主は、ハァと深いため息を吐き出す。

 

「全く……あんな調子じゃ、先が思いやられるな。……よし」

 

 正体の知れない男は一人ごちると、何かを思いついてうなずいた。

 そして、独特なデザインのサンダルを履いた踵を返して、山林の奥へと消えていった。

 

 

 

『彼らのSTART:DASHはまちがっているのか。』

 

 

 

 『四つ角』。どうにか命を拾って帰ってきた克海と功海は、千歌以外のAqoursメンバーを交えながら先ほどの戦いの反省会を行っていた。

 

「さっきの怪獣、一体どこに消えたんだろうな?」

「まさか、またサルモーネの仕業じゃ……」

「そんな……! こないだやっつけたばかりなのに!」

 

 梨子や曜はその可能性を危惧する。

 

「分からん。ただ一つだけ言えるのは、今までそうだったように、あの怪獣もきっともう一度現れるだろうってことだ。それまでに対抗策を考えておかないとな」

 

 そう述べた克海が、真剣な面持ちで功海に向き直った。

 

「功海。俺たちはオーブダークを倒すための特訓から、定期的にトレーニングをするようになったが、まだまだ付け焼き刃だ。ある意味、ようやくスタートダッシュを切ったようなもの。ああいう怪獣を難なく倒せるようになるまで、もっと力をつけないといけない」

「分かってるって克兄ぃ! 俺だって今は本気さ! この綾香市を守れるのは、俺たちしかいねぇんだからな!」

 

 強い気持ちを乗せて克海に応じる功海。それまではウルトラマンとしての自分たちをどこか軽く考えていた彼だが、オーブダークとの激闘を通じてこのことを重く受け止めるようになった。

 と、オーブダークの名前が出たことで、善子が思い悩むように口を開いた。

 

「ところで……あのサルモーネの奴、どうにかならないかしら。一度天誅を下したとはいえ、その後も変わらず人間界に野放しのままよ。あれで懲りたとは思えないし、いずれまた何かしでかすんじゃ……」

 

 それにダイヤも顔をしかめながら返答する。

 

「懸念は分かりますわ。ですが……残念ながらあの男には社会的地位がありますし、悪行を証明する手段がありません。大企業の社長が、ウルトラマンに変身して自演行為を働いていたなど、誰が信じるでしょうか。彼が利用するために集めていたというスクールアイドルも、そのことは誰も覚えてないようですし、特待生コースも形としてあります。証拠がないということですわ」

「下手に手を出したら、俺たちの首が締まるだけだな……」

 

 克海がうなり、功海も悔しげに頭をかきむしった。

 

「あーくそッ! 歯がゆいぜ……!」

「ぴぎぃ……」

「ずら……」

 

 ルビィと花丸も目を伏せる。

 空気が重くなるのを、吹き飛ばすように果南が声を上げた。

 

「あいつのことなんか考えてたってしょうがないよ! 克兄ぃたちの行動で救われた人たちがいるとか、もっと明るいことを考えよう! たとえば、Saint Snowの子たちとか」

 

 果南の言葉でルビィたちが顔を上げた。

 

「はい! 騙されてたあの人たちを助けられて何よりです!」

「思ったよりも礼儀正しい人たちだったずら」

 

 と花丸が苦笑を交えた。

 

 

 

 函館に帰るSaint Snowを克海たちが見送りした際に、聖良は彼らに向かってこう告げた。

 

『私たちは、A-RISEやμ'sと同じ場所に立つためには勝つ以外にないと思っていました。ですが……勝っていくことにこだわるあまり、あの男の本性に気がつけませんでした。恥ずかしい限りです』

 

 反省の意を示した聖良は、深々と頭を下げる。

 

『あなた方の熱意、見させていただきました。これまでの失礼は全てお詫びします』

 

 聖良の隣の理亞も、ぎこちないながらも頭を下げて克海たちに謝罪したのであった。

 

 

 

「……今度は、スクールアイドルの舞台で競い合いたいよね」

「今度は私たちも負けないわ!」

 

 曜と梨子が意欲を燃やしていると、

 

「ねーねー、みんな集まって何話してるの?」

 

