ウルトラブライルーブ!サンシャイン!!   作:焼き鮭

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Fight again

 

『『はッ!』』

「ハァッ!」

 

 堂々と見得を切るロッソとブル! ――その隣に、赤黒い身体の、ひどく吊り上がった双眸の巨人が構えを取っていた。

 

『『ん?』』

 

 そちらに振り向いたロッソたちが、いつもと違う流れに動揺。

 

『功海、誰かいるぞ!』

『「あの胸のカプセルみたいなの……もしかしてウルトラマン!?」』

『何か目つき悪りぃけど!』

『おい指差すな!』

『ほっといて下さいッ!』

 

 気にしているのか、ロッソとブルではないウルトラマンが声を荒げた。

 千歌たちの方も、まさかの三人目のウルトラマンに注目して驚いていた。

 

「あの人誰!?」

「あの目……まさか、さっきの人が捜してた人って、ウルトラマン?」

「いやいやそんなまさか……」

 

 ルビィのひと言を、善子が手を振って否定した。

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

「イヒヒヒヒヒ!」

 

 なんてことをしている間に、ベムスターとガンQは光線を飛ばしてロッソたちに攻撃してくる!

 

『うおッ!?』

 

 三人のウルトラマンは咄嗟に散開することでかわしたが――ロッソの背後を、いつの間にかベムスターが取っていた。

 

『ん!?』

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 ベムスターはロッソを捕まえて、空高くに一気に飛び上がる。

 

『「きゃあああ――――!?」』

『克兄ぃ!?』

『「り、梨子ちゃーん!!」』

 

 身動きが取れない状態でぐんぐん地上から引き離されていくロッソ。

 

『は、放せぇッ!』

「ギアァッ! ギイッ!」

 

 ベムスターは更に一本角から電流を浴びせ、ロッソを苦しめる。

 

『うわああぁぁぁぁ!?』

『「あうぅぅっ!」』

 

 ロッソを麻痺させた上で、放り捨てるベムスター。

 まっさかさまに地表へ転落したロッソは、頭が建物に突っ込み、逆立ち状態になってしまった。

 

『いってぇぇ~……!』

『「は、早く立ち上がって下さい! 怪獣が来ますっ!」』

『そうは言っても……頭が抜けない……!』

 

 首がすっぽり嵌まってしまい、ロッソはジタバタともがくしか出来ない。その間、ベムスターとガンQはブルと三人目のウルトラマンで食い止める。

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

「イヒヒヒヒヒヒヒ!」

「ウワッ!」

『おわぁッ!』

 

 ベムスターたちに投げ飛ばされて、二人は地面を転がる。

 

『くっそ~……行くぞッ!』

『「ヨーソロー!」』

 

 ブルは見知らぬウルトラマンと即席タッグを組んで、同時に足払い。ベムスターとガンQを転倒させる。

 

「ギアァッ!」

「イヒャアッ!」

『よしッ!』

 

 そこにすかさずジャンピングエルボーを振り下ろして、二体を地に伏した。

 

「トアァッ!」

 

 ブルと三人目のウルトラマンの連携攻撃に目を見張るロッソ。

 

『息が合ってる!』

『はぁぁぁぁッ!』「ハァァァァッ!」

 

 ブルたちのミドルキックが怪獣に炸裂して、二体はばったりと倒れた。この隙にブルがロッソの元へと駆け寄る。

 

『何やってんだAqours-1!』

『すまん……!』

『「ほら、じっとしてて!」』

 

 ブルがロッソの腰を鷲掴みし、建物から首を引っこ抜いて救出した。

 

『よいしょッ!』

『「ありがとうございます……!」』

『ほらしっかり! 行くよッ!』

『ああ……!』

 

 ロッソの腕を引いて戦いに戻るブル。こちらも起き上がった怪獣たちに、水流を繰り出す。

 

「『アクアジェットブラスト!!」』

「ギアァッ! ギギギィッ!」

「イヒヒィッ!」

 

 だが水はベムスターの腹部にある吸引口に吸い込まれ、更にガンQの巨大な目玉から返される。

 

『うわッ!?』

 

 瞬時に飛びすさってかわすブルたち。奇怪な現象に首を傾げる。

 

『どういうこと?』

『「変な怪獣……あれじゃ光線が効かないよ!」』

『「両方同時に攻撃すれば、きっと通じるわ!」』

『よし、同時に行くぞ!』

 

