彼の走っていく道は…
曜「これまでのAqours!!」
曜「綾香市内浦の浦の星女学院にて、私と千歌ちゃん、梨子ちゃんの三人でスタートを切ったスクールアイドル部、その名もAqours! 浦女の統廃合を撤廃することを目標に、ラブライブ優勝を目指して頑張ってきたの! 千歌ちゃんのお兄ちゃんたちのウルトラマンと一緒に怪獣と戦ったり、東京で実力差を見せつけられたり、オーブダークにやたら絡まれたり、ラブライブの予選で問題にぶつかり続けたりと波乱万丈の日々だったけど、着実に順位を上げていってた! だけど肝心の入学希望者が集まらなくて、遂に浦の星の統廃合は確定しちゃった……!」
曜「一度は折れかけた私たちだったけど、在校生のみんなの想いを一身に受けて、ラブライブ優勝を改めて決心して活動を再開! だけどその矢先に、大怪獣ルーゴサイトの襲来と地球爆破の危機が訪れて世界中大パニック! 私たちも宇宙人の陰謀に巻き込まれて、もうしっちゃかめっちゃか! でも功兄ぃ克兄ぃ、そして自分の真実を知った千歌ちゃんたち運命の兄妹の活躍で、1300年前から綾香に続いてた因縁に終止符が打たれ、地球は見事救われたのだ!!」
曜「Aqoursも北海道でのSaint Snowとの共演や浦女の閉校式などを経て、遂にラブライブに優勝! 浦女に錦を飾って、私たちは新しい旅立ちの時を迎えた! ……と思いきや、受け入れ先の高校でひどい反発を受けたり、鞠莉ちゃんがお母さんから結婚を強要されてイタリアを逃げ回ったりと、またまた問題に直面! それでも私たちは立ち直ったり、練習し直したりと頑張って、新しい学校で受け入れてもらうことに成功! 卒業した鞠莉ちゃんたちも新しい場所に旅立っていって、これから新生Aqoursの活動が始まるのだぁ! 全速前進ヨーソロー!」
「……曜ちゃん、何やってるの?」
『四つ角』でこれからの活動方針を話し合うために集まった現Aqoursの内、千歌がビデオカメラに向かって長々と弁舌を振るっていた曜に尋ねかけた。
「いやぁ、もうしばらくしたら新学期で、新しいAqoursも始まるんだな~って思ったら、これまでのことを纏めたくなってね。色んなことがあったしさ~」
「だからって、ウルトラマンのことまで記録に残そうなんて……。誰か他の人に見られたらどう言い訳するつもり?」
梨子が呆れて突っ込む。
「まぁまぁいいじゃん。いつか秘密を共有する私たちが、この時のことを思い出す時にでも見返そうよ。未来へのビデオレターって感じで。こんなにもたくさんの思い出が出来た一年なんて、もうないだろうし」
「確かに、ほんと色んなことがあったずら~」
花丸が曜に相槌を打ちながら、しみじみつぶやく。善子とルビィもうんうんと首肯。
「過ぎ去りし日々……あの動乱の刻が、束の間の夢幻だったかのようね」
「あれから怪獣も出なくなって、すっかり平和になったもんね~」
最後にして最強の敵ルーゴサイトを討ち破ってから、怪獣のクリスタルを悪用しようという者が皆いなくなったこともあって、地球に怪獣が出現することは最早なくなった。高海の兄弟もあれ以来一度もウルトラマンには変身しておらず、すっかりと元の日常を取り戻している。
「まぁともかく、そろそろ話し合いを始めようよ。当面の目標は、新しい部員の確保と、Aqoursのラブライブ二連覇!」
「当面と言いながら、随分と飛躍したわね」
早くも連覇を狙う千歌に、梨子が苦笑を浮かべた。
「そりゃあそうだよ! 私たちはたゆまずにスクールアイドルとして輝き続ける! そうして、浦の星という学校にAqoursという伝説のスクールアイドルがいたんだって、みんなの記憶に残すんだっ!」
「はは。でかい目標を持ってるな、千歌」
「わふっ!」
今から張り切っている千歌の元へと、ジュースをお盆に載せて運んできたのは克海。その足元にじゃれつきながら一緒に来たのはしいたけと、彼女が産んだ子供たち。