 この場に千歌がひょっこりと現れたことで、克海たちは思わず慌てふためく。

 

「あッ! ああいや、ちょっとみんなに夏祭りのライブ良かったって……」

「も~、チカっちったら何言ってるのぉ?」

 

 克海がごまかしかけるが、鞠莉が千歌の後ろに回って肩に手を掛けた。

 

「ほえ?」

「そんなの決まってるじゃない。もちろん、ウル……」

「わぁー!!」

 

 鞠莉の言いかけた言葉を、梨子と曜が大声を発してかき消し、彼女の腕を左右から捕らえて千歌から遠ざけていく。

 

「鞠莉さん、ちょっとこっちに!」

「? 梨子ちゃん曜ちゃん、どうしたの?」

「な、何でもないんだ! 何でもないぞー千歌」

 

 首を傾げる千歌に、わたわたと手を振って注意をそらす功海。その間に、梨子たちが鞠莉にヒソヒソと囁きかけた。

 

「駄目ですよ……! 千歌ちゃんは、知らないんです! 克海さんたちのこと……!」

 

 それを聞いて、鞠莉がポカンと口を開く。

 

「え? 嘘でしょ? もう私たちみんな知ってるのに……よりによってチカっちだけ」

「千歌ちゃんだからこそです! 功兄ぃたち、千歌ちゃんだけには秘密にしてくれって……」

「千歌ちゃんにだけは、心配かけたくないからって……。だから、鞠莉さんもバラさないであげて下さい。いいですか?」

「まぁ、そういうことなら……。だけど、克海たちは本当にそれでいいのかしら……」

 

 鞠莉は承知しながらも、困った顔で千歌を必死にごまかす克海と功海を見やった。

 

 

 

 翌日。梨子と曜が一番にスクールアイドル部の部室へとやってくる。

 

「今のところ、怪獣は現れてないみたいだね」

 

 部室に向かいながら、曜がスマホで、ネットの怪獣情報を確認した。梨子はうなずきながら言う。

 

「もしまた出てきたら、克海さんたちのところへ急いで一緒に戦いましょう。この町は大事な場所……私たちの手で守らないと」

「うん! ……だけど」

 

 了承しながらも、曜はあることを気に掛けた。

 

「そうやって私たちが何度も抜け出てたら、千歌ちゃんも怪しむんじゃないかな……?」

「そうは言っても、他にやりようがないわ。でも、確かに隠し通せるかしら、秘密……」

「不安だね……。だけど、功兄ぃたちからのたってのお願いだもんね~」

「うん。聞かない訳にはいかないけど……はぁ、どうしたものかしら……」

 

 ため息交じりに部室に入ると……すぐに、室内に見慣れないものがあることに気がついた。

 

「あれ? 何か、人形が置いてある」

「あら、ほんと」

 

 中央の机の上にポツンと、女の子の人形が置かれているのだ。昭和期製作のような、随分と古めかしいデザインだ。

 

「誰が置いてったんだろ? 鞠莉さん?」

「そもそも、部室に人形なんて持ってくる人いるかしら?」

 

 訝しみながら、曜が人形を手に取った。すると、次の瞬間、

 

『宇宙指令M774。地球人に警告します。――なーんてな』

 

 人形が男の声で話し始めた。

 

「きゃあっ!?」

 

 驚いた曜たちが思わず人形を手放した。床に落ちた人形は、変わらず言葉を発し続ける。

 

『おいおい、投げるのはひでぇな。そこまで驚くこともないだろ?』

「お、驚くって! 人形がいきなりしゃべったら! ……って、これ何なの!?」

「これ……誰かが人形越しに話しかけてるの?」

 

 曜より先に冷静になった梨子が分析した。人形から声がしていると言っても、人形自体は微塵も動いていない。何故そんなことをするかは分からないが、人形を媒体にして何者かが声を飛ばしているようである。

 

『その通り。まぁ単純なトリックだな』

「受け答えした! こっちの状況も分かってるみたい……」

「あなたは誰なの!?」

 

 梨子と曜は得体の知れない人形を警戒しながら、姿の見えない男に質問する。

 

『俺のことは、ひとまずはいい。お前たち……もっと言えば、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルに変身する兄弟に用がある者とだけ言っとく』

