聖戦士†有双 (恋姫†有双分岐ルート)   作:生甘蕉

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20話 道場再び

 蓮華も増えて贅沢すぎる素晴らしい初夜を終えると、俺は華琳ちゃんに殺された。

 俺が限界突破(カンストオーバー)したせいで殺しにくくなったってこの前は言われたけど、今回は華琳ちゃんもカンストオーバーしてるんであっさりと殺されたよ。

 

「ご主人様!」

 

「華琳! なんでコーイチさんを!」

 

 チェックを済ませて道場へと現れた愛紗と蓮華が俺の殺害で華琳ちゃんを責めている。

 ま、そうなるよね。

 

「2人とも落ち着いて」

 

「ごっ、ご主人様!? 首を刎ねられたのでは……」

 

「コーイチさん?」

 

「皇一も言ったでしょう、落ち着きなさい。周りをよく見ることね」

 

 華琳ちゃんに言われて部屋が変わっていることに気づく2人。

 そして今度は春蘭が俺に詰め寄る。

 

「おい、関羽と孫権がここに現れるとはどういうことだ?」

 

「華琳さまだけでは飽き足らずにこの2人も襲ったのね、強姦魔!」

 

「いや、俺にそんなことができるはずがないっつの! 」

 

 嫁にそう言われると泣きたくなる。

 華琳ちゃんに関しては仕方がないのかもしれんけど……。

 

「だが、この道場にいるということは無理矢理かどうかは別として、抱いたということの証明に他あるまい」

 

「えっ、兄ちゃん浮気したの? 華琳さまや兄ちゃんがいなくてボクたちがむちゃくちゃ苦労してる間に!?」

 

 季衣ちゃんだけがこの道場での俺の癒しなのに、彼女までが俺を責め立てる。

 もう泣いちゃっていいよね。

 

「本当にご主人様なのですか? 確認させてもらいます!」

 

 愛紗が俺の眼鏡を奪う。くっ、油断してた。

 ここならば眼鏡をしたままでいいと思ったのに!

 

「その顔、まさか本当に?」

 

「コーイチさん!」

 

 俺の胸に飛び込んできた蓮華。その目は涙に濡れている。

 ずるい!

 俺より先に泣くなんて!!

 

「わ、私、あなたが死んだものかと……」

 

「え、えっと、死んだのはたしかだよ。でも生き返るから安心して」

 

「そんな馬鹿な!」

 

 俺と抱きついて泣く蓮華を睨む愛紗。もしかして怒ってます?

 俺でもちゃんと嫉妬してくれてるの?

 蓮華との結婚も許してくれたから俺のことは嫉妬するほど好きじゃないと疑っていたんだけどさ。

 

「嘘ではないわ。現にこうして会話もしているでしょう。蓮華、その男の体温は死人のものかしら?」

 

「本当に生きているのですか?」

 

「ああ。愛紗の苦手な幽霊じゃないからね」

 

 この道場にいる間は幽霊みたいなもんかもしれないけど、わざわざそれを言う必要はない。

 

「いったいどうなっているのです?」

 

「これこそが俺の力らしいんだけどね」

 

 2人が落ち着いたのを見計らって、ゆっくりと俺は説明した。

 信じてくれるといいのだが。

 

 

 ◇

 

 

「まさか、そんなことが?」

 

「俺自身もなんでこうなったのか原因はわからないけど、本当なんだ」

 

 それこそ道場主である孫策に聞くしかないのに、革命世界でまだ生きているせいなのか、道場に現れないんだよ。

 思い当たることといえば恋姫と聖戦士伝説のどちらとも俺が何周もやりこんだゲームだってことぐらい。

 

「そして、この道場へと皇一以外の者が現れ、やりなおした時に記憶をひき継ぐ条件は皇一に抱かれること」

 

「そ、それではこの者たちもコーイチさんと?」

 

「うん。みんな俺の嫁さん」

 

「……ずいぶんと幼い者も交じっているようですが」

 

 愛紗の視線が俺を貫く。

 だが否定はできない。というか初めの頃はその幼い季衣ちゃんと華琳ちゃんしか嫁にするのは無理だと思っていたんだよね、俺ってば。

 

「全員俺の大事な嫁さんだよ。もちろん季衣ちゃんも」

 

