\前回のウルトラブライルーブ!サンシャイン!!/
ルビィ「ラブライブ地区予選を目指すある日、善子ちゃんが迷子の犬を拾ったの。梨子ちゃんも巻き込んでお世話するけど、そこを狼男が襲う! 功海さんたちと退治したのはいいけれど、犬とは結局お別れすることに……。でも、梨子ちゃんたちはまた新しい歩みを踏み出した!」
――10月31日の早朝。内浦の外れの森の奥深くに、人知れず『建てられた』洋館にて。
『なぁにぃ~!? 大御所様に、間違えてパーティーの日程を伝えただとぉ~!?』
『しかももう既にこちらに向かっているぅ~!?』
「ホッ、ホアァ~……」
赤い珍獣からの報告に、頭蓋がふた又に分かれている肌色の宇宙人と、白いエビが直立したような宇宙人が怒号を上げた。
珍獣はピグモンという名前の生き物。宇宙人は、それぞれバド星人とゴドラ星人という種族である。
『おおぅ、何ということだ……!』
『銀河系の宇宙人たちが一堂に会する大慰労会……! この日だけは戦いをやめ、苦労をねぎらい合う、年に一度の大切な宇宙行事……! 失敗は許されないというのに……!』
「……だからパーティーに大御所様が来られなかった訳だ」
狼狽えるバド星人とゴドラ星人の一方で、大きな回転椅子に腰を掛けたサンダルの男が、苦々しくつぶやいた。ゴドラ星人は彼に大きく頭を下げる。
『申し訳ありません、デュエスさん……! このようなことになってしまい……!』
『ピグモン! お前のせいだぞ! デュエスさんの顔に泥を塗る気か!』
「キュウゥ……!」
バド星人に何度も小突かれるピグモン。それをたしなめる男――ルパーツ星人デュエス。
「落ち着け。やっちまったもんはしょうがねぇ。それより、これからどうするかだ。一番あっちゃならないのは、大御所様に失礼を働くこと」
『おっしゃる通りで……』
『どうにかして宇宙人たちを集めなければ……だが今からで間に合うか……』
狼狽するバド星人の目が、地球歴のカレンダーに留まった。
『ん? 確か今日は、地球ではハロウィーンとかいう仮装祭りをやるとか……』
「何か思いついたのか」
『はい……こうなったからには強硬手段です』
うなずいたバド星人が、ピグモンにビッと指を向ける。
『ピグモン! お前も協力するのだ!』
「キュッ、キュウッ!」
果たして、ゴドラ星人が思いついた起死回生の策とは――。
この日の『四つ角』の居間では、朝から重苦しい空気が漂っていた。その元は、克海と功海。
「そっか……結局、間に合わなかったんだな……」
「残念だ……」
二人の手元にあるのは――浦の星女学院の統廃合が正式に決定、それに伴い在校生が新年度から転校になるという通知の書類であった。
浦女の廃校の話が明らかになって以来、学校存続のために努力し続けたAqours。猛特訓の末に地区予選も突破し、遂に本選にまで駒を進めていたのだが……その努力が実を結ぶことはなかったのだった。
「……こんなのありなのかよ! 説明会に要求された参加希望者、あと少しで届くとこだったんだろ!? 奇跡じゃんか! このド田舎でそこまで出来るなんてさぁ! 少しぐらいおまけ出来なかったのかよッ!」
直面した残酷な現実に、功海が己のことのように当たり散らした。
「落ち着け、功海……俺たちが騒いでどうなるんだよ」
「けど克兄ぃッ! 悔しくねぇのかよ! みんなが頑張ってるとこ、散々見てただろ!?」
「そりゃ、俺だってなぁ……! だけど、俺たちはあくまで部外者だぞ……!」
「ッ……!」
克海も、声に力が入らないほどショックを受けている。
「それに……一番つらいのは、千歌に決まってるだろ……」
「ああ……。千歌の奴、大丈夫なのか……」
一番の渦中にいて、一番衝撃を受けているはずの千歌を案ずる二人。
「あれだけこだわってた母校……スクールアイドルの動機をなくしちまって……あいつ、スクールアイドル続けられんのか……?」
