\前回のウルトラブライルーブ!サンシャイン!!/
千歌「地球の運命を巡って、お兄ちゃんたちと沙紀ちゃんが決闘! だけど、あくまで綾香市を護ることだけを決意したお兄ちゃんたちの気持ちが沙紀ちゃんの力を上回った! これでやっと沙紀ちゃんとも力を合わせられる……と思ったんだけど、そこに怪獣を出してきたのは氷室社長! これからどうなっちゃうの!?」
『宇宙より来たる力も、光の巨人の力も、全て手中に収め……愚かなる地球人類を、我々が統括する!』
「……統括……!?」
一体何のことを言っているのだ、と克海たちが思っている間に、氷室は怪獣を彼らに向けてけしかけてくる。
『行け、捕らえろ……カミソリデマーガ!』
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
怪獣カミソリデマーガがガギンガギンと腕から生えた刃を打ち鳴らしながら、克海たち一同に向かって進撃してくる。
「ぴぎっ! 来たぁっ!」
「克兄ぃッ!」
「ああ!」
すぐに功海と克海がルーブジャイロを構える。
「「俺色に染め上げろ! ルーブ!!」」
しかし今しがた変身していたばかりなので、ジャイロが反応しない。
「くそッ、まだ無理かぁ……!」
兄弟に代わるように、沙紀が前に進み出た。
「氷室、貴様がこういう行動に出ることを想定していないとでも思ったか……! 返り討ちにしてくれるっ!」
己のジャイロを構え、怪獣クリスタルを再び嵌め込もうと――。
「ちょーっと待ったぁ―――っ!!」
したところで、後方から女性の大声が轟き、沙紀は驚いて手を止めた。
「な、何だ?」
克海たちが面食らって振り向くと――木々の間をマイクロバスが突き抜けて、この場に急停車してきた。
「く、車!?」
「何事だぁ!?」
功海らが仰天している前で、運転席から眼鏡を掛けた、二十歳前後くらいに見える美貌の白衣の女性が、円筒状の銃を担いで飛び出てきた。
「何とか間に合ったわね!」
「えッ、どなたですか!?」
いきなり見知らぬ女性が派手に登場してきたことに唖然とする克海、功海、Saint Snow、それから沙紀。
しかしAqoursの九名は、違う理由で唖然としていた。
「ど、どうしてここにいるんですか!? 律子先生っ!!」
「先生!?」
「まさか、浦の星の!?」
カミソリデマーガから克海らの視線を奪った女性の顔立ちに、氷室もまた驚きを見せていた。
『あの女は……!』
皆の注目を一身に集めた女性は、キランと眼鏡を不敵に光らせながら名乗りを上げた。
「初めまして! 秋月律子ですっ!!」
口が開きっぱなしの克海が千歌に問い返す。
「千歌、あの人って浦女の教師なのか……!?」
「うん。それも、私たちのスクールアイドル部の顧問だよ」
「えぇっ!? 千歌たちの部活、顧問いたのか!」
びっくりする功海に突っ込む曜。
「そりゃいるでしょ。部活なんだから」
「いや、そりゃそうなんだろうけどさぁ。今まで顧問の話なんて、一個も出てきたことねーし」
「まぁ、活動はほぼ全部、私たち任せだったからね」
のんきに話す曜だったが、近づく地響きに状況を思い出させられた。
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
「わぁぁっ! なんて言ってる場合じゃないよぉ!」
「慌てないで! 私に任せなさいっ!」
狼狽する一同を制して、秋月律子という女性が前に躍り出て、担いでいる奇妙な形の銃をカミソリデマーガに向けた。
「ハイパーSAPガン改、発射!」
銃口から発射されたのは白い大型の弾丸。それがカミソリデマーガの頭上で弾け、大量の粉に変わって降り注いだ。
「グバアアアアアア……!」
するとどうだろうか。粉はカミソリデマーガの全身に付着して固形化し、怪獣を丸々一体身動きが取れないようにしたのだ!
