新型オーラ増幅器の設計図は本物だったようでボウが喜んでいた。ゼラーナ二番艦も同様だ。
完成するのは少し後になるみたいだけど、アニメ、聖戦士伝説のどちらにもなかった展開なのでどうなるか楽しみである。
「リムルがくれた物が役に立つとはな」
「彼女、コーイチ王にかなりお熱のようね」
「やめて、それだけは考えないようにしてるのに!」
リムルはあの濃い両親から生まれたというのが信じられない美少女と言っていいだろう。
だが、やらかしすぎる。
アニメでは彼女のわがままでまわりが迷惑を被ってばかりいた。
恋した相手のために動こうとするが能力が追いつかないのだ。しかもそれを理解しておらずにでしゃばる。聖戦士伝説でも能力が低く、強いオーラバトラーに乗せるのにも苦労するほど。
つまり、俺はリムルにあまりいいイメージがないのだ。
「あの毒婦、娘の結婚相手はビショットよりもコーイチ王と考えているようですな」
「華琳ちゃんの正室発表を早めにしといてよかった……だいたい、リムルは俺の知ってる物語だとニーと恋仲のはずなのに」
「あれより皇一の方がいい男だとわかったのでしょう。それとも、顔だけ見て決めたのかしら」
「コーイチさんは綺麗だもの。シャオだってあの顔を見れば同じようになりかねないわ」
蓮華は最近、俺のことを「コーイチさん」と呼ぶようになった。「コーイチ王」って呼ぶのを止めてって頼んだら次は「コーイチ様」だったので、なんとか「さん」で妥協したよ。
「だって皇一は魔性の美貌の聖戦士よ」
「それやめてってば。恥ずかしすぎるんだから!」
聖戦士なのに魔性ってどういうことさ。もうちょいマシな異名がほしい。なんとか竜とかさぁ。
「ご主人様が王になられておられなければ、ご主人様をめぐって争いが起きていたかもしれぬ。まさに傾国の美男かと」
「それほめてないよね! ったく、愛紗まで。今度そんなこと言ったら愛紗のことは美髪公って呼ぶから! ……北郷君がドレイクのとこに残っていたらリムルも攻略してくれただろうに」
「北郷ならばやりかねないわね」
ドレイクのとこにいれば、ガラリアやミュージィを攻略しただろうな。もしかするとルーザですらも。その方がよかったのに。
北郷君はゼラーナへ行くことでキーンやエレ、シーラを攻略できるルートへ行ったということだろうか。
あ、チャムもいたな。彼ならばサイズの差ぐらい問題あるまい。
「そのカズト・ホンゴウだが無事にゼラーナと合流したようですぜ。サーラから報告がありやした」
「そうか。そうなるとドレイク軍のゼラーナ狩りも近いか」
「ええ、どうしやす?」
ここで出撃するを選ぶと、北郷君と戦うことになる。彼に敵対視されるのは確実だ。
……どうせそうなるんだけど、それはまだ先送りしたい。
「傍観だよ。またリムルが出てきたらどうする」
この後、サーラからマウンテンボンレスでのギブン家の情報を聞くはずだけどそれも放置しよう。リムルを捜索していたアニメのイベントだからね。アニメで彼女が持ち逃げした設計図はもう貰ってあるから、行っても収穫はないだろう。
もしかしたらダンバインがゼラーナ二番艦になったような変化はあるかもしれないけど、マウンテンボンレスはアの国。ドレイクの誘いを断る建前を失いたくはない。
◇ ◇ ◇
フリーシナリオすら無視して政務や強獣狩りに勤しみ、夜は華琳ちゃん、愛紗と新婚性活という充実した日々。
その間にゼラーナ二番艦と設計図の新型オーラ増幅器を使用した新型オーラバトラーが完成した。
「うん。ちゃんと格納庫には扉をつけてくれたな」
「はい。他にも艦首への通路等、全般的に装甲を施しました」
その辺は本当に危ないからな。
防御力を犠牲にしてスピードを求める考え方は嫌いじゃないけど、戦闘機ならともかく巨大な戦艦には向かない開発思想だと思う。
「重量が増した分はコンバーターの改良と新型オーラ増幅器の搭載により対応しました。そのせいで必要オーラ力は増えてしまいましたが……」
「うちの騎団なら問題はあるまい」
オーラシップの
マスタードラウゲン率いる竜騎士たちだってカンストオーバーばかりだったりするのだ。こないだのパンツァー亜種がレベル爆上げに大活躍さ。
その気になればもうバイストン・ウェルだって征服できちゃうかもしれない。……征服後に支配する人手が足りないからやらないけどね。
「量産はできそうか?」
「素材が特殊なのでちょっと無理そうです」
「そうか、ならばナムワン級の改良を頼む。これの艦名は……ナムワン級がタペヤラだからプテラノドンにしよう」
俺たちの翼として活躍してくれることを願い、最も有名な翼竜の名を付けた。
よく見ると艦首には黒く塗られたフォウもついている。これも工場で見つかった未完成品を完成させた物だろう。
次に紹介されるのはオーラバトラー。
2種類の機体が並んでいた。
「サーバインとダンバインを参考にした機体に新型オーラ増幅器を搭載しました。性能はアルダムを上回ります」
「これは……『ブラウニー』か?」
キター! 聖戦士伝説にも出てないオーラバトラー!