しいたけは雌だったのであった。
「克海お兄ちゃん!」
「いいことだ。……春が来て、みんな前に向かって歩き始めてるんだな……」
ジュースをテーブルに移しながらの克海のつぶやきに、しいたけをあやす梨子が振り返る。
「みんな、ですか? 私たち以外にも?」
聞き返す梨子に、曜が告げる。
「功兄ぃね、カリフォルニアの大学に研究成果が評価されて、留学を誘われてるんだって」
「アメリカの大学から!? それってすごいじゃない!」
予想以上の内容に、梨子のみならずルビィらも関心を示す。
「でも、返事は待ってもらってるんだって。功兄ぃも流石に、そう簡単には決めらんないみたいで……」
曜が事情を説明している脇で、克海が複雑な表情を浮かべているのを、千歌が目に留めた。
「克海お兄ちゃん……?」
『Select!! Rainbow Crystal!!!』
その後、千歌たちは『四つ角』の縁側で、功海から直接話を伺っていた。
「確かに、俺の夢に向かうにはまたとないチャンスだ」
「だったら尚更受けるべきですよ!」
「チャンスは逃しちゃ駄目ずら!」
「ふっ……あなたは世界に向かって
ルビィ、花丸、善子が功海の背中を押す。曜も功海の夢を応援する。
「功兄ぃ、昔から宇宙考古学者になるのが夢だったじゃん。何をためらうことがあるの?」
「だって、また怪獣が出るかもしんないだろ? サルモーネやグラキエスみたいなのが現れないなんて保証もねぇし……」
悩む功海に、克海が苦笑交じりに説く。
「そんなこと気にするなよ。ウルトラマンなら、ここにもいるだろ?」
「克兄ぃ……」
「ええ。私たちだっています!」
「綾香市のことは、私たちに任せといてよ!」
功海を安心させようと請け負う梨子、曜たち。克海が最後のひと押しをする。
「お前はお前の行きたい道を進めばいいんだ!」
「……ありがとう、みんな。俺、決心がついたよ!」
功海の表情が晴れやかになったので、千歌たちもまたにこやかになった。
しかし不意に、功海が克海に呼び掛ける。
「なぁ克兄ぃ。克兄ぃも自分の好きなことしていい時期じゃない?」
「……俺も?」
「千歌が有名になったお陰で、『四つ角』で働きたいって人が集まってきてるんだろ?」
えへへ、と己の後ろ頭を撫でる千歌。
「そしたら克兄ぃもやっと手が空くし。みんなが夢に向かって進み出してんだから、克兄ぃも自分の夢叶えなよ!」
功海は何気なく言ったつもりだったが……克海は真剣に思い悩んだ。
その横顔を、千歌が見やって眉をひそめた。
その晩、居間で左手にグローブ、右手にボールを持っている克海の元に、千歌がやってくる。
「克海お兄ちゃん……」
「千歌、まだ起きてたのか」
「うん……。お兄ちゃんの夢って、やっぱり……」
ボールをグローブにパシンと収めるのを繰り返している克海に、そっと尋ねかける千歌。
「ああ……野球選手になるのが、俺の唯一の夢だった。けど、今からじゃもう遅いからな……。でも、新しい夢と言われても、何も思い浮かばない。これまで一度も、考えたことなかったからな……これからの俺が進む道……」
「克海お兄ちゃん……」
「……こんな時、あいつは何て言うだろうな」
克海がグローブから抜いたボールの表面には、大きく「夢」の一文字が描き込まれている。
「……久しぶりに会いに行くか、戸井に」
翌日――内浦の沿岸沿いの道を、克海が一人トボトボと歩いているところを、ダイビングショップの設備を運んでいる果南が見つけた。
「克兄ぃ! こんなとこで、何やってるのー!?」
「果南ちゃん……」
克海は果南に誘われ、ショップのテラスで向かい合って話をする。
「果南ちゃんは、進学はしないんだってな」
「うん。ウチのお店を継ぐって、前々から決めてたし。私は内浦の海が好きだからね」
「はは……らしいや」
妙に覇気がない克海を見つめ、問いかける果南。