「えぇーッ! す、すっげぇ!!」
律子の使用した武器の効果に、功海が度肝を抜かれた。克海は目を丸くして律子に振り返る。
「が、学校の先生が、何であんなすごい武器を……!?」
律子はその疑問には応対せず、動きを封じ込んだデマーガにはそれ以上構わず、一同へと向き直る。
「さぁ、今の内よ! ここから退避するわよ!」
「えッ! 逃げるったって、どこに……」
「悪いけれど、説明は後! 長くは持たないから! みんな乗って乗って!」
事態が把握し切れずに戸惑っている兄弟やAqoursを急かし、律子がマイクロバスに次々乗せていく。
「さぁ、美剣さんも!」
「お、おい……!」
沙紀の腕も引いてバスに乗り込ませると、Saint Snowも促す。
「あなたたちもね!」
「ま、待って下さい! あなた、確か……!」
「サルモーネが見せたライブ映像に出てた人じゃ……!」
聖良と理亞は律子の顔に見覚えがあることを思い出し、尋ねたが、律子は皮肉げに笑んで首を振った。
「話は逃げ切ってからよ。ほら早く!」
二人も半ば無理矢理乗車させ、運転席に戻った律子は、ハンドルを握ってギアを切り替える。
「発進っ!」
マイクロバスは意外なことに、地上を走るのではなく空中へ浮上して、飛んで逃げていく。
「おわぁーッ!? 飛んでるぜ克兄ぃ! すげぇやッ!」
功海の半ば感激の声とともに逃走していくバスを、動けないデマーガに代わり飛行船が追いかけようとする。
アルトアルベロタワーの社長室の氷室が、ウッチェリーナに対して命令する。
「ウッチェリーナ、あの車を衛星から捕捉しろ!」
[お断りしまーす!]
「……何だと」
しかし返ってきたのは、拒絶の意であった。
[私はプログラミング時より前社長に設定された、最上位命令権の保有者の言いつけにより、金輪際
「最上位命令権の保有者だと……!」
氷室はウッチェリーナの元々の主のサルモーネが熱狂していた相手を思い出し、事態を理解した。
と同時に、社長室の電源が全て落ちて、室内が薄暗くなる。扉も勝手にロックが掛かって開かなくなった。
「ッ!」
[更に秋月律子様を追いかけられないように、アイゼンテック社内の全ての設備の利用権も剥奪します! 悪く思わないで下さいね~♪]
それを最後に、ウッチェリーナの声が断絶する。
「……あのアイドルオタクめッ! 最後まで余計なことを……ッ!」
腹立ちまぎれに吐き捨てた氷室だが、すぐに平静さを取り戻す。
「このままでは済まさん……。ウルトラマンの力も、ルーゴサイトの力も、全てを手に入れるのは我々なのだ……」
ウッチェリーナの本体であるドローンは、律子の傍らの助手席に浮かんでいた。
[ご命令通りの、時間稼ぎの工作は全て完了致しました! 律子様っ!]
