ドレイクが催した宴席は地上人と最新型オーラバトラー『ドラムロ』のお披露目だったはず。
アニメ、聖戦士伝説ともにそこでゼラーナ隊が奇襲してくる。国境で撃退したけど、逃がしたからきっと来るんだろうな。
その宴席までナムワン級タペヤラに戻り、華琳ちゃん、孫権と話をする。
北郷君は連れ出せなかった。今ごろ説得されているのだろう。それとも監禁されて宴席には出てこないか?
「これが船? 本当に飛ぶというの?」
「ああ、まだオーラシップは見てなかったのか。帰りに飛んでいくからその時にわかるよ」
「信じられない……」
水軍に力を入れてる呉だから船に興味があるのかな、孫権。
髪も長いんでまだ呉王じゃなさそうだけど。
格納庫のオーラバトラー、アルダムとサーバインも見てもらう。
「オーラバトラーはもう見せたもらった?」
「ええ。でもこんなに細身ではなかった」
「あれが皇一のオーラバトラーかしら。ダンバインと似てるわね」
えっ、もうダンバインを見せてもらっているのか? アニメだとドラムロだけだったはずだけど……。
ドレイクはうちの騎団の強さを見て焦ってる?
それとも俺がサーバインを動かしたから?
「あのサーバインの改良型がダンバイン、らしい」
「ダンバインは私たちのために用意した機体だと言っていたわ。元々私の物なら持ち帰るのが当然ね」
オーラバトラーで前線に出るのは危険かもしれないけど、
それに華琳ちゃんが大人しくしているとも思えない。
ドレイクに相談してみるしかないか。
ダンバインは俺も大好きなオーラバトラーだもんな。……聖戦士伝説だとなぜかそんなに強くない残念な機体にされちゃっているけど。
「まさか皇一が王となっているとはあの子たちも思っていないでしょうね」
「みんな元気か?」
「ええ。季衣はあなたに会いたい会いたいって寂しそうにすることもあるけれど元気よ」
「季衣ちゃんだけなの? ……桂花は俺がいなくなって喜んでいそうか。あっちはどうなっている?」
俺の質問の意味を華琳ちゃんは的確に捉えてくれる。
どんな世界なのか、と聞いたことをね。
「黄巾党がまだのさばっているわ」
「なにか以前との違いは?」
話を聞いていくとやはり真・恋姫†無双ではなくて革命の方っぽいな。真・恋姫†無双の方は新婚旅行中、華琳ちゃんたちにある程度を話したんだけど、革命世界で役に立つのだろうか?
◇ ◇
「ダンバインを、であるか?」
「ええ。妻がどうしてもと聞かなくて。聖戦士専用だそうだが、乗り手がいないなら造った意味もないだろう」
「しかし……あれはまだテストも済んでおらぬ。こちらとしても全て渡すわけにはいかないのだ」
「なるほど。妻と孫権殿のダンバインは渡すから、北郷一刀のことは諦めろ、と」
むう。さすがドレイクというべきか。動かせないダンバインに見切りをつけてすぐさま逆に交渉の材料に持ってくるとは。
「わかっていただけたかな。しかし、あのコーイチ王が妻に頭が上がらぬとは意外ですな」
「ドレイク、ダンバインは私たちを誘拐した慰謝料代わりにもらっていくわ」
ドレイクの皮肉に我慢しきれなくなったのか、華琳ちゃんが強気に命令する。
「誘拐などではないですぞ」
「そうかしら? あなたの命でエ・フェラリオにオーラロードを開かせて私たちを召喚させたと聞いた。これを誘拐と言わずしてなんと言うつもり?」
「そういえば書簡にも召喚したと明記されていたな。妻と孫権殿は地上界ではドレイク殿と同じく地方領主なのだ。謝罪は必要かと」
物的証拠がこっちにあるぞ、と。
春蘭がこの場にいたらドレイクに襲い掛かっていたかもしれない。いや、確実に剣を抜いているだろう。
「……そうであったか。仕方ない。お二方のダンバインは謝罪として贈ろう。ただし、カズト・ホンゴウは」
「わかっている。大事に扱ってくれよ」
「無論である。コーイチ殿の奥方は傑物であるな」
「そうだろう。自慢の嫁だ」
北郷君のことは残念だが今は諦めるしかなさそう。
このまま残ってバーンのかわりに仮面の男となるか、それともゼラーナ隊入りしてしまうのか。
◇
ドレイクが寄越したダンバインは濃紺と緑色の機体だった。
とすると北郷君がショウ・ザマってことかな。
撃墜されちゃうかもしれないトッドとトカマクポジの2人を早めに確保できてよかったぜ。
あとさ、ショウのダンバインを水色だのアクアブルーだの説明するのは間違いだからね。それは聖戦士伝説のリ軍仕様の方だ。ショウ機は薄紫か藤色、スミレ色ってのが正しい。俺としてはあっちの方が欲しかったんだけどなあ。
まだレベルの低い2人をすぐに戦わせるつもりはないが、念のためとオーラバトラーに乗ってみてもらう。
「意外と簡単なのね」
華琳ちゃんを膝の上に乗せ、
大好きなオーラバトラーに大好きな嫁と同乗。なんて幸せなんだ!