「どうしたの? 何か元気ないじゃない」
「……さっき、戸井に会いに行ってな」
「戸井……克兄ぃが高校野球の時に、バッテリー組んでた人だよね」
戸井という人物のことを思い返す果南。高校時代の克海の野球部の主力キャッチャーであり、克海の名ピッチングは戸井あってこそというレベルで支えてくれた、克海のなくてはならない相棒であった。
「克兄ぃの高校野球かぁ、懐かしいな。みんなで応援したっけ。……その戸井さんと、何かあったんだ」
力なくうなずく克海。
「戸井の奴、子供たちをワクワクさせるのが夢って言って、ゲームクリエイターになったのは知ってた。けど……あいつ、会社を辞めたんだって」
「辞めた……? どうして?」
「いつもいつも雑用ばかりで、ゲーム開発に関わらせてもらえないからだって……」
「そんな理由で……? 戸井さんの、昔からの夢だったんでしょ? そんな簡単にあきらめるなんて……」
「……あいつは変わっちまったよ。今じゃ日がな一日、家に引きこもってゲームばかりだって、おばさんがな……。俺に、このボールをくれた奴だったのに……」
戸井からの応援の証である、「夢」のボールを握りながら、克海は肩を落としている。かつての親友の変貌ぶりに、ショックを禁じ得ないようだ。
「……今の戸井を見て……夢って何なのかが分からない気分だ……。夢は大事なものだって、みんな言うけれど……叶えられなきゃ、何の価値もない代物なのか? 夢に破れて、あんなになるくらいなら……夢にどれだけの意味があるんだ……?」
夢の答えを探しに行ったはずが、余計に己の夢に迷う結果となった克海。彼の疑問に、果南もまた悩む。
「難しいね……私たちAqoursは、熾烈な競争を勝ち抜いてラブライブ優勝の夢を叶えられた。だけど裏を返せば、たくさんいた競争相手のみんなが、夢に破れたってことになる……。その人たちには、何が残ってるんだろう。私たちの立場からじゃ、それは分からない……」
「……」
「浦の星だって、ラブライブの歴史に名前を残せても、学校が残ってないなら何になるのかと言われたら……。夢を叶えた人には注目が集まるけど、そうじゃない、成功者の何倍もいる脱落者には、誰も見向きもしない……。夢を掴めなかった人は、それからどこへ行くのか……」
思い悩みながらも、果南は空を見上げた。
「でも、私はそれでも一歩を踏み出していかなきゃって思うよ」
「果南ちゃん?」
「いつまでも立ち止まってたって何にもならないって、私は千歌たちから教わったから!」
そう唱える果南の横顔は、家に引きこもるようになった戸井の顔とは違い、輝いているように克海には見えた。
そんな時――克海のスマホに、功海からの着信が入る。
「ちょっとごめん。もしもし?」
『メーデーメーデー!!』
通話に出た克海の鼓膜を、功海の大声がビリビリ震わせた。
「うわッ!? 何だよいきなり……」
『克兄ぃ! 今すぐ綾香駅に集合だッ!!』
「ええ?」
一体何事かと、果南も目を丸くした。
――克海が訪問していた、戸井家の一室。それが克海の親友『だった』、戸井ゆきおの閉じこもる部屋である。
戸井は憮然とパソコンの画面に向かい、顎がしゃくれた蛇の首を持った怪物の画を手掛けていた。
「くそッ……俺はこんなにも才能に溢れてるってのに……誰も認めやしねぇ……。まちがってるぜ、こんな世の中……」
まさしく自画自賛しながら、戸井は淀んだ眼で社会への恨みつらみを吐き出す。
「……いっそこいつが本物になって、全部ぶっ壊してくれりゃいいのに」
そうつぶやいた、次の瞬間――パソコンの画面が急に乱れ、ポインタが動作しなくなる。
「? 何だよ……故障か? オンボロめ……」
初めはさして気にも留めなかったが――向かって左側の画面に、プログラムにはない奇怪な魔法陣らしきものが浮かび上がる。
「……?」
そしてその陣の中から――画面を突き破るように、青い腕が生えてきた!