「大丈夫だよっ!」
力なくつぶやいた時、部屋のふすまが外から勢いよく開けられた。その手は千歌のものである。
「うわッ! 千歌!?」
「千歌お前……大丈夫なのかよ!?」
千歌は意外なくらいに活気にあふれていた。それに驚いてしまう功海と克海。
「うん! それはもちろん、すごいショックだった……心が折れそうだったよ……。だけど! 学校のみんなが言ってくれたの。ラブライブに優勝して、浦の星の名前を残してほしいって!」
「名前を……?」
「廃校は止められなかったけど……ラブライブの歴史に、浦の星という名前を刻んで残すことは出来る。そうすれば、浦の星という学校があったことが永遠に残る……。その願いを、みんなから託されたの! だから、私はまだ頑張れるからっ!!」
千歌の活力は、空元気ではなかった。本当の元気があふれ出している。これは、学校の仲間たちに支えられたからに違いない。
千歌が、自分たちが思っていた以上に強いということを知って、克海と功海の表情も自然と和らいだ。
が、
「ってことで……克海お兄ちゃ~ん。今日Aqoursのハロウィンパーティーやるつもりだから、ちょっとここ貸してよ~」
「はぁ!? 何馬鹿なこと言ってるんだ! ここ旅館だぞ! 貸せと言われてホイホイ貸せるもんじゃない」
「そんなこと言わないでさ~。撮影してネットにアップするから、広めのスペースが必要なの~」
「ダメだ、それは無理だ! そういうのこそ、学校の校舎使うべきだろ!」
「ぶ~。ケチ~!」
いくらむくれようとも、駄目なものは駄目であった。
Aqoursは公園にて、ハロウィンパーティーのことを相談し合う。
「で、結局駄目って言われたんだ」
「うん……。どうしようか、場所……」
果南に問いただされ、はぁとため息を吐く千歌。
「ほんとに校舎使う?」(梨子)
「でも部室じゃちょっと狭いし、体育館だと広すぎて飾りつけが大変だよ」(曜)
「教室はどうかな?」(ルビィ)
「理事長、使用の許可はいただけますの?」(ダイヤ)
「ん~、そうデスネ~……」(鞠莉)
皆で話し合っていると、花丸がふと首を横に向けた。
「ずら?」
「どうしたのよ、ズラ丸」
「今そこで、何か動いたような……」
滑り台の陰を覗き込む花丸。そこに、何やら真っ赤なものがうずくまっている。
「ホアーッ!」
それがいきなり立ち上がった!
「わっ!?」
「動いた!?」
「キュッ! キュウッ! ホアーッ!」
全身に赤い葉っぱのような突起が生えた、全く見たことのない奇妙な動物。Aqoursは唐突に出てきたこの動物に目を奪われる。
「わぁ~! かわいい!」(千歌)
「ええ……?」(梨子)
「何かオコゼみたいな顔してない?」(果南)
「そこが渋い味出してていいずら!」(花丸)
「うゆ!」(ルビィ)
「独特な趣味デースねー」(鞠莉)
「っていうか、これって何のコスプレ?」(曜)
「地の底のドヴェルグか、あるいは森の精霊か……」(善子)
「これは作り物なんですの? 妙に生々しいですが……」(ダイヤ)
首を傾げていると、赤い動物は町の外れの方向へと駆け出していく。
「ホアーッ!」
「あっ、待ってー!」
「千歌ちゃん!」
反射的に追いかける千歌につられ、Aqoursが動物を追って森の中に入っていった。
動物はやがて、森の奥にある洋館の中へと姿を消していった。
「あそこに入ってった!」
「あれ? あの建物……見覚えが……」
千歌が指差した洋館をひと目見て、首をひねる梨子たち。
近づいていってよく見ると……「るぱぁつ屋」という看板が掲げられていた。
「えっ……ここって……!?」
「お邪魔しまーす」
「あっ、千歌ちゃん!」
遠慮なく中に入っていく千歌を止めようとしながらも、全員が洋館に入っていった。
