\前回のウルトラブライルーブ!サンシャイン!!/
鞠莉「遂にPerfect Nineとなり、新しいStartを切ったAqours! Orb Darkをやっつけた克海と功海もUltramanとして強い気持ちを抱いたけど、二人にダメ出ししてくる人が。でも克海たちは試練を乗り越えて、一層の成長を遂げたのです!」
「アアオオウ! アアオオウ! シャウシャ――――――!」
『うわぁッ!』
内浦の中心で、ブルアクアが怪獣の張り手を食らって吹っ飛ばされた。倒れた彼に代わるように、ロッソフレイムが突っ込んでいって前蹴りを浴びせる。
『ふッ!』
ロッソとブルは、内浦に出現した怪獣ゴメス(S)を相手に交戦している真っ最中であった。
「アアオオウ! アアオオウ! シャウシャ――――――!」
『ぐッ、ぐッ……!』
ロッソに掴みかかってくるゴメス。その手を握り返して受け止めるロッソだが、ゴメスの想像以上の怪力に苦戦を余儀なくされる。
『これ以上持たないぞ……!』
エネルギーの消費でカラータイマーが鳴り出し、残り時間の猶予がないことを表した。しかしこの間にブルが持ち直す。
『けど、やるしかないっしょ! 俺たちは、ウルトラマンだ!』
気勢を吐くブル。その中の人物も、ブルの言葉に応じて大きくうなずいた。
『「うんっ! 最後まであきらめなければ、道は開けるずら!」』
それは花丸! 花丸はクリスタルホルダーに手を伸ばし、中から土のクリスタルを取り出した。
『「セレクト、クリスタル!」』
クリスタルから一本角を出し、ルーブジャイロにセットする。
[ウルトラマンビクトリー!]
花丸の背後にビクトリーのビジョンが浮かび上がり、ジャイロを掲げる。
『纏うは土! 琥珀の大地!!』
『「お花ーまるっ!」』
三回目のエネルギー注入で叫び、渦巻く土に包まれる花丸。
[ウルトラマンブル! グランド!!]
琥珀色にチェンジしたブルが左腕を高々と掲げる。大地の力をその身に宿した、ブルグランドだ!
『「力がお腹から湧き上がるずら!」』
大地の波動と同調し、ブルの力へと還元する花丸がふんすと鼻息を荒くした。ブルは片足をドンと振り下ろして全身に力をみなぎらせる。
『行くぜー!』
全身でゴメスに向かって駆け出していき、ロッソが逃れた直後に飛び蹴りを炸裂させた。
「アアオオウ! アアオオウ! シャウシャ――――――!」
ブルのキックを食らって悶絶するゴメス。鉤爪の生えた手を振り回して反撃するが、ブルはゴメスをも超えたパワーで難なく押し返した。
しかしこちらもカラータイマーが点滅を始める。
『次の一撃に全力を込めるぜ!』
『「分かったずら!」』
花丸に合図すると、ブルは両腕に琥珀色の光を纏わせながら、その拳をハンマーのように振り下ろして足元の地面を思い切り殴りつけた。
「『アースブリンガー!!」』
ブルが地中に送り込んだエネルギーが地表を伝ってゴメスに向かっていき、ゴメスの足元で一気に噴出した。
「アアオオウ! アアオオウ! シャウシャ――――――!」
下からの攻撃に大きくひるむゴメス。それを見てロッソが動く。
『次は俺たちの番だ!』
『「All right!」』
呼びかけに応じたのは、ロッソのインナースペース内にいる鞠莉だ。
彼女はホルダーから風のクリスタルを選び出し、二本角を出す。
『「Select, Crystal!」』
それをジャイロにセットして高々と掲げた。
『纏うは風! 紫電の疾風!!』
『「シャイニー☆」』
エネルギーチャージしてロッソウインドへの変身を遂げると、ゴメスの周囲を風の速さで駆け回り出す。
「アアオオウ! アアオオウ!」
ゴメスはロッソの動きに翻弄され、目を回してふらふらとなった。この隙に跳び上がるロッソ。
『今だ!』
『「OK! これを使いマース!」』
そして鞠莉がオーブリングNEOに手を伸ばすと、握られたリングが光り輝き、鞠莉が中央のボタンを押して光の力を解放する。
「『スペリオン光線!!」』
ロッソが左腕を横に、右腕を上に伸ばしてから両腕で十字を作ると、右手より光の奔流が発射され、ゴメスに命中!