俺のサーバインでは特殊な操縦席のせいでまだこれができないのが残念。
「オーラバトラーは思考で操作できるからね。ある程度は補助的に操縦は必要だけど」
「孫権の方も上手く飛ばせているようね」
「フィナがついているからね」
孫権の方にはフィナがサポートとして同乗している。彼女がついていれば大丈夫だ。
孫権に緑色は似合わないよなあ。どっちかって言うと蜀カラーだ。って、着陸はちゃんとトカマク降りですか。腕立て状態で着陸する孫権機を見て感動してしまった。
「2人とも、体調はどう? 疲れが酷いとはない?」
「問題ないわ」
「私も大丈夫よ」
「そうか。さっきも説明したけどオーラマシンは乗り手のオーラ力っていう『気』みたいな力を使って動くんだ。このダンバインは試作品でまだ情報が少ないから、どんな異常が出るかわからないんで実戦では使いたくない。もし今晩戦闘になってもおとなしく待っていてくれ。絶対に護るから」
ゼラーナ隊と戦うことになるだろうけど2人の安全が第一だ。
召喚されたのが孫権でよかった。孫策だったらきっと止めきれずに出ちゃうだろうから。
◇
ドレイクが開いた園遊会はアニメで見たとおりのもので俺たちも参加した。もうトルール城に帰ってもよかったんだけどね。
ドラムロ見たかったし。
華琳ちゃんと孫権にも敵対勢力の奇襲が予想されると説明している。
「あんな化け物がこの世界にはいるのね」
「あれはガッター。ああいう強獣を倒して材料にしてオーラマシンができているんだ」
ガッターとドラムロの戦いを眺めながら2人に解説する俺。
ドラムロいいなあ。
手はマジックハンドに毛が生えたような簡単な3本爪だけどちゃんと剣を持てるし、その爪の中央には
薄い頭部は胴体にめり込んでおり、ずんぐりむっくりのオーラバトラーだけど見た目どおりの重装甲で、聖戦士伝説ではさらにパワーも
せっかくカオスルートなんだし、ラース・ワウで売り出されたらすぐに買うことにしよう。
「そろそろ来るか」
バーンの操るドラムロがガッターを倒し、ドレイクの演説が盛り上がった辺りで爆発音が響く。
「これが敵対勢力? 宣戦布告もないとは賊と同じね」
まあ、そうだよなあ。
戦力が少ないから奇襲するしかないんだろうけど、それだったら確実にドレイクを仕留めないと。これじゃ脅しにもならない。
ギブン家の覚悟は中途半端すぎる。
「2人とも、タペヤラに向かうよ」
ドレイクに騎団を出すと断って、リの騎団が出撃する。
ダーナ・オシーに乗っているのは相変わらずニー・ギブンだ。
聖戦士伝説ではここで主人公がオーラバトラーに乗っていた場合、一騎討ちが発生するせいか俺とニーの戦いに邪魔は入らなかった。
「やはりドレイクにつくか、コーイチ王!」
「これは自衛だ。この場には妻もいる。襲撃者の貴様を倒すのは当然だろう、ニー・ギブン!」
警戒していたしセーブもしてあるけれど、もしかしたら華琳ちゃんが爆発に巻き込まれたかもしれないだろうが!
飛び道具のないサーバインにダーナ・オシーがミサイルランチャー――聖戦士伝説では文字数の関係か、ミサイルランチャ表記――で遠距離攻撃を仕掛けてくる。
難なくこれを回避して攻撃。オーラソードの一撃で片腕を落とされたダーナ・オシーはすぐに森へと消えていった。
「追わないのですか?」
「タペヤラの安全確保が最優先だよ」
地上人を渡すわけにはいかない。
混乱に乗じてドレイクが華琳ちゃんたちを攻撃したり、拉致しようとする可能性だってある。あまり離れるわけにはいかないのだ。
この後、逆賊ロムンを討つために力を貸せとドレイクに頼まれたが断った。ギブン家の誘いを断った時と同じことを理由にして。
「先程は自衛のために戦いはしたが、これ以上するつもりはない。アの国王の許可が出ない限りは手を出せばリの侵略行為となろう」
本当はレベル上げも済んでない華琳ちゃんと孫権を戦場に出せるかってのが一番の理由だ。
俺たちはさっさとトルール城へと帰ろう。
本当は北郷君もつれて帰りたいけど、ショウならば落とされることはないと自分に言い聞かせることしかできない。
心友の一刀君の方だったら無理やりにでも連れて帰ったのになあ。
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