「ボクは幼くなんかないよっ!」

 

 幼い方がいいのに。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 道場で少し長く打ち合わせた後、初夜直前のセーブから再開。

 愛紗と蓮華は生き返った俺に微妙な表情だったが、もう一度蓮華の初めてをもらって巻き戻ったことを証明した。

 セーブが増えててよかったよ。華琳ちゃんと愛紗の初めて直前と同様にこの直前のセーブを残しておけるもんね。

 

 数日後、完成したドレイク軍の砦に赴く。

 今回はプテラノドンとワイバーンの両方でだ。三騎士も連れて行く。

 ドラムロを使う兵も増えたのでトルール城が襲われることになっても大丈夫だろう。

 

「新婚早々、かたじけない」

 

 そう思うんならドレイク、さっさとエルフ城落とせよ。

 ドレイクとの作戦会議、リの騎団は迷ったけど本陣である砦の防衛を選んだ。リの騎団が先陣を切ったら強すぎてエルフ城が簡単に落ちてしまって、この後の地上界へ行くテストがどうなるかちょっとわからないからね。

 

 ドレイク軍守備隊の指揮はやはりガラリアが取っていた。

 結婚式にきてくれてありがとうな。

 

「ちょっとルーバックへ行ってくるよ」

 

「ルーバック……黒金の刃騎士団か。砦の守備を任されてなければ私が行きたいところです」

 

「ゼラーナのパターンからいって、この砦に奇襲を仕掛けてくる可能性が高い。それまでには戻ってくる予定だけど守備隊の主力であるガラリアが離れるわけにはいかないだろう?」

 

 アの国のルーバックの町に駐屯する黒金の刃騎士団はアの騎士にしてはなかなかに強いと有名だ。必要オーラ力の大きなゲドを使う騎士団なのだから、騎士のオーラ力も高いのだろう。

 聖戦士伝説では放置してもエルフ城攻略に影響はないが念のために倒しておきたい。

 残しておいてもドレイク軍に入るだけだろうから、後のことを考えるとね。

 

 まあ、そうは言っても所詮はゲド。苦戦はしまい。ガラリアが乗る新型オーラバトラー、バストールの力も確認したいからさっさと戻るよ。

 ここは足の速いプテラノドンのみで出撃した。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 やはり黒金の刃騎士団は強くなかった。ゲドじゃね。練度もそれほどじゃなかったし。騎士団が強いのではなく、オーラバトラーという存在が強くて有名だったのかもしれない。ドレイクのところを除けばオーラバトラーの騎士団なんて他になかったのだから。

 サクッと倒して砦に戻るとガラリアがやさぐれている。

 騎士にとって城攻めは名誉らしく、城攻めに加われなかったことが悔しいようだ。

 

「ガラリア、本陣を守るのも重要な仕事よ。その程度のことがわからぬ者にあなたの主も身を守らせたりなどしないはずよ」

 

「曹操殿?」

 

「力が余ってるというなら相手をしてあげるわ。ベッドの上でね」

 

「華琳ちゃん!? 気を悪くしないでくれガラリア、これはからかっているのではなく、妻は本気で誘っている。妻は美しい女性に目がなくてね。ガロウ・ランやエ・フェラリオ以上に性に貪欲なのだ」

 

 うん。自分で言っていてこれフォローになっているかわかんなくなってきた。

 華琳ちゃんは気にしないだろうけどさ。

 

「そう褒めなくてもいいわ。それに男は皇一だけよ」

 

「そこは信じているから!」

 

 俺と華琳ちゃんのやり取りを前に大きくため息をつくガラリア。

 

「私は騎士だ。そのお誘いは拒否させてもらう」

 

「ああ、うん。断られても怒ったりしないから気にしないでいい。で、頭は冷えたかいガラリア。そろそろゼラーナがきそうだよ」

 

「なにか情報を掴んでいるのですか?」

 

「まあ、ね。ほら、来たみたいだ」

 

 情報といえばたしかに情報だよな、うん。ゲーム知識だけどさ。

 爆発音と軽い震動がして、ゼラーナからの攻撃だと報告に来るドレイク軍の兵士。

 ガラリアは兵に怒鳴るように指示を出しながら、出撃していく。

 