「アアオオウ!!」
これが決まり手となり、ゴメスは転倒しながら爆散。怪獣を倒すと、緊張が切れたブルがよろけるのをロッソが支えた。
『「大丈夫デスか?」』
『ああ、ありがとう』
『しっかり』
『「ふぃ~……ウルトラマンって疲れるずら」』
花丸がどっと息を吐いていると、助けられた内浦の町の人たちがロッソとブルに向かって歓声を送る。
「やったー!」
「ありがとう、ウルトラマーン!」
テレビのカメラマンは、健闘を称え合っているロッソとブルの姿をカメラに収める。
『二人のウルトラマンの活躍により、内浦は再び平和な日常を取り戻しました。しかし、またいつ怪獣が襲ってくるか分かりません……』
ロッソたちの様子はテレビでお茶の間へと放送されているのだが、これを一人だけ憮然としながら観ている者がいた。
「あ~情けない。市民に疲れた姿を見せるな! 全くみっともない奴らだよ」
サルモーネだ。頬杖を突きながら一人でぶつくさ文句をつけていると、ウッチェリーナが口を挟む。
[ですが、スピード、パワーは以前より飛躍的に上昇しています]
だがサルモーネは鼻を鳴らすばかり。
「それがどうした。無様な勝ち方は、ヒーローの美学に反する」
持論を述べていると、社長室に氷室が入室してきてサルモーネに報告した。
「社長。指示された書類、全て用意できました」
「うむ、ありがとう」
簡潔に応じたサルモーネが立ち上がって自作のオーブダーク人形を掴み取る。
「前回はちょっとばかし頭に血が昇ってしまったが、やはりウルトラマンに相応しいのはこの私! 人々がヒーローに求めるもの、それは一度負けた逆境から這い上がる姿だぁッ!」
[いよっ! 憎いですねぇ~社長!]
人形を片手に熱弁するサルモーネをウッチェリーナが囃す。
このサルモーネの様子を、氷室が真顔で見つめていた――。
オーブリングNEO。これをながめる功海の顔がニヤニヤとにやける。
「これが俺たちの新しい力かぁ~……」
サルモーネがオーブダークに変身する際に用いていたアイテム。これが自分たちでも使用可能と判明したことで、功海はご満悦だった。そんな彼の肩越しに、花丸や善子、ルビィ、曜がリングを見つめる。
「すっごい威力だったずら!」
「まさしく堕天の雷!」
「かっこよかったよねぇ」
「いいな~。私も使ってみたい!」
「こらこら。こういうのは、使う時が来ないのが一番よ」
不謹慎な曜を苦笑して諫める梨子。そんな時に、リングを千歌が横からヒョイと取った。
「何これ~? あっ、分かった! フェイスローラーでしょ! 功海お兄ちゃん、何でこんなの持ってるのー?」
勘違いして顔にリングを押し当てる千歌に、功海たちは大慌て。千歌からリングを取り返す。
「ち、違げーよ! これは大事なものなんだよ!」
「えー? ちょっとくらいいいじゃんケチー!」
「ち、千歌ちゃん、それよりお手伝い頑張りましょう!」
梨子や曜が焦りながら千歌をリングから遠ざける。
「そうそう! 私たちでここ繁盛させて、いっぱい褒められようよ!」
彼女たちが居間いる場所は、いつもの『四つ角』――ではなく、内浦のビーチに建っている海の家であった。格好も水着姿である。
七月も後半に入り、浦の星女学院も夏休みとなった。Aqoursはダイヤの提案によって夏合宿を行うことになったのだが、千歌には内浦の自治体より海の家の手伝いがあった。そこでAqours全員で海の家を手伝いながら、その営業前後の時間にトレーニングを行うこととなったのである。
克海と功海は、お盆の時期が来て『四つ角』が本格的に忙しくなる前に、英気を養うささやかな休日をもらったので、千歌たちの様子見がてらに海の家を訪れたのであった。