「! 功兄ぃたちのことを知ってる……!?」

 

 目を見張る曜。ロッソとブルというのは、克海たちが変身するウルトラマンの名前だということを当人らから聞いている。しかし世間に名乗ってはいないので、自分たち以外にその名を知っている者はいないはずだ。

 知っているはずがないことを知るこの男は、何者なのだろうか。

 

『知ってるのはウルトラマンだけじゃない。お前たちAqoursというグループが、兄弟に協力して戦ってるということも把握してる。いや、一人は違うんだったか?』

「そこまで知ってるなんて……!」

 

 梨子はますます警戒を深めた。とりあえず、誰かのいたずらなどではないことは確かだ。

 

『もう一度言う。俺はロッソとブルに変身する兄弟に用がある。邪魔が入らないところで、この二人と会いたい』

「そ、それなら功兄ぃたちに直接言えばいいのに」

『こんな回りくどい手段を取るのは、いきなり会って話をしたら、お前たちも警戒してろくな話が出来ないかもしれないからだ。一旦考えを整理する時間を置いた方が、話がスムーズに行くだろう。また、この話はウルトラマンの協力者のお前たちにも立ち会ってもらいたいから、先にお前たちとのコンタクトを図った』

「……克海さんたちに用があるというけど、それはどういう用事なの?」

『それは直接会ってからだ。まずは、こっちが指定する場所に来い。そこで待ってる』

 

 人形の胸が自動で開き、中から一枚の地図がヒラヒラと飛び出してきた。それをキャッチする曜。

 

『俺もそれなりに忙しい身なんでな、待つのは今日の間だけだ。来たくないなら来なくとも別にいいが、そん時は後々後悔することになると思うぜ? 今のところは、用件はそれだけだ。じゃあ待ってるからな』

「あっ、ちょっと!」

「話はまだ……!」

 

 一方的に話を打ち切る男の声を制止する曜と梨子だが、人形はそれきりうんともすんとも言わなくなってしまった。

 

「……何だったんだろう、今の」

「分からないわ……。でもただごとじゃない。このこと、克海さんや功海さん、みんなにも知らせなくっちゃ」

 

 非常に怪しい話であったが、とりあえずは報告することを梨子たちは決定した。

 それから、千歌が部室にやってくる。

 

「曜ちゃん、梨子ちゃん、お待たせー。って、あれ? その人形何? 何で床に落ちてるの?」

「さ、触っちゃダメ千歌ちゃん!」

 

 人形の存在に気づいて拾いかけた千歌を、曜が思わず止めた。

 

「え? どうしたの、二人とも? 何かあった?」

「う、ううん。何でもないのよ」

 

 キョトンとする千歌に、梨子たちが冷や汗をかきながらも首を振ってごまかした。

 

 

 

 その日のスクールアイドル部が終わると、梨子と曜はこのことを兄弟や仲間たちに知らせ、千歌には適当にごまかしながら密かに謎の男の声に指定された地点を目指していた。

 そこは、人が寄りつかないほどの綾香市の山地の奥深く。途中の開けた道までは車で移動し、閉ざされた山林の間は徒歩で移動していく。

 

「しっかし、俺たちに用があるっていうそいつは何者なんだ? 明らかにただ者じゃないよな……」

 

 克海とともに、曜たち八人を先導して草木をかき分けていく功海が疑問を口にした。果南は険しい表情で推測する。

 

「まさか、サルモーネが早速罠を仕掛けてきたんじゃ……」

「でも、声はあいつのじゃなかったよ。口調も違ってたし」

 

 と返す曜。サルモーネではないとなりながらも、克海が思案する。

 

「けど、ウルトラマンや俺たちのことにそんなにも詳しかったということは、普通の人間なんかじゃないだろうな。もしや、サルモーネと同じ宇宙人なんじゃ……」

「う、宇宙人ってそんなにいるんでしょうか……?」

 

 ルビィが少しおびえながら尋ね返した。

 

「分からん。宇宙に関しては俺たち、素人だからな……。功海は何か分からないか?」

「無茶言うなよ、克兄ぃ。俺だって宇宙人の実在なんて、最近までは信じてなかったんだぜ」

「ともかく、現時点では判断材料が少なすぎますわ。その声の主とやらと会わなければ、確かなことは何も言えません」

 