「ガラリアとの閨の分まで楽しませてもらうわよ」

 

 華琳ちゃんの呟きはゼラーナ隊に向けてのものだろうか。それとも俺か……。

 ベッドでなら頑張るよ。カンストオーバーでの高オーラ力のせいか、俺がこの年齢だった頃よりも精力も増大してるみたいなんだよね。

 持続力、回復力ともに信じられないぐらいになってる。華琳ちゃんが研究中の強獣素材によるスタミナ料理――強獣の内臓やアレを使用――も関係しているのかもしれない。

 ……華琳ちゃんたちもだけどね。

 

 俺たちも出撃してゼラーナ隊を迎え撃つ。

 もっとも今回は北郷君の相手はガラリアに任せるつもりだ。

 

「見せてもらおうか。ガラリアのオーラバトラーの性能とやらを!」

 

「速いわね。ダンバイン以上の速度が出ている。サーバインと同じくらいかしら?」

 

「それに細身でありながら力も強いようだ」

 

「姉様が欲しがりそうなオーラバトラーね」

 

 バストールを観察する俺たち。ゼラーナ隊だけしか来ていないので数の上で差がありすぎる。ニーのボゾンの相手を三騎士に任せるぐらいに余裕だった。

 実は聖戦士伝説のバストールは移動力だけが高くて耐久力(DP)が低い打たれ弱い機体だ。

 だがこうして見る限り、この世界のバストールは嫁さんたちのダンバインと同じくアニメと同じ高性能機のようである。

 

「ニー・ギブン。相変わらずの逃げっぷりね」

 

「うん。まあ三騎士にも無理に倒すことはないって言ってあったけどね」

 

 さてと、ガラリアが深追いしないよう説得しないとな。

 疲れるけど春蘭を説得するよりは楽なはずだ、きっと。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 砦に設置された機械の館で補給中なのだが、ガラリアがまだ不満そう。

 

「ガラリア、ゼラーナを逃がしたのが気に入らないのだろうが、あれは懲りずにまたくる。今度はゼラーナ単独ではなくアの援軍も連れてこよう。バーンの城攻めも上手く行ってない。功を焦ることはないだろう」

 

「ですが!」

 

「まだ血が滾っているようならば私が稽古をつけてやるぞ。ご主人様の仰るようにいつまた敵がくらかわからんから軽くだが。よろしいですね、ご主人様?」

 

 俺に許可をもらうと愛紗とガラリアが場所を変えて手合わせを始めた。

 ここは練兵場だろうか。

 刃が入っていない訓練用の剣だけど2人の気迫が凄い。これで軽くとか……。

 

「やっぱ関羽はええなあ」

 

「張遼?」

 

 いきなり声をかけられてビックリした。いつの間にか張遼、呂布、馬騰も観戦している。

 ドレイクがまた引き抜かれるのを嫌ってか俺にはあまり会わせないようにしているみたいで、3人とは砦に来て初めて会う。

 

「ウチらもいい加減出陣せんとつまらん、退屈なんや」

 

「……ん」

 

 呂布はなんか干し肉っぽいのを食べながらだ。かなり大きな塊だ。強獣の肉だろうか。

 

「退屈か。飛竜で来てたら見せてあげたんだけど」

 

「飛竜?」

 

「リの騎士はオーラマシンだけじゃなくて、飛竜にも乗るんだ。ドラウゲンって強獣に装甲を着せたパンツァードラグーンってやつで慣れると可愛いよ。オーラマシンはこっちでも見れるだろうけど、飛竜はまだだろう?」

 

 動物好きの呂布が気になるようなことを言ってみた。

 できれば仲間に引き入れたい。

 

「そいつはちょっとオレも気になるぜ」

 

 馬騰も興味を示すか。

 こっちの一角馬(ユニコン・ウー)はもう乗ったんだろうなあ。

 顔色があまりよくないように見えるのは気のせいか?