「……ダイヤちゃん。この日程って……」
克海はダイヤから、手帳に記した合宿のスケジュールを見せてもらっているが、その内容に冷や汗を垂らしていた。
「これって本当にμ'sがやってたのか? 自衛隊員のトレーニングメニューが混ざってるんじゃ……」
スケジュールの円グラフには、「発声」「ダンスレッスン」はともかくとして、「ランニング10km」「遠泳10km」「腕立て腹筋20セット」など、常識離れしたメニューが当たり前のように記載されている。これがそのままμ'sの合宿メニューだったということに半信半疑の克海だが、当のダイヤは信じ切っていた。
「間違いありませんわ! わたくしが独自のルートで入手した、確かな情報です!」
「マジか……。スクールアイドルって当時からすごかったんだな……」
呆気にとられる克海に、鞠莉がパラソルの下から呼び掛ける。
「ね~え克海~。ちょっと来て~」
「ん? どうしたんだ、鞠莉ちゃん」
妙な猫なで声に嫌な予感を覚えつつ、鞠莉に近寄っていく克海。
「スクールアイドルに、日焼けは天敵デース。だ・か・ら……」
鞠莉は妖艶に言いながら、水着の肩紐をずらしてみせる。ブッ!? と噴き出す克海。
「日焼け止めクリーム、塗ってくだサーイ。スミズミまで☆」
「ちょっとちょっとぉーっ!?」
誘惑を掛ける鞠莉に気づいて、梨子、ダイヤ、果南が真っ赤になってすっ飛んできた。
「鞠莉さん、何やってるんですか!」
「破廉恥ですわ鞠莉さんっ!」
「か、克兄ぃにそんなこと……! いくら鞠莉でもダメっ!」
「あら~? 私は克海を信頼して頼んだだけデースよ? みんな、一体どんな想像してるんデスか~?」
にやにや笑う鞠莉。どうも彼女たちをからかうのが初めからの目的だったようである。
「嘘だっ! 絶対分かっててやった!」
「というより鞠莉さん、日焼け止めならさっき塗っていたじゃありませんか!」
ぎゃあぎゃあ鞠莉に詰め寄る果南とダイヤの様子に、克海がやれやれと肩をすくめる。
「みんな、夏だからってはしゃいでないで、海の家を盛り上げてくれよな。客はみんな隣に行っちゃってるぞ」
千歌たちの貧相な海の家の隣に立つ、お洒落な店は満席となるほどの繁盛ぶりを見せている。
「そ、そうですわ! あんな都会の刺客に負けてはいられません! わたくしたちが、この店の救世主となるのですわ!」
大きく咳払いして話をすり替えたダイヤの先導の下に、Aqoursは海の家の盛り上げに着手し始めた。
「海の家でーす! 美味しいヨキソバありますよー!」
「堕天使の涙に、シャイ煮! ……は、ちょっとおすすめできないけど……」
千歌と梨子はダイヤの指示で、客の呼び込みを行っている。その様子を、ヨキソバ片手にながめていた克海だが……。
梨子の表情がいささか曇っていることを見て取って、梨子の元に近づいていく。
「梨子ちゃん、ちょっといいかな?」
「は、はい? どうかしましたか……?」
梨子を海の家の裏へと連れていって、そこで話を切り出す克海。
「この間、君のお母さんから聞いたんだけど、ピアノコンクールの招待があったらしいね」
「!」
そのひと言に梨子の顔が強張る。
「けど出るとも出ないとも言ってないらしいけど……。梨子ちゃんのことは、大体は千歌から聞いてる。元々、ピアノのために内浦に来たんだろ? コンクール、出なくていいのか?」
と克海が聞くと、梨子はやや寂しげにしながら答えた。
「でも、その日はラブライブ予選があるんです」
「……被っちゃったのか」
「はい。それにこの内浦で過ごす内に、私の中でここやみんなの存在が大きくなって。だから今の私の目標は、ラブライブ予選を突破すること。だからいいんです」