すると、大部屋の突き当たりの扉から、先ほどの赤い動物が、二人分の人影を押し出してきた。
「ホアーッ!」
『何? もう宇宙人の代わりを連れてきただと?』
『そんな簡単に行くなら苦労は……えぇーッ!?』
赤い動物――ピグモンに連れられ、Aqoursの姿を目の当たりにした異形の人間――バド星人とゴドラ星人が大声を発した。思わず驚くAqours。
『ホントに連れてきた! しかもこんなに!』
『よくやったじゃないかピグモン!』
「キュッ! キュウッ!」
「わぁ~!」
千歌、ルビィ、花丸が宇宙人たちに近寄っていって、しげしげと容姿を観察。
「これ、すっごい仮装ですね~! 継ぎ目が見当たらない!」
「どうやって作ったんですかぁ?」
「どういう妖怪のコスプレずら?」
『こいつは見ての通りの尻頭だ』
『尻頭言うなッ! この怪奇エビ男ッ!』
一方で、他の六人は冷や汗混じりに遠巻きに宇宙人たちを凝視している。
「あ、あれ、本物の宇宙人なんじゃ……」(曜)
「けど……本物が、こんなひょっこり出てくる?」(梨子)
「何て言うか……庶民感に溢れてマース」(鞠莉)
「夢が崩れてしまうわ……」(善子)
「って言うか、危なくないのかな……?」(果南)
「見た目はともかく、危険な素振りはありませんが……」(ダイヤ)
反応が両極端なAqoursの面々に、宇宙人たちが自己紹介する。
『私はバド星人! こいつはゴドラ星人で、この赤いのはピグモンだ』
「キュウッ」
『私たちのパーティーへようこそ! 昨日もやったけど……』
「やっぱり、仮装パーティーだったんですね!」
ポンと手を叩く千歌の前で、バド星人が頭をかく。
『しかし、手違いで参加者が集まってないのだ。さる偉い方をお招きしているというのに……それで困ってたのだが……』
「あっ! それなら私たちも、パーティーする場所を探してたんです! 良ければ、一緒にやりませんか?」
千歌の申し出に、ゴドラ星人たちは大喜び。
『おお! それは渡りに宇宙船だ! 仮装はこちらで用意するから、是非ともパーティーを盛り上げてくれ!』
「まっかせて下さい! スクールアイドルの腕の見せどころです!」
「ええ……? そんな簡単に……」
「ほらみんな! もっとテンション上げていこう!」
まだ不信感をぬぐえない曜たちはためらったものの、千歌に押し切られてパーティーに協力することとなったのだった。
その頃、『四つ角』で功海が克海の元へ駆け込んでいた。
「克兄ぃ! 内浦の近くの森で、バイブス波をキャッチした!」
「何だって!?」
「微弱だけど……明らかに地球外生命体の波長だ。しかも複数!」
「複数とは厄介だな……。何か起こる前に、正体を確かめよう!」
「オッケー!」
二人は直ちに森へ――現在千歌たちがいる『るぱぁつ屋』へ向かって出発した。
『うむ、みんな仮装したな!』
『なかなか様になってるぞ!』
「ホアーッ!」
Aqoursはバド星人たちから渡された、宇宙人の仮装に着替え終えた。
「わぁ~! みんな、かわいいカッコだね!」
ガッツ星人の仮装の千歌が、仲間たちの仮装をグルッと見渡す。
「そうかしら……? 私なんか、随分と奇天烈だけど……」(梨子・マノン星人)
「何はともあれ、仮装するのは楽しいね!」(曜・テペト星人)
「花丸ちゃん、胸のお花がよく似合ってるよ!」(ルビィ・ピット星人)
「ルビィちゃんこそお似合いずら!」(花丸・アトラー星人)
「ふふふ……いつにも増して、堕天使のオーラに溢れている気がするわ……」(善子・ゾグ)
「私だけ、何だか趣が違う気もしマースが」(鞠莉・ミクラス)
「牛の角みたいなの生えてるもんね」(果南・カナン星人)
「果南さんが一番しっくり来る感じがしますわね」(ダイヤ・ピット星人)
全員そろったところで、バド星人が呼び掛ける。