ウッチェリーナからの呼称に、律子は苦笑を浮かべる。
「様なんてやめてちょうだい。あの人は、私をそんな風には呼ばないわ」
「あの……」
機能不全に陥った飛行船を振り切ったバスの後部座席から、聖良が律子に対して尋ねかける。
「秋月律子さん……やっぱりあなた、765プロというところのアイドルの方なんですよね?」
「765プロって、確か……」
「サルモーネが崇拝していた偶像の……」
梨子と善子が口に出した、サルモーネの名を耳にした瞬間、律子はひどく悔やんだ表情となった。
「……私たちのせいで、あんな凶行に走る人が出てしまったことは残念でならないわ……。本当ならすぐにでも止めたかったんだけど、彼の周りには常に
「そ、そんな、先生が謝るようなことじゃないですよ!」
「悪いのはあの宇宙人ですわ!」
律子の謝罪に、逆に罪悪感を抱いた果南、ダイヤがブンブン手を振った。
ここで克海がおずおずと声を上げる。
「あのー、すいませんけど……さっぱり話が呑み込めません。一体何がどうなってるのか、説明してもらっていいでしょうか……?」
「もちろん。ただ、時間がないの。奴らがこのまま大人しくしてるはずもないし……。だから作業しながらの説明になるのは勘弁してね」
「作業?」
「この辺りで着陸するわ」
空飛ぶマイクロバスは、内浦から離れた山間部の真ん中にある、開けた野原の上に着陸。一同が降車すると、律子はバスのどこに積んであったのかというような種々の機材を野原に運び始める。
「さて、セッティングだわ」
「あっ、手伝いますよ先生!」
「ありがとう。じゃあ、この図面の通りに並べてちょうだい」
千歌たちの申し出を受け、律子の指示の下に、沙紀以外の面々が機材の設置を手伝う。
「……それで、貴様は何者なのだ。ただの人間ではないのは明白だが」
沙紀はいきなり現れた律子のことを警戒しており、腕組みしてにらんでいる。
「そうそう、私のことの説明よね。だけど先に注意するわよ。一度しか言わないし、時系列が大分複雑だから、よーく聞いててちょうだい」
事前に断りを入れた律子が、重要な説明を始める。
「いきなり聞き返すけど、みんなは私たち765プロのことをどれくらい知ってるかしら?」
「確か、オーブというウルトラマンがプロデュースしてるというアイドルなんですよね。サルモーネが自慢げに語ってました」
この中では最も詳しく知っている聖良が返答した。
「そう。あんまり深く説明すると話がそれるから簡単に済ますけど、私たちはオーブの仲間。時には、あの人と一緒に惑星O-50のミッションに当たってた」
「O-50って……」
「俺たちの先代のウルトラマンの星だよな。美剣も……」
功海、克海が美剣を一瞥する。
「そうよ。先代ロッソと、ブル、美剣さんの三人の戦士は、あの人と同じO-50の戦士。だけど、1300年前に怪獣ルーゴサイトを倒すミッションに出たきり、二度とO-50に戻らなかった。――実は私たちは、今の時間からだと四年ほど前にそのことを知って、三人の戦士の消息を確かめるために捜しに来たの! この地球に!」
「何……?」
沙紀当人も含め、千歌たちが大いに驚いた。
「先生、沙紀ちゃんを捜しに来てたんだ!」
「だけど地球圏に着いてすぐに、異常事態に出くわしたわ。ある九人の女の子たちが時間も空間も三次元世界とは全く違う異次元空間に閉じ込められて、怪獣を操るある宇宙人に捕まりそうになってた。それがAqoursのみんなが尊敬するμ'sなんだけどね」
「えぇぇっ!? μ'sが、そんな危険に見舞われたことがありましたの!?」
衝撃を受けるダイヤたち。まさか四年前に、あのμ'sが、怪獣と宇宙人が起こす超常事件に巻き込まれていたとは。
「奴らがどうして彼女たちを捕らえようとしてたのかは定かじゃないわ。まぁともかく、私たちは彼女たちを救うべく怪獣に立ち向かった……」
当時のことを回想する律子の脳内に、カミソリデマーガを始め、恐竜、サルファス、ボラジョ、ネオパンドンといった怪獣軍団と戦うウルトラマンオーブの姿がよみがえっていた。