「わぁぁぁぁッ!?」
途端に腰を抜かして椅子から転げ落ちる戸井。画面から生えた腕は彼をからかうようにうねうねと動き、声を発する。
『聞いたよ、今の言葉……。君こそ、私の力を必要とする人間だ』
「あ、あんた誰だ!?」
言葉は通じるようなので、戸井は動揺しながらも問い返す。
青い腕は、名前と目的を告げる。
『私はトレギア。君の願いを叶えに来た……!』
「お、俺の願い……?」
青い腕の傍らに、不気味な赤い双眸が現れ、尋ねた。
『君の夢は何だ……!?』
綾香駅前の広場にて、迷彩服に身を包んだ功海が茂みの陰に身を潜めながら、無線に呼び掛ける
「こちらAqours-1。Aqours-1、応答せよ」
同じく迷彩服姿の曜が、無線に応答する。
「こちらAqours-1。千歌ちゃんの姿は見えません」
「この付近にいるはずだ。Aqours-1、そっちはどうだ?」
こちらも迷彩服のルビィが、双眼鏡で辺りを見回している。
「こちらAqours-1。こっちも千歌ちゃんを確認できません!」
やはり迷彩服の花丸が無線を片手に続く。
「Aqours-1も同じずら。無線って未来ずら~」
「無線はむしろ過去だ。Aqours-1、応答せよ」
功海の呼び掛けに、当然迷彩服の善子が応ずる。
「ふふっ、この堕天使ヨハネのヨハネアイを以てすれば!」
「馬鹿、今はAqours-1だ! Aqours-1、そっちは千歌を発見したか?」
そして迷彩服を着させられた克海が、呆れて功海に返す。
「あのな、功海。全員のコードネームをAqours-1にしたら、区別つかないだろ」
克海の側にたたずむ梨子が、困ったように苦笑い。
そして当の功海は完全スルー。
「千歌を発見したら、至急連絡されたし! Aqours-1!」
「だから、誰に言ってるんだよ! って言うか!」
克海がグルリと――すぐ近くでうろうろしている功海たちを見回した。
「無線なくても聞こえてるだろ! こんな近いんだから!」
功海は白けたように克海を見返す。
「も~、ノリ悪りぃな克兄ぃはぁ。形から入ってかなきゃ、不審人物と間違われるだろ?」
「今が十分不審人物だよ! この迷彩意味あるのか!? 逆に目立ってるだろ!」
克海のツッコミに唇を尖らす曜。
「え~? せっかくとっておきの衣装引っ張り出してきたのに」
「いつ使う予定の奴なんだよ!」
克海がひたすらツッコんでいる内に、のっぽパンを頬張りながら(ほぼ意味ない)双眼鏡を覗き込んでいる花丸が、グイッと身を乗り出した。
「Aqours-1、千歌ちゃんを発見したずら! 誰かと一緒ずら!」
「何だと!? すぐ行くッ!」
功海たちが花丸の周囲に集まり、茂みの向こうを覗き込む。
「Aqours-1、突入しますか!?」
「焦るなAqours-1! まずはターゲットを観察!」
逸る曜を制止する功海。
彼らの視線の先には確かの千歌の姿があり、そして報告通り、青いジャケットを羽織った誰かと広場を練り歩いている。
「樹が邪魔で顔は見えないけど……体格からして、男なのは確実ね」
「従姉妹の子ってオチではなさそうね」
千歌と一緒にいる人物の背格好から判断する善子と梨子。
「速やかにフェイズ2に移行しあぁ―――――ッ!?」
状況を監視する功海たちが、一斉に奇声を上げた。
青いジャケットの人物が、千歌の顔に顔を寄せたのだ!