『これでみんなは宇宙人だ! パーティーの間は、そういう設定で振る舞うようしてくれ』
「はーい! ねね、せっかくだからみんなで記念写真撮ろうよ!」
千歌たちがスマホをセットしている間に、バド星人がゴドラ星人を肘でつついた。
『しかし、これで宇宙人で通せるものか?』
『何。大御所様の方には、ハロウィンに合わせて地球人の仮装してると説明すれば問題ないだろう』
――そんな風にわいわい騒いでいる千歌たちの様子を、奥のドアの陰から、じっと観察している人影があった。
「……千歌に話があるというのに、妙な騒ぎが起こってるものだ」
沙紀である。彼女は皆で写真を撮っている千歌の横顔を見つめて、ふぅとため息を吐いた。
「邪魔をするのも悪いか……。機会を改めよう」
「へ~……こりゃ予想外の客も来なすったもんだ」
「っ! 誰だ!」
いきなり掛けられた言葉に、沙紀がバッと振り向いて身構える。
「誰だとは、本来はこっちの台詞だぜ。俺がここの家主なんだからな」
デュエスが階段に腰掛けながら、MAXコーヒーをあおりつつ沙紀を見やっていた。
森に入った功海は、バイブス波をチェックして目をひん剥く。
「大変だ克兄ぃ! 別のバイブス波が、こっちに向かって接近中だ!」
「別のだと!?」
「しかも何だこれ! こんなでけぇバイブス波、見たことねぇよ!」
「それだけやばいのが、近づいてるってことか……!? この辺りの民家に、避難するように言わないと!」
「ああ!」
危機感を覚えた兄弟は、森を進む足を速めていった。
沙紀はデュエスの顔を確かめ、眉間に皺を深く刻み込む。
「お前は……話は聞いている。相当な悪行を働いた男が、千歌たちを招き込んで何のつもりだ」
その言葉に肩をすくめるデュエス。
「言ってくれるぜ。そっちこそ、とんでもねぇことをしでかそうとしてんだろ?」
「……何故知っている」
「馬鹿にすんな。それぐらい、調べりゃ分かるさ。お前の素性も――1300年前の出来事の真相も、そこから続く因縁もな」
「……!」
デュエスはたたずまいを直して、険しい目つきで沙紀と対峙。
「……本気か、お前。どれだけの被害が出るか、分からん訳ねぇだろう?」
「被害について、貴様などに言われる筋合いなどない。私は、アレを倒す唯一の方法を選択しているだけだ」
「ハッ……唯一なんてのは往々にして、ただの思い込みさ。塗り変えられねぇ宿命はねぇ。お前のすぐ近くにだって、いるだろ。光の戦士がよ」
高海兄弟を示唆する言葉を耳にすると、沙紀はすぐに忌まわしそうに顔をしかめた。
「馬鹿を抜かすな! あんな素人どもに、何が出来るかっ!」
「へぇ~、まぁ自分のことは棚上げするもんだな。自分はついぞ資格すら持てなかったってのに」
カチン、と沙紀が激しい怒りを視線に乗せて、デュエスをにらみ返す。
「よくもそんなことを、ぬけぬけと……! 貴様、本当にルパーツ星人か!?」
「よく言われるぜ」
険悪な空気の漂うこの場に――千歌がひょっこりと顔を出してきた。
「あ~っ! 何か話し声するって思ったら、沙紀ちゃんも来てたんだ!」
「ち、千歌……」
「ねぇねぇ、沙紀ちゃんも仮装パーティーしようよ! 私と同じ衣装が、まだあるんだって!」
「いや、私は……」
「あれ? そっちの人は?」
デュエスのことを知らない千歌が、その存在に気づいて尋ねかける。
「俺はここの家主の……」
答えかけたデュエスが、千歌と沙紀を視界に収めて、固まった。
「あれ……? どうしたんですか?」
「……ん? ん? んん~……?」
そして、眉間をギュッと寄せて、何やら怪訝そうにじろじろ二人を見比べる。
「……? 私たちに何かついてますか?」
「何だ、気色悪い……。一体何がおかしいのだ」
「……なぁお前たち……どうして……」
デュエスが何かを問いかけた時――高海兄弟がここを見つけて、中に踏み込んできていた。
