愛紗から詳しい話を聞くと、劉備、張飛と義姉妹にはなっているが旗上げの途中で劉備が『天の御遣い』を探していたとのこと。
むう。かなり初期の時点でオーラロードを通っちゃったみたいだな。
「それで、エ・フェラリオが愛紗とゼットを召喚したのか?」
「はい。エ・フェラリオに召喚させたとそう言っておりました」
エ・フェラリオってのはミ・フェラリオの成長体で見た目はほとんど人間と同じ。ただしオーラロードを開けるほど力が強くなっている。でもそれは禁忌なのでやっちゃうと罰を受けるんだけどね。
30センチから人間大に進化するって○○モンと同レベルの生物かもしれない。ミフェラモン進化~エフェラモン!
ドレイクはそのエ・フェラリオを捕獲して地上人を召喚させている。当然バイストン・ウェルでは許されない行為だ。
捕まっているエ・フェラリオを早く助けた方がいいのかもしれないけど、俺としてはまだ召喚してもらいたいんだよね。たとえ禁忌でも。
だってもしかしたら華琳ちゃんたち俺の嫁さんの誰かが召喚されるかもだし、そうじゃなくてもここの地上界がどの世界なのか確認できる。
早めにエ・フェラリオを助けるのは、それを確認してからロードしてやり直す時でいいはずだ。
……
愛紗はいずれ地上界に戻るからと、リの騎士ではなく俺の直属の配下となった。ある意味レン・ブラスのポジションかもしれない。
あと、地上人とはいえ新参者を重用することにリの騎士たちから不満の声は上がらなかった。強獣狩りで関羽の強さを思い知ったからである。
もしこの愛紗の世界に行けたとして劉備とはどう話をつけるかちょっと悩むところだが、彼女の脳内では俺を天の御遣いとして劉備もろとも下につく心積りのようだ。
うん。真・恋姫、蜀ルートの一刀君ポジションだね。
なんでだ。
……実際に俺がリの王となっているから、それに相応しいと勘違いしているのかも。
「ご指示どおりに戦っただけで、これほど強くなるとは! これが天の知識なのですね、ご主人様!」
飛竜でレベル爆上げしてもらったら余計にそう思うようになったみたい。
もしかしたら魏の最強の敵を作り出したかもしれない。この超強化愛紗が華琳ちゃんの敵に回らないように気をつけないと。
そして、ラース・ワウから脱走した関羽がうちにいるとバレるのは嫌だから、正体を隠してもらうことにした。
「美髪公……いや黒髪の騎士としようか?」
「は、はい」
これでバーンも黒騎士を名乗りづらくなったでしょ。パチモンぽくてさ。
仮面も黒騎士のフルフェイスのにしようか迷ったけど目元だけ隠す方が恋姫的にあってると思ったので、黒騎士繋がりでコードギアスの黒の騎士団のバイザーみたいなのを使ってもらっている。
もう愛紗だとは気づかれないはずだ!
サーバインとナムワンのチェックも終わった。
爆弾等は見つからなかったが、やはりサーバインを開発しての量産はできないらしい。世界の制約なのだろうか?
残念だ。うちのカンストオーバーの騎士たちなら動かせるだろうに。
独自にサーバインの量産型とかが造れないかボウに相談したけど難しいようだ。
「サーバインの元になったゲドをベースにがんばってみます」
「頼む」
たぶん出来ても『試作型ダンバイン』程度だろう。あれでも強いけど、名前と見た目がちょっと、ね。
サーバインは操縦席の換装はまだだが、装甲を黒く塗るように指示した。
愛紗には俺が使っていたアルダムに乗ってもらうことに。
「オーラバトラーのテストパイロットだった愛紗には余計なお世話だろうけどアルダムにも慣れていてくれ。たぶんわかっていると思うが戦が近いようだ」
「お任せを!」
この超愛紗ならオーラバトラーなしでもきっとガッターぐらいには勝てそうだけどね。
◇ ◇ ◇
アの国から使者がやってきた。ただしドレイクではなく、やつと敵対するアの領主ロムン・ギムンの使者である。
「予定どおりか」
「どうしやす?」
「もちろん会うさ」
もうどうするかはだいたい決めたけど、実際に会って話を聞いてみたら考えが変わるかもしれないしね。
偉そうに……華琳ちゃんをイメージして、と。
「ロムン・ギブンの子、ニー・ギブンであるな?」
「さようにございます。……さすが賢王を継ぐコーイチ王。私のことをお知りでしたか」
そりゃ知ってるよ。ダンバインのメインキャラだもん。
マジでミンキーな髪型だ。実際に見ると凄いな。
「急な使者となればそれなりの理由があるのだろう。察するところ、ドレイク殿のことかな?」
「……そこまでお気づきでしたか。ドレイク・ルフトは我がアの王フラオン・エルフに謀反を企てております」
「だからそれを防ぐために力を貸せと? で、あるならば他国ではなく、まずは自国の王にこそ打診すべきだろう。それができぬのはアの国の王が噂どおりだからであろうか」
話が長くなりそうなので先手を打つ。どう考えても外国の王に頼むっておかしいよね、って。
アの国の王、フラオン・エルフはエルフとは名ばかりの愚王として有名だ。自らは享楽にふけりながら国民には重税を課し、地方領主の不穏な空気にも気づかない。
「コーイチ王はドレイクと因縁があるではございませんか」
「既に謝罪は受け入れている。これでリがドレイクを討ったら、アは侵略行為と受け取るだろう。そうならないとしてもフラオンは面目を潰されたと怒るぞ。お前たちは国という後ろ盾が欲しいのかもしれないが、他国に助けを求めるのは国家間の問題に発展しかねない悪手だ」
自国の領主が他国の王に倒されたら、そりゃただで済ますわけにはいかないでしょ。こっちはもうサーバイン貰ってるから暗殺未遂の落とし前、ということにもできない。
「ドレイクの機械化軍の力は強大無比です。次にドレイクが目指すのは世界支配ですぞ! それを防ぐため、なにとぞ聖戦士のお力を!」
「ドレイクを討ちたいだけならあるだろ、いくらでもやりようがさ。それをしないのはなんでだ? ギブン家の名を高めて発言力を上げたいからだろう?」
リが後ろ盾になれば少しはフラオンも言うことを聞くと思っているのだろうか?