 ダイヤがそう言うと、鞠莉がうなずいた。

 

「そうね。まぁ、わざわざこちらにこうして考える時間を与えたということは、問答無用の敵意を持ってたりはしないでしょう」

「つまり、いきなり襲われる心配はしなくていいってことだな」

「ふっ……仮に宇宙人だとしても、この堕天使ヨハネの威光の前にひれ伏せさせてあげるわ」

「善子ちゃん、今は真面目な話ししてるずら」

「善子じゃなくてヨハネ! 悪かったわね、ふざけた人間で!」

 

 花丸に突っ込まれてむくれる善子を梨子がなだめたりしながら進んでいると、やがて一行の前に、山の奥深くには似つかわしくないようなものが現れた。

 

「ん? 何だ、この建物……」

 

 克海たちの前に建っているのは、閑静な雰囲気の一軒家。看板には『るぱぁつ屋』なる文字が書かれている。何かの店舗だろうか。

 

「こんな山の深くに、店……?」

「地図だと、待ち合わせ場所はここになってるぜ」

 

 山の中に存在する怪しい店に、一行は強く警戒する。しかしずっと突っ立っていても何も始まらないので、意を決して中に入ることとなった。

 

「いいかみんな。何かおかしいものを見たり感じたりしたら、すぐに外に逃げるようにしてくれ。みんなの安全が第一だ」

「はーい」

「よし……じゃあ功海、行くぞ!」

「合点!」

 

 克海と功海が玄関扉の前に立って、恐る恐るドアノブをひねって扉を開いた。二人の後に続いて、曜たちがゾロゾロ中に入っていく。

 

(♪ユキトキ)

 

 聞き慣れない歌がBGMとして流されている建物の内部は、更に異様な空間となっていた。

 

「うわッ!? 何か色々並んでるな……」

 

 四方の壁に取りつけられた幾段もの棚や台には、様々な物がところ狭しと飾られている。タコのぬいぐるみや『爆裂戦記ドンシャイン』なるヒーローっぽいキャラクターのポスターにDVDケース、やたら人相が悪い、左目の黒ぶちが星型になっているパンダの人形(しかもいくつも種類がある)と『ハロー、ミスターパンダ』『パンダズガーデン』というタイトルの絵本、『東京ディスティニィーランド』と書かれたタペストリー、『ジャンボキング』『タイラント』『キングオブモンス』という札がついた三つの怪獣のソフビ、などなど……。

 どれも兄弟やAqoursには、馴染みのないものであった。

 

「どういうお店なんだろ?」

 

 あまり統一性が見られない内装の数々に、ルビィが首をひねった。それにツッコミを入れる善子。

 

「そんなことはどうでもいいわ。私たちを呼んだ、この万魔殿の主はどこ?」

「万魔殿とはえらい言いようだな」

 

 いきなり、克海のものでも功海のものでもない、男の声がした。一同がバッと振り向くと、室内の奥にある半円形のテーブルの上座に、背もたれをこちらに向けている大きな回転椅子がある。それに座っている人物がしゃべったようだ。

 

「あんたか! 俺たちを呼んだのは!」

「誰だ! 顔を見せろ!」

 

 克海が言いつけると、椅子がクルリと半回転して、腰掛けている男の姿が露わになった。

 

「まぁそんなカッカすんなよ。いきなり呼びつけたのは、詫びてもいいぜ」

 

 容姿はほとんど普通の人間と変わりないが、瞳は透き通った紅玉色の若者。だが一番目を引くのは、テーブルの脚の間から見える、独特なデザインの金色のサンダルであった。

 

「見た目は人間だね……」

「でも、サルモーネも外見はそうだった」

 

 ヒソヒソ話し合う曜と果南。克海は姿を現した男に問いかける。

 

「あんたは何者だ」

 

 すると男は、手に持っていたマックスコーヒーの缶をテーブルにコトリ、と置いて、克海たちの顔を見回しながら名乗った。

 

「俺の名はデュエス。ルパーツ星人デュエスだ」

 

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