「克兄ぃ、ここってあの時の屋敷だよ!」
「何でこんなところに……みんな、何でこんなところに!? その格好は……?」
「克兄ぃ! 功兄ぃまで……」
果南たちが乱入者の二人の方へ振り向く。バド星人たちも同様だ。
『おや、新しいお客さん?』
「キュウゥ!」
「うわッ何だあいつら!?」
「表が騒がしくなったな……」
「あッ! やっぱりお前、あの時の!」
ホールに出てきたデュエスの顔を見て、克海らが思わず身構えた。
「何でまたいるんだ!」
「元々、所用で来たって言っただろ。本来は会場の下見だったんだ」
「下見?」
「あっ、沙紀ちゃん!」
克海たちが騒いでいる間に、沙紀がツカツカと玄関を通り抜けて外に出ていくのを、千歌が追いかけていく。
「千歌まで! それに……美剣沙紀ッ!」
「おい千歌! どこ行くんだ!」
「な、何だかドタバタしてるね……」
「とりあえず、私たちも行きまショーウ!」
目まぐるしく変化する状況についていけないルビィたちの中から鞠莉が先んじて、沙紀や克海たちを追っていった。
「沙紀ちゃん待って!」
千歌が沙紀の前に回り込んで、懸命に説得する。
「そんなにお兄ちゃんたちを嫌わないでよ! みんなで一緒に、パーティーしよ?」
だが、沙紀は追ってきた克海と功海に、侮蔑の目を向ける。
「あんな素人ウルトラマンどもと、一緒にいる気になれない!」
『おいおい、ウルトラマンがいても気にするな!』
バド星人が肩をすくめ、ゴドラ星人がうんうんうなずく。
『そうそう、ウルトラマンが何だと……ん?』
しかしすぐに二人は、言葉を失って克海たちを二度見した。
『う……ウルトラマンだと……!?』
『あいつら……ウルトラマンなのか!?』
「バド星人さん? ゴドラさん?」
「何だか、様子が変だよ……」
小刻みに震え出す宇宙人たちを、曜たちが訝しむ。
そのバド星人とゴドラ星人は、冷や汗を噴き出して後ずさりしていく。
『だ……駄目だ駄目だ! ウルトラマンだけは駄目だッ!』
『何故ここにウルトラマンがいるのだッ! まさか、デュエスさんを狙って……!?』
『い、いや、まさか、大御所様のことを……!?』
『何だとぉッ!? そ、そんなことが許されてなるものか……!』
「おい待てお前たちッ! こいつらは……!」
事態に気づいたデュエスが慌てて飛んでくるが、動揺し切った二人の耳には届かなかった。
『させんッ! 絶対にさせんぞぉぉぉぉぉ―――――ッ!!』
『我々の手で、叩き出してくれるわぁッ!!』
そしてバド星人とゴドラ星人が、一挙に巨大化!
「わぁ―――――!?」
花丸たちは慌てて、散り散りになって逃れていく。
「みんな、下がれッ!」
「危ねぇぞ!」
千歌たちをかばって逃がす克海と功海に、デュエスが呼び掛ける。
「ロッソ! ブル!」
「「え?」」
二人は、つい自分らの背後を向いた。
「いやお前らだお前ら!」
「ああ、そっか……」
「いや~、その名前で呼ばれることないからさぁ」
「今の内に慣れとけ。いやそんなことより……あいつらを止めてくれ」
デュエスが申し訳なさそうに、親指で巨大化したバド星人たちを指した。
「え?」
「いいのか?」
「ああなったら、もう聞かない。俺がぼこす訳にはいかないからな……多少手荒になってもいいから、すまんが頼む」
「まぁそういうことなら……」
「私も手伝いマース!」
「うゆ! あの人たちを、落ち着かせないと!」
近くにいた鞠莉とルビィが克海と功海の後ろにつき、協力を申し出る。
「よしッ!」
「それじゃ行くぜ!」
克海と功海が拳を打ち鳴らし合って、ルーブジャイロを突き出す。
「「俺たち色に染め上げろ! ルーブ!!」」
「シャイニー☆」
「がんばルビィ!」
四人がロッソウインドとブルフレイムに変身して、バド星人とゴドラ星人の正面に立ち上がった!