 ロッソとブルはフレイムスフィアシュートとアクアストリュームの構えを取る。

 

「行くずらー!」

「振るいなさい! 堕天の雷っ!」

 

 花丸たちもロッソらを応援するが――その場に紅玉色の瞳の男が駆け込んできて、ウルトラマンたちへと叫んだ。

 

「射つなッ! ガンQの中に、比企谷が囚われてるんだぞぉッ!」

「!? あなたは……!」

 

 思わず振り返った千歌たちが、驚愕。駆け込んできたサンダルの男は、二度ほど対面したことがある宇宙人――。

 

「止めろジードッ!」

「ハッ!」

 

 ジードと呼ばれた、三人目のウルトラマンがガンQを見据え、慌ててロッソとブルの前に回って制止した。

 

『待ってくれ! 僕の友達が、あの中にいるんだッ!』

『「えっ!?」』

『「怪獣の中に、人が……!?」』

 

 ロッソとブルの目も、ウルトラマンの超視力によって、ガンQの内部で確かに人影が苦しそうにもがいているのを発見した。

 

「ギギギィッ!」

「イヒヒヒヒヒヒッ!」

 

 怪獣たちの光線から逃れ、曜たちは素早く作戦を立てる。

 

『「よぉしっ! 人質救出作戦だよ!」』

『「クリスタルチェンジね!」』

 

 梨子は水の、曜は風のクリスタルに手を伸ばす。

 

『「「セレクト、クリスタル!」」』

 

 ロッソアクアとブルウインドにタイプチェンジし、それぞれ水と風を手に宿す。

 

『ここは俺たちに任せろ!』

「『アクア!!」』

「『ウインド!!」』

「『「『ハイブリッドシュート!!!!」』」』

 

 スプラッシュ・ボムとストームシューティングを組み合わせたものをあえてベムスターに撃ち込み、超空間のつながりを利用してガンQの中の人影を水に包みつつ、風で体外に押し出す!

 

「――うわぁぁぁッ! ぷはぁッ……!」

 

 クッションの水球が地面に当たって弾け、無傷で救い出されたのは、一人の青年。――その顔をひと目見たルビィたちが衝撃を受ける。

 

「ぴぎぃっ!? お目めがすっごく吊り上がってる!!」

「とんでもない目つきの悪さずら! 間違いなくあの人が、捜し人ずら!」

「の……呪われし子だわ!!」

「み、みんな失礼だよっ!!」

 

 その青年の元に、先ほどの男が駆け寄って助け起こす。

 

「大丈夫か、比企谷!」

 

 更に――不自然な位置に黒々とした影が出てきて、そこからカタツムリのように目が突き出た怪人が顔を出す。

 

「八幡、しっかり!」

「また何か出てきたぁー!?」

「宇宙人ずらぁー!」

「デュエス、ペガ……!」

 

 救出された青年、比企谷八幡は、宇宙人たちをそう呼び返した。

 

『よしッ!』

 

 気兼ねする必要がなくなったジードもまた、姿を大きく変える。

 

[ウルトラマンジード! ソリッドバーニング!!]

 

 真っ赤な甲冑を着込んだ、サイボーグ戦士かのような姿に変貌したジードは、全身から蒸気を噴き出しながら右腕にエネルギーを溜める。

 

「『スプラッシュ・ボム!!」』

「『ストームシューティング!!」』

『ストライクブーストぉぉぉッ!』

 

 そして三人のウルトラ戦士たちの同時光線によって、ベムスターとガンQのエネルギーの逃げ場をふさぎ、同時に体内から破裂させた!

 

「やったぁぁーっ!!」

 

 怪獣たちを撃破すると、ジードは変身を解いて――朝倉リクの姿で八幡たちの元へ飛び降りた。

 

「八幡、怪我はない!?」

「リク……ああ。足を引っ張ってすまん……」

「いいんだよ、そんなこと。友達を助けるのは当たり前じゃないか……」

 

 八幡の無事を確認して安堵しているリクに遅ればせ、克海と功海も着地する。

 

「……ウルトラマンなのか」

「君たちも……」

 

 リクと目と目を合わせる克海たちの前に、デュエスが進み出てくる。

 

「すっかりウルトラマンが板についたな、ロッソ、ブル」

 

 克海と功海をそう呼び、次いで千歌に首を向ける。

 