ブラウニーは『ビランビー』の前身になったって設定のオーラバトラーだ。
ボウは凄いな。
「そしてこちらが試作型ダンバインにございます」
「これが? 見た目はほとんどダンバインと同じようだな」
「はい。注文どおり地上人専用ということでオーラ増幅器は搭載しておりません」
聖戦士伝説の試作型ダンバインはゲドバインとしか言いようのない、ゲドにオーラショットをくっ付けてダンバインぽいカラーにしただけの間に合わせの急造にも程があるだろう、ってな外見だったのに。
こっちのはダンバインと多少の違いしかわからない。
華琳ちゃんと蓮華のダンバインがアニメ版のなら、これは聖戦士伝説のオープニングに出てきたダンバインといったところだろう。
「俺の知ってる試作型ダンバインとは違うからこれは……『カットグラ』と名づけよう」
カットグラは小説『オーラバトラー戦記』の主人公機だ。Ⅲまであるから、Iがゲド、Ⅱがダンバイン、Ⅲがビルバインに相当するともいわれている。
「カットグラには愛紗が乗ってくれ。色もそのつもりで用意してもらったんだ」
「了解しました、ご主人様」
カットグラの色は緑。ただしトカマク機の緑よりも明るい若竹色だ。配色も違う。
「
「いくら一騎当千のオーラバトラーがいたって数も必要よ」
「そうだった。ブラウニーを量産……ドラムロと比べてからでいいか。取りあえずこのブラウニーはナラシに使わせよう」
聖戦士伝説ではナラシ・ハモニは三騎士の中で一番使える。なぜか艦長にはなれないのが玉に
「ブラウニーは火器を内蔵してないようだが、アルダムのミサイルランチャーを持たせてやればいいだろう」
聖戦士伝説だと持ち変えられるのはなぜか剣だけなんだけどね。発射のために機体独自の機構が必要なボゾンのガッシュやダンバインのオーラショットならともかく、他の武器だって共用できそうなのあるのにさ。
◇ ◇
新型オーラバトラーを完成させたのはうちだけではなかった。ドレイクのとこもビランビーを完成させたとの情報が入ってくる。
うちのブラウニーとどっちが強いだろう?
サーラの情報はそれだけではない。
「ロムン・ギブンが討ち取られたよ」
「北郷君とゼラーナ隊は?」
「そっちは健在さ」
聖戦士伝説と同じか。ゼラーナにマーベル担当の愛紗がいなくても、ドレイクにトッド担当がいないからバランスが取れちゃっているのかね。
ま、その分うちが強くなっているんだよ。両方がいるんだから。
ドレイクの使者がやってきた。
討ち取ったロムン・ギブンの死体からミの国王と共謀してアの国を侵略しようという手紙を見つけたので、自国を脅かすミの国を成敗したいから力を貸せという書簡を持って。
俺は断ったよ。
「協力しないでよかったのかしら?」
「あの手紙はでっち上げだ。ミの国は軍備に力を入れてなかったらドレイクに狙われている。ただの侵略だよ」
あとね、出撃したとして戦場は『レッド・バーの砦』だ。なんか赤壁みたいな名前で華琳ちゃんには不吉でしょ。これは言わないけどね。
言うと華琳ちゃん、絶対出たがるだろうし。
「邪魔なギブン家を始末して、ドレイクは野望を露にし始めたということね」
ここで断ってもどうせミとの戦いには参戦することにはなる。
今はドラムロかブラウニーがすぐ量産できるように強獣を狩って資金と素材を集めておく方がいいだろう。
プテラノドンやカットグラにも慣れないといけないしさ。
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