「緊急事態!! 千歌ちゃんの唇が奪われるぅーっ!!」
「メーデーメーデー! 総員、突撃せよぉーッ!!」
功海の号令により、ドドドドドと猛烈な勢いで現場に走っていく一同。
「……行きます」
克海も戸惑いながらも、後に続いていった。
「そこまでだぁーッ! 妹に何をするーッ!」
「天界の刺客め! リトルデーモンから離れよっ!!」
功海たちは千歌とジャケットの人物との間に割って入り、千歌を彼から遠ざける。
「克海お兄ちゃん、功海お兄ちゃん! みんなも、そんなに急いでどうしたの?」
「ち、千歌ちゃん! スクールアイドルでも、アイドルはアイドル! スキャンダルはご法度よ!」
「そういうのは、せめて私たちに話を通してからにして!」
何の権利があってか、曜がそう言い聞かせる。
「お前誰だッ!」
功海がジャケットの人物に指を突き立てると――千歌と一緒にいた好青年は、礼儀正しくお辞儀して名乗った。
「初めまして! 朝倉リクと言います!」
「……朝倉リク?」
「この辺じゃお見掛けしないお顔ずら」
綾香市において全くの見知らぬ青年のことを訝しむ曜、花丸たち。そんな仲間たちに、千歌が彼のことを紹介する。
「駅前で困ってる風にしてたから、声を掛けたの。人を捜してるんだって。みんなも協力してあげて?」
「人って……誰を捜してるんだよ!」
功海は敵愾心を剥き出しにして詰問する。対するリクは、目尻を引っ張り上げながら答えた。
「こんな風に、すっごく目つきが悪い人です! 心当たりありませんか?」
「ええ? すごく目つきが悪いって……」
大分漠然とした特徴に困惑するルビィ。功海はますます顔を険しくする。
「そんな説明で人が分かるかッ! はぐらかそうとしてんじゃないだろうな、妹にキスしようとしといて!」
「えッ……何の話ですか?」
「とぼけんなッ! こう……顔と顔を近づけようとしてただろ!」
功海のジェスチャーに、曜たちが顔を赤くしてキャーキャー騒ぐ。
しかし、千歌に訂正される。
「それは誤解だよ。リクさん、私の落とし物を拾おうとしてくれただけなの。ほら」
「えッ」
スマホを見せる千歌。どうやら、角度の問題でそう見えただけのようだ。
「何だ、結局早とちりずら」
花丸らが肩をすくめて愛想笑いしていると――突如空に、不気味な気配が渦巻いた。
「はッ!?」
リクが振り返った先の空に、巨大な魔法陣が出現し、それと同等のサイズの腕が降ってきて地上に怪獣を二体も解き放った!
「ギアァッ! ギギギィッ!」
「イヒャヒャヒャヒャヒャ!」
逆五角形の体型の宇宙大怪獣ベムスターと、目玉に手足が生えているような奇獣ガンQ!
突然のことに街が大混乱に陥る中、克海と功海は即座に、緩い雰囲気から研ぎ澄まされた戦士の空気に一変する。
「今になって怪獣が現れるなんてな……!」
「久しぶりだな克兄ぃ。やれっか!?」
「ああ!」
Aqoursの方も、梨子と曜が進み出る。
「今回は私と曜ちゃんで行くわ!」
「千歌ちゃんたちは避難してて!」
「頼んだわよ、リリィ! 曜!」
「リリィは禁止!!」
善子が先導し、逃げる市民たちに混ざって千歌たちが避難。
克海と功海、梨子と曜は怪獣の方へ向かっていって、人の波がなくなったところでルーブジャイロを取り出す。
「「俺たち色に!」」
「ジーッとしてても!」
ところが、すぐ横にリクも来ていて、何やら赤い握力計のようなものを握っていた。
「……!?」
互いの存在に気づいた双方は咄嗟に手に持っているものを背に隠し、ペコペコ頭を下げながら別れていった。
「あー驚いた……さっきの人、何であんなところに?」
「さぁ。それより改めてッ!」
曜に肩をすくめながら返し、功海と克海がガッガッと拳を打ち合わせる。
「「俺たち色に染め上げろ! ルーブ!!」」
克海が火の、功海が水のクリスタルを取り出す。
「「セレクト、クリスタル!」」
クリスタルをジャイロにセットして、各ウルトラ戦士のビジョンを背景に呼び出す。
[ウルトラマンタロウ!]
[ウルトラマンギンガ!]
「纏うは火! 紅蓮の炎!!」
「纏うは水! 紺碧の海!!」
ジャイロのグリップを三回引いて、梨子、曜とともに変身!
「ビーチスケッチさくらうち!」
「ヨーソロー!」
[ウルトラマンロッソ! フレイム!!]
[ウルトラマンブル! アクア!!]
火柱と水柱から飛び出して巨大化していくロッソとブルが、綾香の街中に立ち上がった!