「それから、グリージョ」

「え? 何で私のこと……」

「話は聞いてる。生まれ変わりなんだって? 道理で、お前と美剣沙紀の魂の形が全く同じだった訳だ」

 

 言っている意味が分からず、首を傾げる克海たち。

 

「それってどういう……」

「俺ぁこう見えて、魔術をかじっててな。人の精神エネルギーの波長を視覚で認識できるのさ。だから、お前と美剣沙紀は俺には同一人物に見えた。その通りだった訳だがな」

「魔術!?」

 

 過敏に反応する善子は置いて、梨子と曜がデュエスに食って掛かった。

 

「それって、千歌ちゃんの真実にあの時点で気づいてたってこと!?」

「何で言わなかったのさぁ! お陰で千歌ちゃんはひどい目に……!」

「しょうがねぇだろ。時を超えた生まれ変わりとか、言われなきゃ分かんねぇよ」

「梨子ちゃん、曜ちゃん、落ち着いて! 私のことならもういいから! 今があるから、これまでのことは全て良し!」

 

 千歌が曜たちをなだめる一方で、功海はリクたちを指差す。

 

「っていうか、この人たちは何なんだ! 特にその白いの!」

「何が起こってたんですかぁ!?」

「まるで呑み込めないずら!」

「あの、触りでいいから魔術をご教授を……」

 

 混乱しかけている場を、克海が取り成す。

 

「一旦落ち着け! ずっとここで騒いでたら目立つし、腰を落ち着けられるとこに移動しよう」

 

 

 

 リクたちジード組を連れて内浦に戻った克海たちルーブ組を、果南に加え、ダイヤと鞠莉も出迎えた。

 

「皆さん、ご無事ですのね」

「ワーオ! これまたBig所帯デスねー」

「お姉ちゃん、鞠莉ちゃん!」

「内浦に戻ってきてたんだ」

 

 千歌のつぶやきにうなずく二人。

 

「再びの怪獣の出現に加え、見知らぬウルトラマンとなっては、いても立ってもいられませんでしたので」

「また悪い奴かもしれないからねー……目つきもやたら悪かったし」

「ひどッ!? 顔立ちは生まれつきだよ!」

 

 悪のウルトラ戦士に襲われることが多かったのである種仕方ないとはいえ、理不尽に疑いの目で見られたリクがショックを受けた。

 それから一行はホテルオハラの食堂の一室を特別に貸し切らせてもらい、そこでウルトラマン同士の会食を行うこととなった。

 

「本日の晩餐は、マリー特製シャイ煮のfull-courseデース!」

「出たッ! シャイ煮!」

 

 鞠莉の煮込んだ鍋料理を、千歌たちが杯によそってリクたち四人に差し出す。

 

「はいどうぞ♪」

「ありがとう」

「よく味わって食べなよー。一杯十万円だから」

 

 果南のひと言に、リク、八幡、ペガがブゥッ! と噴き出す。

 

「「「十万!!?」」」

「?」

 

 デュエスだけはよく分かってない顔であった。

 

「はい、これはペガくんの分ずら」

「ありがとう!」

 

 花丸から杯を受け取ったペガという宇宙人は――席には着かず、リクの足元の影に飛び込み、そのまますっぽりと消えてしまった。

 

「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

 これを目の当たりにしたルーブ組が仰天。

 

「い、今のどうやりましたの!?」

深淵(タルタロス)!?」

 

 目を白黒しているダイヤたちに、デュエスがシャイ煮をすすりながら淡々と説明。

 

「それはダークゾーン。ペガッサ星人は虚数次元をプライベート空間に扱うことが出来るのさ。これでもペガッサの科学技術のほんの一部でしかない」

「よ、よく分かんないけど……どうして影の中で食事を?」

 

 梨子の疑問にリクたちが答える。

 

「ペガは恥ずかしがり屋だから……」

「ペガッサ星人自体、警戒心が強い種族だ。食事中などの無防備な姿は、親兄弟でも晒さないのが普通なのさ」

「……すごい親子団欒の光景だね……」

「Universeはvery wideデースねー……」

 

 宇宙人の特異な風習に触れ、曜たちは反応に困った。

 功海は興味津々にダークゾーンににじり寄る。

 

「虚数次元を自由自在なんて……すげぇッ!」

 