「……君の中で決定してるのなら、それでいいんだが」
と言いながらも心配そうな克海だが、今度は梨子の方から告げる。
「それより、功海さんのことこそ、気に掛けてあげた方がいいんじゃないでしょうか」
「え? 功海の?」
「功海さん、さっきからバイブス波を調べてばかりです。……ちょっと、根を詰めすぎじゃないかと思います」
見ると、確かに功海がバイブス波の検知機をにらみながら辺りを歩き回っており、ビーチの客から怪訝な目で見られていた。
「あいつ……分かった。ありがとう」
克海は梨子の元から離れて、功海の側に行って呼び掛けた。
「功海、せっかくみんなの海の家に来たんだ。少しは楽しもうぜ」
しかし功海は強張った顔で反論する。
「俺たちにはウルトラマンとしての使命がある。怪獣は未だに出続けてるんだ。遊んでる場合じゃねぇよ」
今までと一転して、今度は気負い過ぎている功海に、克海は苦笑して説得した。
「休憩も使命に必要さ。それに、高海功海と克海だ。みんなといる時間で、みんなを笑顔にするのは、他の誰でもない俺たちだよ」
「克兄ぃ……そうだな」
克海の言葉で考え直し、功海は肩の荷を下ろした。
「とりあえず、何か食べようぜ」
「じゃ俺、堕天使の涙とシャイ煮っての食ってみてぇ!」
「ええ? やめといた方がいいと思うぞ……。すごい匂いしたし、価格設定メチャクチャだし」
談笑しながら海の家の方に戻ってくると、曜が店から出てきて二人に尋ねかけてきた。
「功兄ぃ、克兄ぃ、千歌ちゃん見なかった?」
「え? 千歌?」
「クラスのみんなを呼んだって言ってたけど、なかなか来ないんだよね。それで見なかったかなって思ったんだけど……」
「いや? でも広いビーチじゃないし、遠くに行ってるとは思えないけど……」
キョロキョロと周りを見回す克海たち。すると、ビーチの片隅に開かれているドリンクショップの出店を発見した。
「あれ? あんなとこに出店がある」
「どこの出した店だ」
「あっ、千歌ちゃん。みんなもいる!」
曜がその出店の前で、千歌やクラスメイトらが誰かと談笑しているのを見つけた。その相手が誰なのかと、目を凝らしてみると……。
「……っていう訳でね、君のお兄さんたちに是非にと思ってるんだけど」
「えぇ~? それ本気なんですか?」
「すごいじゃん、千歌のお兄さん! 愛染さんから推薦なんて!」
顔を確認した克海たちがギョッと目を剥く。
「サルモーネ!!」
その名前を耳にしたダイヤたち全員も含めて、克海らは出店の方へ血相を抱えて走っていった。
「みんな何やってるの!?」
「あっ、みんな。このお店、愛染さんが経営してるんだって」
何も知らない千歌はのんきに告げる。
「多角経営の時代だからね~」
「愛染さん、良かったらウチの海の家にも来て下さい!」
「駄目っ! 千歌ちゃん離れて!!」
無防備にサルモーネに近寄ろうとする千歌や浦女の生徒たちを、梨子たち総出で引き離した。
「ち、ちょっとみんなどうしたの!? 愛染さんに失礼だよ!」
千歌と友人らが、サルモーネに敵意を向ける梨子たちに目を丸くした。
「愛染さんに変なことしたら、ラブライブでも良くない印象持たれちゃうかもよ?」
「愛染さん、怪獣の被害に遭った人たちにも義援金をたくさん出してくれてるんだよ! 失礼なことしちゃ駄目だよ!」
違う。この男こそが、怪獣という恐怖と混乱をもたらしている元凶なのだ――。そう打ち明けることが出来なくて、曜たちは歯噛みする。
克海と功海は千歌たちをかばうように前に回って、サルモーネをにらんだ。
「千歌に何の用だ!」