逆だ。アニメ、ゲームのままの性格なら意固地になってますます話は聞いてもらえなくなる。
「違う! アの国の、ひいてはバイストン・ウェルのためです!」
「国を憂うのなら、なぜロムンはフラオンを諌めない? ドレイクがそれをやろうとしているだけかもしれんぞ」
「ドレイクのしようとしていることは謀反です。許されることではありませぬ!」
うーん。こうして考えるとやっぱりギブン家の大義名分も微妙だな。愛紗やそれこそ恋姫劉備ならすぐに納得したかもしれないけどさ。
護衛ということでそばに控えている仮面の女性をちらりと見る。愛紗である。
できれば最後まで黙って見ていてくれと頼んでいるけど、ニーに賛同したりしないでくれよ。
「そうまで言うのならばフラオン王に許可をもらってこい。でなければ助勢などできん。お前の言っているのはアの国いや、ギブン家のためにリを無駄な争いに巻き込もうとしているだけだ」
「ドレイクが次に目指すのは世界支配と言ったはずです。民も戦乱に巻き込まれますぞ。それを防ぐためにもお力添えを願っているのです!」
なにその脅迫。なんか詐欺師の手口みたいに思えてきたんだが。
ニーはドレイクを倒すことこそ正義で、それを行うためなら他はどうでもいいって考えのようだ。
「他国に助勢を願って、その国がアと戦乱になるのは構わぬと? ドレイクの討伐後はリの国がアの国を狙うとは思わないのか?」
「コーイチ王ならばそのようなことはなさいますまい」
なんて都合のいい考えだろう。
俺はお前の駒じゃないんだけど。
「ずいぶんと見縊られたものだ。俺はゴードに託されたリの国を護るためならば不穏な隣国を放置などせぬ。どうせギブン家から次にくる使者はフラオンを倒す助勢を、というのは明白だしな」
「ギブン家はそのようなことは望んでおりませぬ!」
いやさ、そうしないと結局はリとアの戦争になるしかないんじゃない?
ギブン家の口車に乗ってドレイクを討伐した場合、ロムンに革命してもらって新政府樹立、ってのがリとしては当然の道筋になりそうなもんなんだけど。
聖戦士伝説の場合は、すぐにドレイクに勝つことはできないんだけど今のカンストオーバーなリの騎団ならラース・ワウを壊滅させることができる。
ドレイクを倒すと決めるのなら俺は手加減などせずにそうするだろう。
……だけど、その後のことを考えると微妙なんだよなあ。
戦争になったらリにも被害は出る。まあ、これはカオスルートに行っても同じだから考えても無駄かもしれないとして、戦争に勝ったとしてもアの財政って愚王のせいでガタガタっぽいだろ。そんな国の面倒まで見たくないってのが本音だ。
華琳ちゃんならどうしただろうか?
「そんなだからドレイクがつけあがるのだ。フラオン王に不満を持つアの者は多い。それがドレイクを増長させている。どんな野心を持っていようがアレよりはマシなんじゃないかと錯覚するだろうさ」
「さようなことはありませぬ!」
「ニー・ギブン、我が国とてドレイクを脅威に感じていないわけではない。いや、近隣諸国の全てが関心を持っているはずだ。どこかののん気な王を除いてな。だが、王としてはそれだけでは動けん。強獣やガロウ・ランの討伐ならばいざ知らず、領主を討とうというのだ。それなりの手順が必要だろう」
「ことは急を要するのです。ドレイクは再び、地上人の召喚の準備を進めているのです」
え、もう? まだ第2章のはずなのに。
……愛紗が
「ならばこそフラオン王を説得するのだな。でなければリの国として動けんと言っているだろう。今のままでは手を貸すことなどできん」
断れられたニーはすぐに帰っていた。
これでとりあえずはカオスルートに進むか。
協力を約束したらギブン家から『ダーナ・オシー』と『フォウ』が貰えたんだけどね。それはまあいいや。
同じ武装系統でより強いアルダムがあるのでダーナ・オシーはいらないし、『ウィングキャリバー』のフォウは多目的に使える便利なオーラマシンだけど、オーラバトラーの輸送という本来の利用法を考えると合体できるオーラバトラーがかなり制限されるのでイマイチだ。
ウィングキャリバーは聖戦士伝説オリジナルのジームルグが生産できるようになればそれを使えばいいだろう。聖戦士伝説ではウィングキャリバーはそれほど使い道のないユニットだったしさ。
今回の決定後もカオスルートからロウルートへのルート変更の方法はあるので特に悩む必要もない。問題があるとすれば愛紗なのだが。
レン・ブラスのように裏切らないでくれよ。
「愛紗は彼の言う正義をどう思った?」
「心を惹かれるものもありましたがご主人様の話を伺うと、たしかにドレイクを倒せばそれで全てが丸く収まるわけではないというのがわかりました」
「わかってくれて嬉しいよ」
「はい!」
愛紗には言えないけど本当はさ、次の召喚を防ぐわけにはいかないってのも大きな理由なんだよね。
誰が召喚されるのやら。
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