 興奮のあまり、ダークゾーンに手を突っ込んでペガをまさぐる。

 

「わぁッ!? やめてよ、くすぐったい~!」

「功海」

 

 克海が咎めていると、千歌がリクたちに質問を投げかける。

 

「それで、リクさんたちはどこから来たんですか?」

「……僕たちはみんな、こことは違う地球、いわゆるパラレルワールドから来たんだ」

「まぁ、俺たちの意思でじゃあないけどな」

 

 リクと八幡の返答に、小首を傾げるルビィら。

 

「パラレルワールド……前に聞いたような……」

「……リクさんたちは、デュエスさんが飾っていた写真に写っていた方々ですね。ということは、ご友人のご関係と」

 

 ダイヤのひと言に、果南たちの視線が集まる。

 

「よく覚えてるね、ダイヤ」

「流石元浦女の生徒会長の才女デース♪」

「ああ。俺たちみんな友達って訳だ。色々あったけどな」

 

 『色々』の部分で、デュエスが気まずそうに目を泳がせる。

 

「……お前、いい加減過去を気にすんなよ。ここにいるのは関係ねぇ人たちなんだし、そう気に病まなくたっていいだろ」

「いや、そういう訳にも……」

 

 リクが話を先に進める。

 

「僕たちは久しぶりに集まって話をしてたんだけど、突然雷雲から出てきた巨大な手に捕まって……気がついたら、こっちの世界に連れてこられてた。だけど一緒に捕まったはずの八幡がどこにもいなくて……」

「それで捜してたんですか……」

 

 納得する千歌。当の八幡も話の本筋に戻る。

 

「俺はずっとあの怪獣の中に閉じ込められてた。きっと、ウルトラマンに俺を殺させて、それをリクに見せつけるのが目的だったんだろう」

「そっか……危ないとこだったな」

 

 身震いする功海。デュエスも憤然と腕を組んだ。

 

「陰湿なことする奴もいたもんだ。人のこと言えるクチじゃねぇが」

「デュエス……あの腕の正体は分からねぇか?」

 

 八幡に聞かれ、デュエスは眉間に皺を刻み込む。

 

「……何者なのかまでは分からん。だが、俺がクズだった時代に、夢を叶えると嘯いて星を破滅に追いやる青い悪魔の噂を聞いたことがある」

「夢を……?」

「叶える……?」

 

 きょとんとする克海たち。一見すると、星の破滅につながる所業とは思えないが……。

 

「ともかく、ただ者じゃないってのは確かだ。これであきらめたとも思えねぇ。帰還は明日にするとして、当分は用心が必要だな」

「全く……宇宙も悪い奴がいっぱいいるんだな……」

 

 ぼやきながらシャイ煮の鍋をすくう功海を、克海が見咎めた。

 

「おい功海、肉ばっかり取るなって!」

「早い者勝ちじゃん。……おい千歌、そんな肉取るな肉!」

「言ってること違うじゃん、功海お兄ちゃん」

「やめろよお前たち! お客さんの前でみっともないな!」

 

 高海兄妹の寸劇に、思わず笑う一同。

 リクもまた、三人の関係に朗らかに笑っていた。

 

 

 

「ごちそうさま。楽しい食事だったよ」

 

 食後に、千歌はリク、デュエスとバルコニーで会話をしていた。

 

「八幡のところに厄介になってた時も思ったんだけど……家族って、やっぱりいいものだね」

「だな……あんなに賑やかな席は、俺は初めてだ」

「……お二人のお家は?」

 

 家族について思うところがあるようなリクとデュエスに、千歌が尋ねかける。

 

「……僕の親は、ベリアルって言うんだ」

「ベリアル?」

「宇宙を支配しようとした悪のウルトラマン……。一度は、僕のいた宇宙を破壊したこともある。僕はその遺伝子を受け継いでる、ベリアルの息子なんだ……」

 

 大悪人の子……。それだけで、家庭に恵まれなかったことは容易に想像がつく。

 

「ジードは立派さ。それでも人の道をまっすぐ進んでたんだからな」

 

 マッ缶をあおるデュエスが自嘲を浮かべる。

 

「俺は父親から、道具としてしか見られてなかった。ルパーツ星の同族も、俺とは気性が大違いで全然馴染めなくってな……(くに)を捨てて、人の道を外れまくった。比企谷とジードがいなかったら、俺は自分すら滅ぼしてたよ……。最低の男だった」