「μ'sを元の世界に帰すことには成功し、黒幕の宇宙人をあと一歩のところまで追いつめることには成功したんだけど……奴らは最後の抵抗で、私の仲間たちを異次元に封じて出られなくしてしまった! 今も仲間とは連絡が取れないままなの……」
「えぇーっ!?」
再三驚く千歌たち。ここまでだけで相当なスケールの話だが、まだまだ続きそうだ。
「私だけは、宇宙人のたくらみを阻止するためにも、みんなに助けられて封印から脱出することが出来た。だけど、私一人きりじゃ、奴らに普通に立ち向かおうとするのは極めて苦しいと判断して、異次元空間の性質を利用して時間をさかのぼったわ。そして出た先が、八年前……今からだと十二年前のこの地球上」
「八年前、じゃなくて十二年前の昔……」
「確かに時系列が複雑ですね……」
花丸とルビィは指折り数えて、話がこんがらがらないように頑張ってついていっている。
「そこまで時間をさかのぼれば、奴らに対して先手を取れる。その狙い通りに、私は奴らがサルモーネと共謀して、三人の戦士の変身アイテムのルーブジャイロを発掘して研究してるという情報を掴んだ。ウルトラマンの力を利用される訳にはいかないと、私は単身アイゼンテック社に忍び込んで、二つのジャイロとルーブクリスタルを奪取したの!」
功海と克海が思わず顔を見合わせた。
「そういやサルモーネの奴、十二年前にジャイロを盗まれたって……」
「それ、秋月さんの仕業だったんですか!」
己が愛してやまないアイドルがジャイロ窃盗犯だったと知ったら、サルモーネはどんな反応をしたのだろうか。今となっては分かりようのないことだ。
「それから十二年間は、正体を隠してひっそり生活しながら、ジャイロを使ってウルトラマンになれる器の人を探す日々だったわ。あの宇宙人たちを倒すには、どうしてもウルトラマンの力が必要だったから……。だけど一向に見つからなくて、遂にサルモーネがジャイロを複製して怪獣に変身するようになってしまった。こうなったら見つかってもいいから、私自身でジャイロを使おう、とまで考えたんだけど……そこで遂にジャイロは使い手を選んで、その手元に飛んでいったわ。……つまり、高海克海さんと、高海功海さん、あなたたち兄弟の元にね」
「!!」
兄弟は思い返した。最初に、自分たちの元にどこからともなくジャイロとクリスタルが現れ、ウルトラマンに変身した時のことを。
あれは、そういうことだったのだ。
「それから私は、あなたたちの活躍を陰から見守ってた。そして今に至るという訳よ」
「ワオ……何てUnbelievableな話なんでショー……」
「すごい運命的……」
話の壮大さに、鞠莉や梨子はすっかり呆けていた。
と、ここで曜が唇をとがらせる。
「にしても先生、そんなにすごいアイドルだったのなら、私たちの活動にも何か一つくらいアドバイスしてくれたら良かったのに」
それに律子は苦笑を浮かべながら、
「今の説明の通り、目立つ訳にはいかなかったのもあるけど……あなたたちには、あなたたちの輝きを持ったアイドルになってもらいたかったの」
「私たちの、輝き……?」
千歌たちは一瞬動きが止まって、律子に視線が集まった。
「ええ。アイドルの姿、個性は千差万別。一人として同じアイドルはいないから、違う人の後追いをしたって成功する道理はない。私が何かしら口出しするのは、みんなの独自のアイドル像を損ねてしまうことになりかねない。だから、あえて全ての活動をみんなの自主性に任せたのよ」
「じ、じゃあ……先生から見て、私たちは、輝いてるスクールアイドルになれてますか……? 自分たちの学校の廃校も止められなかった、小さい私たちですけど……」
千歌が内心に劣等感を抱きながら尋ねると、律子はにっこりと微笑み返した。
「もちろんよ。アイドルに貴賎なし! スケールが大きければいいってものでもないわよ。Aqoursは色んな経験を積んで、立派なアイドルになってる! 私から保証するわ」
「せ、先生……!」
千歌たちがジーン……と胸を打たれて、ひと筋の感涙も流した。
「いい話展開してるとこ、悪いんすけど……」
そんな空気の中に功海が切り込んで、質問。