 

「機会があれば乗せよう」

 

「よろしく頼むぜ」

 

「……ん」

 

 これでいきなりリの国に来てくれることはないにしろ、仲間になってくれる可能性が少しでも増えてくれれば嬉しい。

 で、やはり愛紗が圧倒し続けて訓練終了。呂布や馬騰も戦いたかったが、ゼラーナの再びの襲撃。今度はやはりアの軍も連れてきていた。

 ゲドがたったの4機だけどね。

 フラオン・エルフがゴネてエルフ城の守備隊から援軍を引き出すのって大変なんだよ。ロウルートに行きたくなかった理由の一つさ。わかっててもムカつくんだよ、あの愚王。

 エルフって名前のとおりに女エルフだったりしたら華琳ちゃんもあっちについただろうに……。

 

 今回の迎撃にはエルフ城攻めに失敗したバーンも参加していた。ドラムロも出ているけど、張遼たちの出撃はまだみたいだ。

 ガラリアが出ていないのは聖戦士伝説のとおりなんだけどバストールがメンテ中なのかな?

 あのオーラバトラーはパイロットに合わせての調整が可能なのが売りだし、それで時間がかかっているのかもしれない。

 

「ゼラーナ隊も忙しいな。リの騎団も明朝のエルフ城攻めに参加することになっているから深追いはしないように!」

 

「そうね。早く終わらせて楽しむとしましょう。今夜は4人でよ」

 

 本当にすぐに終わらせるつもりなのか、早くもゲドを1機撃墜する華琳ちゃんのダンバイン。

 

「ゲドではやはりこの程度ね」

 

 蓮華ダンバインもゲド相手では苦戦するはずもなく切り捨てていた。

 

「この程度、ご主人様の手を煩わせるまでもない!」

 

 愛紗にいたってはゲドを2機まとめて撃破。……聖戦士伝説じゃ爆発系の攻撃がないと無理なんですが。アニメのオープニングみたいにカットグラの両腕にオーラショットつけたんだけどさ、これがオーラシュート?

 俺の見せ場もなしにゼラーナは引き上げていった。

 

 

 ◇

 

 

「やはりザラルの森近くにラウの部隊がやってきたみたいだ」

 

「鉱山を狙ってでしょうか。迎撃に向かうのですか?」

 

「いや、襲撃に備えて駐屯させていたドラムロ隊によって撃破されたってさ」

 

 フリーシナリオのイベントなんだけど、どこに来るかわかっているんなら前もって部隊を派遣しておけばいい。リで今ドラムロに乗っているのは一般兵といいながらも、カンストオーバーになったいわばエリート兵だ。ボゾンやグナンなんて敵ではない。

 ラウもなんでうちに攻めてくるかね。リはまだ直接ラウには攻めていないのに。もう完全に敵国としたってことか。

 

「鉱山は無事だよ。で、鉱山で完成した鉄を使って作られた剣を持ってきたよ」

 

 サーラはどうやって持ってきたのか、オーラバトラー用の剣、カ・オスソードを持ってきてくれた。

 ……これ、強いんだけどデザインが微妙なんだよね。コンバーター横の鞘にも入りそうにないしさ。

 

「誰か使いたい?」

 

「私はいいわ」

 

「私も遠慮する」

 

 誰も使おうとしなかった。早くグラバスソードができればいいんだが。各人の好みに合わせた武器形状にしているせいか時間がかかってしまっている。

 

「いよいよ明朝ね。予定に変わりはないのね」

 

「うん。俺が消えても必ず戻ってくるから、その間のことは頼むよ」

 

 そう。いよいよ明日、北郷君との戦闘でオーラロードを開いて地上界へ出る予定。しばらくは会えなくなるかも知れない。

 だからこそ今夜は4人でと華琳ちゃんもさっき言ったのだ。

 

「必ず戻ってきて」

 

「当たり前だよ」

 

「ご武運を」

 

「みんなもね」

 

 気になっているのは、()()地上界に出るかだ。

 アニメ、聖戦士伝説と同じ、ショットやゼットのいた80年代の地上界か。

 いや、それは俺と北郷君だと可能性はないだろう。

 そうなると北郷君の故郷、フランチェスカ学園のある地上界、もしくは俺が生まれた世界、ということになるのかな?

 

 俺としては季衣ちゃんたちがいる革命っぽい恋姫世界の方がいいんだけど、そっちはまだ行ったことがないんだよね。

 無印恋姫世界だったら行けそうだけど、もうあっちは消滅してるかもしれない……。

 

 

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