 

 デュエスは当時のことを、今も深く悔やんでいるようだ。

 二人に対し、千歌が告げる。

 

「私も、お兄ちゃんたちとは血のつながりはないんです。どこからかやって来た、本当は誰も知らない子……」

「え?」

「……」

「それを知った時は、とても悩みました。でも、お兄ちゃんたちやみんなは、こんな私のことを全力で受け入れて、必死で助けてくれた……。そして分かったんです。家族の絆って、もっと大きなものなんだって」

 

 月夜を見上げて、うっとりと語る千歌。

 

「大事なのは、血のつながりじゃない。どれだけお互いを想い合ってるか……。私たち兄妹は、1300年前に離ればなれになった兄妹の遺志と絆を継いでる。その強い絆で、私たちはみんなを救えたんです。それこそが、私たちの家族の絆の証明です!」

 

 リクとデュエスを相手に千歌が話すことを、克海と功海も少し離れたところから聞いている。

 

「みんなが助けてくれた私の輝きで、みんなを笑顔にしたい。みんなに、私の幸せを分け与えたい! それが今の私の願いです!」

 

 千歌の想いに、神妙に耳を傾けていた克海の元へ、八幡が歩いてくる。

 

「二人のこと、あんたたちの仲間から色々聞きましたよ」

「比企谷くん」

「……立派な人たちなんすね、二人は」

 

 褒め称える八幡に、克海と功海は謙遜。

 

「いや、俺たちはウルトラマンになっても、ただの一般人に過ぎなかったよ。ゼロからのスタートさ」

「ずぅっと失敗したりグダったりの連続でさ。あのデュエスにだって散々叱られて」

「それ言ったら、俺だってただの人っすよ」

 

 自嘲気味に、八幡が身の上を語る。

 

「俺は一度命を落として、リク……ジードの命と力を借りることでよみがえった。だけど俺はクズ中のクズ、まちがいだらけのゼロどころかマイナスでしたよ。何度もリクたちの手を焼かせて……今でも申し訳なくなる時がある。……だけど、そんな俺でも出来ることを一つずつ積み重ねてって、殺し合う仲だったデュエスと友達にまでなれた。無慈悲な破壊兵器から世界を護れた。みんながいてくれたからこそ、この俺があんな大それたことを成し遂げられたんです……」

 

 八幡の胸には、支えてくれた仲間たちへの感謝がいっぱいになっていた。

 

「色んな奴と関わって、初めて分かった。誰だって苦労を重ねて、成功を掴める。どんなすげぇ力を与えられたって、いきなり飛躍は出来ねぇ。逆に言えば、コツコツ歩き続けりゃ誰でもゴールにたどり着けられるって。そしてどんな遠い道だろうと、最後まであきらめずに歩き続けられる奴に、ウルトラマンの資格がある。……俺に出来たんだから、あんたたちはとっくにウルトラマンになってますよ」

「ははッ、言うじゃん」

「屁理屈並べるのは得意でね」

 

 愉快そうに笑い合う功海と八幡。――その傍らで、克海は戸井のことを思い出していた。

 

 

 

 ――画面から生える青い腕は、鋭い爪が伸びた指で、戸井の額を指して円を描く。

 

『私が遠い宇宙からやってきたのは、何故だと思う? 君にしか出来ないことをやってもらいたいからさ……』

 

 甘い声で戸井を誘い、顎を撫でる。

 

「俺にしか、出来ないこと……」

『つまり……これだ』

 

 青い腕の指が、画面の中の戸井が創作した怪物をトントン叩いた。

 

『君はこの怪獣を世に出したいのだろう? 君を見下した世界を破壊しろ……!』

 

 再び戸井に指を突きつけ、問いかける。

 

『さぁ……こいつの名は何だ?』

 

 戸井は悪夢(ゆめ)に浮かされるように答えた。

 

「スネークダークネス……ダークネススネークじゃ語呂悪いから……」

 

 青い腕の声が歓喜で打ち震える。

 

『なかなかの中二病だッ! 君は最強最悪のスーパースターだ!!』

 

 青い腕が手の平を開き――戸井に漆黒の電流を浴びせた!

 

「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああッ!!』

 

 闇のエネルギーを一身に受けた戸井の瞳が――青い腕の眼と同じ眼光を宿した――。

 

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