「秋月さんはルーゴサイトって奴のこと、知ってるんですか? 俺たち、1300年前に地球を襲ったすげー怪獣ってことぐらいしか知らなくって……」
「ええ、その説明もしないとね。みんな、よく聞いててよ」
改めて忠告した律子が、話を目前の危機の一つに切り換えた。
「ルーゴサイトはいわば、宇宙の白血球。宇宙に害を成す存在を抹消して宇宙のバランスを保つ、本来なら何ら問題のない宇宙の自浄作用の一種なんだけど、何らかの要因で暴走してしまってるの」
「暴走?」
「抹消対象の判別がつかなくなって、無害な星まで消して回るようになっちゃったのよ。そんな危険な宇宙怪獣が、再び地球を消し去ろうと近づいてきてる……!」
律子の口振りに引き込まれ、ゴクリと息を呑む一同。唯一ルーゴサイトを直に見ている沙紀は、憎々しげに口の端を歪めていた。
「一番厄介な点は、ルーゴサイトは実体を持たないガス状生物だってこと。だからどんな攻撃もすり抜けてしまって、ルーゴサイトには通用しない。それが1300年前の敗戦の原因よね、美剣さん」
「……ふん」
「どうにかならないんですか!?」
果南が辛抱できずに問いただすと、律子はニッと自信を湛えた笑みで返した。
「安心して! そのための作戦も、この十二年で用意したから! 何を隠そう、今準備してる装置こそがそれなの!」
「わぁ! 先生頼りになる!」
「で、どうするんですか?」
曜がはしゃぎ、梨子が聞き返したら、律子はバッとあるものを取り出す。
「使うのは、この三つのジャイロよ」
「あッ!? 俺たちのジャイロじゃん!」
「い、いつの間に……」
「私のまでっ!」
ジャイロをかすめ取られていたことに気づいて、動揺する三人。
「悪いけど、ちょっと借りるわ。ルーゴサイトの対処には、ジャイロの力が必要なの」
「どういうことですか?」
「それはここからのことを、見てれば分かるわよ……!」
律子はジャイロを、アンテナ型の装置の三つの頂点に一つずつ設置。そしてジャイロが作る三角形の中心で、リング型のアイテムを取り出す。
「それ、サルモーネが使ってたリングに似てる……」
「オリジナルのオーブリングを基に作った、オーブライトリングよ」
理亞の指摘に答えた律子がオーブライトリングを掲げると、それから発せられた光の波動が、三つのジャイロを同時に起動させる。
「三つのジャイロのエネルギー波を、宇宙空間のルーゴサイトに照射するわ」
「今やるのか? ルーゴサイトの最接近は三日後だが……」
尋ねた沙紀に、どうということでもないように返す律子。
「そんなの待ってる余裕はないわ。こっちから手を伸ばすの」
「何?」
「ジャイロのエネルギー波を、リングの力で増幅させて射程距離を伸ばすわ。ウッチェリーナさん、照準は?」
[角度良し、射程良し。いつでも行けます!]
「OK。それでは作戦、開始!」
リングを介して全てのジャイロを同時に操作。ジャイロのエネルギーがアンテナを通して、宇宙へ向けて発射される。
「おおッ!? 何かすげぇ!」
――地球へ向けて接近しつつあった、惑星規模の質量のガス状生物に、地球から発せられた三条の光線が命中。するとガス状生物は急激に圧縮されていき、一瞬龍人のような輪郭になった後に、一気に手の平に収まるほどの円形の物質の形にまで縮小される。
「トラクタービーム、発射!」
次いで牽引光線が放たれ、圧縮された物体に当たると、空間転移させられて地上の律子たちの頭上に引き寄せられてきた。
「あれは!?」
「クリスタル!?」
頭上にいきなり出現した小さい物体に目を見張る克海たち。律子は厚手の防護手袋を被せた手を上げ、落ちてきたそれをキャッチする。
手の平を広げると、見たことのない姿の怪獣と『龍』の文字が刻まれた一枚のクリスタルが、そこにあった。
「良しっ! 第一段階は無事に成功よ!」
「ま、まさか……それがルーゴサイトなのか……!?」
沙紀が誰よりもこの結果に驚愕し、聞き返した。律子はクリスタルを見せびらかすように掲げながら、鼻息荒くうなずき返した。
「そう! ルーゴサイトをクリスタル化して捕獲する、それがこの地球の明日をつなぐ作戦の第一段階よ!」