「いやいや、ちょっと雑談をしてただけだよ。用があるのは、君たちの方」
「俺たちにだとぉ!?」
サルモーネはひょうひょうとした態度で、脇のカバンから書類を何枚か取り出した。
「ウチのアイゼンテックがシリコンバレーに支社を出すことになってねぇ。そこの研究員に、功海君を推薦したい!」
「何!?」
「克海君には、海外宿泊施設部門のジェネラルマネージャーの椅子を用意した!」
「何だと……!?」
「そうそう。Aqoursのみんなにもある。先日は、とっても刺激的な体験だったからねぇ~。みんなのこと、すっかり気に入っちゃったよ!」
あまりにも白々しいことを述べるサルモーネに、ダイヤが舌打ちした。
「だから君たちがアイドルとして飛躍するように、本場ハリウッドのタレントスクールへの留学の推薦を持ってきたんだぁ! どうかね?」
「え……」
今の話に、千歌が真顔となった。しかし周りの生徒たちはわっと興奮。
「すごい! ハリウッドなんて!」
「まさか、浦の星からハリウッドスターが誕生しちゃうの!?」
Aqoursを置いてノリノリの生徒たちだが、果南や曜は歯を剥き出しにしてサルモーネに怒鳴り返した。
「誰があんたの推薦なんかっ!」
「人を馬鹿にするのも大概にしてよっ!」
うなる曜を友人らがなだめようとする。
「ちょっとちょっと!? 落ち着いてよ! どうしちゃったの!?」
「こんなビッグチャンス、二度とないかもしれないんだよ!?」
本当のことを知らないのでうろたえる浦女の生徒たちと対照的に、サルモーネは余裕たっぷりに大笑いした。
「いやいや。急な話で戸惑うのは当然だ! ちょっと、私たちだけで落ち着いて話をさせてもらえないかな?」
ビーチから離れ、人気のないところまで移動した克海たちは、敵意を剥き出しにしながらサルモーネと面と向かっていた。
上を羽織った鞠莉たちが、サルモーネに詰問する。
「あれは何の冗談なの!?」
「冗談なんてひどいな~。書類は正式なものだよ?」
「ふざけないで! どうせ、ヨハネたちが邪魔だから海外に飛ばしてしまおうって腹でしょ!」
断固拒否の姿勢を見せる善子たちだが、サルモーネは大仰に肩をすくめた。
「君たち、よく考えてごらんよぉ。君たちがさ、これからもウルトラマンとしていつ起こるかも分からない戦いに臨んでいけると思ってる? 功海君は、勉強はどうするの? 克海君、旅館は? Aqoursは、ラブライブほっぽり出すのぉ?」
おちょくるようになじってくるサルモーネに、克海たちが毅然と言い返した。
「それでも、俺たちはウルトラマンだ!」
「そんなこと、お前なんかには関係ねぇよ!」
「ラブライブ優勝も、克海さんたちを支えることも、どちらもやり遂げてみせますわ!」
ダイヤが代表して突っ返すと、サルモーネはむしろその言葉を待っていたとばかりにニヤリと笑った。
「へぇ~、言うねぇ。それではぁ、君たちが本当にウルトラマンとして私より相応しいか、最終試験を行います!」
「はぁ!?」
「何するつもりだ!」
「じゃ、始めますッ!」
克海たちへのサルモーネの返答は、取り出したAZジャイロと「獣」のクリスタルだった。
「なッ……!」
「やめなさいっ!」
果南が身を乗り出したが、既に遅かった。
[ホロボロス!]
サルモーネは素早くクリスタルをセットし、ジャイロを三回引く。直後に、どこからかすさまじい音量の獣の咆哮のような声が轟いた。
「何今の!?」
「あっ! あそこです!」
ルビィが指差した先。そこに、
「ウオオオオオ―――――ン!」
小山の頂上に、青い肌で白い体毛を生やした、狼とも虎ともライオンともつかない巨大猛獣が遠吠えを発していた!